粉砕機

粉砕機とは

粉砕機

粉砕機は粒子に機械的な力を加えることで、元より小さな微粒子を作り出す機械のことを言います。

粉砕の区分として粗砕(十数cmオーダー)、中砕(数mm以下)、粉砕(数百μm以下)に分けられます。粉砕はさらに微粉砕(数μmオーダー)と超微粉砕(数μm以下)に分けられます。

類似したものとして破砕機と呼ばれるものがありますが、粉砕機は減速機(ギア)がなく、20mm以下の粒子を作り出す装置のことを一般的に指します。

粉砕機の使用用途

粉砕機は固体材料を微細化できることから、古くから様々な用途に用いられてきました。

粉砕する材料としては、鉱石やガラス、セラミックスに加え、穀類や塗料などが対象とされることが多いです。

粉砕の目的は粒子の形状調整、反応性や流動性の促進、混合、成型性付与、有効成分分離のための前処理などがあります。最近では粒子の表面改質、複合化、アモルファス化などの目的で利用されます。

このため、工業利用や食品加工、材料開発などの分野に応用されています。その他にも医薬品製造の際にも微粒化が求められる場面があり、粉砕機が利用されています。

粉砕機の原理

粉砕は粒子に機械的外力が加わることによりクラックが発生し、クラックが伝播することで微細化されます。

粉砕にかかわる力は圧縮、衝撃、せん断、摩擦があり、これらが複雑に作用することで粒子が微細化されます。また、粉砕機により粉砕機構が異なるため、支配的な要因は異なります。より微細な粒子を得るためには摩擦による磨砕が重要となってきます。例えばボールミルは回転円筒容器内に試料と粉砕媒体のボールを入れることで、ボールとの衝撃・圧縮・摩擦により微細化されます。

また、粉砕方法は空気や非活性ガス中で行う乾式と、水などの溶媒中で行う湿式があります。乾式は水や溶媒の処理が必要ないため湿式と比べてコストが低く、幅広い粒子径の粉砕に適用可能です。ただし、乾式では一般的に3μm以下に粉砕することが困難であり、「3μmの壁」とも呼ばれます。これに対して、湿式は比較的粒子径の小さい粒子の粉砕に適用され、溶媒の処理が必要であるものの、乾式では困難なサブミクロンレベルの超微粉砕が可能です。

また粉砕後の粒子の取り出し方法によって閉回路粉砕方式と開回路粉砕方式とがあります。開回路粉砕方式は粉砕後の粒子を分級することなく、そのまま取り出す方法であるのに対して、閉回路粉砕方式は粉砕した粒子を分級することで、細かい粒子だけを取り出し、粗い粒子は再び粉砕するという操作を繰り返します。閉回路粉砕方式は小さい粒子を分級することで粒度分布を整えるだけでなく、微粒子の不必要な過粉砕がなくなることでエネルギー効率の良い粉砕が可能となる。

このように、粉砕方法は装置の構造によって多岐にわたる種類があり、粉砕のプロセスや粉砕物に必要な品質、粉砕対象、コストなどを考慮して適切な粉砕機を選定することが重要です。

粉砕機の種類

粉砕機は多岐にわたりますが、粉砕する粒子径・粉砕工程に応じて適切な粉砕機を選定する必要があります。

中砕(10cm ⇒ 1cm以下)

代表的なものとしてハンマーミルがあります。ハンマーミルは高速回転するハンマーが粒子に衝撃、せん断力などを与えることにより粉砕します。

微粉砕(数cm ⇒ 数μmオーダー)

乾式で行うものとして高速気流で粒子同士を衝突させることで粉砕するジェットミル、湿式ではボールが入った容器を公転・自転させることにより粒子に圧縮・衝撃破砕と摩砕を行う遊星ミルがあります。

超微粉砕(数μmオーダー ⇒ 1μm以下)

超微粉砕ではビーズミルやアトライターのような湿式媒体攪拌型粉砕機が使用されます。これらはアームのような撹拌機のある容器内に粉体スラリーと粉砕媒体となるボールを入れ、撹拌機によりボールとスラリー中の粉体が衝突、摩耗を起こすことで粉砕する方法です。

粉砕機使用の際の注意点

粉砕機はいずれも多数の粒子に機械的エネルギーを加えることで微細化していますが、その際には粉砕機自体の摩耗対策に注意する必要があります。粉砕機の摩耗は粉砕性能の低下や粉砕機の摩耗によるコンタミネーションが懸念されます。対処としては粉体材料に応じてセラミックスや超硬金属などより摩耗に強い材料を使用することが重要です。

また、粉砕機内では多数の粒子が激しく運動することで熱が生じ、粉砕機の構造により熱が蓄積されていく可能性があります。これにより、熱に弱い材料等が編成する可能性があります。このような場合、粉砕ジャケットに冷却水を流すことで熱を取り除く必要があります。

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