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分光光度計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、分光光度計のメーカー63社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。分光光度計関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:株式会社島津製作所、2位:シグマアルドリッチジャパン合同会社、3位:株式会社アヅマテクノスとなっています。
博士研究員として大阪府立大学の装置工学グループで全固体電池のための正極複合粒子の製造に関する研究に従事。<> 長岡技術科学大学では、資源エネルギー循環研究室に所属し、CO2分離を目的としたDDR型ゼオライト膜の開発とそれを用いた下水処理場から発生する消化ガスからのCO2回収
分光光度計 (英: Spectrophotometer) とは、光を様々な波長の光に分光し、分光した光を試料に照射し、試料を透過した光と反射した光の波長や量を調べることができる装置の総称です。
分光光度計は汎用性のある分析装置であり、研究開発や品質管理、化学分析など幅広い分野で使用されています。代表的な装置として、真空紫外分光光度計 (VUV) 、紫外可視分光光度計 (UV-Vis) 、赤外分光光度計 (IR) などがあり、それぞれ異なる波長域の光を使用することで様々な情報を得ることができます。
分光光度計では、試料が透過する光や反射する光を検出し、それに応じたスペクトルを得ることができます。これらのスペクトルを解析することにより、試料に関する様々な情報を得ることができます。例えば、ピーク強度から試料の定量分析、スペクトルの波形から定性分析、電子状態、分子構造、材料特性の評価を行うことができます。
装置は主に光源、分光部、試料部、検出器などから構成されています。光源は分析用の光を出す部位であり、紫外領域用の重水素放電管、可視・近赤外域用のタングステンランプの2種が主に使用されています。
図1. 分光光度計の原理
分光器は光源からの光から特定の波長の光を選ぶ働きをするところであり、フィルタ式、プリズム式、回折格子式などがあります。試料部には測定するサンプルの入ったセルが入っており、ガラス製や石英製のセルが主に使用されます。
検出器では試料から透過してきた光を電気信号に変換します。光半導体 (ホトセル) や光電子増倍管 (ホトマル) などの種類があります。
分光光度計では、試料に光を照射し、透過光と反射光の波長や吸収量を調べることができる装置です。装置は照射する光によっていくつか種類があります。ここでは、真空紫外分光光度計、紫外可視分光光度計、赤外分光光度計の3つの分光光度計の概要について記載します。
真空紫外領域 (200nm以下) の光を光源として、物質が透過、反射した光を調べることができる装置です。真空紫外領域の光は酸素分子や窒素分子に吸収されるため、真空状態にして測定する必要があります。材料特性の評価に使用されます。
紫外線 (200-380nm) や可視光線 (380-780nm) を光源として、物質が透過、反射した光を調べることができる装置です。試料中の成分の定性、定量分析を行うことができます。
赤外線を光源として、物質が透過、反射した光を調べることができる装置であり、近赤外線 (780-2500nm) を使用する近赤外分光光度計と中赤外線 (2500-25000nm) を使用する赤外分光光度計の2種類があります。分子の結合や官能基の推定や、成分の定量分析を行うことができます。
また特殊な分光光度計として、試料から散乱されるラマン散乱光を検出し資料の分子構造同定や物性を評価するラマン分光装置や、干渉計を使用することで非分散で全波長の光を同時に検出し、フーリエ変換を行うことで各波長成分の計算を行うフーリエ変換赤外分光光度計 (Fourier Transform Infrared Spectroscopy: FT-IR) などもあります。
分光光度計の光学系は、目的に応じて多岐に渡ります。例としてシングルビーム方式とダブルビーム方式について説明します。
シングルビーム (単光束) 方式とは、分光器で分光された単色光 (単一波長の光) が試料に照明され、反射光もしくは透過光を検出器にて検出するタイプの光学系を指します。光学系構成が非常に簡単なため、比較的安価で入手できます。しかし、光源のゆらぎや装置の自己発熱等によるドリフトにより、経時誤差が生じやすい光学系でもあり、簡便な反面、測定誤差が多く精度を要求される測定には不向きです。
これらの欠点を改善したものがダブルビーム(複光束)方式です。ダブルビーム方式は分光器で分光した光をハーフミラー等で試料光と参照光に分波します。試料光は試料に照明され、シングルビーム方式と同様に反射・透過光を検出器にて検出します。一方の参照光は装置に起因するドリフトの補正に用いられます。
参照光と試料光にはどちらも装置起因の誤差を含んでいますので、参照光から得られた信号を、試料光から得られた信号に対して処理を施すことで影響をキャンセルします。
測定機につきまとう問題として、その精度の維持と担保というものがあります。分光光度計も例に漏れず、この問題に直面することになります。いざ故障が生じてから対策をとっても遅いため、日常点検は欠かせません。
その目安として分光光度計にとって重要な指標をいくつか紹介します。この指標を日常的に管理することで異常の早期発見に繋げることができます。
波長の正確さ
装置が検出した波長と、光源波長との間の誤差を指します。日常的に点検を実施することで光源もしくは検出器の精度を点検可能です。
波長繰り返し精度
同じ波長を繰り返して測定した場合の波長のばらつきを意味します。誤差は分散や標準偏差及び平均値で管理します。
分解能
単色光を測定したときに、バンド幅を評価します。バンド幅の定義は複数ありますが、ここではFWHMで管理することとします。
迷光
装置から得られる目的波長以外の光を指します。迷光を規定しておかなければせっかく得たスペクトルの正しさが不透明となってしまいます。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社島津製作所 |
20.8%
|
2 | シグマアルドリッチジャパン合同会社 |
16.7%
|
3 | 株式会社アヅマテクノス |
12.5%
|
4 | アジレント・テクノロジー株式会社 |
8.3%
|
5 | 日本分光株式会社 |
8.3%
|
6 | コロナ電気株式会社 |
4.2%
|
7 | 三共株式会社 |
4.2%
|
8 | メトラー・トレド株式会社 |
4.2%
|
9 | メルク株式会社 |
4.2%
|
10 | エンドレスハウザージャパン株式会社 |
4.2%
|
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