フィルターチップのメーカー11社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
フィルターチップとは、内部にフィルターがついているピペットチップです。
ピペットは、液体試料を量り取るための器具です。ピペットチップは、ピペット本体に取り付けて実際に液体を取り込む先端部分で、通常使い捨てです。
フィルターチップは、液体を吸いすぎた場合に、ピペット本体内部にサンプルの液体や蒸気が入ることを防いで、2種類の試料が混ざってしまう「クロスコンタミネーション」を防止します。
フィルターは、空気は通しますが、液体は通さないので、ピペットの機能を損なうことなく液体の吸引・吐出が可能です。
フィルターチップは、ピペットを汚染する恐れのあるサンプルを扱う場合や、クロスコンタミネーションの影響を受けやすいアッセイを行う場合に用います。
クロスコンタミネーションの影響を受けやすい例としては、放射性同位元素を使用する場合やPCRなどDNA、RNAを用いる場合などが挙げられます。
ピペットを汚染する恐れのあるサンプルとは、揮発性物質、放射性物質、腐食性物質、バイオハザード(病原性微生物や遺伝子組み換え体)などです。
フィルターチップに使われるフィルターは、一般にポリエチレン製で、疎水性です。
メーカーや製品により、高密度ポリエチレン、疎水性ポリプロエチレン、超高分子ポリエチレン多孔質シート、特殊疎水性多孔質フィルター、超高分子量ポリスチレンメンブレンなどが使用されています。
空気は通しますが、液体は通さないので、液体試料を吸い込みすぎても(オーバーピペッティング)、ピペット本体内に入ることがありません。
また、エアロゾルがチップコーン(ピペットの下部パーツの一つ)に入り込むことを阻止します。エアロゾルとは、気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体です。
液体がフィルターに接触するとフィルターがブロックされるセルフシーリングバリアタイプと、セルフシーリングではないタイプがあります。どちらもクロスコンタミネーションを防止することができます。
液体がフィルターに達しても湿潤によるブロックが起こらないフィルターでは、試料の回収が可能です。
参考文献
https://e-ny.net/33385
https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/pipetting-guide3/
http://www.labstuff.jp/product/page0303.html
https://kotobank.jp/word/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%8F%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%89-112705
https://www.bmbio.com/product/tabid73.html?pdid1=23-0201
https://www.jaast.jp/new/about_aerosol.html
https://www.watson.co.jp/product/pipette/filtertip.html
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