ポンプパッキン

ポンプパッキンとは

ポンプパッキンはポンプに使われているパッキンを指し、主にグランドパッキンに該当します。ポンプはケーシング、モーター、軸、軸受、羽(歯車やベーンなども含む)、軸封などで構成されています。その中でもポンプパッキンは軸封に当たります。

ポンプのケーシングの中に軸が通っており、その軸の先端に羽や歯車といった回転体がとりついています。それが回転することで液を圧送します。ケーシングと軸の隙間を埋めるために使用するのがポンプパッキンです。

ポンプパッキンの使用用途

ポンプパッキンはケーシングの中に軸が通っているポンプであれば、全てのポンプに使用されています。ただしケーシングの中に軸が通っていないポンプも存在します。それがマグネットポンプです。

マグネットポンプは軸の先端にマグネットが付いており、またケーシングの中の回転体にもマグネットが付いている構造をしています。軸をつなぐのではなく、磁力で結びつくことで回転を生み出すためポンプパッキンが必要ではなくなります。

ポンプパッキンの原理

回転機器を用いる際、ケーシングの中に軸を通すことで生まれる隙間が問題になります。これを塞ぐのがグランドパッキンです。各機器のスタッフィングボックスに詰め込んで使います。詰め込んだグランドパッキンを、パッキン押えを用いてボルトで締め込んでいきます。パッキンが軸表面を押し付ける力がシール力となることで液漏れを防ぎます。

完全に漏れを無くしてしまうと回転する軸表面との摩擦によりパッキンが焼き付いてしまいます。そこである程度の締め加減で締め込むことで一定量の液を漏れさせながら使用します。つまり使用する液が潤滑剤となっています。こうした原理上の関係から、一般には水系ポンプなどで用いられ、発火性や毒性を持つ有害な液では使用することができません。

グランドパッキン使用の問題を解決できない環境ために使われるのがメカニカルシールです。回転環と固定環を用いて互いに摺動しながらスプリングによって押さえつける機構です。許容漏れ量は5.6g/hと漏れが少なくなっています。

参考文献
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/a3c.html

ポリエチレン管

ポリエチレン管とは

ポリエチレン管

ポリエチレン管とはポリエチレンで作られた配管です。ガス配管や化学プラントにおける薬液配管、水道用の給配水管などに使用されます。

ポリエチレンは耐候性および耐薬品性に優れるため、鉄配管で認められるような錆の発生による赤水の心配がありません。また、ポリエチレンは樹脂材料であるため柔軟性があり、地震などの災害に強い埋設配管網を構築できるメリットもあります。ポリエチレン管の主要メーカーとしては、樹脂材料の製造・加工を得意としている積水化学工業が挙げられます。

ポリエチレン管の使用用途

ポリエチレン管は主に水道やガスを配送するためのインフラとしての配管として近年注目を浴びています。錆びにくく水質衛生性に優れることから配水用管として、また赤錆による管内の閉塞が発生せず、化学的に安定していることから下水管として、さらには軽量で迅速な施工が可能なことから空調配管用としてなど、配管であれば高温流体を除くあらゆる用途で使用することができます。

加えて、95℃以下の給湯用程度の温度であれば架橋ポリエチレン管を使用することで、長期間劣化すること無く使用可能です。

ポリエチレン管の特徴

ポリエチレン管は従来から埋設管に使用されてきた鉄配管と比較して、錆の心配がない点、腐食性の土壌や塩害地域でも腐食しない点、電気絶縁性に優れるため電食の心配がない点、スケールの付着による管閉塞が起きにくい点などが優れています。

また樹脂材料であることから、軽量で運搬や施工を効率化できる点、簡単に曲げることができる点、柔軟性があるため地震に強い点などがメリットとなります。

ポリエチレン管の管接合としては、融着式継手接合、メカニカル継手接合、電気融着式接合が挙げられます。融着式継手接合においては、ポリエチレン管の管側の挿し口と継手側の受け口を加熱機で加熱して溶かし、これを接合します。

本法は加熱温度の制御が必要となるため専用の加熱機の使用が望ましく、施工性という意味ではやや問題もあります。この難点を克服した手法として、電気融着式接合の一種であるEF(エレクトロフュージョン)が挙げられます。

本法は、操作の簡便さという観点で非常に優れた手法であり、電熱線が内蔵された継手に通電する事で加熱処理がなされ、これにより管と継手を同時に溶かして融着させることで、完全に一体化した接合部が完成します。

以上のような数々の利点から、ポリエチレン管は従来の鉄配管の代替として導入されることが多く、近年社会的に重要視されている災害に強い街づくり、ひいては持続的可能な社会の実現に向けて期待されています。

ポリエチレン管のその他情報

1. ポリエチレンの構造

ポリエチレンの構造は下記の通りです。

ポリエチレンの構造

図1. ポリエチレンの構造

2. ポリエチレン二層管

ポリエチレン二層管は、耐候性の高い外層(ポリエチレンにカーボンブラックを含む層)と耐塩素水性の高い内層(ポリエチレンナチュラルの層)の二層構造で構成されたポリエチレン管であり、主に給水管、排水管、仮設配管などの水道用途で幅広く展開されています。

柔軟性に優れるため地盤沈下や地震等に対して柔軟に追従します。また、化学的安定性に優れるため埋設する土壌に対しても腐食の心配がありません。

さらには、有害な添加物が使用されていないので衛生面でも優れています。この点に関しては、サビの発生がなく、スケ-ルの付着が極めて少ないため、水質保持と衛生面でも飲料水用配管として最適です。

本配管は管内面が非常に滑らかであり、摩擦抵抗が小さいためスケールの付着が極めて少ないという特徴があります。そのため、経年による流量低下が非常に少ないという優れた特性を有しています。

3. ポリエチレン管と塩ビ管の違い

どちらもプラスチック素材の配管であるため、これらの両素材は混同して理解されがちですが、その特徴と用途は異なるので注意が必要です。

本記事の冒頭で説明したように、ポリエチレン管はポリエチレン製の配管であり、柔軟性に優れるため、地中に埋設した場合の耐震性に非常に優れています。

一方で塩ビ管とは、ポリ塩化ビニル製の配管であり、一定の柔軟性は有しているものの、その程度はポリエチレン管には及びません。

ポリエチレンとポリ塩化ビニルの構造の違い

図3. ポリエチレンとポリ塩化ビニルの構造の違い

4. ポリエチレン管の耐用年数

ポリエチレン管は耐用年数が長いことで知られています。

国内においては100年以上の耐用年数を有した水道管路が要望されており、水道配水用ポリエチレン管路に対しても高い耐久性が求められています。この点に関する調査例としては、配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)の2013年の報告が挙げられます。

この調査では、内圧・外圧に対する検証、地震(耐震性)に対する検証、残留塩素(耐塩素水性)に対する検証について検討されました。

その結果、いずれの検証においても、定められた想定条件下において100年を上回る結果が得られており、水道配水用ポリエチレン管路が100年以上の寿命を充分に有していることが示されました。

5. 高密度ポリエチレン管

高密度ポリエチレン(密度が0.942~0.970のポリエチレン)を原料とするポリエチレン管は、耐衝撃性と可とう性(折れ曲がり、たわむ特性)に優れており、地震による地層のずれや地盤沈下に追従して屈曲する特徴を有します。

そのため、災害時でも破損しにくい管材です。このような物性上の優れた特徴から、道路縦横断排水管、水路改修工事、小規模水路管渠化工事、雨水排水各種工事、産廃処分場排水管など、土木、農業、鉱業などの分野で活用されています。

参考文献
https://www.eslontimes.com/system/category/94/
http://www.jppe.org/about/index.html
http://www.jppe.org/pdf/20131121_seko_handbook.pdf
http://politec.gr.jp/ad/wordpress/wp-content/uploads/2016/12/web100tei.pdf
https://www.kuripoly.jp/product/kurimoto_kp_press/

ポストパレット

ポストパレットとは

ポストパレットは折りたたみパレットと同義で、段重ねできる簡易ラックのことです。

四隅に柱が固定されており、折りたたんでコンパクトになるタイプと、柱が着脱可能で柱を取り外して積み重ねることでコンパクトになるタイプのものがあります。保管から輸送まで荷物を積載したまま対応可能です。不要な時はネスティングしておけるので場所を取りません。

製品を直接積載することができるので荷姿自由であり、建築金物(ドア、サッシ)・ロール物(繊維製品、フィルム)といった長尺部材に最適です。 

ポストパレットの使用用途

ポストパレットは、パレットとラックの機能を併せ持ったパレットです。荷物を積載したまま移動できるので、保管から輸送までこれ一つで行えます。多段積みすることで空間を効率的に利用して製品の積載・保管ができ、使わない時は支柱を折りたたむ(または取り外す)ことで約四分の一のサイズになります。さらにポストパレット同士を積み重ね、コンパクトに収納しておくことが出来ます。

積載する荷物の形状は自由であり、特に長尺部材が適しています。 

ポストパレットの特徴

ポストパレットは、パレットの四隅に支柱(ポスト)がついた構造をしています。金属製であり、耐荷重1000kgが基本です。耐久・堅牢性に優れ、耐候性にも配慮されている製品が多いです。

支柱は取り外し可能なタイプと固定タイプがあり、使わない時はネスティング(何らかの構造内に別の構造を入り込ませるという意味の保管方法を指す)して保管します。支柱を取り外して保管するタイプの方が綺麗に真上に積み上げられますが、固定タイプは支柱の脱着という工程を省けます。これにより保管スペースの節約と共に配達の戻り費用も減らすことができます。

ポストパレットと似た機能を持つものにネスティングラックがあります。製品を通常のパレットに積載して保管している場合にはネスティングラックが有用です。ただし、ネスティングラックはトラックに積み込む時に効率が悪く、保管から輸送まで荷物の移動なしに対応できるのはポストパレットの利点といえます。 

参考文献
https://www.tanasize.com/products/postpallet/

ホットメルト接着剤

ホットメルト接着剤とは

ホットメルト接着剤

ホットメルト接着剤はホットメルトという接着方法に使用される接着剤で、加熱すると溶解し、冷えて固化する時に接着作用を引き起こします。接着剤中に溶剤を含まないため、安全性が高く、一般家庭でのDIYの材料として使用されています。

ホットメルト接着剤の形状としては、ホットメルト接着剤の周りに非接着フィルムを巻いた枕のようなタイプや、スティックタイプやブロックタイプや離型紙と呼ばれる非接着性の紙に入れた容器タイプなど様々です。この接着剤を利用するときはアプリケーターという加熱機器を使用して、加熱溶融させます。

ホットメルト接着剤の使用用途

ホットメルト接着剤は安全性が高いことから、最近は格安ショップでもグルーガンという名前で販売されるようになり、家庭のDIYでより身近な製品となりました。このグルーガンは、スティックタイプのホットメルト接着剤を銃のような射出機に入れ、必要量だけホットメルト接着剤を射出して使用する仕組みです。

また安全性が高いことから、食品関連にも使用されており、紙パックの飲み物についているストロー袋を接着する時などにも使われています。その他、剥がすのが容易な特性のホットメルト接着剤は、物流分野での商品ラベルの貼り付けなどに好適です。

ホットメルト接着剤の原理

ホットメルト接着剤を使うには、まず融点である120℃程度の温度まで加熱し、溶解させて液体にします。この時、被接着物の接着面を濡らし、行き渡らせることが可能な程度の粘度の液体にすることが重要です。

液体となったホットメルト接着剤は、被接着物の接着面の間に広がり、凹凸面に入り込み樹脂膜を形成します。塗布されたホットメルト接着剤は空気により冷却されて、一定温度まで下がるとホットメルト接着剤の固化が開始されます。その際に分子レベルの物理吸着が起こって接着されるのが、ホットメルト接着剤の接着原理です。

このように、ホットメルト接着剤では化学反応は伴わないため、ホットメルト接着剤を構成する樹脂の物性が変化してしまうことはありません。また、ホットメルト接着剤内部だけで接着が終了するため、被接着物に影響を及ぼすことはなく、ポリプロピレンポリスチレン、木材、ガラス、鉄、ステンレス、アルミニウムなど様々な材料を接着できます。

ホットメルト接着剤の特徴

ホットメルト接着剤の一番の特徴は、溶剤を使用しないため「環境に良い」ことです。通常の接着剤は溶剤に溶かした状態で使用し、溶剤が揮発することで接着性能を持たせるため、環境に悪いとされています。一方、ホットメルト接着剤は前述したように、熱をトリガーとして物理吸着するため、溶剤が不要で環境に良いとされています。

また、ホットメルト接着剤においては、接着速度が秒単位と非常に迅速です。一般の接着剤は、溶剤や水に溶かした状態で使用し、これらが揮発あるいは化学反応を起こして固化することで接着します。一方、ホットメルト接着剤は「加熱溶融−冷却固化」のサイクルによって接着します。この時、ホットメルト接着剤の冷却固化の速度は一般の接着剤の化学反応よりも速く、ホットメルト接着剤は一般の接着剤と比べて迅速な接着が可能です。

ホットメルト接着剤の種類

ホットメルト接着剤としては、オレフィン系のホットメルト接着剤やゴム系ホットメルト接着剤が一般的です。

1. オレフィン系のホットメルト接着剤

オレフィン系のホットメルト接着剤は、一般的な工業用接着剤での接着が難しい材料と近い物性を持ちます。このため、当該材料よりなる被接着物の接着に有効です。

2. オレフィン系のホットメルト接着剤

ゴム系ホットメルト接着剤は液体の接着剤を使用すると、被接着物に浸透してしまう場合に使用されます。ホットメルト接着剤を使い分けることで、幅広い材料の接着に対応可能です。

ホットメルト接着剤に類似した熱溶融型の接着剤としては、にかわが挙げられます。にかわの主成分は、ゼラチンです。区分できるよう、ゼラチンは主に食品や医薬品に用いられる純度の高いもの、にかわは工芸品や日本画の画材などに用いられる純度の低いものとされています。熱することでゾル化し、冷やすことでゲルとなって固定化する性質をもっています。

ホットメルト接着剤のその他情報

ホットメルト接着剤のメリットとデメリット

ホットメルト接着剤の特徴の基本的なメリットとデメリットをまとめます。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 短時間で接着可能
  • 接着する材料として各種に適用可能
  • 無溶剤なので安全性が高い
  • 再加熱により溶融再利用可能
  • 容易に保存や保管ができる
  • 接着工程を容易に自動化可能

デメリット

  • 接着の耐熱性に限界がある
  • 一般的な硬化型接着剤と比べ接着強度が低くなる
  • 過熱溶融を行うため耐熱性の低い材料には不向き
  • 気温によって接着性が変動する
  • 使用に専用のアプリケーターが必要

参考文献
https://www.rextac-asia.com/column/products/hot-melt-type/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/42/11/42_11-5/_pdf/-char/ja

ベントフィルタ

ベントフィルタとは

ベントフィルターとは、タンク内に流入する空気を濾過し、無菌・無じん化するフィルター装置です。クリーンエアが必要とされる半導体工業や医薬品、ファインケミカル、飲料、化粧品工業に使われています。一般的には0.2μm程度の微粒子を高い性能で捕捉します。フィルターの素材は、ポリプロピレンフッ素樹脂系がよく用いられ、オートクレーブで殺菌することで繰り返し使用することができます。また、フィルターを取り付けた状態でタンク内にスチームを通すこともできます。

ベントフィルタの使用用途

ベントフィルターは、半導体工業や医薬品、ファインケミカル、飲料、化粧品工業などで無菌・無じん化用途に利用されています。食品や医薬品分野では真空凍結乾燥や医療器具等の殺菌などが行われますが、その際に多量の空気が流入します。この流入した空気のクリーン化は必須であり、ベントフィルターが活躍しているシーンの1つです。ベントフィルターにも様々な種類があるため、タンクの種類や使用目的、除去物質に応じて適切に選択する必要があります。

ベントフィルタの特徴

ここではベントフィルターの使用例や使用上の注意点を説明します。ベントフィルターは内部環境の無菌性維持に利用されますが、使用目的は各方面に及びます。

  • 細胞増殖及び代謝間に生成されるガスの平衡化
  • 真空ポンプやライン、電子機器へのエアロゾルや液体の侵入阻止及び保護
  • 精密機器等の装置への空気やガスの濾過
  • バイオリアクタ内部の最適な環境下を維持するため、悪影響を及ぼす微生物や微粒子の空気もしくはガスの濾過

以上のような目的で使用されています。ただし、使用目的に応じてベントフィルターを決定しなければ、所望の効果を期待できません。フィルターの素材や孔径によって濾過速度や除去可能な物質が異なります。濾過速度はフィルター面積に依存するため、フィルター装置の構造設計も重要になります。また、粒子や飛沫を効率よく捕捉できる能力も必要で、バクテリアの除去も必須性能になります。これに加えてオートクレーブ等での殺菌に耐え得る性能も必要になります。

参考文献
https://eikoh-filter.com/wp/wp-content/uploads/2019/09/vent.pdf
https://eikoh-filter.com/vent-filter/#vent1

プレートリーダ

プレートリーダとは

プレートリーダ

プレートリーダー (マイクロプレートリーダー) とは、マイクロプレートに注入した複数サンプルの吸光度または発光強度を同時に測定できる装置です。

サンプル数はマイクロプレートのウェル数にもよりますが、一般的には数十以上のサンプルを同時に測定できるため、作業効率を大幅に向上させることが可能になります。化学や生物学の研究に使用されますが、中でもタンパク質の定量によく利用されます。

作業効率の向上が期待できる反面、微小量の測定になるため誤差が発生しやすく、特徴を把握して用いることが重要です。

プレートリーダの使用用途

プレートリーダーは、化学や生物学の分野でタンパク質の定量や細胞増殖の指標とする紫外・可視光領域の吸光度の測定や、発光反応、あるいは蛍光を利用した濃度測定で使用される装置です。

以前は多くの実験において放射性物質を用いて濃度測定を行うことが広範に行われていましたが、近年発光反応の基質や蛍光プローブの研究が進展したことで、実験方法の置き替わりが生じています。このような実験方法の変化により、現在では放射性物質を使用することなく、安全に濃度測定をすることが可能です。

プレートリーダーは、主として一度に多くのサンプルを扱う際に利用され、作業効率の向上と研究者の負担軽減に寄与します。また、吸光度測定には前処理を必要とする場合や、吸光度の時間変化を追跡することが必要となる場合があります。しかし、多くのプレートリーダーでマイクロプレート中で反応を行い、一定時間後に測定することや時間経過とともに測定することが可能です。

プレートリーダの原理

プレートリーダーは吸光度測定や蛍光測定などが可能であり、それぞれ測定の原理や特徴、注意点が異なるため2つに分けて説明します。いずれにおいても、単色 (単一の波長) の光を照射する必要があり、波長の選択には光学フィルターまたはモノクロメーターを用います。

1. 吸光度測定

マイクロプレート中のサンプルに任意の波長の光を照射し、その反対側でサンプルを透過した光の強度を測定することで吸光度を求めます。吸光度を求めることができれば、ランベルト・ベールの法則により吸光度は濃度に比例するため、濃度既知の検量線サンプルと比較することで濃度未知サンプルの濃度を決定することが可能です。

ただし、マイクロプレートに傷や汚れが付着している、サンプルに気泡が入るなどすると正しい吸光度が測定できなくなり、本来の値よりも大きくなることがあります。

2. 蛍光測定

マイクロプレート中のサンプルに特定の波長 (励起波長) の光を照射することで、サンプルから発せられる特定波長の蛍光の強度を測定します。これは特定の波長帯を吸収することで励起状態へと変化し、基底状態へ戻る際に、エネルギーを放出する蛍光物質の性質を利用しています。

このエネルギーは、熱と光として放出され、いずれも濃度に比例するため、光を検出することで定量が可能です。サンプル中の特定の化学物質自体が発する蛍光を検出しているため、高感度・高精度で測定できる特徴を持ちます。

プレートリーダの選び方

プレートリーダーは、マイクロプレートに収めたサンプルから光学的情報を読み取る装置の総称であるため、実施しようとする測定法 (可視・紫外吸光、発光、蛍光のいずれであるのか) に対応したものを選択することが大切です。まず測定原理に吸光・発光・蛍光の別があり、複数の測定原理を切り替え可能なマルチモードタイプと呼ばれるものもあります。

光源の波長範囲や設定できる測定波長についても、実現したい測定に適合しているかの観点で確認します。次に、装置と付属ソフトウエアで実現できる測定・解析方法にも注意が必要です。

酵素反応を追跡する場合、カイネティックモードが必要な場合があります。また、定量を高頻度に行う場合、解析ソフトウエアで実現したい定量が可能かという観点や、定量機能の操作性も重要となります。

参考文献
https://co-labo-maker.com/equipment/859
https://www.jove.com/v/5024?language=Japanese

プレフィルタ

プレフィルタとは

プレフィルタ

プレフィルタとは、大気もしくは液体の濾過で上流過程に使われる比較的目の粗いフィルタのことです。

液体の濾過にもプレフィルタは利用されますが、一般的には大気中の汚染物質を除去するエアフィルタを指す場合が多いです。通常、チリやホコリなどの汚染物質を除去する際は、高性能なフィルタとプレフィルタを用いることで、フィルタの長寿命化と効率化に貢献しています。

このような理由からプレフィルタは、比較的安価であり、様々な材質のフィルタが存在します。

プレフィルタの使用用途

プレフィルタは大気中の汚染物質を除去し、空気の清浄化を目的に使用されますが、プレフィルタ単体で使用されることはありません。プレフィルタより孔径の小さい高性能なHEPAフィルタなどとセットで使われます。これは、ミクロンサイズの微粒子や粉じんを捕捉する高価なフィルタの寿命を延ばす工夫の1つです。

一般的なプレフィルタが捕捉できる最小粒径は5μm程度とされていますが、あくまで参考値であり、材質や製品により異なるため製品情報の確認は必須になります。

プレフィルタの特徴

プレフィルターはチリやホコリなど汚染物質の捕捉を目的に使用されていますが、洗浄可能なものから使い捨てのフィルターまで様々な種類が存在します。また、材質もポリエステルやガラスファイバー、ステンレスなど用途に応じて使い分けることが大切です。

1. 再生用プレフィルター

洗浄をすることで再利用が可能なフィルターで、合成繊維不織布製などが存在します。外気処理や中性能フィルターに適しており、数回の洗浄まで耐えられます。

2. 使い捨て用プレフィルター

一定の使用期間で捕集能力が低下するため、定期的な交換が必要です。使い捨て用途に最適なため、外気処理に用いられることが多くなっています。

3. 塗装ブース用プレフィルター

10μm以上の大きな粒子やチリを除去する目的で使用されます。上記2種類のフィルターの捕集効率は80%程度ですが、塗装ブース用は98%以上が一般的です。

プレフィルタのその他情報

1. プレフィルタの材質

プレフィルタの材質は多種多様であり、理由としてプレフィルタを取り付ける製品によって目的が異なることが挙げられます。落ち葉など大きなゴミを取り除くのが目的のプレフィルタであれば、合成繊維を粗めに折った布製フィルタが最適です。難燃性も求められるのであれば、ポロエステル性で圧力損失を抑制している製品があります。

エンジン吸気口のエアフィルタに使われるプレフィルタには紙製のタイプも存在し、さらに排ガス規制に対応したエンジンでは、燃料ラインにプレフィルタが存在します。排ガス規制対応エンジンは、コモンレール方式を採用しており燃料中のゴミによってエンジン不調が発生してしまいます。そのため、プレフィルタおよびメインフィルタによって、燃料中のゴミを徹底的に除去することが必要です。

このように一口にプレフィルタの材質と言っても、各製品の目的に合わせた適切なプレフィルタの材質が存在します。プレフィルタ交換時にメーカー純正品以外を使用すると本来のプレフィルタの機能を発揮せず、製品の能力低下や動作不良が発生する恐れがあるので注意が必要です。

2. プレフィルタの交換

プレフィルタのフィルタ部分だけを交換する場合もありますが、プレフィルタケースとフィルタが一体となっており、プレフィルタケースと一緒に交換する場合もあります。そもそも交換が不要な場合や、定期的な清掃を行い損傷が激しいときのみ交換する場合もあるため、プレフィルタを交換する前はメーカーの取扱説明書をよく確認することが大切です。

また、プレフィルタを交換するときに、プレフィルタの取り付け方向が指定されていることがあります。取り付け方向を間違ってしまった場合、ゴミを吸着できない、製品への気体吸引が正常にできないなどの症状が発生する可能性が高いです。気体吸引ができないと故障してしまう製品もあるため、交換時にはプレフィルタの取り付け方向があるのかどうかも合わせて確認が必要です。

参考文献
http://www.ace-cl.jp/product/filter-pre
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/185/
http://www.kankyotec.toyobo.co.jp/business/le/pre.html
https://jp.sharp/support/air_purifier/mt_doc/panel_care_kigx100_75.html

フライアイレンズ

フライアイレンズとは

フライアイレンズとは、上下左右にレンズを配置したレンズ体です。

見た目がハエの目に見える形状をしており、フライアイレンズと呼ばれています。複数のレンズがあることで、1枚のものに比べて、光源の輝度むらを少なくすることが可能です。ただし、LEDは輝度ムラが課題となっています。

そのため、LEDを使う装置の中で使われることが増えています。配置されるレンズの形は、場合によってさまざまです。ハニカムコアのように六角形のレンズを並べることもあれば、四角形の形状のものを並べることもあります。

フライアイレンズの使用用途

フライアイレンズは主に光学用途で用いられ、特に均一な光源が求められる装置で使われています。使用される用途の1つとして、プロジェクターが挙げられます。プロジェクターは映画鑑賞やスポーツ観戦などの娯楽のイメージが強いですが、ビジネス用途でも多く用いられています。

フライアイレンズを用いることで、投影したい光学画像を拡大することが可能です。用途の多様化やきれいな映像が求められることになり、高輝度化が進みました。輝度が高くなるとムラが目立ちやすくなるため、解消するためにフライアイレンズが使用されています。

また、不均一な光強度のレーザー光を均一化する際にも、フライアイレンズは有用です。

フライアイレンズの原理

フライアイレンズを使用することで、入射光の強度を均一化することが可能です。入射強度が不ぞろいなレーザー光等が入射されると、構成している複数の凸レンズそれぞれに光が入射されます。レーザー光はガウシアンビームといった強度の分布を取っているため、強度が不均一です。

この段階では、各凸レンズに入る光の強度は均一ではありません。凸レンズへの入射光は、焦点に向かって像を結びます。各レンズで像の生成が行われ、出力される面に対しては像の重ね合わせが起こります。

像が重ね合っているため、入射時には不ぞろいな強度であったレーザー光でも均質な強度で照射が行われます。以上の原理から凸レンズの数を増やすことで、入射光を細かく分割するほど均一化の精度を高めることが可能です。

フライアイレンズの構造

フライアイレンズは単体ではなく、複数のレンズ層で構成して使用します。光源に一番近いレンズが、フォーカスレンズです。光源からの光を対象物にそのまま照射しただけでは弱いため、光を収束させて強いエネルギーに変換します。光が収束する部分とレンズ間の距離は、焦点距離と呼ばれます。焦点距離はレンズの屈折率により異なります。

真ん中と逆側の端に位置するレンズが、フライアイレンズです。複数枚の凸レンズから構成されており、真ん中のレンズは光源に対して凸側が向いています。ここではフォーカスレンズで収束された光を、広げていく役割を持ちます。

端にあるレンズは、光源に対して平らな面が向けられています。2枚目のフライアイレンズで広がった光を更に均一に広げていきます。

フライアイレンズのその他情報

フライアイレンズの機能

機能の1つに光強度の均一化があります。これはレーザー光などで光源の強度が不均一な光に対しても、レンズを通すことで等しい強度の光を出力することができる機能です。各凸レンズへの入射光は一度集光された後に拡散されるため、出てくる光が均一になる仕組みです。

他の機能としては光学画像の拡大・縮小機能があります。この拡大と縮小機能は、フライアイレンズの各凸レンズで集光して出たそれぞれの光学画像が再度重ね合わせられることで実現されています。

最近では、ホログラフィ像を作製する目的でフライアイレンズを用いられる研究も行われています。従来使われていたレーザーに比べると、フルカラー化や場所を選ばない点で優れています。一方で、費用が高額な点が課題です。

参考文献
https://www.global-optosigma.com/jp/Catalogs/pno/?from=page&pnoname=FEL&ccode=W3183&dcode=
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/09/0433e6d79a4739f7074fc66932c37b81.pdf
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/35-06-sougou.pdf
https://www.uesltd.co.jp/laser_machining/focus_lens.html
https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/02/033/

フィルタープレス

フィルタープレスとは

フィルタープレスとは、フィルターを用いて圧搾することにより、スラリー液を濾過して固液分離するための装置です。

主に浄水用途で用いられています。構造がシンプルで、比較的処理量を簡単に増やしやすいことが特徴です。製造ライン中に組み込めるので、濾過脱水装置として多く使用されています。

得られる脱水物 (ケーキ) の含水率は非常に低く、固液分離特性は非常に高いです。自動操作式のフィルタープレスも存在し、液充填から濾過まで全自動で実施可能です。 

フィルタープレスの使用用途

フィルタープレスは高い固液分離特性から、さまざまな産業で使用されます。下記以外の用途として、食品加工や鉱業が挙げられます。

1. 環境分野

代表的な用途は環境分野であり、廃水処理や大気汚染防止に使用されます。廃水処理プラントではフィルタープレスを使用して固形物質を取り除き、浄化水を生成します。浄化水は排出基準に適合することを確認した後に、海などへ排出されます。

2. 化学工業分野

化学工業では合成化合物の精製、分離、濃縮に使用されます。有機合成においては、反応生成物と反応副生成物を分離するためにフィルタープレスを使用することがあります。

また、精製工程においては不純物を取り除き、製品品質を向上させるために使用されることもあります。

3. 石油化学工業

石油化学工業では、石油製品や化学物質の製造に使用されます。具体的には、石油精製工程などで油中の不純物を取り除くためです。

フィルタープレスの原理

フィルタープレスは、濾布を貼った2枚の鋼板やプラスチック板で仕切られた濾室が複数並んだ構造です。濾布同士の間には空間が設けられており、そこにポンプでスラリー液を流し込みます。濾室内にスラリー液が流し込まれて濾過が進んだ後、さらに圧力をかけて脱水します。

圧力をかける方法は油圧が一般的です。油圧を解除した後に、濾室を開放してケーキを落とします。手動フィルタープレスの場合、油圧による加圧を手動油圧ポンプにて行います。

フィルタープレスの主要部品である濾板と濾布の性質は以下です。

1. 濾板

ポリプロピレン製などの板を使用します。濾布を固定したり圧迫したりすることが役割です。硬い材質でできているため高い圧力に耐えることができ、耐薬品性も優れています。

フィルタープレスの機種によっては濾板の間にエアーを送り込むことで圧力を上げ、濾過速度を高めることが可能です。

2. 濾布

ポリプロピレンナイロンポリエステルなどでできた、布状のフィルターです。さまざまなフィルター孔径の製品があるため、スラリーの固形分量や粒子径によって使い分けます。現在のフィルタープレスは、濾布がベルトコンベアー状に移動して固形分を自動排出できる機種が主流です。

フィルタープレスの選び方

フィルタープレスを選ぶ際は、スラリー液の性状や処理速度、含水率などを考慮します。

1. スラリー液の性状

スラリー液の性状に応じて、濾板や濾布の材質を決定します。スラリー液が腐食性の場合はステンレスなどを選定し、高粘度の場合は高揚程の圧搾ポンプなどを選定します。

2. 処理量

処理量も重要な要素の1つです。フィルタープレスの適切なサイズを決定する上で重要な指標の1つであり、フィルタープレスの設計や構造に影響を与えます。処理量を多くするにしたがって、大型化します。

3. 含水率

上記を踏まえて、要求される含水率を確認します。ケーキの含水率を下げたい場合、余分な水分を取り除くのに十分な時間を与える必要があります。

ただし、その場合は処理量が減ってしまうため、必要処理量と要求含水率に応じて設備容量を検討します。

フィルタープレスのその他情報

フィルタープレスの漏れ対策

フィルタープレスはフィルターの縁から液漏れする場合があります。漏れが発生する原因は隙間や過剰圧力、濾布の目詰まりなどです。

濾布と枠の間に隙間が生じた場合、液漏れする可能性があります。シール材で隙間を塞ぐことで、漏れが止まるケースも多いです。また、濾布の濾過速度に対して圧力が高い場合も、処理しきれないスラリーが液漏れする可能性があります。

圧力を下げるか、濾布孔径の最適化が必要です。固形分が濾布に詰まり、濾過性が低下することも液漏れの原因です。濾布洗浄で改善します。スラリー中の固体が多い場合も液漏れするため、上流工程で固形分を減らす必要があります。

参考文献
https://www.nihon-rokasochi.co.jp/filterpress/filtration/
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/052.html 
https://www.nihon-rokasochi.co.jp/productspost/163/ 

ビニールフィルム

ビニールフィルムとは

ビニールフィルム

ビニールフィルムとは、本来は塩化ビニル樹脂 (PVC) で作られた薄いシートです。

しかし、PVCに外観の似たポリエチレン(PE) やポリプロピレン (PP) のフィルムも、慣用的に「ビニールフィルム」と呼ばれる場合があります。安価で加工しやすく、防水性・電気絶縁性・保温性があるので様々な場面で被覆材や保護材に使えます。

ただし、薄いフィルムは酸やエーテルに腐食される場合があるので、薬品がかかる場所での長期使用は避けた方が無難です。

ビニールフィルムの使用用途

ロール状、方形シート状、袋形など様々な形状で販売されているため、用途に応じたものを選べます。安価で加工しやすく強度もあるので、以下に示すように幅広い場面で使われます。

  • サンプルが乾燥しないように表面を被覆する
  • 植物を栽培する際に周りを覆う
  • 配線を保護する
  • カーテン状にビニールフィルムを張って仕切りとする

ビニールフィルムの特徴

ビニールフィルムは、ポリ塩化ビニル (PVC) 樹脂を基材として製造されるフィルムであり、その特性により幅広い用途に使用されています。

1. 透明性と柔軟性

ビニールフィルムは非常に透明であり、内容物を視覚的に確認できるため、包装業界で広く利用されています。また、柔軟性に優れているため、曲げや折りたたみが容易であり、様々な形状に成形することが可能です。この特性により、食品や日用品、化粧品の包装に広く用いられています。

2. 耐久性と耐候性

ビニールフィルムは耐久性に優れており、機械的なストレスや摩擦に対しても強靭な性質を持っています。また、耐候性にも優れており、日光や雨などの外部の環境要因による劣化が少ないため、屋外での使用が可能です。

3. 防水性と絶縁性

ビニールフィルムは防水性に優れており、水や湿気を通さない特性があります。そのため、屋外広告や看板、屋外用家具のカバーなどに使用され、対水性が求められる用途に適しています。また、電気絶縁性も高く、電気・電子部品の保護や絶縁材料としても広く利用が可能です。

4. 高断熱性

ビニールフィルムは断熱性に優れており、保温や保冷に有効です。特に断熱効果が必要な建築用途や温度管理が重要な輸送用途に利用されます。

5. 染色性と透過性

ビニールフィルムは染色性が高く、さまざまな色に着色することができます。また、透過性にも優れており、特定の波長の光を通過させることが可能です。この特性を利用して、カラーフィルターやディスプレイ保護フィルムなどに用いられることもあります。

ビニールフィルムの種類

1. 透明ビニールフィルム

透明ビニールフィルムは、非常に透明でクリアな特性を持つフィルムです。この透明性により、包装業界で広く使用されています。

食品や日用品、化粧品などの包装によく利用されるほか、書籍や資料のカバー、ディスプレイ用の保護カバーなどにも使用されます。透明ビニールフィルムは、内容物を視覚的に確認したい場合や製品の魅力を引き立てたい場合に適応可能です。

2. 色付きビニールフィルム

色付きビニールフィルムは、透明フィルムに比べて特定の色調を持っています。商品の包装において、商品の識別やデザイン性を高めるために使用されることがあります。

特定の色を持つビニールフィルムは、ブランドのイメージや製品の個性を強調するのに効果的です。また、色付きビニールフィルムは広告や看板、装飾用途にも利用され、特定のカラーテーマを表現するのに適しています。

3. 高耐熱ビニールフィルム

高耐熱ビニールフィルムは、PVCフィルムに耐熱性を持たせたタイプのフィルムです。耐熱温度が比較的高いため、食品の加熱や加工、工業製品の製造など、高温環境での使用に適しています。

食品産業や製造業において高温環境での保護や包装が必要な場合に重宝されます。耐熱性により、フィルムが変形したり劣化したりすることなく、安定したパフォーマンスを発揮しる製品です。

4. マットビニールフィルム

マットビニールフィルムは、光沢が少なく、マットな質感を持つフィルムです。指紋や傷が目立ちにくく、視覚的な効果を重視する用途に適しています。

ディスプレイの保護フィルムや家具の表面カバーなどに使用されます。マットビニールフィルムの特性により、反射を抑えられ、視認性を向上させることが可能です。特にディスプレイや看板など、光の反射を制御したい場面で重宝されます。

5. 防水ビニールフィルム

防水ビニールフィルムは、水や湿気を通さない特性を持つフィルムです。屋外広告や看板、屋外用家具のカバー、防水カバーオールなどに使用され、対水性が求められる用途に適しています。

雨や湿気から製品や装置を保護するために使用するため、特に屋外での使用や湿度の高い環境での対策に適しています。

参考文献
https://www.kk-kunii.co.jp/dcms_media/other/