エリプソメーターのメーカー13社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
エリプソメーター(英語:Ellipsometer)は光学特性を利用して薄膜の厚さや物質の光学常数を非接触、非破壊で測定する為の機器です。日本語では楕円偏光解析装置と呼称します。
測定対象に対して斜めから光源より光を当て、反射した光をセンサーで受光し、偏光状態の変化を測定する事で測定対象の光学常数を定量化します。 一般的にはエリプソと呼ばれますが、
分光エリプソメーターが正しい呼び方となります。 光を透過しない不透過膜や表面が粗く十分な反射をしない場合は測定が出来ません。
光学常数の測定と、それを基にした膜厚の測定が主な用途となります。反射偏光を測定する為、あまり厚みのある対象物(1㎜以下程度)は測定出来ませんが、薄膜に対しては0.01nmスケール
の分解能を有する装置もある為、高精度に薄膜の厚さを測定する用途に多用されます。 半導体製造工程での薄膜成膜後の測定や各種コーティング、レンズ等の光学膜の光学特性測定、
膜を構成する物質の結晶化率、組成、光学異方性等が測定できます。また装置によっては液体の光学特性も測定する事が出来ます。
光源から斜めに投光された光を測定対象物(膜)に当て、反射した光を受光センサーで受けて偏光の変化を測定します。投光側の光は既知の為、受光した光との差異を波長毎に測定します。
エリプソメーターでは光の屈折率(n)と消衰係数(k)を求める事が出来ますが、予め測定対象物の厚さ(d)、n値、k値を予測仮定し、その仮定データから光学モデルを作成して、測定により
得られたデータと比較、フィッティング解析を行って最終的な結果を算出します。 この一連のモデル構築、フィッティング解析等はエリプソメーターに搭載された解析システムにて実行されます。
上述の理由から、仮定する光学モデルが大きく異なってしまうと、測定結果も大きく異なる事となってしまいます。
エリプソメーターの光源は大きく分けて単波長のレーザー光源と分光タイプのキセノンランプ光源があり、前者は単波長のみの為限られた測定しか出来ませんが安価というメリットがあり、後者
は多層膜の解析や膜と膜の境界(界面)の測定など、より詳細な測定が可能ですが、光源の校正や装置の高額化などのデメリットがあります。
エリプソメーターの測定では、測定対象物の設置状態が重要であり、水平に設置されているかを測定するオートコリメーターも備えられています。また、光源からの入射角も非常に重要ですので、
オートコリメーターからのデータと光源の角度(固定値)を比較し、解析に利用されます。
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
この商品は、薄膜やバルク材料などを解析したい時に使えるエリプソメーターです。
分光偏光解析法を用いて試料の波長分散特性を解析するのが得意です。
薄膜と基板の間から発生した光と薄膜表面から反射した光との偏光状態の変化を調べる事で、膜の厚さや屈折率はもちろん、結晶率の割合や合金比率、位相差等をモデル解析によって算出する事が出来ます。
装備されているソフトウェア(CompleteEASE)には光学モデルや最新の研究で導かれた数式等が反映されているので、研究用データを分析したい場合に使えます。
この商品は、半導体酸化膜や窒化膜、レジストやITO等の膜の厚さと屈折率を同時に測定出来るエリプソメーターです。
偏光子調整型回転検光子偏光解析を使っており、入射角は55°から75°まで5°刻みで調整する事が可能です。
分布表示や多層膜解析、ブサイ=デルタ線図等のソフトも備え付けられているので、物体の性質をより深く理解する事が出来ます。
タッチパネルの専用コントローラーになっている為扱いも楽なので、学生の専門実習等での使用に向いています。
この商品は、ゴニオメーターにFTIRエリプソメーターヘッドを装着した事で深紫外(193mm)〜中赤外(25μm)ものスペクトル範囲を持つエリプソメーターです。
スペクトログラフとCCD検出器アレイ及びスペクトロメーターと単一検出器(PMT)が搭載されているので 測定スピードと分解能共に優れており、効率よく測定する事が可能です。
回転補償子型をを採用した事により⊿=0付近の領域も精度の高い測定を行う事が出来ます。
高性能電子機器が新しい為最新のGUIにも対応しており、それによりパラメーターの初期値を最適化しやすくなったので複数の光学モデルを駆使して分析したい研究者に向いています。
この商品は、CCDアレーセンサーレベルの高速測定を実現させたエリプソメーターです。
回転検光子は測定中は回転しないので、駆動部からのノイズを抑えられています。
赤外FTIR機能との併用が可能なので、1.7〜25μmの領域も分析する事が出来ます。
測定に使うスペクトルの範囲も190〜3500nmと広く、フィルムの厚さや屈折率、吸収係数や薄膜の材料組成比率、構造解析やキャリア濃度分布も測定・分析可能なので、研究開発の現場での使用に向いています。
この商品は、単層薄膜及び多層薄膜の膜の厚さや屈折率、消衰係数等を解析してくれるエリプソメーターです。
測定に使う波長の範囲は450〜1000nmで、液晶変調方式が採用されています。
My Auto ViewTMというイメージングソフトウェアが搭載されているので、表面の状態や測定位置を厳密に確認する事が出来ます。
検出器には高感度・高安定リニアCCDが使われているので、解析対象が膨大にあるので高速で解析したい研究者に向いています。