形状測定機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、形状測定機のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。形状測定機関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:株式会社東京精密、2位:株式会社ミツトヨ、3位:株式会社小坂研究所となっています。
形状測定機とは、物体表面の形状を正確にトレースすることで、輪郭形状を記録、解析、測定するための装置です。
スタイラスと呼ばれる触針を用いる接触式のものと、レーザ等で表面をなぞる非接触式のものがありますが、非接触式の形状測定機は物体表面の材質や性状に大きく左右されるため、接触式のものが広く普及しています。
分解能は高く、輪郭形状のトレースは0.001mm以下で行うことができますが、スタイラスの可動範囲を超えた測定はできないため、測定対象を正しく位置合わせして置くことが求められます。
形状測定機は、物体の寸法、角度、段差、ねじピッチなどの輪郭形状の測定・解析に関わるもの全般に使用されます。
CNC制御が可能な機種は一連の測定動作をプログラムとし、ラインサイドでの自動計測として使用されることもあります。
ペットボトルの蓋のねじ形状などのように、規格化されたものは形状測定機により品質管理されることが一般的です。
また、形状そのものに特許を取得した製品などは、その輪郭形状を細かく規定しています。
接触式の形状測定機は、測定対象の輪郭形状を水平方向に移動する検出器とスタイラスの上下動の変位をプロットします。
デジタルスケールにより、0.001mm程度のピッチで水平方向の移動によるX座標とスタイラスの上下位置のY座標をプロットし続けることで輪郭形状をトレースします。
測定対象の水平軸と検出器の移動軸が平行になっていない場合は傾いたまま輪郭形状をトレースしてしまうため、正確に測定するためには測定前の位置決めが重要になります。
多くの形状測定機のスタイラスは、ピボットと呼ばれる中心を軸に円弧運動を行います。そのため、スタイラスが水平位置からの上下動が大きくなるほど円弧による水平方向の誤差が発生します。スタイラス先端の位置は、この誤差を常に補正しながら検出する必要があります。
また、接触式の場合、スタイラス先端が測定対象に接触し続けるため、スタイラスが摩耗します。スタイラスが摩耗することで、摩耗量に応じてスタイラス先端の位置が変化します。定期的にスタイラス先端の形状を確認し、摩耗量に応じた補正を行う必要もあります。
通常、形状測定器と輪郭形状測定機は同じものを指します。しかし、厳密に意味を分けて名称を使用しなければならない場面もあるかと思います。
厳密に両者を分ける場合、輪郭形状を連続測定できるかで分けます。輪郭形状測定機の場合、スタイラスによる接触測定でのトレースなどが多く用いられています。対して、形状測定機の場合、連続測定ではなく、等間隔のピッチである程度離れた距離の変位を測定し、その測定点を結ぶことで形状を表します。測定ピッチの間の変位は測定できないので、ピッチを短くするか、測定点の座標から近似式を求めて補完することになります。そのため、測定ピッチの細かさにより正確に形状を測定できるトレース力や最小分解能などの精度が異なってきます。両者を厳密に分ける必要がある場面では、この違いによって区別します。
据え置き型の形状測定機では測れないほどの巨大なもの測定する場合や、ラインサイドで簡易的に測定する場合は、ハンディタイプの形状測定機を使用することになります。
巨大なものをハンディタイプの形状測定機で測定する場合、全体の形状測定を行うことは不可能なため、寸法公差が厳しく求められる個所や形状の変化が機能や性能、安全性に大きく影響する箇所など、測定個所を限定して使用することになります。出荷前検査だけでなく、使用後の定期検査で摩耗や経年変化の度合いを確認するなどの使用用途もあります。
ラインサイドで使用する場合は主に抜き取り検査での使用になりますが、据え置き型であっても用途は足りてしまうため、必然的に据え置き型と併用されることが多くなります。そのため、各社メーカーではハンディタイプの形状測定機のラインナップは縮小傾向にあります。
表面粗さ測定機の測定原理は水平方向のX軸とスタイラスの上下動であるZ軸方向の変位を組み合わせて測定します。これは、形状測定機でも同様の測定原理ですので、X軸とZ軸の測定可能な範囲であれば表面粗さ測定機を形状測定機として用いることも可能です。例えば、電子基板の回路などの極微小な凹凸の輪郭形状を測定する場面などで使用されます。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/shape.jsp
https://www.mitutoyo.co.jp/useful/catalog-13-51/html5.html#page=557
各種形状測定機の値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | CV-2100M4 | CS-H5000 CNC | サーフコム CREST DX/SD | サーフコム NEX 100 | EF550-G18/-G18D | EF650 | EF550-M50/-M58/-M58D | EF650D | NH-3SP | |
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X軸測定分解能 [µm] | 0.1 | 0.005 | 0.54 | 0.016 | 0.1 | 0.5 | 0.1 | 0.5 | 0.02 | 4 |
Z軸測定分解能 [µm] | 0.1 | 0.001 | 0.31 | 0.015 | 0.5 | 0.1 | 0.25 | 0.05 | 0.001 | 4 |
会社名 | 株式会社ミツトヨ | 株式会社ミツトヨ | 株式会社東京精密 | 株式会社東京精密 | 株式会社小坂研究所 | 株式会社小坂研究所 | 株式会社小坂研究所 | 株式会社小坂研究所 | 株式会社菱光社 |
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形状測定機のカタログ一覧はこちら企業
株式会社中央電機計器製作所 株式会社フジ カールツァイス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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Metoreeに登録されている形状測定機が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
サーフコムCRESTDX/SDは、レーザー干渉センサーーを用いた3D形状測定機です。
光ファイバーレーザーシステムを応用することで分解能は0.31nmと非常に高解像度で、マクロな形状だけでなく微細形状も把握することができます。
形状測定の際のセンサー駆動は高精度なリニアモータを使用することで、高倍率の計測時にも振動を抑えた高速スキャンができます。
測定範囲は200mm×13mmと広面積であり、傾きを持ったサンプルでも±45度の自動傾斜制御により形状計測できるが特長です。
サーフコム2800Gは、AIを駆使した快適な操作性を持つ輪郭形状測定機です。
従来手動で設定していた計測条件を、AIによる自動測定機能に任せることができるため操作性能が上がり、計測準備の時間を短縮することができます。
計測動作だけでなく、解析手順も記録することができるため、毎回決まった計測であれば半自動化が可能です。
計測形状を合成する機能を持たせたことで、センサーの角度による検出器の計測角度制限もなく、急峻な立体形状のサンプル計測時の問題を解決できます。
サーフコム1800Gは、AIを駆使した統合測定システムにより快適な操作性を実現した輪郭形状測定機です。
計測動作だけでなく、解析手順も記録することができるため、毎回決まった計測であれば半自動化が可能です。
計測形状を合成する機能を持たせたことで、センサーの角度による検出器の計測角度制限もなく、急峻な立体形状のサンプル計測時の問題を解決できます。
解析用のソフトウェアはガイダンスが表示されるウィザードモードなど操作性に優れた設計になっています。
コントレーサCV-2100シリーズは、らくらく操作にこだわった形状測定機です。
X軸の動作は、装置横のジョグを動かすことでシンプルに動作でき、その動作速度も簡単に設定できます。
すべてのボタンとジョグは同じ姿勢で操作できるため、作業者の負担の低減と作業時間短縮による生産性向上に貢献します。
ワンショット測定のシングルモードや複数回計測するためのプログラムモードが選択でき、計測結果は簡単な報告書にまとめる機能もあるため、計測から解析までこれ1台で完結します。
VR-5000は、あらゆる空間周波数帯もカバーする3次元形状計測機です。
試料台にサンプルを置くだけで、マクロな形状から表面粗さといった微細構造までたった1秒で計測が可能です。
あらかじめ閾値設定をしておくことで、計測結果の合否判定まで自動で行えます。
一般的に難しいとされるC面などの面取り部分の計測や、歪みや反りなどのある表面部も内部ソフトによって補正することで計測解析が可能です。
計測したデータ間でCADを用いた形状比較をすることもでき、欠陥評価のフィードバックも簡単にできます。