酸素濃度計のメーカー12社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
酸素濃度計は、空気中の酸素濃度を測るために使用する機器です。工事現場などでの酸素欠乏事故の防止を目的としたガス濃度のモニタリング、食品や医薬品・電子部品などの品質チェック、工業炉での燃焼管理などに酸素濃度計は活用されています。用いられている方式としては、大きく分けて電磁気式分析計・電気化学式分析計があります。さらに小型化、耐震・耐衝撃、防爆など加工が必要に応じて、施されています。使用の目的や測定する環境に合わせて、機器が選定されます。
空気中の酸素濃度が一定のライン(酸素濃度約18%)を下回ると、人間は酸欠を起こします。そのため、空気の入れ替えが少ない場所や、液体窒素などを取り扱う空間で、酸欠事故防止を目的として酸素濃度計を安全のために活用しています。こうした場合、作業者が携帯できるよう小型のポータブルタイプを使用します。また、食品や飲料、医薬品や電子部品は、酸素によって味や品質が低下する場合があります。その対策として、不活性ガスで酸素を追い出し、酸化を防ぎます。そうした場合に、生産の工程において製品の品質を守るため、酸素濃度計を用いてチェックすることもあります。
先述した通り、酸素濃度計の原理には電磁気式分析計(電磁気の特性を利用した分析計)・電気化学式分析計(物質が電気に反応する性質、あるいは電気化学的性質を利用した分析計)に大別されます。さらにそれぞれ細分された原理の違いにより、電磁気式分析計の中には磁気式酸素計が、電気化学式分析計にはガルバニ電池式酸素計・ジルコニア式酸素計があります。
酸素濃度計で測定するための酸素を収集する方法として、拡散式と吸引式の大きく2つに分けられます。
溶存酸素とはDO(Dissolved Oxygen)とも呼ばれる、水中に溶けている酸素のことです。溶存酸素濃度計というよりは溶剤酸素計やDOセンサーと呼ばれることが多いです。
溶剤酸素の測定は、滴定により測定する方法、隔膜電極法、蛍光式溶存酸素計などがあります。
参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/faqs/an-oxy-01-method/
https://www.awi.co.jp/business/industrial/gas/o2.html
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/8376/ltc143_27.pdf
https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/process-analyzers/gas-analyzers/oxygen-analyzers/
https://www.iijima-e.co.jp/products/o2.html
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-05-01.html
https://www.new-cosmos.co.jp/product/?fb=b30
https://www.gastec.co.jp/technology/detector_tube/measurement/
https://www.iijima-e.co.jp/knowledge/glossary_do_1.html#wc_anc00002 https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kasen/suishitsu/pdf/s03.pdf
各種酸素濃度計の値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | OXY-1 ST trace | OXY-1 SMA | MC8OX-100TB | M2824R-217P62S | IS-700 | PS-800-L |
---|---|---|---|---|---|---|
分解能[ppm] | 100 | 100 | 1000 | 1000 | 100 | 1 |
応答時間[s] | 3 | 6 | 10 | 15 | 2 | 15 |
会社名 | 三洋貿易株式会社 | 三洋貿易株式会社 | 株式会社シロ産業 | 株式会社シロ産業 | 飯島電子工業株式会社 | 飯島電子工業株式会社 |
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ジルコニア式酸素分析計IS-700は食品用窒素充填機やグローブボックス内の酸素濃度管理での利用を想定した製品で、単体もしくは他の装置に組み込んで使用します。
酸素濃度0~25%O2での測定に対応しており、応答性にも優れています。
特長としてメンテナンスの容易さが挙げられ、自己診断機能を搭載しておりセンサーは自身で交換可能です。
測定対象に可燃性ガスやダスト、腐食性ガスが含まれている場合、影響を受ける可能性があるため確認が必要です。
シリーズ3000微量酸素計は電気化学式センサを用いた酸素濃度計です。
低濃度の酸素測定での使用を想定しており、0~10,000ppmO2の範囲で動作します。
また、特長として測定値が長期間安定でかつ高精度であることが挙げられ、還元ガスの存在下でも影響を受けることなく測定が可能です。測定値の正確性確保のための装置校正やメンテナンスも容易です。
使用環境に応じたカスタマイズが可能で、リモートでの操作や防爆仕様への対応、流量計の設置等、多彩なオプションが用意されています。
酸素計XO-353IIは隔膜ガルバニ電池式を利用した酸素濃度計です。
作業者の安全確保を目的としており、胸ポケットに装着可能な大きさ、カラー液晶や表示の上下反転機能の採用、異常時のブザー発信等、携帯性や視認性を高めるための設計が施されています。
酸素濃度0~25%O2での測定に対応しており、また、サービスレンジとして50%までを目安として表示します。
安全確保を目的とした製品のため、応答時間については20秒程度とやや長めとなります。