リードスイッチとは
リードスイッチとは、ガラス管内の磁化可能な2本のリードで電気接点を入切するスイッチです。
一般的なリードスイッチは、開路時はリード接点端部の小さな隙間で接点を開放します。2本のリード接点端部に外部磁界 (磁石など) を近づけると、リードの接点端部が互いに引き付け合い閉じることで閉路します。
リードスイッチの使用用途
リードスイッチは下記用途で利用されます。
- 水道メーター、バイク・自転車のスピードメーターなどの回転検知
- 白物家電の扉や蓋などの開閉検知
- タンク液面レベルの液量検知
- 油圧・空圧シリンダーの開閉検知
リードスイッチは磁石によってON-OFFするため、非接触で信を検知可能です。主に非接触で装置の状態を検知するために使用します。
リードスイッチの原理
リードスイッチの構成部品はガラス管、リード片、磁石、接点などです。
- 磁化されやすい2本の磁性体リード片を、一定の重なりと間隔をもたせて、ガラス管の中に封入します。
- 磁石などを近づけると、2本のリード片に付随する接点端部が互いに引き付け合って閉路します。
- 磁石を遠ざけると、リードのバネ力で接点が開放します。
- 接点は窒素とともにガラス管に封止され、外部環境と絶縁します。
接点部に汚れが付かないため、リードスイッチは接触抵抗が非常に小さいです。接点の材料は主に金属で、稼働距離も短いため、最大で数億回の開閉寿命があります。
リードスイッチのその他情報
1. リードスイッチの故障について
リードスイッチは可動箇所がある部品です。このため、故障する可能性はゼロではありません。主な故障としては、接点不良、接点の固着、予期しない誤動作などが考えられます。
接点不良
接点不良の要因は、経年による磁石の劣化や接点表面の化学変化による炭化が考えられます。接点表面の炭化は窒素雰囲気下では発生しにくいため、ガラス管が割れている可能性があります。
接点の固着
接点の固着原因は、ばねの劣化や過電流による接点の溶着が考えられます。ばねの劣化は主に経年によりますが、接点の溶着は電気回路側にも異常が考えられるため注意が必要です。
予期しない誤動作
予期しない誤動作は、上記2件のうち複数原因がランダムに重なり合って発生している事が考えられます。この場合、原因を特定することは非常に困難です。
リードスイッチは故障する可能性が比較的低い部品です。故障に対処するには、回路の冗長設計や誤動作防止の設計が肝要です。また、リードスイッチは安価なため、最初から一定周期で交換する前提で設計される場合もあります。
2. リードスイッチの注意点
リードスイッチは磁石の接近を感知します。ただし、スイッチが動作する動作領域が一様ではないため、チャタリングが発生する危険性があります。装置設計には、チャタリングを考慮した設計が必要です。
一方、リードスイッチの接点間距離は非常に少なく、接触圧も微少です。精密部品のため、定格電流値内での使用を厳守する必要があります。加えて、定格電流値内での使用であっても強い衝撃を加えることが無いように十分注意しましょう。
また、強い磁界下でリードスイッチを使用すると、誤作動が発生する場合があります。この様な環境下では、磁気シールドを施して外部磁力を遮断する必要があります。
参考文献
http://aitendo3.sakura.ne.jp/aitendo_data/product_img/parts/relay/reed_switch/RSW2X14/ORD228VL.pdf
https://ieeexplore.ieee.org/document/142891
http://www.suzushoweb.com/pdf_file/47edee2639842.pdf