汎用ロジックIC

汎用ロジックICとは

汎用ロジックIC

汎用ロジックICは、論理演算など基本的な回路を1つの小型パッケージにまとめた集積回路です。

1つのパッケージには1つまたは複数の基本回路が搭載されていて、電力供給用ピンと入出力ピンを合わせたピン数も数ピンから数十ピンまでと、様々な規模の製品があります。

電子機器のネットワーク化が進むにつれ機器間のインタフェースを担う機能のニーズが高まり、単純な演算回路だけでなく、デジタル信号を高速伝送するためのバススイッチ、異なる電圧の信号線をつなぐためのレベルシフタなどの製品群もあります。

汎用ロジックICの使用用途

汎用ロジックICは、世の中に存在するほぼ全ての電気機器・電子回路に使用されます。

特定用途専用に開発された大規模LSIを搭載する電子機器であっても、汎用ロジックICは、LSI周辺で信号の変換やスイッチングを行うという重要なインタフェース部品として使用されています。

ただし、汎用ロジックICは回路数に比べてパッケージ面積が大きいため、小型軽量化が進む民生電子機器分野では、汎用ロジックICの代わりに、複数の機能を1つにまとめた専用ICが使われることが多く、この分野での汎用ロジックIC需要は低下しています。

汎用ロジックICの原理

汎用ロジックICは、デバイス構造によって3種類に分類されます。

  1. TTL(Transistor Transistor Logic):バイポーラトランジスタと抵抗とで構成されるロジックIC。古いタイプのデバイスですが、大電流駆動ができるという特長から現在も様々な場所で使われています。
  2. CMOSロジック(Complimentary MOSFET Logic):P-ch MOSFETとN-ch MOSFETを組合せたロジックIC。TTLに比べ消費電力が小さくコストも低いため、今日汎用ロジックICの主流になっています。
  3. BiCMOSロジック:入力部と論理回路部にCMOSを、出力部にバイポーラトランジスタを使い、消費電力を抑えて大電流駆動を実現したロジックICです。

汎用ロジックICには、上記のデバイス構造による分類の他、搭載機能、回路規模、電源レベル、パッケージタイプ、ピンの形状などによって、数多くのバリエーションがあります。

汎用ロジックICの機能としては、基本的な組合せ論理回路(AND, NAND, OR, NOR, XOR, NOT)の他に、ある条件下で入力データを保持するラッチ回路、クロック入力タイミングで入力データをラッチして保持するフリップフロップ回路、シリアル入力信号をパラレル出力信号に変換するシフトレジスタ回路などがあります。

また、副次的な機能として、入力信号の閾値にヒステリシスを持たせることでアナログ信号入力に対応するシュミットトリガや、入出力兼用信号の切り替え時に信号が衝突しないよう、H出力・L出力だけでなくオープン状態(ハイインピーダンス状態)もある3ステート出力などがあり、主機能との組合せから使用用途に最適な汎用ロジックICを選定することができます。

参考文献
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/e-learning/cmos-logic-basics.html
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/product/general-purpose-logic-ics.html
https://jp.rs-online.com/web/c/semiconductors/logic-ics/

風力発電装置

風力発電装置とは

風力発電装置

風力発電装置とは風の力を風車の回転エネルギーへと変換し、さらに電気エネルギーに変換するための装置全般を指します。

最もポピュラーなものは3枚の羽根を持ったプロペラ式のものですが、縦に曲がった羽根が回転するダリウス式の風車もコストや立地条件の面で優れているため、徐々に利用されるようになっています。

発電の際にCO2を排出せず、同じく自然エネルギーである太陽光発電装置と比較してもライフサイクルアセスメントの観点で優れているため、次世代の発電装置として導入が進められています。

風力発電装置の使用用途

風力発電装置はかつては離島などのエネルギー供給を補う存在として限定的に利用されてきましたが、近年では欧米や中国を中心に、世界の再生可能エネルギーの半分程度を賄う存在となっています。

近年では欠点である出力の不安定さを補うため、蓄電池や他の自然エネルギーと組み合わせた発電方法が検討されています。

設置場所が風の季節変動が少なく広い土地や道路が利用可能な場所に限られるため、日本では太陽光発電装置の方が好んで導入されています。

風力発電装置の原理

プロペラ式の風力発電装置ではエネルギー源である風を先端のブレードが部分が受けることにより、プロペラの回転エネルギーへと変換します。

プロペラの基本的な回転数については風車の枚数によって変わり、少ない方が回転数が高くなりますが、3枚のものが速度と安定性のバランスがとれているため主流です。

また、回転数を安定させるため、先端部分に風力に合わせてブレードの角度を変えるための可変ピッチ機構、プロペラとのタワーの接続部分については風向きに合わせて先端の向きを変えるための追従装置が搭載されています。また、台風等で風速が上限値を超えた場合、ローターを停止させる為のブレーキ機構が搭載されており、装置を破損から保護します。

プロペラの回転はそのまま、もしくは発電に適した回転数へと速度を増やす増速機を経由して発電機へと接続され、発電機によって発生した電力をインバーター、変圧器を通して送電に適した周波数、電圧へと変換した上で送電網へと接続します。

参考文献
https://www.nedo.go.jp/fuusha/kouzou.html
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/002855.php
https://www.aist-riss.jp/column/2431/
https://www.tepco.co.jp/rp/business/wind_power/mechanism/
https://selectra.jp/environment/guides/renewable-energy/wariai

分留装置

分留装置とは

分留装置

分留装置とは、2種類以上の液体の混合物から蒸留の工程を繰り返すことで、沸点の異なる液体を分離する装置です。

物質は固有の沸点を持ちます。この性質を利用して一度液体を蒸発させ、再び凝縮させることで物質を分離できます。この蒸留操作を複数回行うことで、より純度の高い液体を得るられます。

多段の分流管から構成され、低沸点成分を効率的に取り出すことが可能です。

分留装置の使用用途

分留装置は、一般的に石油や液体空気の成分分離に使用されることが多いです。原油は、石油ガスやナフサ、灯油、軽油、重油などから構成されており、それぞれ異なる沸点を持っています。分留装置により分離し、燃料や石油化学製品の原料などの様々な用途に使用されます。

大気中に存在する窒素、酸素、アルゴンなどの液化ガスも空気から分離して製造されており、沸点の違いを利用して分留します。この操作により、高純度のガスを大量に得ることが可能です。

その他にも、医薬品製造や化学製品製造など、多岐にわたる分野で分留装置は活用されています。

分留装置の原理

分留とよく似た意味の操作に蒸留があります。蒸留も複数の物質の混合物を、沸点の違いを利用して分離する操作です。蒸留の場合、混合物の中身の状態 (固体、液体、気体) や数は特に決まっておらず、沸点の違いで分離を行う操作全般を指します。

一方で、分留は2種類以上の液体の混合物から、液体を分離する操作のことです。代表例として、原油から軽油、灯油、重油などを得るプロセスがあります。

水・エタノールや水・塩化水素のように共沸混合物を形成する場合には両者を完全に分離できません。共沸とは、混合物が沸騰する際に、気相の組成比が液相と同じになる現象です。共沸混合物の場合は、石油化学などで広く利用される分離精製法を使用します。

分留装置の構造

分留装置は多段の分留管から成り、蒸留フラスコの先端と接続します。フラスコからの蒸気が分留装置の内部を上昇するにつれて、高沸点成分から徐々に凝縮し始めます。凝縮した液体は再びフラスコの内部に戻り、低沸点成分のみが上昇を続けます。分留装置の中では、このような工程が複数回繰り返される仕組みです。

構造に応じて、分留管はビーグロー分留管やヘンペル分留管、シュナイダー分留管などを使用します。ビーグロー分留管は、簡単な分留管で溶媒精製によく用いられています。ヘンペル分留管は、中にらせん状のガラス板が入っており、ビーグロー分留管と同様に簡単な分留管です。シュナイダー分留管は管の数か所が絞られ、中空のガラス玉が封入されています。飛沫の混入を著しく抑えることができます。

分留装置のその他情報

1. 原油の分留工程

原油は、地中から採掘された後、精製所に運ばれます。原油を加熱して蒸発させ、沸点の違いから留出する成分を分離するのが目的です。具体的な工程を説明します。

加熱 (加熱炉)
タンクから原油が加熱炉に送られ350℃以上の高温に加熱されます。原油は様々な物質の混合物であり、それぞれの成分は異なる沸点を持っています。加熱により、原油は蒸気状になります。

分留 (分留塔)
加熱された原油は、分留塔と呼ばれる分留装置に送られます。分留塔の下部から原油の加熱蒸気が導入されます。分留塔の上部に上がるに従い温度が下がっていくため、沸点の高い物質はより下部で、蒸気から液体に液化されて分離されます。このように沸点が低い成分ほどより上段、高い成分ほどより下段で液化して分離されます。

2. 原油の分留により分離できる成分

重油を分留すると、分留塔の各段ごとに沸点の高さに従った成分が得られます。

分留塔の下部
分留塔の下部からは留出しきれなかった成分やより高沸点の成分が残ります。この部分からは、重油やアスファルトの原料などの重い石油製品が得られます。

分留塔の中部
分留塔の中部までは、比較的高い沸点の成分が蒸気として上昇します。これらが冷却され液化されることで、軽油や灯油、ジェット燃料などが含まれます。

分留塔の上部
分留塔の上部までは、比較的低い沸点の成分が蒸気として上昇します。これらが冷却され液化されることでガソリンやナフサが得られます。ナフサは様々な石油化学製品の原料になる成分です。

ガス成分
分留塔の上部までに液化せずに、ガスとし回収される成分ででLPガスなどが含まれます。

参考文献
https://www.kiriyama.co.jp/dcms_media/other/

粉砕機

粉砕機とは

粉砕機

粉砕機は粒子に機械的な力を加えることで、元より小さな微粒子を作り出す機械のことを言います。

粉砕の区分として粗砕(十数cmオーダー)、中砕(数mm以下)、粉砕(数百μm以下)に分けられます。粉砕はさらに微粉砕(数μmオーダー)と超微粉砕(数μm以下)に分けられます。

類似したものとして破砕機と呼ばれるものがありますが、粉砕機は減速機(ギア)がなく、20mm以下の粒子を作り出す装置のことを一般的に指します。

粉砕機の使用用途

粉砕機は固体材料を微細化できることから、古くから様々な用途に用いられてきました。

粉砕する材料としては、鉱石やガラス、セラミックスに加え、穀類や塗料などが対象とされることが多いです。

粉砕の目的は粒子の形状調整、反応性や流動性の促進、混合、成型性付与、有効成分分離のための前処理などがあります。最近では粒子の表面改質、複合化、アモルファス化などの目的で利用されます。

このため、工業利用や食品加工、材料開発などの分野に応用されています。その他にも医薬品製造の際にも微粒化が求められる場面があり、粉砕機が利用されています。

粉砕機の原理

粉砕は粒子に機械的外力が加わることによりクラックが発生し、クラックが伝播することで微細化されます。

粉砕にかかわる力は圧縮、衝撃、せん断、摩擦があり、これらが複雑に作用することで粒子が微細化されます。また、粉砕機により粉砕機構が異なるため、支配的な要因は異なります。より微細な粒子を得るためには摩擦による磨砕が重要となってきます。例えばボールミルは回転円筒容器内に試料と粉砕媒体のボールを入れることで、ボールとの衝撃・圧縮・摩擦により微細化されます。

また、粉砕方法は空気や非活性ガス中で行う乾式と、水などの溶媒中で行う湿式があります。乾式は水や溶媒の処理が必要ないため湿式と比べてコストが低く、幅広い粒子径の粉砕に適用可能です。ただし、乾式では一般的に3μm以下に粉砕することが困難であり、「3μmの壁」とも呼ばれます。これに対して、湿式は比較的粒子径の小さい粒子の粉砕に適用され、溶媒の処理が必要であるものの、乾式では困難なサブミクロンレベルの超微粉砕が可能です。

また粉砕後の粒子の取り出し方法によって閉回路粉砕方式と開回路粉砕方式とがあります。開回路粉砕方式は粉砕後の粒子を分級することなく、そのまま取り出す方法であるのに対して、閉回路粉砕方式は粉砕した粒子を分級することで、細かい粒子だけを取り出し、粗い粒子は再び粉砕するという操作を繰り返します。閉回路粉砕方式は小さい粒子を分級することで粒度分布を整えるだけでなく、微粒子の不必要な過粉砕がなくなることでエネルギー効率の良い粉砕が可能となる。

このように、粉砕方法は装置の構造によって多岐にわたる種類があり、粉砕のプロセスや粉砕物に必要な品質、粉砕対象、コストなどを考慮して適切な粉砕機を選定することが重要です。

粉砕機の種類

粉砕機は多岐にわたりますが、粉砕する粒子径・粉砕工程に応じて適切な粉砕機を選定する必要があります。

中砕(10cm ⇒ 1cm以下)

代表的なものとしてハンマーミルがあります。ハンマーミルは高速回転するハンマーが粒子に衝撃、せん断力などを与えることにより粉砕します。

微粉砕(数cm ⇒ 数μmオーダー)

乾式で行うものとして高速気流で粒子同士を衝突させることで粉砕するジェットミル、湿式ではボールが入った容器を公転・自転させることにより粒子に圧縮・衝撃破砕と摩砕を行う遊星ミルがあります。

超微粉砕(数μmオーダー ⇒ 1μm以下)

超微粉砕ではビーズミルやアトライターのような湿式媒体攪拌型粉砕機が使用されます。これらはアームのような撹拌機のある容器内に粉体スラリーと粉砕媒体となるボールを入れ、撹拌機によりボールとスラリー中の粉体が衝突、摩耗を起こすことで粉砕する方法です。

粉砕機使用の際の注意点

粉砕機はいずれも多数の粒子に機械的エネルギーを加えることで微細化していますが、その際には粉砕機自体の摩耗対策に注意する必要があります。粉砕機の摩耗は粉砕性能の低下や粉砕機の摩耗によるコンタミネーションが懸念されます。対処としては粉体材料に応じてセラミックスや超硬金属などより摩耗に強い材料を使用することが重要です。

また、粉砕機内では多数の粒子が激しく運動することで熱が生じ、粉砕機の構造により熱が蓄積されていく可能性があります。これにより、熱に弱い材料等が編成する可能性があります。このような場合、粉砕ジャケットに冷却水を流すことで熱を取り除く必要があります。

平歯車

平歯車とは

平歯車

平歯車とは、歯車の一種で歯すじが直線で軸に平行となっている円筒形状の歯車です。平歯車は、軽負荷から高負荷、低速から高速まで、設計次第で幅広く使用する事が可能です。加工も比較的容易であるため、平歯車は数ある歯車の種類の中でも最も一般的に使用されていると言えるでしょう。

平歯車は、材料(金属・樹脂)、加方方法(機械加工・成型・焼結)、潤滑(潤滑剤の種類や有無)など多くの選択肢があるため、用途に合わせて適切に選定する必要があります。

平歯車の使用用途

平歯車は汎用性が高く、最も多く用いられている機械要素の一つです。駆動伝達力は大きく、回転の速度を自由に選択することができることに加え、伝達する回転の向きを変えることもできる利便性により幅広い分野で使用されています。

平歯車の用途としては、車のおもちゃの駆動伝達部品、時計内部の駆動伝達部品、各種プリンターの駆動伝達部品、産業用ロボットの駆動伝達部品、電動工具や農機具の駆動伝達用途など、実に様々です。

平歯車の原理

平歯車は、歯を順次かみ合わせることによって、運動を他へ伝えます。平歯車は歯が軸の向きと平行に切られている為、理論的には軸方向の力(スラスト荷重)が発生せず、装置の小型化と全体構造の簡素化につながっています。

一対のかみ合う平歯車では、回転方向は逆になり、回転数は歯の数に反比例し、トルクは歯の数に比例します。これらの駆動伝達の理論は歯の大きさには依存しないため、小さな動力から大きな動力まで同じように考えることが可能です。

大きな動力の部分に平歯車を使用する場合は、材料に金属を用いてかみ合いの部分に潤滑材を塗布するのが一般的です。潤滑剤が無いと極めて短い時間で歯車が摩耗してしまいます。金属材料の表面に焼き入れをして硬度を上げることにより歯車の寿命を延ばすこともあります。

中荷重から低荷重の部分に平歯車を使用する場合は材料に樹脂を用いることが可能です。樹脂の滑り性や耐摩耗性により、無潤滑での動力伝達も行われています。また、樹脂の場合は成型して歯車を製作することでコストメリットを得やすくなります。

参考文献
https://www.khkgears.co.jp/khk_products/Spurgear.html

閉端接続子

閉端接続子とは

閉端接続子

閉端接続子とは、2本以上の電気配線を、圧着して接続するための端子部品です。

電気配線は抵抗が極めて低いを芯線に用いています。従って、芯線を2本以上接触させることで配線端まで電気を供給できる性質があります。ただし、配線をねじってただ接触させるだけでは、接触抵抗が発生し、スパークや発火の原因となります。接触抵抗を低減させるために、配線を接続するときには配線同士を圧着端子に収納し、圧着工具で握ることで強固に接続します。

閉端接続子はそれら圧着端子の一種であり、片側が閉じた形となっている端子です。

閉端接続子の使用用途

閉端接続子は、産業用機器の配線補修用と、新規機器接続用等に用いられます。

産業用機器配線補修用としては、配線が強い衝撃を受けて引きちぎれた際等に、閉端接続子を用いて接続します。断面積が大きい配線には対応していないため、0.75~8mm2の比較的細い配線の接続に用います。

新規機器接続用としては、機器のリード線を電源側に接続する際に使用します。使用用途が決まっている電気製品は、リード線と呼ばれる電源配線が露出した状態で納入されます。これらを電源となる機器に接続する際に、閉端子を用いることがあります。

閉端接続子の原理

閉端接続子は接続用端子であり、大変簡単な構造となっています。具体的には、導体部分と被覆部分に分かれます。

導体部分は金属製の円筒となっており、この部分がつぶれることで配線同士を強く締め付けます。圧着工具を用いると簡単につぶれるように、厚さは1mm以下程度しかありません。配線を差し込みやすいように、導体入口は少し広がっているのが特徴です。材質は、基本的には配線と同じ銅が使われています。接続する配線の断面積に比例して、導体部分全体が大きくなります。

被覆部分は、導体部分の配線入口を除いて導体全体を覆っています。電気的に周囲と絶縁される必要があるため、絶縁体が使用されます。多くの場合は安価なナイロンが用いられます。使用電圧が高くなると、ナイロンでの簡単な絶縁では危険な為、使用電圧は200V程度が上限です。

実際に圧着する際には、配線捻じって撚り、配線入口から被覆部分に当たるまで差し込んで接続します。この際、配線の芯線が被覆部分から出ていると、感電や地絡事故などに繋がります。施工の際には、芯線が完全に被覆の中に入っている事や、手で引っ張っても簡単には取れないことを確認することが肝要です。

参考文献
絶縁被覆付閉端接続子カタログ https://www.jst-mfg.com/product/pdf/jpn/A-F5.pdf?60ab85af873a1

変速機

変速機とは

変速機

変速機とは、車や自転車などの乗り物や機械装置で使用される、回転数やトルク (回転力) を調節する装置です。

似た装置として減速機がありますが、減速機が減速比が固定されているのに対して、変速機は変速比を変えることができます。変速比が可変になることで様々な使用条件に適応させることが可能です。

歯数の違うギヤの組み合わせを変えて、エンジンなどの動力側から入力される回転数とトルクを必要とされるものに変換して出力します。

変速機の使用用途

変速機は、様々な乗り物や機械に用いられています。

1. 乗り物

自動車、二輪車、鉄道など移動するための乗り物であれば、停止からの発進時や、登り坂の走行時などの大きな動力が必要な時には、減速比を大きくして、エンジンなどの入力側のトルク以上のトルクでタイヤを駆動できます。また、大きなトルクよりも高速走行が要求される場合は減速比を小さくして、入力回転数よりも出力回転数を上げて対応します。

2. 機械

工作機械では、切削加工を行う場合、周速を一定の範囲内に収めることが要求されます。そのため、被削材や工具の直径に応じて回転数を変化させる際に、変速機が使用されます。

変速機の原理

変速機はトルクや回転数を制御するために、ギアやプーリーなどの機構を使用します。これらの機構によって、入力軸からの回転力を出力軸に伝える際に変速比を変えることができます。

1. ギアを利用した変速機

ギアは円盤状の歯車であり、異なるサイズの歯車を組み合わせることで変速効果を得られます。ギアの歯車の大きさは、半径や歯の数で表されます。

例えば、入力軸に接続された歯車 (ピニオン) が、出力軸に接続された歯車 (リングギア) と噛み合っている場合を考えます。入力軸のピニオンの回転はリングギアに伝えられ、出力軸からの回転力を得ることが可能です。このとき、ピニオンの歯の数がリングギアの歯の数よりも少ない場合、出力軸の回転数は入力軸の回転速度よりも遅くなり、トルクは上がります。

逆に、ピニオンの歯の数がリングギアの歯の数よりも多い場合は、出力軸の回転数は入力軸の回転速度よりも速くなり、トルクは下がります。このように、ギアの組み合わせによって回転数、トルクを変化させることができます。

2. プーリーを利用した変速機

ゴム製のベルトが2つのプーリーをつながった構造で、入力と出力のプーリーの直径の比率を変えることで、変速効果を実現します。プーリーは円盤状の車輪であり、ベルトがプーリーに巻きつけられています。入力軸に接続された小さなプーリーの直径と、出力軸に接続された大きなプーリーの直径の比率を変えることで、出力軸の回転速度やトルクを調整可能です。

自転車やバイクは、ギアを直接嚙合わせるのではなく、チェーンを介して入力軸と出力軸のギア比を変えて変速しています。このように、ギアやプーリーなどの機構を使用して変速機は動作します。

変速機の種類

変速機は大きく分けて、有段変速機と無段変速機に分けられます。有段変速機は、歯車などの組合わせを変えることで変速するため、減速比は飛び飛びの値となります。

無段変速機は減速比が無段階に変更可能で、最適なトルクと回転数の組み合わせを実現します。これにより、なめらかな加速と燃費の向上が可能です。

なお、自動車用途の変速機は大きく分けて、有段変速機であるマニュアルトランスミッション (MT) 、オートマチックトランスミッション (AT) と、無段変速機 (CVT) の3種類があります。

1. マニュアルトランスミッション (MT)

運転手が手動でギアを切り替えることで、車の速度やトルクを制御するタイプの変速機です。ギアを変更する際にはエンジンからの入力を一時的に遮断する必要があるため、クラッチと呼ばれる装置で入力を遮断して適切なギアを選択してから、クラッチを戻してエンジンからの入力を再開させます。運転者は意のままにギアを選択できるため、車のパフォーマンスを自由にコントロール可能です。

2. オートマチックトランスミッション (AT) 

運転者がギアを手動で切り替える必要がない変速機です。車の速度や負荷に応じて、電子制御によって自動的に最適なギアが選択されます。マニュアルトランスミッションでのクラッチの役割を油圧を利用したトルクコンバーターと呼ばれる装置が行い、スムーズなギアチェンジが行われます。

3. 無段変速機 (CVT)

ベルト式CVT、トロイダルCVTなどがあります。ベルト式CVTはスクータータイプの2輪車や乗用車でよく用いられ、ベルトを駆動するためのプーリの接触径を連続的に変えることで変速します。

トロイダルCVTは特殊な形状をしたローラを組み合わせた変速機で、動力の伝達はローラの摩擦で行い、ローラ同士が接触する直径を変化させることで変速します。

参考文献
https://www.mikipulley.co.jp/JP/Products/SpeedChangersAndReducers/about.html
https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/16:1011945

補助継電器

補助継電器とは

補助継電器

補助継電器 (英: auxiliary relay) とは、電磁石により、接点が開閉する制御用の継電器です。

電磁リレー、電磁継電器、コンタクトリレーなどとも呼ばれます。補助継電器は電磁開閉器に似ていますが、接点構成が異なります。例えば、4接点の補助継電器はa接点とb接点が2つずつあり、c接点はありません。

補助継電器は、保護継電器や制御継電器の補助用継電器として、主にインターロックや自己保持などの制御回路に使用されます。

補助継電器の使用用途

補助継電器は、制御回路の補助リレーとして使用されます。補助継電器は主回路がなく、すべてが補助接点です。補助接点なので、定格通電電流も10A以下の小容量となります。一般的な継電器では接触度が低い場合であっても補助継電器を使用し、接触信頼度を高めています。

補助継電器は、インターロックや電磁開閉器の自己保持用の継電器として使用される場合が多いです。インターロックは安全技術の1つであり、ある一定の条件が整わないと他の動作ができなくなるような機構のことを指します。機器の起動状況、扉の開閉状況、圧力、液面、温度などの条件や押し釦の押し間違いなどが発生した場合、安全な方へ運転を制御します。

また、補助継電器は地絡電流の検知に利用されます。微弱な地絡電流を高感度で検知して、事故を未然に防ぎます。地絡は電子素子に損傷を与える可能性があるため、リスクを抑えることが重要です。

補助継電器の原理

補助継電器の接点は、3種類の接点が多く使われます。メーク接点 (a接点) 、ブレイク接点 (b接点) 、トランスファー接点 (c接点) などです。

1. メーク接点

メーク接点は、電磁石に通電すると閉じる接点です。常開接点、NO接点とも呼ばれます。

2. ブレイク接点

ブレイク接点は、通電すると開きます。常閉接点、NC接点とも呼ばれます。

3. トランスファ接点

通電しない状態の場合、a接点は開、b接点は閉になっています。通電により共通可動接点が作動して、a接点が閉、b接点が開になります。したがって、トランスファ接点は、回路の切り替えに使用される切替接点です。

補助継電器の構造

補助継電器は、鉄芯に巻かれたコイル、電流が流れる電磁石、及び電気の開閉をする接点で構成されます。鉄芯に巻かれた電磁石に電気が流れると、電磁石の働きで可動鉄片が引き寄せられ、可動接点が固定接点に接触し、回路がつながります。

補助継電器の場合、多くはツイン接点の構造を有しており、一般継電器と比べて接触信頼性がより高いです。その結果、例えばDC5V、3mAという微小負荷に対しても対応することが可能です。微小負荷を開閉するときには、接点の接触抵抗が問題となりえます。

偶発的に高い接触抵抗値が発生したとしても、次の開閉で回復する場合もあります。

補助継電器の特徴

1. 接点構成が多い

補助継電器の接点数は、2接点から16接点までが多く使われます。必要な接点数を選ぶことが可能です。接点の構成も多種可能です。例えば、4接点では、4a,3a1b,2a2b,4bなどがあります。

2つの接点を同じ回路に使用して、接触抵抗を減らすことも可能です。また、動作したことが分かるようにランプが点灯したり、黄色の表示が出したりするタイプがあります。

2. 電圧仕様が多い

補助継電器の電磁石コイルの電圧は、AC100V,AC200V,DC100V,DC24V,DC5Vなど多種があり、間違わないようにします。

3. 小型軽量化が進んでいる

例えば、IEC35mm幅レールにワンタッチで取付けが可能なタイプがあります。双接点化による高接触信頼性、豊富なオプションユニット、UL・CSA・CEなどの世界規格に適合などの特徴があります。

また、超薄型で省スペースのタイプは、6.2mm幅で多数の継電器を重ねて設置が可能です。制御盤を大幅に小さくできます。

参考文献
https://e-sysnet.com/relay/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/222303118204/
http://taku-web.com/electric/magnet_hojo.php

防錆剤

防錆剤とは

防錆剤

防錆剤とは、金属製品や金属部品の錆 (サビ) を防ぐためのものです。

一般的に鉄鋼に対して用いられるものが多く、液状の防錆剤を対象物に直接塗布して金属の表面を保護します。対象物の形状に関わらず容易に実施できるため多くの分野で使用されています。

防錆剤は対象の製品や用途によっていくつかの種類が異なりますが、JISK2246 にて防錆油 (ぼうせいゆ) として各種規定があります。

防錆剤の使用用途

1. 液状の防錆剤の場合 (水溶性、油溶性) 

液状の防錆剤の使用用途は防錆油として直接対象の金属に塗布したり、溶液に添加したりすることです。 その使用例としては、鋼板の表面への塗布、ばね (ピアノ線など) への塗布、プレス油や切削油への添加、その他鉄鋼部品への塗布などが代表的です。

2. 気化性の防錆剤の場合

気化性の防錆剤は、気化した防錆成分が金属部品の表面に皮膜をつくることで錆を防ぎます。皮膜を形成した防錆成分は少しずつ気化するため、錆の原因となる大気中の水分や酸素が金属と反応することを防ぎます。気化性防錆剤はフィルムや紙に塗工または含侵させた防錆紙防錆フィルムという形で使用されています。防錆紙や防錆フィルムで金属部品を包んだり、気化性防錆剤を同梱したりすることで防錆剤が少しずつ気化し、防錆の効果を発揮します。

防錆剤の原理

防錆剤のメカニズム

防錆剤は錆の原因となる水や酸素と接触することを抑制する保護被膜を金属表面に形成し、錆を抑制します。

図1は鉄表面に形成された水膜です。水膜には空気中の酸素が溶け込みますが、溶存している酸素濃度は水膜表面と金属表面で異なります。また金属由来の溶け出した金属イオンも水膜表面と既存即表面では差が生じています。このような微小な領域における酸素濃度やイオン濃度の差で水膜内に電位差を生じ、鉄の酸化反応が進行することで錆が生じます。

金属に空気中の水分や酸素が接触すると錆が発生するため、それを防ぐ目的で防錆剤が用いられます。

防錆剤の種類

代表的な防錆剤

防錆剤は、その化学的性状から水溶性防錆剤、油溶性防錆剤、気化性防錆剤の3種類に分類されます。それぞれの特徴と代表的な化合物は以下の通りです。

1. 水溶性防錆剤

水溶性防錆剤の錆抑制機構

水溶性防錆剤は水に溶解する防錆剤です。形成する皮膜の種類により酸化被膜型、沈殿被膜型、吸着被膜型に分類されます。代表的な化合物としては、クロム酸塩、モリブデン酸塩、重合リン酸塩、メルカプトベンゾチアゾール、脂肪酸塩などです。界面活性剤型の防錆剤も水溶性防錆剤に該当し、このような化合物の構造は分子内に極性基と疎水基の両方を持ち合わせています。効果発現の際には分子内の極性基が金属表面に吸着し、疎水基が金属表面をカバーします。疎水基は水分子を排除する性質があるため、錆の発生が抑えられます。

2. 油溶性防錆剤

油溶性防錆剤は低極性で油に良く溶ける性質の防錆剤で吸着型の被膜を形成する特徴があります。その構造は、分子内に極性基と炭化水素鎖の両方を持つ構造です。炭化水素鎖は充分に長い構造を有しているため、化合物全体では高い親油性を示します。金属表面に塗布された場合は極性基が金属表面に付着し、親油性を示す炭化水素鎖が金属表面をカバーします。この疎水性の鎖が油成分を保持するため、金属表面が油の薄い層で覆われます。その結果として水分子や酸素分子が排除され、高い防錆効果が発現します。

代表的な化合物は、石油スルホネート、ソルビタンエステルなどです。

3. 気化性防錆剤

気化性防錆剤は、常温常圧でゆっくりと気化する性質を持つ防錆剤です。気化した防錆成分は大気中に充満し、金属表面に薄い被膜を形成することで防錆効果が発現します。代表的な化合物としては、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられます。

防錆剤のその他情報

その他の防錆性のある材料

以下のような化合物群にも錆を防ぐ効果があり、広く用いられています。

1. 可塑性プラスチック

金属表面に吹き付けたり、金属を浸漬して被膜する事で錆の発生を防止します。その用途と特徴から、塗装形と熱間浸漬形の2種類に分類されます。塗装形の場合は、形成される被膜は比較的薄く、かつ、剝がしやすいという特徴があります。一方で熱間浸漬形の場合は、その被膜は塗装型に比べて厚くなりますが、剥がしやすいという性質については塗装形と同様です。

2.  乾燥剤

包装内の水分を除去する目的で広く用いられており、その代表例はシリカゲルです。

3. 脱酸素剤

包装内の酸素を固定して錆の発生を防止する目的で用いられます。安価に入手可能な鉄粉が一般的に用いられています。

4. 腐食抑制剤

金属表面に吸着して自ら被膜を形成し、錆の発生を抑えるタイプの化合物です。各種無機塩や有機酸など、これに該当する化合物は非常に多岐に渡ります。その一例としては、各種のクロム酸塩、カルボン酸類、アミン塩、エステル類が挙げられます。

5. キレート剤

鉄金属の表面に錯塩を形成して錆の発生を防止するタイプの化合物です。EDTA、グルコン酸、NTA、HEDTAなどが代表例です。

参考文献
https://www.juntsu.co.jp/rust/rust_kaisetsu01.php
https://www.sanyo-chemical.co.jp/magazine/archives/1228
https://www.taiyochem.co.jp/rustprevention/

防振ゴム

防振ゴムとは

防振ゴム

防振ゴムとは、ゴムの伸縮性や弾力を利用して、振動の伝達を抑えるゴム製品です。振動が発生する機器やユニットに防振ゴムを組み込むことで、振動の伝達すや波及を緩和する特性を持ちます。クッションゴムやインシュレーターと呼ばれることもあります。

防振ゴムの使用目的

防振ゴムは、大きく二つの目的で用いられています。

一つ目は機器の稼働に伴う振動または衝撃が外部に伝わるのを防ぐ場合です。

二つ目は、精密機器などのように、外部の振動が装置の特性に影響する場合です。

防振ゴムの目的

図1. 防振ゴムの目的

図1aに示すように、機器と基台の間に防振ゴムを配し、機器から発生する振動および衝撃を防振ゴムにより吸収して基台への伝達を低減します。

逆に図1bに示すように、基台が振動する場合には、基台の振動を防振ゴムにより吸収して装置への伝達を低減します。防振ゴムの特性を利用して防音材として利用されることもあります。

防振ゴムの種類と使用例

防振ゴムには様々な形状があり、板状のもの、円柱状のもの、また、図2に示すように、ボルトなどと一体的に成形されているものなどがあります。

防振ゴムの構造

図2. 防振ゴムの構造

例えば、発電機やエアコンの室外機、コンプレッサ等の下に防振ゴムを配置することにより、これら機器が発する振動を緩和し、設置台や設置場所への振動の伝達が抑えられます。

また、図2に示すようなボルトと一体的に成形されているものは、汎用性が高く、機器にボルト受け部があれば簡単に取り付け可能です。

ボルトのほか、フランジと一体的に成形されたもの、円筒状の内部が空洞となっているものなどもあります。モーターの取り付け面に取り付け可能な形状のものや、回転軸方向の制振用途で使用されるものも有ります。

また、光学系のユニットのような外部からの振動に影響を受ける精密機器においては、設置面上に防振ゴムを介して保持することにより、外部からの振動の影響を受けないようにしています。

防振ゴムを選択する基準

1.固有振動数

防振するためには、構造体の固有振動数との関係が重要です。

固有振動数とは機器本体の駆動もしくは外部からの振動により構造体が振動する時に最も振動する振動数です。固有振動数は周波数の単位Hz(ヘルツ)で表され、構造体は固有振動数から大きく外れた振動数で駆動する若しくは外部から揺すられても、あまり反応せず大きく振動する事は有りません。従って、構造体を防振ゴムで保持する際は、その防振ゴムの固有振動数を対象となる振動(構造体の駆動若しくは設置個所の振動)から大きく離しておくことにより、振動の伝達を効果的に緩和できます。

これは緩衝材として用いる場合も防音材として用いる場合も同じです。

2.ばね定数防振ゴムの特性を決める要因

防振ゴムは、先に述べた様に、ゴムの伸縮性や弾力を利用して、振動の伝達を抑えるため、その特性は、伸縮性や弾力を表すばね定数により決まります。

防振ゴムにおいては、形状や寸法を適宜選択することで、上/下、左/右、前/後の各方向におけるばね定数を任意の値に設定できます。先に述べた固有振動数を変動させるのは、このばね定数です。

3.材質

防振ゴムに一般的に使用される、一般加硫ゴムであるNR(天然ゴム)、SBR(スチレンゴム)は、振動による発熱が小さく、高い耐久性を有します。

しかし、使用する環境の温度条件(高温環境・低温環境)によっては、対候性の高いCR(クロロブレンゴム)製の防振ゴムの使用をおすすめします。

また、耐油性が必要な場合においては、NBR(ニトリルゴムウレタンゴム製の防振ゴムが好適です。

参考文献
https://www.nok.co.jp/pdf/product/vibe/vibe/vibe_No519_2018.pdf
https://kotobank.jp/word/%E9%98%B2%E6%8C%AF%E3%82%B4%E3%83%A0-132191
https://www.techno-kitagawa.com/techinfo/tech/vib/vib2.html