アルミ電解コンデンサについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アルミ電解コンデンサのメーカー24社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アルミ電解コンデンサ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:東信工業株式会社、2位:サン電子工業株式会社、3位:株式会社村田製作所となっています。
アルミ電解コンデンサとは、誘電体に酸化アルミニウムが使用された、小型で静電容量の大きいコンデンサです。
陰極に電解液を使う湿式タイプが主流ですが、性能を向上させた導電性高分子等の固体を使用した乾式タイプもあります。価格が安く汎用性が高いため、家電やパソコンなど電子基板をもつ製品の多くに使用されています。
アルミ電解コンデンサは他のコンデンサよりも小型で容量が大きく、価格も安価であるため、自動車分野、家電分野、産業機器分野など広い分野において、電子基板をもつ様々な製品に使用されています。具体的な使用用途は、以下の通りです。
再生エネルギーのパワーコンディショナとして使用する場合、多いものだと10~100個のアルミ電解コンデンサを使っています。汎用性が高い分、アルミ電解コンデンサに要求される性能は年々高くなっている状況です。
アルミ電解コンデンサの陽極、陰極には薄いアルミニウム箔、誘電体に酸化アルミニウムが使用されています。酸化アルミニウムは、アルミニウム箔に電気化学的な酸化処理 (化成) を施すことでアルミニウム箔の表面に形成されます。
アルミニウム箔表面は、エッチング処理で凹凸をつけることにより表面積の大きくしています。コンデンサの静電容量は以下の式で表され、誘電体の表面積に比例、厚さに反比例することから、エッチング、化成処理を通じて作成される酸化アルミニウムは非常に高い静電容量をもった誘電体です。
静電容量C=ε×S/d
ε:誘電体の誘電率 S:誘電体の表面積 d:誘電体の厚さ
酸化アルミニウムの被膜は、電圧がかけられると微小な電流が流れるので、漏れ電流が他のコンデンサよりも多く発生することが欠点として挙げられます。湿式のアルミ電解コンデンサの内部の陰極には、電解液が使用されているため、故障時に電解液が漏れてしまう可能性があります。
また、電解液の漏れや蒸発により電解液が減る場合があり、耐久性が低いことも欠点の一つです。一方で、乾式のアルミ電解コンデンサは、内部の陰極に導電性高分子が使用されているため蒸発せず、湿式よりも耐久性が向上しています。
電子部品の中でも湿式のアルミ電解コンデンサは、特に寿命が短いことが知られています。LSIには数万時間の動作時間が求められるのに対し、一般的なアルミ電解コンデンサで85℃中で2,000時間、高信頼性を謳うものでも105℃中で5,000時間が寿命といわれています。
寿命が短い理由として、絶縁紙に含浸された電解液が時間の経過とともに封止ゴム部から徐々に漏洩していくというアルミ電解コンデンサの構造が挙げられます。電解液が抜けると静電容量が減少し、ESR (等価直列抵抗) は増加します。
アルミ電解コンデンサの寿命は、最大使用温度以下であればアレニウスの法則 (熱エネルギーによる化学反応式) に従うといわれており、温度が10℃低くなると寿命は約2倍になります。従って、85℃/2,000時間のアルミ電解コンデンサは、75℃中で使えば4,000時間、65℃中であれば8,000時間程度が寿命です。
また、アルミ電解コンデンサは他のコンデンサと比べるとESRが大きく、動作時に大きな電流が流れるとコンデンサ内部が発熱します。この発熱はコンデンサの温度上昇をもたらすため、電解液の漏洩を更に促し、寿命を短くする要因となります。
有極性コンデンサには、容易に極性を確認出来るようにするため、何らかの表示が必ず付けられています。
極性を誤って取り付けると、コンデンサが故障するだけでなく、発火などの危険性もあるため極性表示の確認は極めて重要です。
参考文献
https://www.chemi-con.co.jp/faq/detail.php?id=29AJZG2
https://www.chemi-con.co.jp/catalog/pdf/al-j/al-sepa-j/001-guide/al-technote-j-2020.pdf
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/aluminum-electrolytic-capacitors-guide
https://www.jp.tdk.com/tech-mag/electronics_primer/10
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株式会社トーキン 日本ケミコン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 東信工業株式会社 |
12.8%
|
2 | サン電子工業株式会社 |
9.9%
|
3 | 株式会社村田製作所 |
9.7%
|
4 | ニチコン株式会社 |
9.0%
|
5 | パナソニック株式会社 |
9.0%
|
6 | 日本ケミコン株式会社 |
8.8%
|
7 | ルビコン株式会社 |
8.8%
|
8 | エルナー株式会社 |
5.2%
|
9 | TDK株式会社 |
4.5%
|
10 | KEMET Corporation |
4.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のアルミ電解コンデンサページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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ECASシリーズは性能の高い導電性高分子アルミ電解コンデンサです。
主なサイズは7.3mm×4.3mmと小型で、定格電流は2Vdc~25Vdc、静電容量は6.8μF~470μF程度です。
DCバイアスによる容量の変化がないことが特徴で、音鳴きも発生しません。
小型で高性能であることを活かしてパソコンやテレビ、ゲーム機などに使用されることはもちろん、基地局やルーターなどの通信機器に用いられる場合もあります。
SLWシリーズはネジ端子形をした大容量のアルミ電解コンデンサです。
産業用機器に使われる大型電源や様々な機器に組み込まれるインバータに使用するために開発されました。
使用可能範囲が-40℃(-25℃)~+105℃と広く、幅広い温度に対応できるので様々な環境で使用することができます。
また、耐久性も高く、最高使用温度である105℃の環境下で2000時間定格電圧を印加しても故障することなく耐えられます。
導電性高分子と電解液を組み合わせたハイブリッド技術で画期的な小形・低ESR性能と長寿命を実現。ESRの低温特性(-55℃)も大幅改善しています。
業界最高水準の耐高リプル電流を達成し、135℃ 4000時間保証を実現。
車載用途で冷却装置が停止した際に発生する一時的な高温状態を想定した短時間150℃保証も可能です。
定格電圧63Vまでラインナップしたことで48Vラインでの使用も可能に。
RoHS 10物質、REACH指令適合。ハロゲンフリー仕様。車載AEC-Q200準拠。
CE-JX シリーズは面実装形のアルミ電解コンデンサです。
使用可能温度は-40℃~+150℃であり幅広い温度で使用することが可能で、150℃で1000時間の間定格電圧に耐えることができる耐久性も持ち合わせています。
また、耐洗浄品でもあるため、二分以内であれば洗浄が可能です。
さらに、RoHS指令対応品であるため、カドミウムや鉛、水銀などの重金属や有害物質を含まない地球環境に優しいコンデンサと言えます。
HTシリーズは導電性のある高分子を用いたハイブリッドアルミ電解コンデンサです。
低い等価直列抵抗と高リプル化を実現しており、従来のアルミ電解コンデンサよりも性能を向上させています。
導電性高分子アルミ電解コンデンサと同等の低温特性と周波数特性を持っている上に、HTシリーズは30Gの耐振動性も兼ね備えています。
使用可能温度は-55℃~+105℃と幅広いため様々な温度環境での使用が可能であり、105℃で10000時間の高温負荷耐性も獲得しています。
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