閉端接続子とは
閉端接続子とは、2本以上の電気配線を、圧着して接続するための端子部品です。
電気配線は抵抗が極めて低い銅を芯線に用いています。従って、芯線を2本以上接触させることで配線端まで電気を供給できる性質があります。ただし、配線をねじってただ接触させるだけでは、接触抵抗が発生し、スパークや発火の原因となります。接触抵抗を低減させるために、配線を接続するときには配線同士を圧着端子に収納し、圧着工具で握ることで強固に接続します。
閉端接続子はそれら圧着端子の一種であり、片側が閉じた形となっている端子です。
閉端接続子の使用用途
閉端接続子は、産業用機器の配線補修用と、新規機器接続用等に用いられます。
産業用機器配線補修用としては、配線が強い衝撃を受けて引きちぎれた際等に、閉端接続子を用いて接続します。断面積が大きい配線には対応していないため、0.75~8mm2の比較的細い配線の接続に用います。
新規機器接続用としては、機器のリード線を電源側に接続する際に使用します。使用用途が決まっている電気製品は、リード線と呼ばれる電源配線が露出した状態で納入されます。これらを電源となる機器に接続する際に、閉端子を用いることがあります。
閉端接続子の原理
閉端接続子は接続用端子であり、大変簡単な構造となっています。具体的には、導体部分と被覆部分に分かれます。
導体部分は金属製の円筒となっており、この部分がつぶれることで配線同士を強く締め付けます。圧着工具を用いると簡単につぶれるように、厚さは1mm以下程度しかありません。配線を差し込みやすいように、導体入口は少し広がっているのが特徴です。材質は、基本的には配線と同じ銅が使われています。接続する配線の断面積に比例して、導体部分全体が大きくなります。
被覆部分は、導体部分の配線入口を除いて導体全体を覆っています。電気的に周囲と絶縁される必要があるため、絶縁体が使用されます。多くの場合は安価なナイロンが用いられます。使用電圧が高くなると、ナイロンでの簡単な絶縁では危険な為、使用電圧は200V程度が上限です。
実際に圧着する際には、配線捻じって撚り、配線入口から被覆部分に当たるまで差し込んで接続します。この際、配線の芯線が被覆部分から出ていると、感電や地絡事故などに繋がります。施工の際には、芯線が完全に被覆の中に入っている事や、手で引っ張っても簡単には取れないことを確認することが肝要です。
参考文献
絶縁被覆付閉端接続子カタログ https://www.jst-mfg.com/product/pdf/jpn/A-F5.pdf?60ab85af873a1