粉砕機

粉砕機とは

粉砕機

粉砕機とは、粒子に機械的な力を加えることによって、元の粒子よりも小さな微粒子を生成するための装置です。

粉砕には「粗砕」「中砕」「粉砕」の3段階があります。粉砕はさらに微粉砕と超微粉砕 に分けられます。粉砕機は破砕機とは異なり減速機 (ギア) がないことが特徴です。以下に粉砕機の使用用途・原理・種類などを詳しく解説します。

粉砕機の使用用途

粉砕機には固体材料を微細化する能力があり、さまざまな用途に利用されています。対象となる材料も、鉱石、ガラス、セラミックス、さらには穀物や塗料などさまざまです。これらの対象を粉砕して、粒子の形状を調整し、反応性や流動性を促進し、混合や成型性を向上させ、有効成分の分離のための前処理も行います。粒子の表面改質、複合化、アモルファス化のために使用されることも多いです。微粉砕された材料は、工業利用や食品加工、材料開発や医薬品製造などの分野で利用されています。

工事現場では、主に建設廃棄物の処理に用いられます。コンクリート、アスファルト、木材、鉄筋などの廃棄物を細かく砕くことで、運搬や処分が容易になり、リサイクルを促進するだけでなく、作業現場の安全性も確保できます。このように、粉砕機は幅広い用途で活躍している機器です。

粉砕機の原理

粉砕機は、粒子に機械的な外力を加えてクラックを発生させ、そのクラックを伝播させることで微細化する仕組みとなっています。圧縮、衝撃、せん断、摩擦などの力を複雑に作用させて機能を発揮するのが特徴です。さまざまな種類の機構がありますが、微粒子を得るためには摩擦による磨砕が重要です。例えば、回転する円筒容器内に粉砕媒体としてボールを入れ、その衝撃・圧縮・摩擦によって微細化する方法があり、「ボールミル」と呼ばれています。

粉砕方法には、空気や非活性ガス中で行う「乾式」と、水などの溶媒中で行う「湿式」があります。乾式粉砕は水や溶媒の処理が不要なため湿式粉砕よりコストが低く、幅広い粒子径の粉砕が可能ですが、一般的に3㎛以下には粉砕できません。これが、「3㎛の壁」です。一方、湿式粉砕は比較的径の小さい粒子を粉砕でき、溶媒で処理すれば、乾式粉砕では困難なサブミクロンレベルの超微粉砕も可能です。

粉砕機の種類

粉砕機はさまざまな種類があり、粉砕する粒子径や粉砕工程に応じて適切な機種を選定する必要があります。中砕は数㎜以下、 微粉砕は数㎛オーダー、 超微粉砕は数㎛以下です。以下にそれぞれの粉砕工程で代表的な粉砕機の種類を紹介します。

  • 中砕:ハンマーミル (高速回転するハンマーが粒子に衝撃やせん断力を与えることで粉砕する)
  • 微粉砕:乾式ではジェットミル (高速気流で粒子同士を衝突させて粉砕する) 、湿式では遊星ミル (ボールが入った容器を公転・自転させることで、粒子を圧縮・衝撃破砕および摩砕する) 
  • 超微粉砕:ビーズミルやアトライターのような湿式の媒体攪拌型粉砕機 (アーム状の撹拌機を備えた容器内に粉体スラリーと粉砕媒体であるボールを投入し、撹拌機によってボールとスラリー中の粉体が衝突・摩耗し粉砕する) 

どのタイプの粉砕機でも、素材の微細な破片が損傷の原因となるため、清掃を徹底してください。摩耗の有無を確認し、適切なグリスアップや研磨を実施し、部品の定期的に点検します。モーターやエンジン部分の異常の有無も確認が必要です。

粉砕機のその他情報

粉砕後の粒子の取り出し方法

粉砕後の粒子の取り出し方法には閉回路方式と開回路方式とがあります。開回路方式は粉砕した粒子をそのまま取り出して、分級はしません。一方、閉回路方式は、粉砕した粒子を分級して細かい粒子だけを取り出し、粗い粒子は再び粉砕する工程を繰り返します。小さい粒子が分級すると、粒度分布が整うだけでなく、微粒子の不必要な過粉砕がなくなるメリットがあります。さらに、エネルギー効率の良い粉砕が可能です。

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