2相ステッピングモーターのメーカー12社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ステッピングモーターはパルスモーターとも呼ばれ、外部から1パルスを入力した際の回転軸角度が決められているモーターです。外部から送られるパルス信号に同期して動作角度や動作速度を決めることができます。大きな負荷をかけることはできません。
向かい合った2つの磁極で1つの相を形成しており、その相の数に応じて制御方法や1パルスでの動作角度が変化します。2相ステッピングモーターとは、A相B相の2相からなるステッピングモーターを指します。
外部から送られるパルス信号に同期して動作角度や動作速度を決めることができるため、決められた時間と距離(回転角度)で動作させるものに多く使用されています。また、スイッチ信号を検知して即時停止させることも容易です。ただし、大きな負荷がかかる分野では使用できません。
使用例として、時計、産業用装置(搬送機、ロボット)、プリンタ、スロット、カメラレンズの動きなどが挙げられます。
正確性が求められる軽負荷の分野に使用されています。
2相ステッピングモータは、ローターと呼ばれる固定子が付いた回転軸、およびステーターと呼ばれる外周固定子で主に構成されています。ステーターに電気を流すことで磁力が発生し、ロータが引き合う位置まで回転軸が回転して停止します。電気を流すステーター位置を次々に変えることで回転していきます。
ステーターは90度ごとに配置された巻線で、複数の凸型の歯があります。対局にある位置のステーターに電気を流します。
2相ステッピングモーターは配線方法によってその特性が変わります。機器の設計に際しては、この配線方法を意識することで、その機器に適したコストと性能のバランスを得ることが出来ます。
特性としては、巻線が一本で済むために、出力トルクは後述するユニポーラ結線に対し、高くなります。また、ユニポーラ結線とトルク特性が異なります。
特性としては、モーター内部の限られた空間に2本の巻線が入り、1本の巻線は常にお休みの状態になるため、バイポーラ結線に比べると半分程度の出力トルクになるのが基本的な考え方です。ただし、前述したようにバイポーラ結線とトルク特性が異なります。
ステッピングモーターはその回転速度を時間に応じて設定することでその特性を最大限に発揮します。回転速度を時間に応じて設定することを一般的には運転パターンと呼びます。運転パターンには2通りあります。
速度と時間をグラフにすると、四角形(矩形)になるため、矩形駆動と呼ばれます。
速度と時間をグラフにすると、台形になるため、台形駆動と呼ばれます。
モーターの回転速度は、好きに設定できるものではなく、下記の要素で決定します。
特に、急激に動かし、急激に止めたい用途で使用するときは、選んだモーターの特性、特にローターイナーシャが最重要となります。
参考文献
https://www.orientalmotor.co.jp/file/pdf/technicalmanual/stepping.pdf
http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/orien-sougou/book/orien-sougou-P0021.pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
MSKRは超小型設計であることを特徴とするPM方式の2相ステッピングモーターです。
同社の精密部品加工技術により幅6mm、奥5.33mm、重量わずか0.9gという極めて小さいサイズを実現しています。
基本ステップ角度18度、ステップ精度30%、保持力は0.20mN・m、最大応答周波数2,200ppsの性能に加え、PM方式なので誤差が重畳しないなどの特性があります。
極めて小さいサイズであるため、カメラのような精密電子機器への用途に適した製品です。
PFCU25-24Q1GM(1/30)は、減速機が一体となった2相ステッピングモーターです。
PM(Permanent Magnet)方式のモーターであり永久磁石を使用しているので、誤差が累積しない、応答性に優れているなどの特性を持っています。
Φ25の減速機によりステップ角度0.5度とモーター単体より細かい分解能が得られる点と、ギヤに金属を使用しているため、常用ギヤ強度50mN・mと高い点が特徴です。
応答性と細かい分解能が必要な用途に適した製品です。
M15SP-1Nは、小型・軽量・高トルク出力・静音動作を特徴とする2相ステッピングモーターです。
シャフト径Φ15、幅が20mm、奥行18.5mmという小さなサイズになっています。
基本ステップ角度18度、DC5V供給時の保持力は4.00mN・m、最大応答周波数1,500ppsの性能を備えます。
小サイズであるため、小型プリンターの給紙や紙送り、小型部品に組み付けて駆動させる用途に適した製品です。
PKP/PKシリーズは、高トルクで低振動を特徴とする2相ステッピングモーターです。
ステップ角度1.8度をベースとして、高トルクタイプ、高分解能タイプ、薄型・小型タイプ、など幅広いバリエーションが用意されています。
センターシャフトタイプのものは「2020年"超"モノづくり部品大賞」機械・ロボット部門賞を受賞するなど、緻密な設計が施されています。
定寸送り、往復運動、2速切り替え運動などの応用用途も簡単に実現できる製品です。
PL23HSAL4500は、ハイブリッド型方式を採用した2相ステッピングモーターで、VR型とPM型の両方式の利点を備えている点が特徴です。
VR型の高い分解能による角度制御と、PM型の永久磁石による高トルク出力を得ることができます。
本製品はトルク増強、応答性の向上の設計が施されたタイプであり、同社の標準タイプモーターよりも全速度域でトルク出力を25~40%向上させています。
ステップ角度1.8度と高分解能なので、プリンター、監視カメラのモーションコントロールなど様々な分野への応用が可能な製品です。