電動アクチュエータとは
電動アクチュエータとは、モータによってシリンダやスライダーを駆動する駆動装置です。
駆動源にモーターが用いるため、空圧式や油圧式に比べて高い応答性や効率性が得られます。
電動アクチュエータの使用用途
電動アクチュエータは主に産業機器に使用されます。用途は動作プラットフォームの精密な位置決めなど多様です。以下に使用用途を列挙します。
- ワークの移動や搬送など、載せて運ぶ用途。
- ワークの取り出しや収納など、押して運ぶ用途。
- テーブルの位置決めやアーム駆動など、載せて回す用途。
生産工場自動化の際などに使用されます。内蔵するサーボモーターで精密動作するため、小型部品の加工に使用される場合が多いです。
近年は電動自動車の拡販に伴い、車載用の電動アクチュエータが拡販しつつあります。
電動アクチュエータの原理
電動アクチュエータを構成する主要部品はモーター、ボールネジ、ガイドです。
モーターとボールネジはギヤやベルトで連結され、モーターの回転運動をボールネジで直線運動に変換します。モーターの回転数を制御して、直線運動の位置制御ができます。
駆動源のモーターにはサーボモーターやステッピングモーターが使用される場合が多く、精密な位置決めが可能です。
電動アクチュエータのその他情報
1. 自動車分野での利用
近年、自動車分野において自動運転化や脱炭素・クリーンエネルギー化が求められています。そのため、多くの企業で汎用性の高い電動アクチュエータを開発中です。
電動アクチュエータは、クラッチやシフト、ブレーキ、レバー、電動ポンプ、エンジン用の電動バルブや電動スロットルに使用されます。
モーターの軸配置 (同軸直列タイプや平行軸タイプなど) や大きさを選定できます。これにより、車種ごとのカスタム開発費用を削減することが可能です。
2. 電動アクチュエータのシェア
世界の電動アクチュエータの市場規模は、2020年から2024年の間に8億4,386万$の成長が見込まれます。以下が市場規模拡大の背景です。
- ロボットの普及における電動アクチュエータの使用の増加
- スマートアクチュエータの需要拡大
- 民間用・防衛用航空機の需要拡大
- 発展途上国での自動化需要拡大
- ロボットを活用した柔軟な生産システムのニーズの拡大
AIなどの新しい技術が開発されていくことで、市場は拡大していくとみられています。
3. 電動アクチュエータの制御
電動アクチュエータは産業用ロボットなどに組み込まれています。
産業用ロボットに組み込まれる電動アクチュエータは、一般的にロボットに付随したティーチングボックスから簡単に操作が可能です。
ティーチングボックスから任意の指示を送り、ロボットを制御することができます。これによってタクトタイムの短縮が期待できます。
ティーチングボックスでは、ロボット用のプログラミング言語で電動アクチュエータを制御します。
プログラムによってロボット本体と電動アクチュエータを同時に制御できるため、機器間の制御誤差を無くし、制御精度を向上させることが可能です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/77/778/77_778_2412/_pdf
http://www.comp.tmu.ac.jp/prost/insider/mechatro/mechatronics7.pdf
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00386754?isReadConfirmed=true
http://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/robot/l-09072/l09072a.pdf
https://engineer.fabcross.jp/archeive/160524_ntn.html