熱量計のメーカー16社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
熱量計はカロリーメーターとも呼ばれる装置で反応熱などを測定する装置です。化学反応で生じる熱量や燃焼時に発生する熱量、相転移時に発生する熱量などを測定することが可能です。熱量計は等温熱量計、等温壁熱量計、断熱型熱量計の3種類に分けられます。
製造業においては非常に大きなスケールで原料の加熱、薬品の混合、反応などを行うため、プロセスの途中で発生する熱量を把握することは保安上重要です。そのため、熱量計を用いて各プロセスの熱量を解析します。
熱量計は化学反応を行うメーカーにおいて保安防災データの取得に用いられます。メーカーの製造現場では非常に大きなスケールで化学反応を行うため、プロセスで大きな熱量が発生すると暴走反応を引き起こす可能性があります。そのため懸念がある反応、プロセスで熱量測定を行い、危険性を評価します。
その他、高分子や無機材料の相転移、熱分解時に発生する熱量を示差走査熱量計(DSC)で評価することがあります。化合物の化学構造、結晶構造によって相転移温度は異なるため、研究開発において熱量計を用いた相転移温度測定などが行われます。
熱量計は反応中に発生する熱量を測定する装置です。化学反応のほか、化合物の溶解、混合、相転移時に反応系中で発熱、もしくは吸熱が起こります。試験管などの小さなスケールではこのような化学反応で生じる発熱が問題となることは少ないですが、工場で数十、数百リットル以上のスケールで反応を行った際に大きな熱が発生すると暴走反応や爆発が起こる危険性があります。そのため熱量計を用いて各プロセスで生じる熱量を解析します。
用途に応じて様々な熱量計が販売されています。プロセスの安全性を評価するための熱量計では、工場の反応釜を模した系で反応プロセスを進めて途中で生じる熱量を測定します。材料評価に用いる示差走査熱量計(DSC)は少量のサンプルを入れて温度を変えていき、それぞれの温度で生じる熱量を測定します。温度に対する熱量の変曲点、ピークから相転移や分解が起こる温度を解析します。また、熱量計には暴走反応の解析に用いる装置もあります。この装置はARCと呼ばれ、分解時に発熱して暴走反応を引き起こす化合物の発熱量、発生圧力を測定します。
参考文献
https://www.mt.com/jp/ja/home/products/L1_AutochemProducts/Reaction-Calorimeters-RC1-HFCal.html
https://www.ipros.jp/cg1/%E7%86%B1%E9%87%8F%E8%A8%88/
http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_m1/contents/ch-m1/2-bu/2-1-2.htm
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社吉田製作所の自動熱量計1013-Kは、オート点火機能およびオートゼロ機能を標準搭載した熱量計です。
従来機では別途プリンターを用意しなくてはならなかったのですが、本機では標準搭載されており、プリント出力を手軽に行うことができます。
付属の専用ソフトを用いることで、パソコン上でデータの取得・管理が行えるようになりペーパーレス化を推進することが可能です。
わかりやすく見やすい操作パネルにより、ミスの少ない操作や本体のみでのデータ確認が容易に行えるようになります。
ネッチ・ジャパン株式会社の断熱性暴走反応熱量計ARC254は、化学反応の熱量や圧力変化を測定することで、製造工程の潜在的な危険性や安全な工程の設計を提案するのに適した熱量計です。
特許技術により、小さくて安全な試料でも低いφ値での測定が行え、様々な測定モードを用いることで効果的な測定が可能になります。
装置の制御・測定は同社の従来機と同じソフトウェアを使用することが可能なため新しい操作を覚える必要がなく時間を節約することができます。
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社の示差走査熱量計X3 DSCは、高性能さと様々なツールが使える多機能性を併せ持った示差走査熱量計です。
特許取得のFusionCellにより、ベースラインの平坦性や感度、分解能、再現性に優れ、僅かな熱遷移の検出や高精度のエンタルピーと比熱容量の測定が可能になります。
ソフトウェアは視覚的にわかりやすく装置の制御や分析、レポート作成を行うことができます。
アズビル株式会社の積算熱量計形WTY830、形TY7840、形MGJ10は、建物の空調など熱交換器で消費した熱量を計測するのに最適な熱量計です。
表示部を見やすく大型化しているため、積算熱量や瞬間流量、往温度、還温度、温度差などの複数の情報を一度にわかりやすく表示することができます。
30分周期で1日分のグラフを表示することができるので、供給温度の安定性や温度差、負荷消費傾向などの解析に利用することが可能です。
IKA(R) Werke GmbH & Co. KGのカロリーメーターC1は、世界最小のサイズでありながら高性能なボンベ式熱量計です。
従来の大きくて重い分解容器の代わりに小型で軽量の分解容器を用いることで簡単に扱うことができるようになります。
PCや天秤、プリンターなどと接続が可能になる多彩なインターフェイスを備えています。
オプションのC6040Calwinソフトウェアを用いることで、測定後のデータ管理も容易に行えます。