GPSセンサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、GPSセンサーのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。GPSセンサー関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:日本無線株式会社、2位:京セラ株式会社、3位:パイオニア株式会社となっています。
GPSはGlobal Positioning Systemの略で、全世界的な位置測位システムです。
人工衛星を利用した高度なシステムにより、24時間、どこからでも、誰もが使用でき、高精度に位置を測定することができます。
その性質を利用して、現在カーナビゲーションを代表とする一般的な測位から、正確な時刻の算出、地球物理的な観測といった分野に至るまで幅広く応用されています。
従来は航空機や船舶、測量における位置測位のために用いられてきましたが、今日ではIT技術の発達により、スマートフォンやノートパソコン、カーナビゲーションシステムに積極的に応用されています。
これらの一般的な測位だけでなく、さらにmm~cmレベルの精密測位も実現されており、
精密測量や地殻変動を精密測定するために利用されます。
その他にも、国際的な標準時刻を決定する上で、全世界の国際原子時計で計測した時刻のデータを仲介する目的でGPS衛星は利用されています。
GPSでは、地上の位置を特定するために、複数の人工衛星を用いて、それぞれの衛星との距離を測定しています。そのために、各衛星から発せられた電波を使って、地上までの伝搬時間を計測することで距離を測っています。
電波の伝搬時間を計測するために、大きく衛星部分、制御部分、利用者部分の3つのシステムが連動しており、各セグメント間で信号の送受信を行うことでGPSを制御しています。
各セグメントにおける信号の送受信の流れを解説します。
そもそも衛星部分(GPS衛星)は、地上約20,000kmの六つの軌道面にそれぞれ4機配備されています。約12時間周期で地球上空を周回しており、4機の衛星を使って上空から広く地上をモニターしています。
GPS衛星はある特定時刻にL1波とL2波と呼ばれる2種類の信号を発信します。それぞれの信号はある周波数を持ち、1575.42MHzと1227.60MHzと決められています。2種類用いている理由は途中の伝送経路での遅延を補正するためです。
このときGPS衛星の時刻や軌道を監視したり、信号の送受信を適切に制御したりするのが制御部分(地上管制)です。メインの制御局を除いて、基本的に無人運用がなされています。
GPS衛星から送られてきたL1波とL2波の信号は、利用者部分(GPS受信機)によって検出されます。GPS衛星における信号の送信時刻と、地上での受信時刻との差を算出します。
電波の速度は光の速度によって定義されますので、伝播時間との積から、GPS衛星と地上の距離を測定することができます。
なお、計4基のGPS衛星を利用しているのは、それぞれとの距離を算出して方位に偏りを持たせず、より正確な受信機の場所を特定するためです。
GPS衛星が上空に偏りなく配置している場合には、送られる信号も偏りが生じないため、GPSの測位精度は高くなります。この測位位置の精度はDistribution of Precision;(DOP)と呼ばれ、精度が高いほどDOP値は小さくなります。
一般的にスマートフォンやカーナビなどで利用されているGPSによる位置情報の精度は、数メートル単位の誤差があると言われています。大気の状態や遮蔽物などの影響がその一因です。
スマートフォンで位置情報を利用する際には、WiFI基地局との距離や、電子コンパスなどを複合的に利用して精度を高める工夫が行われています。
GPSを含めた衛星を使用し測位システムは、GNSS(全球測位衛星システム)と呼ばれ、その中には、QZSS(準天頂衛星)である日本版GPSの通称「みちびき」があります。
GPSを使った位置情報サービスの精度を高める新しい測位方式として、RTK(Real Time Kinematic)があります。GPSからの位置情報を基準となる基地局と移動局の2つの受信機で受信し、差分をもとに位置のずれを補正する方法で、位置情報の精度が数センチメートル単位の誤差にまで高めることができます。
RTKによる高精度な位置情報のスマートフォンでの利用に期待が高まりますが、コストなどの問題もあることから当面は産業分野での活用が期待されています。
ICTを活用した自動運転技術などと組み合わせて、新交通サービスや、スマート農業、スマート建設、ドローン配送サービスなど、様々な新しいサービスの実現の可能性を広げていきます。
GPS発信機は、GPSの信号から位置情報を算出し、特定の宛先に位置情報を発信する機器で、リアルタイム追跡型と手動検索型があります。
リアルタイム追跡型は、位置情報がGPS発信機から自動で定期的に発信または発信機に保存される為、現在地だけでなく、経路も確認することができます。
手動検索型は、所在を確かめたい時にだけ、位置を検索できるタイプです。
用途としては、老人や子どもの行動の見守り、スマートフォンや車、自転車などの盗難対策、落とし物や忘れ物対策、登山などの安否確認など幅広く利用されています。大きさ、取り付け方、防犯ブザーなどの追加機能などのバリエーションが豊富です。
参考文献
https://www.furuno.com/jp/gnss/technical/tec_what_gps
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1994/116/10/116_10_672/_pdf
https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/column/20200911_2/
https://club.informatix.co.jp/?p=443
https://my-best.com/7129
https://peraichi.com/landing_pages/view/gps/
https://heim.jp/magazine/5978145
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本無線株式会社 | 27.9% |
2 | 京セラ株式会社 | 13.2% |
3 | パイオニア株式会社 | 10.3% |
4 | イネーブラー株式会社 | 10.3% |
5 | 株式会社ZMP | 8.8% |
6 | LOCOSYS Technology Inc. | 7.4% |
7 | 株式会社エー・ディ・ティ | 7.4% |
8 | 株式会社アイ・ディー・エー | 5.9% |
9 | 株式会社 マリンテック | 4.4% |
10 | Garmin,Ltd. | 4.4% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のGPSセンサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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