FCコネクタとは

FCコネクタとは、光ファイバ用の端子である光コネクタの一種です。
2つの光ファイバケーブル間を接続するため使用される部品であり、精密機器である光機器同士を接続するという非常に重要な役割を担う部品です。
FCコネクタの先端は、光ファイバケーブルの先端が差し込まれるセラミックなどよりなるフェルールを備えています。この部品は、フェルール同士を繋ぐ光アダプタと共に使用されています。光アダプタに2本のフェルールを差し込み、これらを金属製の部材によりネジ止めして固定しており、安定した強固な固定が可能です。
FCコネクタの使用用途
FCコネクタを含む、光コネクタを用いた2つの光ファイバケーブル間の接続は、人手によって簡単に着脱できる上に、接続部分の強度も十分に高いレベルを保てます。そのため、光コネクタを利用して光ファイバケーブルを繋ぐ方法は、様々な場面で使用されており、非常に汎用性が高い方法です。
光コネクタのなかでもFCコネクタは、ネジ締め方式を使って光ファイバ同士を接続しています。そのため、2つの光ファイバケーブル間の固定に強度が求められる接続の際に好適です。光学計測器や光通信システムなどでの利用に加え、CATVやLANや公衆通信回線などでも使用されています。
FCコネクタの原理
FCコネクタの原理を、以下の3点に分けて解説します。
1. FCコネクタの構造
FCコネクタは、光ファイバケーブルの先端が差し込まれ、端部に光ケーブルの接続面が露出するフェルールと呼ばれるセラミックよりなる部材を有します。その外周側にフェルールを保持する金属製のハウジング、さらにその外周側にナット式の締結部材をもつ構造です。
2. 光アダプタの構造
FCコネクタは、それ単体で用いられるものではありません。2つのFCコネクタ間を繋ぐ金属製の光アダプタと共に用いられます。光アダプタの形状は円筒状の部材の長さ方向の中央の外周側に円筒状の締め付け部材が配されているものや、締め付け部材が正方形になっているものなどがあります。いずれにしても中心の円筒状の部材の貫通穴内には円筒スリーブと呼ばれる部材が配された構造です。円筒スリーブは長さ方向に切れ目が入った円筒状の部材で、外周がある程度伸縮する構造です。
3. FCコネクタの接続方法
2つのFCコネクタ間を接続するには、光アダプタの中心の貫通穴の両端から光ファイバケーブルの端面が露出したフェルールを挿入します。光アダプタ内の円筒スリーブには長さ方向に切れ目が入っており、適度に伸縮するため、フェルールの外周側からの確実な固定が可能です。フェルールを確実に固定した後、ナット状の締結部品で光アダプタとフェルールを固定します。これで2つのFCコネクタ間の接続が完了です。
FCコネクタはナット式の部材でネジ留めするため、非常に安定して強固な固定が可能なことがメリットですが、ネジ留め作業ができる空間が必要であるデメリットもあります。