タンタル電解コンデンサのメーカー3社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
タンタル電解コンデンサは、電気回路で使用されるコンデンサの1種として分類されます。タンタル電解コンデンサに電圧を印加すると電荷を蓄えたり、反対に電荷の溜まったタンタル電解コンデンサを負荷に接続することで放電するという機能を持っています。
タンタル電解コンデンサは名前の通りタンタルを材質として用いたコンデンサであり、アルミ電解コンデンサやセラミックコンデンサに比べて、小型で容量が大きいという特徴があります。また、アルミ電解やセラミックに比べて、容量のばらつきが少ないというメリットもあります。
タンタル電解コンデンサは、主に電気回路上でコンデンサとして利用されます。また、サイズが小型のものが多いため、チップ部品として基板の表面実装品として用いられることが多いです。
近年、回路基板の小型化・高集積化が進んでいるため、本製品のような小型で高機能のものが重宝されています。
タンタル電解コンデンサは極性を持っており逆電圧を印加させてしまうとショートする恐れがあるため、基本的には直流回路にて使用されます。
タンタル電解コンデンサは、タンタル粉体の焼結体表面に形成される酸化被膜を誘電体として用いています。複数の材質が積層された構成であり、+端子側からタンタル金属、タンタル酸化被膜、MnO2、カーボン層、陰極層の順に構成されています。+側から見る材質と-側から見る材質が全く異なるため、素子に電流が流れる際、+側から電流が流れるのと、-側から電流が流れるのでは、電荷の移動の仕方が変わります。そのため、極性が逆向きの状態で使用してしまうと素子が故障してしまうことになります。
また、タンタル電解コンデンサは半導体を利用していることから、積層面でp-n接合を成しています。構造上、半導体の特性を活かすことができるため、サイズが小さくても容量の大きいコンデンサを実現できるという利点があります。
タンタル電解コンデンサの形状としては、リード線の付いたリード型のものや、直方体でできたチップ型のものがあり、高集積化の必要な回路などに用いられます。
タンタル電解コンデンサは有極性コンデンサ(電解コンデンサ)です。有極性コンデンサには必ずどちらがプラス極か(あるいはマイナス極か)が決まっていて、それが分るような表示、または構造となっています。アルミ電解コンデンサではマイナス極にマーク、表示がありますが、タンタル電解コンデンサではプラス極にマーク、表示があります。
タンタル電解コンデンサは故障するとショート状態となる場合が非常に多いです。これはアルミ電解コンデンサが故障したときにオープン状態になることとは大きな違いです。コンデンサが絶縁破壊の故障を起こしたとき、アルミ電解コンデンサでは自己修復力が働くのに対し、タンタル電解コンデンサは自己修復しないためです。タンタル電解コンデンサを使用する回路を設計する者はこのことを十分に理解して設計する必要があります。一般的に、電源ラインにはタンタル電解コンデンサは使用しないようです。また、故障時に過大な電流が流れた時にショートを遮断するよう、ヒューズ内蔵型タンタル電解コンデンサも市販されています。
タンタル電解コンデンサは故障モードの問題があるため、特に電源ラインでは使用されることはありませんが、その他の用途では使用される機会は十分にあります。
タンタル電解コンデンサは他のコンデンサに比べて最も小型化ができるため、最近では携帯オーディオへの用途を中心に、ますます利用が進んでいます。
コンデンサはあらゆる電子機器に欠かすことができない重要な電子部品であり、オーディオ製品にも多く使用されています。そんな中で、携帯オーディオ製品では構成部品は小さければ小さいほどよく、さらにアンプの入出力で使用されるカップリングコンデンサは音質に直結するため、とても重要となっています。このカップリングコンデンサは低音を充実させるために十分な容量を必要としますが、容量の大きなコンデンサは形状が大きく、携帯オーディオでは性能が犠牲になっていました。そこへタンタル電解コンデンサを使用することにより、従来の電解コンデンサよりもサイズダウン、あるいは静電容量のアップが見込めるため、製品の高性能化、小型化に寄与しています。最近の携帯オーディオはイヤホンで再生されることがほとんどであり、高音質、低音域の歪のない素直な音質にタンタル電解コンデンサが寄与しています。
参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/capacitors/tc_what1
https://www.nichicon.co.jp/lib/lib22.html
https://www.m-system.co.jp/mstoday/plan/mame/pdf/m9808.pdf
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