タンタルコンデンサのメーカー14社・65製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
タンタルコンデンサは、誘電体に五酸化タンタルが使われているコンデンサです。
電解コンデンサの分類で、有極性のアルミ電解コンデンサと仕組みはほぼ同じです。
アルミ電解コンデンサよりも小型で寿命が長く、温度変化にも強く周波数特性が良い特徴があります。
ただ、タンタルはレアメタルで高価なので価格は高めです。
大変便利なタンタルコンデンサですが、壊れたときにショートしてしまうので回路が壊れてしまう危険性があります。
タンタルコンデンサの用途は幅広く携帯電話、パソコン、テレビゲーム機、カーナビ、オーディオ機器等の回路に数10~100個と数多く組み込まれています。
それらの機器の中のデカップリング、カップリング、電源平滑用コンデンサとして利用されています。
タンタルコンデンサは、容量が大きいのでバックアップのための一時的な電源としても活用されています。
近年では小型化が進んでおり、高さ0.5㎜の製品も登場しています。
こうしたコンデンサの小型化が携帯電話やパソコン等の小型化に貢献しています。
アルミ電解コンデンサとほぼ同じ原理です。
陽極に焼結したタンタル、誘電体にタンタルを酸化させた五酸化タンタルの薄膜を使います。
誘電体に隣り合う電解質に二酸化マンガンや導電性高分子、陰極に銀やグラファイトなどの通電用の金属類を使用しています。
電解質に導電性高分子を用いた製品の方がESRが低く、性能が高い傾向があります。
焼結したタンタルは表面積が大きく、かつ誘電体の五酸化タンタルの膜は薄いため、効率的に電荷を貯めて静電容量を大きくすることができます。
アルミ電解コンデンサでは電解液を必要とするものが多いですが、タンタルコンデンサの多くはすべて固体で形成されているのでより小型で優れた特性を得ることができます。
さらに温度安定性もよく長寿命というメリットがありますがコストは高めです。
形状は、アキシャル、ラジアル、チップなど様々です。
電解コンデンサは極性があり逆電圧に弱いですが、特にタンタルコンデンサは壊れてショートしてしまうので注意が必要です。
タンタルコンデンサの故障の多くは、コンデンサの誘電体が局所的にショートした状態になったものです。電源ラインなどの低インピーダンス回路に接続されていると、大きな電流がショートした箇所に集中して発熱し、発火に至ることがあります。
タンタルコンデンサが一旦発火すると、炎を発して燃焼を続け、燃え尽きます。そのため高信頼性を求められる機器や常時通電する設備を製造するメーカーの中には、タンタルコンデンサの使用を一切禁止するところもあります。
電池を電源とするポータブル機器においてもタンタルコンデンサの焼損は報告されていますので、タンタルコンデンサの採用にあたっては十分な注意と回路検証が必要です。
一般的な対策としては、いかなる場合も逆電圧を印加しない事と、コンデンサにかかる電圧に対して十分余裕を持った定格電圧のコンデンサを選定する事です。特に電源回路に採用する場合は、その電源電圧の2倍以上、可能であれば3倍の定格電圧のタンタルコンデンサを採用する事が望ましいとされています。
また、リップル電流が大きい場合は、コンデンサ内部の発熱で劣化が進行する可能性がありますので、放熱に有利な大きめのパッケージを選定することも有効です。
タンタルコンデンサは有極性であり、指定された極性を誤ると大きな電流が流れ、最悪の場合発火に至るので電極の極性表示を理解しておくことが必要です。
タンタルコンデンサはその構造から、チップ型、金属ケースハーメチックシール形、樹脂ディップ形の3種類にに分類できますが、これらのタンタルコンデンサの極性は次の様に読み取ります。
チップ型は黒いモールドのケースの上面に静電容量や定格電圧とともに白い帯が印刷されていますが、その帯の下側の電極が陽極になります。
金属ケースハーメチックシール型は、高信頼性が要求される用途向けですが、丸い筒状の形状の表面に静電容量、定格電圧などとともに+記号が印刷されています。その+記号側のリード線が陽極です。
樹脂ディップ型は縦型構造ですが、樹脂表面に静電容量、定格電圧とともに+記号が記されています。+記号が近い側のリード線が陽極となります。また、リード線長が不等で陰極側のリード線が短くなっています。
尚、同じように有極性のアルミ電解コンデンサでは負極側に表示があり、タンタルコンデンサと異なります。アルミ電解コンデンサからタンタルコンデンサに置き換える場合、極性を間違えないよう十分な注意が必要です。
参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/capacitors/tc_what1
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1966/02/1966_02_11.pdf
https://www.matsusada.co.jp/column/post-15.html
https://www.tyro-teq.com/ds/pdf/t/0016/TLSVC1H684MB12RE.pdf
http://tantal_267ej.pdf (ncc-matsuo.co.jp)
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/capacitors/tc_what1
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
導電性高分子タンタルコンデンサは、今まで使われていた二酸化マンガンの代わりに導電性のある高分子を利用することで性能を上げたコンデンサです。
導電性の高分子は二酸化マンガンと比べて導電率が高いため、等価直列抵抗を大きく下げることができます。
また、等価直列抵抗が小さくなったことで許容リプル電流が増加した上に、ノイズの吸収にも役立ちます。
小型で大容量であるという従来の利点はそのままで性能が向上したため、様々なデジタル機器に利用されているコンデンサです。
チップタンタルコンデンサは世界でもトップクラスの性能を誇るタンタルコンデンサです。
体積当たりの静電容量が高いため、製品の大容量化を図ることができます。
また、耐熱性が高く高温でも使用できるコンデンサや小型大容量のコンデンサ、等価直列抵抗が低いコンデンサなど、様々な用途に応じた数多くの製品が存在してます。
さらに、小型で性能が高いため、自動車に組み込まれる電子機器に使用される車載対応のコンデンサもあります。
267型Pシリーズは小型で高性能なタンタルコンデンサです。
使用可能温度が-50℃から+125℃と幅広く、様々な温度で使用することができます。
また、はんだ付け性や耐湿性、機械的強度が高く、チップレーサーによる自動マウントに最適な構造をしています。
宇宙開発機器や航空防衛機器、発電所のシステムなど、人命に関わったり製品の保守交換が不可能であったりする高度な安全性と信頼性が要求される機器に使用されます。
CSは小型で低背な上に超大容量な新下面電極タイプのタンタルコンデンサです。
Jリードの標準構造タイプと比較すると約2倍の大容量を実現しており、大きな容量を必要とする機器や回路に内蔵されています。
構造としては、新下面電極を採用している点と陰極層に二酸化マンガンを使用している点も特徴です。
DCバイアスによって静電容量が低下しないことや、圧電特性がないことによって音鳴りが無いことなどが優れています。
ディップタンタルコンデンサは小型の電界コンデンサの一種です。
定格電圧は35V、静電容量は1μFPタイプで誤差は±20%程度ですが、用途に応じて様々なタイプのタンタルコンデンサがありどれも安価なコンデンサと言えます。
素子に固体を使用しているため、一般的なコンデンサと比べて小型で信頼性が高い上に周波数特性にも優れています。
しかし、故障した場合に回路が短絡されてしまい装置自体の故障に繋がるため注意が必要です。
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