角速度センサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、角速度センサーのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。角速度センサー関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社アイ・オー・データ機器、2位:三協インタナショナル株式会社、3位:株式会社共和電業となっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
角速度センサーとは、物体の回転運動や向きの変化を計測するセンサーです。
ジャイロセンサーとも呼ばれます。物体が回転する際の角速度の変化を電気信号に変換し、その情報を取得します。角速度センサーは高い応答性を持ち、物体の動作や回転をほぼリアルタイムで検出可能です。
これにより、リアルタイムの制御や反応性を持つ応用用途に利用できます。また、最新の角速度センサーは非常に小型であり、コンパクトなデバイスに統合することも可能です。
ただし、振動や衝撃などの外部要因が角速度センサーの計測に影響を及ぼすことがあります。特に高精度な測定が求められる場合、これらの外乱を最小限に抑える対策が必要です。
角速度センサーは、近年ではさまざまな機器に使用されています。以下にその一例を示します。
自動車の安定性制御システムでは、角速度センサーを使用して車両のスリップ角や偏位を検出することが可能です。これにより、路面状況や運転条件に応じて個々の車輪のトルクを制御し、車両の安定性を向上させます。
また、運転支援システムでは車両の傾きや急旋回などの情報を利用して、適切な制御を行うことで安全性を高めることが可能です。
スマートフォンやタブレットの角速度センサーは、デバイスの傾きや回転を検出して画面の向きや視点を自動的に調整します。ユーザーがデバイスを傾けると、これに対応して画面が回転するなどの機能を提供することが可能です。
また、モーションセンサーゲームや仮想現実体験においても、デバイスの動きをリアルタイムに反映させるために使用されます。
ゲームコントローラーはプレーヤーの動きや傾きを検出して、ゲーム内のキャラクターに反映させる場合も多いです。これにより、よりインタラクティブなゲームプレイが可能となります。
ロボットは正確な動作を実現するために、自身の姿勢と動きを正確に把握することが必要です。角速度センサーはロボットの関節や部品の角速度を検出し、リアルタイムのフィードバックを通じてロボットの運動を制御します。これにより、高精度な位置決めや作業を行うことが可能になります。
角速度センサーは、回転機械式、光学式、静電容量式などの方式があります。
回転する物体に働く見かけの力 (コリオリ力) を利用して検出する星器です。回転する物体に角速度を与えると回転軸を傾けようとするトルクが発生します。このトルクを検出することで角速度の検出が可能です。
サニャック効果によって検出する方式です。回転する円形の光路を回転方向に沿って光が1周する時間と、逆方向に1周する時間に差が発生することを利用します。これにより、光の周波数や光の強度などから角速度を算出することが可能です。
可動電極と固定電極がある場合に、可動電極が動くことによる静電容量の変化によって角速度を測定する方法です。高精度な角速度計測が可能であり、航空宇宙や産業分野などで使用されています。
角速度センサーを選ぶ際に、考慮すべきポイントは以下の通りです。
用途に合ったコンパクトなサイズのセンサーを選ぶことが重要です。特に携帯機器や小型デバイスに組み込む場合、センサーの寸法は制約要因になることがあります。選択肢を検討する際に、センサーの寸法が用途に適しているか確認します。
センサーの動作電圧は、使用する電源に合わせて選ぶことが必要です。一般的に低電圧で動作するセンサーが多く、バッテリー駆動のデバイスに適しています。動作電圧が制御電圧と一致することを確認することが重要です。
センサーの測定範囲は、センサーが正確に測定できる角速度の範囲を示します。必要な角速度の幅に合わせて選択します。過度に広い測定範囲を持つセンサーは精度が低くなる可能性があるため、適切な範囲を選ぶことが重要です。
角速度センサーの出力信号は、アナログまたはデジタルであることがあります。アナログ出力は連続的な値を提供し、デジタル出力はディジタルフォーマットで値を出力することが可能です。制御装置とのインターフェースに合わせて選択します。
角速度センサーと加速度センサーは、いずれも慣性空間の動きを検出するセンサーの一種です。ただし、測定する動作が異なります。角速度センサーは対象物の回転や向きの変化を検知し、加速度センサーは対象物の移動速度を検知するセンサーです。
それぞれの検知センサーのみで複雑な動きは検知できず、両方のセンサーを活用した機器が多いです。センサーを2、3 軸と多角的に配置することで、より精度高く動きを検知できます。ただし、センサーを増やしすぎるとセンサーの設置スペースやコストが増加するため注意が必要です。
参考文献
https://mems.tamagawa-seiki.com/tec_info/
https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/automotive_gyro.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejsmas1995/116/4/116_4_131/_pdf
https://go.alps.jp/l/506151/2018-09-03/sx9dz
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/knowledge/prox/magnetic_type/principle_structure.html
https://www.akm.com/jp/ja/technology/technical-tutorial/basic-knowledge-magnetic-sensor/magnetic-sensor/
https://www.jae.com/Motion_Sensor_Control/Description/
https://industrial.panasonic.com/jp/ss/technical/b14
https://ednjapan.com/edn/articles/1406/09/news014.html https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/gyro/check.html
https://04510.jp/times/articles/-/2225?page=1
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/1913/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社アイ・オー・データ機器 |
22.7%
|
2 | 三協インタナショナル株式会社 |
18.2%
|
3 | 株式会社共和電業 |
18.2%
|
4 | 株式会社村田製作所 |
18.2%
|
5 | 丸文株式会社 |
9.1%
|
6 | パナソニック株式会社 |
4.5%
|
7 | サンハヤト株式会社 |
4.5%
|
8 | グラフテック株式会社 |
4.5%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の角速度センサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
Metoreeに登録されている角速度センサーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
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ジャイロセンサは、シリコンを3次元構造に成形しセンサ精度を高めた「3D MEMS (3次元・マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム) 」技術と高度な集積回路技術によって作られています。
1軸または2軸のジャイロスコープと3軸加速度センサが一体化したジャイロセンサです。
用途としては、高い安全性が求められる自動運転や、高精度・高信頼性が要求される求められるプラットフォームの制御、運動解析および制御、誘導システムおよびナビゲーションシステムなどへの使用に適しています。
「GSAT-A-900」は、3方向の角速度が同時に計測可能な3軸ジャイロセンサです。
大きさは10×8×20mm、重さは約10gの小型で軽量であることが特徴のジャイロセンサです。
耐衝撃性に優れているので、姿勢計測に適しています。
性能としては、許容過負荷は1000%、許容衝撃負荷は9807m/s2(1000G)、定格容量は±15.71rad/s (±900deg/s)、許容温度範囲は-10℃~60℃です。
2軸レートジャイロ「TAG242」は、コリオリ現象の原理を利用して製作された角速度検出ジャイロです。
小さくて軽く、フレクシャ・トルカ・ジャイロロータ・ピックオフ・ドライブモータなどのパーツで作られており、全体の部品数が少ないので、精度および信頼性が高いことが特徴です。
2軸レートジャイロ1台で2軸の角速度を計測することが可能であり、空間安定装置やストラップダウン型の慣性装置などにおいて使用できます。
ジャイロセンサは、圧電薄膜を表面に直接形成したMEMSシリコン音叉とベアチップASICを1 つのセラミックパッケージ内に実装した、小型のジャイロセンサです。
SMDタイプであり、耐衝撃性および耐振動特性が高く、自己診断機能が内蔵されており、システムのフェールセーフに適応していることが特徴です。
用途としては、自動車の横滑り防止装置(ESC)や自動車のロールオーバ検出、各種産業用機器の姿勢制御の使用に適しています。
9軸慣性センサーモジュール(3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸地磁気)は、STマイクロ製の9軸環境センサーLSM9DS1をピッチ変換した機器です。
インターフェースは、I2CまたはSPIによる通信が可能です。
仕様としては、3軸の加速度センサおよび3軸のジャイロセンサ(角速度)さらに、3軸の地磁気センサが付属されており、全部で9軸の計測が可能です。
電源はDC1.9~3.6V、大きさは33.0×23.0mm、基板の厚さは1.0mmです。