静電気測定器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、静電気測定器のメーカー16社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。静電気測定器関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:トレック・ジャパン株式会社、2位:白光株式会社、3位:シムコジャパン株式会社となっています。
静電気測定器 (英語: electrostatic instrument)は、対象の帯電により生じた静電気を測定する機器です。非接触型センサーを備えた機器であり、対象にセンサーを向けるだけで測定が可能です。
静電気を測定する機器は正式には、表面電位計もしくは静電電位測定器と呼びます。
測定の単位はV(ボルト)として表現されます。電圧が高ければ帯電が大きく、静電気が多いという評価になります。
主に製造現場で用いられ、製造ラインの静電気のモニタなど用途に応じて機器の形態が異なります。
主に製造現場において、静電気をモニタするのに用いられます。静電気によるトラブルがいくつか想定され、その対策として静電気のモニタリングが必要となります。
静電気は帯電すると、電界を生みます。静電気測定器のセンサーはこの電界強度を測定する仕組みを持っています。
電界強度の測定では、測定値はセンサーと対象物の距離に大きく依存します。測定対象との距離が離れると、電気力線の本数が少なくなるため測定値は小さくなっていきます。また、測定対象の大きさにも依存します。測定対象の面積が小さくなると測定値は実際よりも小さくなっていきます。
測定距離依存性の問題を解決するための工夫として、電圧フィードバック型表面電位計という測定システムがあります。対象物にセンサーを近づけた状況でセンサーに対して電圧をかけて、電界強度がゼロとなるような電圧を記録することで、被測定対象の電圧とする測定方法です。
距離や大きさのほかにも影響を与える要素があります。人体にある帯電が測定に影響を及ぼす恐れがあるため、正確な測定には測定器のアースが重要です。また測定時の湿度のコントロールや、適切な校正が必要とされます。
静電気測定器は、測定する物体表面に帯電した電荷を、定量的に測定する装置です。この装置は、一般に測定対象に向ける非接触型のセンサーとセンサーから得られた情報を計算、表示する本体で構成されています。尚、装置によってはセンサーと本体が一体になっているものもあります。また、名称は「帯電電位計」「表面電位計」等の名前でも呼ばれます。
測定値の表示は電圧の単位の〇〇V(ボルト)です。但し、電荷の大きさに比例してkV,Vと表示単位が異なりますので注意下さい。静電気測定では、どのくらいの大きさの静電気を測るかにより選ぶ機器が異なります。よって、機器の測定範囲は何kVまでかをまず調べる必要があります。また、静電気測定時はセンサーと対象物体との測定距離が決められています。装置仕様の範囲内で行わないと測定値が正しい値を得られないので注意下さい。
静電気測定器の主な使用用途は、電子部品製造や電機機器製造等の各種製造工程です。この製造工程では下記の3種類の静電気破壊モデル(ESDモデル:Electronic Static Discharge モデル)が発生原因として知られています。
このような静電気は主に下記のようなメカニズムでの静電気発生が知られています。
従って、このような場面に遭遇した物体の静電気を測定する時、静電気測定器が使用されます。一般に主な製造工程で静電気除去の為測定すべき物体例は下記になります。
特に電子部品は静電気破壊を受ける可能性が高い為、納入規格を調べて使用場面がすべて納入規格を下回っているよう静電気測定器で確認することが必要です。このようにESD破壊防止の為、静電気検査機による測定による確認が必要となるのです。更に、下記のメリットも得られます。
一般に物質の表面には帯電した電荷が蓄えられています。その電荷を静電気と呼びます。その電荷量の大きさを測定する器具が静電気測定器です。
静電気の測定は古く、1746年ライデン大学においてピーターヴァンムシュボルクが保管用装置にて偶然、静電気の帯電を発見しました。それは「ライデン瓶」と呼ばれています。その瓶は、水が一部満たされたもので、開口部はコルクで密閉されている構造です。そして瓶の開口部からは、外部からワイヤーがコルクを通じて瓶の内部まで垂れさがっており、更にそのワイヤーは水の中まで浸っています。
この瓶は静電気を発生させる摩擦装置に接続されています。摩擦装置から電気が流れると、ワイヤーを通じて露出したワイヤーの端から「ライデン瓶」に充電されます。静電気が充電された後、このワイヤーとの接続を断ち、「ライデン瓶」側のワイヤーを素手で触れると激しい電気衝撃を受け、静電気の充電されていることが分かるのです。
18世紀に入るとイギリス人のベネットやライデンが初めて計測器の原始的な装置を発明しました。それが検電器と呼ばれるものです。検電器は静電気を測定する機器であり、通常、絶縁容器の外側につながる導電体から吊り下げられた一対の金の薄い箔で構成されています。クーロンの法則によれば、電荷が導体に近づいたり、導体に接触したりすると、一対の箔は斜めに離れてしまいます。それぞれの箔に誘導または伝達された同様の電荷により、それらは互いに反発する為です。帯電した検電器に帯電した電気は、内部のガスをイオン化し箔の電荷を徐々に漏らし元の状態に戻ります。また、外部から放射線を当てた場合には箔に帯電した電荷が放射線の電離作用により放電し箔は閉じることになります。その箔を閉じる速度を計測して放射線の強度を知ることができます。
この原理が静電気測定の基礎になっているのです。
つまり、帯電した物体の近くに導体を置くと帯電した電荷と反対の極性をもつ電荷がセンサーに誘導されます。次に、この値を測定器本体で計測し表示するのです。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/static/static-electricity/step/measure.jsp
http://www2.iee.or.jp/~aim/history.html
https://www.ekasuga.co.jp/study/electricity/electricity02/
https://www.britannica.com/technology/Leyden-jar#ref38505
https://www.britannica.com/technology/electroscope
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/280/
https://xn--1nrt08ch33ahravo.com/basic-static-electricity/manual/
https://xn--1nrt08ch33ahravo.com/electrostatic-measurement/basic/
https://www.murata.com/ja-jp/products/emc/esd/basicesd/chapter2
各種静電気測定器の値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | SK シリーズ | 静電電位測定器 STATIRON DZ4 | インライン静電気測定器 DSF601/W | 静電気測定器FMX-004 | ハンディ静電気測定器SFM775/PVS775 | CN1164F 静電気チェッカー | HAKKO FG-450 | |||||||
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測定範囲[±㎸] | 50 | 19.99 | 19.99 | 30 | 19.99 | 22 | 30 | 19.9 | 19.99 | 50 | 0.5 | 19.9 | 5 | 19.99 |
測定距離[mm] | 100 | 30 | 44346 | 25 | 30 | 25 | 25 | 50 | 25 | 100 | 10 | 50 | 25 | 30 |
会社名 | 株式会社キーエンス | シシド静電気株式会社 | シシド静電気株式会社 | シムコジャパン株式会社 | 原田産業株式会社 | マルチ計測器株式会社 | 白光株式会社 |
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | トレック・ジャパン株式会社 | 17.5% |
2 | 白光株式会社 | 10.4% |
3 | シムコジャパン株式会社 | 10.4% |
4 | 株式会社エー・アンド・デイ | 9.4% |
5 | シシド静電気株式会社 | 9% |
6 | 株式会社キーエンス | 7.1% |
7 | SMC株式会社 | 6.6% |
8 | 株式会社ベッセル | 6.1% |
9 | ヒューグルエレクトロニクス株式会社 | 4.7% |
10 | 原田産業株式会社 | 4.7% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の静電気測定器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
・±0.00KV〜19.99KVを測定可能。測定基準距離は25mm
・プロッタ他の機器に接続して帯電レベル数値を出力可能
・スナップ式接地リード線でアースすることで測定精度を向上することが可能
・ メーター全体を導電性の耐衝撃ケースで保護
・別型番の脱着式プレートとチャージャーと併用することでイオンバランスなどを測定可能
・測定レンジ切り替えで最大±50KVまで正確に測定でき、測定精度は± 5 %
・センサを5箇所まで設置することが可能で、同時測定や監視測定を実現
・アナログ出力端子搭載なので測定値の管理・記録が可能
・アラーム機能搭載かつセンサ個別に異常値を任意設定可能
・0 - ±30.0kVのワイドな測定範囲で測定基準距離は25mm
・正しい測定距離をサポートするLED フォーカスライト機能を搭載
・LOW/HIGH/AUTOの測定モードがあり、測定レンジを選択可能
・連続30時間まで連続測定可能
・インライン連続測定やデータロギングが可能
・±300Vまでのイオンバランス測定モードが標準装備
・デジタルゼロ機能が搭載
・0.00~±19.99kVの静電気測定が可能(測定基準距離30mm)測定精度は±10%
・前後180度回転するロータリーセンサーヘッド採用で角度を変えて測定可能
・センサーのエラー表示機能が搭載
・測定値の変動に対してHOLD機能や最大表示機能を採用
・人体帯電測定、バランスチェックなどの別売オプションが豊富
アズワンでチェック
モノタロウでチェック
ミスミでチェック