干渉計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、干渉計のメーカー21社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。干渉計関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社溝尻光学工業所、2位:株式会社マブチ・エスアンドティー、3位:タツタ電線株式会社となっています。
干渉計とは、光を物体に当てた時に生じる干渉現象を測定する装置です。
干渉現象は、物体の材質や表面の状態などによって異なります。干渉現象の違いから各物体の表面形状、屈折率、物体のサイズ等を測定することができます。
干渉計で測定できるサイズは大きくても数~十数cm程度になります。測定試料が大きい場合は、切り取るなどの工夫が必要です。
干渉計にはマイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計、フィゾー干渉計があります。その中でもフィゾー干渉計が代表的なものになります。
干渉計は複数の要素を測定できますが、屈折率の測定に多く用いられます。
具体的には、ガラスやベースフィルム向け反射防止フィルムの性能評価になります。
ガラスやベースフィルムに光が当たると、反射を起こします。反射が発生するとノイズの発生や伝達信号の損失により、伝送品質が悪くなります。そのため反射を抑える必要が出てきます。
反射防止フィルムで反射する光は、基材の表面で反射した光と逆位相になるように設計されます。位相が異なる光により干渉現象が起こり、それぞれの光を打ち消し合います。打ち消すことで、光が全て透過するようになります。
可視光以外にも、紫外線や赤外線向けの反射防止フィルタが作られています。
干渉計は干渉現象を利用して測定しています。
光は波の性質を持ちます。波の性質により周期的に振動しています。異なる波が重なることで振動の状態が変わり、新しい波が発生します。重ね合わせによる新しい波の発生を干渉と呼びます。重なる波の種類により新しい形状になるだけではなく、波自体が消滅する場合もあります。
波は周期性をもつため、sin関数やcos関数で表されることが一般的です。
光は波の性質に加えて粒子の性質も持ちます。粒子の数により光の強さが変化します。粒の数が多い場合は光が強くなり、逆に少ない場合は光が弱くなります。光の強さにより波の形状が変わり、光が弱いと波の幅が広くなります。
表面が粗くなっている場合は光が斜めに入るため、真っ直ぐ入る時より当たる光が弱くなります。このことを利用して、表面状態を把握することができます。
得られた干渉縞を用いて数値解析が行われます。代表的な方法の1つにフーリエ変換があります。
フーリエ変換を行うことで、干渉縞から周波数スペクトルを取り出します。取り出したスペクトルを逆フーリエ変換により、測定材料の位相情報が得られます。
電波干渉計は電波望遠鏡の1種tとして知られています。
これは、複数の電波望遠鏡を離して配置し、受信された電波を干渉させることで実効的に高い分解能を得る観測装置です。単一の電波望遠鏡では実現不可能な巨大な電波望遠鏡と等価な解像力をほこることが特徴です。
干渉計では、1対の望遠鏡で得られた特定の周波数(波長)の電磁波を干渉させて最も強め合う条件を導く処理が行われます。
そして、2つの望遠鏡からの信号が最も強め合うように調整されると、その時の2つの望遠鏡の光路差が正確に測定されます。こうして測定された光路差から天体の正確な位置を導くことができるという原理です。
この原理を使用した代表的な電波望遠鏡の1つにアルマ望遠鏡があります。
アルマ望遠鏡は南米チリ共和国のアタカマ砂漠に建設されています。
アルマ望遠鏡は、小さな望遠鏡を広い場所にたくさん並べ、それらを連動させて1つの巨大な望遠鏡として機能させるもので、口径12メートルのパラボラアンテナ54台と口径7メートルのパラボラアンテナ12台の、合計66台を結合させることで、1つの巨大な電波望遠鏡を作りだしています。
干渉計の応用例として、レーザー干渉計を用いて重力波を測定することが報告されています。
この重力波測定においては、2枚の鏡でFabry-Perot共振器を作り、そこにレーザーからの光を入射させます。
共振器の鏡から反射されて戻ってきた2つの方向の反射波が干渉して光を強め合ったり弱め合ったりします。
2つの反射波の山と谷が重なり合うように調整すると、互いの反射波が弱めあって打ち消されます。
この状態において、重力波が到達すると直行する方向にのびた 2 つの方向の空間の一方が延びて、一方が縮みます。
そして、2 つの方向に分かれて進むレーザー光の進む距離がわずかに変化し、干渉したときの山と谷の重なり方に、少しだけずれが生じます。
このときに、検出される干渉光の信号を観測し、重力波の信号を検出することができます。
参考文献
https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/optical-devices/interferometer/knowledge
https://www.global-optosigma.com/jp/application/guide-int01.html
http://www.seof.co.jp/basic/basic_01.html
https://www.tokaioptical.com/jp/technology01/
https://www.toppan.co.jp/electronics/display/anti_reflection_film/
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http://www.material.tohoku.ac.jp/~denko/lecture/ryoshinyumon/kougi_3.pdf
https://www.japansensor.co.jp/faq/969/index.html
https://photonterrace.net/ja/photon/behavior/
https://japanknowledge.com/contents/nipponica/sample_koumoku.html?entryid=649
https://www.miz.nao.ac.jp/staffs/MarekiHonma/lecture/komaba2011-4.pdf
http://www.nhao.jp/~tsumu/Research/Intr_interferometry/interferometer.html
https://www.nao.ac.jp/research/telescope/alma.html
https://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/KAGRA_Nobel/data/KAGRA2_panel.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社溝尻光学工業所 |
23.5%
|
2 | 株式会社マブチ・エスアンドティー |
6.9%
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3 | タツタ電線株式会社 |
6.9%
|
4 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
6.9%
|
5 | イネイブル株式会社 |
5.9%
|
6 | 東明技研株式会社 |
4.9%
|
7 | 株式会社アオバサイエンス |
4.9%
|
8 | 富士フイルム株式会社 |
3.9%
|
9 | 株式会社オプトサイエンス |
3.9%
|
10 | トライオプティクス・ジャパン株式会社 |
3.9%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月の干渉計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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