放射線検出器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、放射線検出器のメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。放射線検出器関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:浜松ホトニクス株式会社、2位:株式会社日立製作所、3位:鎌長製衡株式会社となっています。
放射線検出器とは、放射線と物質が電離や励起といった相互作用を起こし、その結果起こる物理的・化学的あるいは化学反応を利用して、間接的に放射線を検出・測定する装置です。
放射線は人間の目では直接感じることができません。これを、イオンや自由電子、蛍光のような電磁波を利用することによって電流信号に変換します。この電流信号をもとに、放射線量をメーターに表示したり音にして聞こえるようにしたりして検出するようになっています。
放射線検出器は、放射能の除染現場やヤード・工場などで多く使用されています。放射線にはアルファ線・ガンマ線・ベータ線・エックス線といった種類の他、発する量が高いものから低いものまであるため、状況によって検出器自体を慎重に選ぶ必要があります。
空間放射線量率を測定することでその空間がどれだけ汚染されているのかという状況把握や汚染源の特定、体表面汚染検出などが可能です。その他、人がどの程度放射線に被爆しているのかといった被ばく量測定にも用いられています。
放射線を検出する方法として、大きく放射線と気体との電離作用を利用するものと、物質との励起作用を利用するものの2種類が挙げられます。
放射線は物質中を通過する際、物質と相互作用することが解明されており、その相互作用を利用して放射線の量を測定するのがGM計数管式サーベイメータや電離箱です。検出器に不活性ガスや空気などの気体を充填させ、このなかを放射線が通過すると分子が電離して陽イオンと電子を生成します。この時、陽イオンと電子がそれぞれ電極に引き寄せられ、電気信号に変換させて測定する仕組みです。
一方、放射線が原子核の電子にエネルギーを与え、その電子が外側の軌道に乗る“励起”と呼ばれる作用を利用したのがNaIシンチレーション式サーベイメータです。放射線がシンチレータ内を通過すると分子が不安定な状態になり、その後安定状態に戻ります。この、不安定状態から安定状態に変わる際に、原子はエネルギーを光として放出するのですが、その微弱な光を光電子倍増管によって増幅・電流に変換することで測定する仕組みです。
放射線検出器とその応用について、放射線計測には目的ごとに大きく分けて、2種類のの対象があります。1番目は、放射線の取り扱いを目的とし、その種類や粒子数等の放射線のある場所固有の放射線量を測定するもの。2番目は、放射線と放射線に起因して生じる生物学的の他、や物理、化学効果の数値的関係をまとめるもの。またはその有効利用をするため、放射線のある場の固有照射線量の放射線量と、放射線と物質との相互作用に帰因する係数を掛け算で表す吸収線量を測定をするもの。以上の2種類です。
放射線は、人間にとって直接には感知できないため、放射線と物質の相互作用を使って、検知することが出来る状態に変えて検出計測を行い、以下の検出器・計測器があります。①電離作用を利用するもの、②励起作用や分子解離作用の応用、③熱や光ルミネセンスの応用をしたもの、(5)二次側の電子放射を応用したもの、(6)発熱を利用するものの他、ファラデーカップや中性子物質の放射化を実用化したものやチェレンコフ光の検出に基づく検出器など、多くの応用品があります。
シンチレーション検出器は、放射線を検出する機器の1種類です。固体結晶を用いたシンチレーション検出器は、昔から高いエネルギーのエックス線や、それよりも更に高いエネルギーのガンマ線と言う放射線を測定する機器です。気体検出器では検出困難な高いエネルギーのエックス線にも使用することが可能です。又、エックス線は検出器に入ってから、電気信号に変換されて出力されるまでの時間がとても短いため、入射したエックス線光子の数が多数ある場合の測定に向いています。ですが、エネルギー分解能がエックス線検出器の中でも最も低く、エックス線のエネルギー測定には適していません。
検出器の構造として、シンチレーション検出器は、シンチレータと光電子増倍管を組み合わせた構造をしています。 固体結晶のシンチレータとして用いられる物質にヨウ化ナトリウム結晶があります。シンチレータにエックス線が入ると、その内側で吸収され、エックス線のエネルギーに比例した数の可視光線や紫外線を放出します。ヨウ化ナトリウム結晶の吸湿性に注意して、空気に触れさせないようにすることと、窓をエックス線が通り過ぎる様にしなければならないことから、100μ程度の常に薄いベリリウムやアルミニウム等の原子番号の若い金属が、エックス線を入射させる窓に使われています。
参考文献
https://www.daitoku-scale.co.jp/magazine/9901281
http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-36.pdf
http://www.rada.or.jp/database/home4/normal/ht-docs/member/synopsis/049002.html
http://www.u.phys.nagoya-u.ac.jp/uxge/r_e/r_e6_3.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト9
順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 浜松ホトニクス株式会社 | 18.8% |
2 | 株式会社日立製作所 | 15.9% |
3 | 鎌長製衡株式会社 | 14.5% |
4 | セイコー・イージーアンドジー株式会社 | 11.6% |
5 | 富士電機株式会社 | 11.6% |
6 | キヤノン電子管デバイス株式会社 | 10.1% |
7 | メジャーワークス株式会社 | 7.2% |
8 | 株式会社堀場製作所 | 5.8% |
9 | 株式会社豊伸電子 | 4.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の放射線検出器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
本放射線測定器KRM1000シリーズには、積み荷の搬入時に放射性物質かどうかをモニタリングできかつ車両速度も確認できる放射線検出器のDPタイプ、検出した放射線量を表示かつ放射線警報レベルの設定も可能なLDタイプがあります。
また、測定データをグラフ化し放射物質の分布を視覚的に確認することができるタッチパネル操作可能なLCタイプ、測定データとトラックの外観情報を一緒に管理できるVMSタイプなど、沢山の機能も搭載されているシリーズになります。
本放射線測定器は、トラックの大きさに合わせた大型タイプになっており、設置した検出器の間をトラックが通過することで積み荷の中の放射性物質を検出することが可能となります。
X線モニタ用検出器やX線モニタ用とX線非破壊検査及び一般工業計測などで使用される2タイプのSiフォトダイオードがあります。
X線モニタ用検出器は、低価格Cslシンチレータ付Siフォトダイオードと高感度・高信頼性のセラミックシンチレータ付きフォトダイオードの2種類あり、前者はX線エネルギー100keV以下の検出に適しており、後者はX線か感度がCWOの1.8倍ありCslより残光が少なく潮解性を持たない特性を持ちX線分析・検出に向いている製品になります。
一方、X線非破壊検査用検出器は、感度波長範囲が400~1100nm、裏面入射型フォトダイオードのため受光部にワイヤがなく、シンチレータをフォトダイオードに直接実装することが可能になっております。
なお、このX線非破壊検査用検出器も2種類あり受講面サイズが9.5nm×9.5nmと6.0nm×6.0nmの2タイプになります。
ケース寸法はφ54×63mm、ケース測定面はアルミ0.5mm、結晶材質はCsI(Tl)、結晶サイズは25×25×25mm、センサーは受講面は28×28mmの仕様になっています。
y線~100keV以上を検出でき、y線の検出に向いている検出器になります。
波高分析インターフェースにダイレクトで接続できるチャージアンプ内蔵の製品になります。
検出器においては、電源が±12V、バイアスは+24V、極性は正極性出力、時定数は10μsまで、出力インピーダンスは50Ωとなっております。
こちらの導体検出器は、ガンマ線スペクトル測定に用いた場合に高いエネルギー分解能を示すことができます。
相対効率は10%~150%まで、特注でさらに高い効率に対応可能になっています。
温度サイクル可能な高純度Ge検出器で、イオン注入法による電極構造のため安定した性能を保持することができます。
優れたピーク対称性を持ち、更にストリームライン、PopTopどちらでも供給でき、高いカウントレートインジケータが付いている製品になります。
GMXシリーズの検出器は、イオン注入による非常に薄いボロンの入射窓をもち、測定可能なエネルギー範囲が3keV~10MeVと非常に広く、ベリリウム窓・アルミ窓・カーボンファイバー窓での供給、またストリームライン、PopTopどちらでも供給ができる製品になります。
結晶構造はスィン・ウィンド同軸型(N型)の同軸型検出器になります。
温度サイクルは可能、中性子損傷に対する高い抵抗力を持ち、標準エネルギー分解能は1.8~2.5keVといった仕様です。
結晶構造はプレナ型、結晶材料はP型の高純度Ge、標準結晶サイズはφ6~36mm、小さい面積での低エネルギー光子の測定に向いている検出器になります。
測定可能なエネルギー範囲は3keV~300keV、標準エネルギー分解能は165~385eV(5.9keV)/480~595eV(122keV)と低~中間のエネルギー領域に対して非常に高い分解能を有しています。
PIXE、セーフガード、原子核構造研究における低いエネルギー光子の測定には非常に向いており、優れたタイミング特性を持っている製品になります。
結晶構造はウェル型、結晶材料はP型の高純度Ge、標準結晶サイズは~450cc有感体積、放射能の低い小型の試料において効率的に測定できるよう設計された検出器になります(測定方法は検出器中心部の穴に試料を入れて測定)。
イオン注入法により不感層が非常に薄く形成されるため、測定可能なエネルギー範囲は10keV~10MeVと広いエネルギー範囲で測定が可能となっています。
また、測定試料の真下は5mmの結晶に覆われるため、この4Πに近い幾何学形状の結晶により最大絶対計算数効率での測定も可能となっています。
こちらの比例計数管は、X線を入射して内部のガスと電離作用を起こすことを利用した検出器になります。
内部の中心電極に高い電圧を加えることでX線により発生するイオン対の数が増加し、それによって大きい信号を抽出することができるようになります。
また、あわせて入射したX線のエネルギーに比例したパルス高を持った信号を得ることができます。
これらより、X線比例計数管はメッキの厚み測定などに向いている製品になります。