ケミカルフィルタのメーカー14社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ケミカルフィルタとは、空気中に存在する有毒ガスや酸性、塩基性の微少な粒子を除去するためのフィルタのことです。特に、空気中分子状汚染物質(AMC)の除去が可能で、精密機器の製造過程や医療現場で広く使用されています。取り除きたい有害物質は何種類もある場合が多いので、異なるフィルタが組み合わされて作られることもあります。フィルタにはイオン結合を利用したものや、活性炭を利用して吸着するタイプなどがあります。
AMCの除去が必要となる所は多いので、ケミカルフィルタは様々な場面で活躍しています。
ケミカルフィルタは除去したい有害物質によって様々な吸着剤や樹脂が使われます。ここでは主に使用されている三つのフィルター素材についてご紹介します。
ケミカルフィルタを選定するときに、SV値と呼ばれる指標があります。SV値は「空間速度」と呼ばれ、以下の式で表されます。
SV値(1/h)=通風量(m3/h)÷吸着剤充填体積(m3)
上記を見て分かるとおり、吸着剤のあるケミカルフィルタ内を時間あたりに通過する風量を示しています。
再度となりますが、ケミカルフィルタの目的は通過する空気の中にある有害物質の捕集です。そのため時間あたりに通過する空気量が多いほど、ケミカルフィルタで捕集できる有害物質は少なくなります。
そのため、有害物質濃度の高い空気、高効率での捕集を目的とするならば、SV値を小さく設定する必要があります。 また通過する空気量が少ないほど、吸着剤の寿命が向上しますので、ケミカルフィルタはSV値の小さいものを選ぶと良いです。
ケミカルフィルタには寿命があり、寿命に近づくほど有害物質の吸着性能が悪くなります。性能が悪くなったケミカルフィルタは寿命を迎える前に新しいものに変える必要があります。
ケミカルフィルタの寿命に関しては、各メーカーごとに基準日が出されています。しかしあくまでの基準のため、仮に同じ製品を購入しても使用する環境が異なれば、寿命に差がでてきます。
ケミカルフィルタの寿命を決定するものは、温湿度、使用する箇所に浮遊している有害物質の濃度、有害物質の成分、1日の使用時間などが挙げられます。この項目を考慮して寿命試験を実施することで、ある程度の寿命を算出することは可能ですが、それでも完全に決定することは不可能です。
そのためケミカルフィルタを導入するときは、同じ有害物質を含む空気が段階的にケミカルフィルタを通過するように、複数に連なって設置します。
このように設置することで、どれか1台のケミカルフィルタが寿命を迎えても他のケミカルフィルタで有害物質を取り除くことができます。この間に寿命となったケミカルフィルタを交換します。
参考文献
https://www.nipponmuki.co.jp/media/2016/12/13/2
https://www.donaldson.co.jp/product/semicon/faq.html
https://www.nitta.co.jp/resources/catalog/airclean/Chemical_Filters(2F-39-P).pdf
https://cambridgefilter.com/wp/wp-content/uploads/2015/11/chemarrest.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/20/3/20_3_220/_pdf 中島啓之
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