ロータリーバルブ

ロータリーバルブとはロータリーバルブ

ロータリーバルブ (Rotary Valve) とは、回転によって流体や紛体の切り出し量を制御するバルブです。

紛体の切り出し量を制御する場合に多く使用されます。紛体を輸送する際は主として圧縮空気を利用した空気輸送を使用しますが、詰りなどを防ぐために定量で供給する必要があります。しかし、紛体は液体や気体と違いバルブの開度で制御することができないため、ロータリーバルブで切り出し量を制御します。

紛体業界では非常に多く使用されますが、連続的に回転させる必要があるため、重く大きくなるのが欠点です。

ロータリーバルブの使用用途

ロータリーバルブは産業装置へ用いられます。主として紛体の切り出し量制御が目的です。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 石炭火力発電所の燃料調整用
  • ボイラーにおける煙灰切り出し用
  • 食品工場における食料原料切り出し用
  • 薬品工場における粉薬切り出し用
  • セメント工場における原料投入用

ロータリーバルブの使用目的は粉状物体の定量供給です。空気輸送装置のホッパー下部や、攪拌機に投入する前などに設置します。特に粉砕機などは大量の紛体が入り込むと詰まるため、ロータリーバルブなどを使用して供給量を制御する必要があります。

ロータリーバルブの原理

ロータリーバルブは、一般的なバルブとは異なった構造です。内部にはローターと呼ばれる羽根付き回転体があり、羽根間ごとに仕切られています。ローターが回転することで仕切られた部分に溜まった紛体を連続的に排出します。切り出し量はバルブサイズやローター羽根数及び回転数で制御可能です。

また、内部でローターとケースが接触すると、両者が削れて原料に混入します。これをコンタミネーションと呼びます。食品業界では大きな問題となるため、大きなクリアランスの羽根を用いるなどの対策を講じます。ロータリーバルブの下にマグネットを設置したりすることでも対策可能です。

ロータリーバルブには駆動源が必要です。その多くはモーターが使用されます。そのため、インバータなどの可変周波数機器で切り出し量を調整することができます。

ロータリーバルブのその他情報

1. ロータリーバルブの詰まり

ロータリーバルブの取扱対象物が紛体のため、詰まりが発生する場合があります。したがって、多くの場合は詰まり対策が必須です。詰まりは粉体に粘り気がある際に頻繁に起こります。また、粉体の取扱過程で吸湿したり、一次側にこびりついた塊が一度に投入されたりした場合にも詰まりが発生します。

有効的な対策は、粘度の低い原料を使用することや前処理工程で乾燥させることです。また、ロータリーバルブの一次側に粉体がこびりつかないように、バイブレーターと呼ばれる振動モーターを設置する対策も講じられます。原料が吸湿する場合は、トレス配管を設置して粉体の保温などの対策も講じられます。

ロータリーバルブの羽根間仕切りに少しずつこびりつく場合もあります。ロータリーバルブには、スクレーパーと呼ばれるかきとり翼がついたモデルがあります。これを採用することで、仕切りの中に粉体が残らないようにかき出すことが可能です。

2. ロータリーバルブの整備

ロータリーバルブの整備項目は以下のような内容が一般的です。

スクレーパーが付属されたモデルはスクレーパー軸の整備やギアの交換などがあります。

分解整備の場合は以下の劣化診断も実施します。

  • シャフトの嵌めあい部の計測
  • シャフト振れの計測
  • グランドパッキン部の摩耗状況計測

また、ローターとケーシングの隙間はメーカー設計の寸法があるため、分解前にケースから軸端までの寸法を確認することが重要です。これを誤ると、ケース・ローターやスクレーパー同士が接触してコンタミネーションの原因となります。

参考文献
https://www.aishin-sangyo.co.jp/ROTARY_top.html
https://www.aishin-sangyo.co.jp/ROTARY/ROT_shiryou01.html
http://www.fluideng.co.jp/products/feeder/rotary_valve/about_rv.html
http://plant-koujimaintenance.com/catalog/fluid.html

レーザー変位計

レーザー変位計とは

レーザー測長機

レーザー変位計とは、対象物の位置や距離をレーザーで計測する装置です。

レーザー光を物体表面に照射し、その光が物体の変位を検出して測定します。非接触で高い精度の変位測定を行うことができます。

また、高速検知可能な点も特徴の1つです。レーザービームの照射と光の検出がほぼ同時に行われるため、瞬時に変位を測定することが可能です。高速な動作や振動の解析に適しています。

レーザー変位計の使用用途

レーザー変位計は、非接触かつ高精度の計測が可能なため、さまざまな用途で使用されます。

1. 材料の変形や応力解析

物体に力を加えた際の微小な変位や変形を測定することで、材料の弾性特性や剛性を評価することができます。

2. 建築物や機械など構造物の振動解析

物体の振動周波数や振動モード、共振現象などを測定し、構造物の安定性や耐久性を評価可能です。ナノスケールの研究においても重要な役割を果たしています。

素材やデバイスの振動や変位を測定することで、その性質や動作原理を解析できます。

レーザー変位計の原理

レーザー変位計の測定原理は、三角測量を利用しています。主な部品構成は投光部と受光部で、投光部は投光素子と投光レンズ、受光部はリニアイメージセンサと受光レンズで構成されます。これらの部品を利用して対象物の測量を行い、変位量の検出を高精度で実施します。

まず、投光素子からの光が投光レンズにより集光され、対象物に投影されます。対象物はその光を反射して、受光部の受光レンズを通してリニアイメージセンサに光が届きます。これによって、リニアイメージセンサ上に光のスポットができ、対象物の位置を検知します。

対象物が移動すると、リニアイメージセンサ上の光スポットが移動するため、この移動量を検知して対象物の変位量を検出します。リニアイメージセンサの他に、PSD (Position Sensitive Device) と呼ばれる位置検出素子を利用する場合もあります。

レーザー変位計の種類

レーザー変位計にはさまざまな製品がありますが、寸法測定用、変位測定用、形状測定用が代表的です。

1. 寸法測定用

厚み測定や段差測定、内外径測定など、静止状態での寸法測定を行います。基準面までの距離と測定面までの距離を測定し、その差分を寸法として出力します。

2. 変位測定用

振動する物体の振幅や回転体の振れ測定など、動的測定を実施するレーザー変位計です。一定のサンプリング周期で測定点までの距離を測定し、その最大値と最小値から変位量を求め出力します。

3. 形状測定用

面の平坦度や弯曲面の弯曲度などを測定します。複数箇所の距離を測定し、測定点の座標と測定値から測定範囲の形状を出力します。そのため、多くの場合は駆動機構を有します。

駆動機構にセンサーヘッドを取り付けて使用する場合、固定と比べ剛性が劣るため、振動などの外乱を受けやすくなります。高精度測定ではセンサーヘッドを剛性の高い固定スタンドに取付、測定物を動かす方法が一般的です。

レーザー変位計のその他情報

レーザー変位計の精度

レーザー変位センサーの精度は、センサー特性と外部環境によって変化します。分解能だけでなく、直線性、温度特性、などを全て考慮して精度を算出します。

分解能が±1 μm、直線性が±0.2%F.S (測定範囲20 mm) 、温度特性が±0.08%F.S/℃ (測定温度範囲1℃) とした場合、直線性は20 mm×0.1%=0.02 mmとなり、温度特性は20 mm×0.08 %=0.016 mmとなります。これらを合計した±0.037 mmが測定精度です。したがって、ミクロン単位の測定はできないことになります。

このように、分解能が高くても直線性や温度特性が悪い場合には正確な測定ができません。高精度測定をする場合には、測定範囲が小さく直線性が良いセンサーを使用し、温度変化のない環境で測定する方が好ましいです。

また、測定物の表面状態で測定値が変化する場合もあるため、測定物の状態に合致したセンサーを選択することも必要です。

参考文献
https://www3.panasonic.biz/ac/j/service/tech_support/fasys/tech_guide/measurement/laser/index.jsp
https://www.keyence.co.jp/products/measure/
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/select/
https://ac-faq.industrial.panasonic.com/jp/faq_detail.html?id=5914

モリブデン

モリブデンとは

モリブデン

モリブデンは金属の一種です。原子番号42で、元素記号は「Mo」です。

産業製品では硫化モリブデンとして、潤滑目的や焼付防止剤に使用されます。また、鉄鋼材料の添加物として使用される場合もあります。

モリブデンの使用用途

民生品に使用されることはほとんどなく、産業用途として使用されることが多い金属です。

モリブデン硫化物の硫化モリブデンは特殊用途の潤滑剤に配合されます。硫化モリブデンはオイルやグリスに配合すると、耐熱温度や耐荷重を向上させる効果のある材料です。したがって、ボルトの焼き付き防止剤として使用される場合もあります。その他、オイルレスブッシュの固体潤滑剤としても使用されます。

また、鉄鋼材料の添加剤としても使用される場合があります。鉄にクロムとモリブデンを添加した「クロムモリブデン鋼」は、堅牢でしなやかなです。そのため、自動車材料として使用されることもあります。

モリブデンの特性

モリブデンはレアメタルの一種です。高融点かつ高沸点で、高温下でも強度が高い特徴を有します。電気抵抗は高い上に高価なため、導電材料として使用されることはありません。熱膨張率は低く、高温下でも歪みがあまり発生しないという特性があります。

モリブデンの原理

モリブデンは銀色の金属で、常温常圧で固体です。非常に安定した構造体のため、反応性も高くありません。世界中での埋蔵量は純モリブデンとして850万トン程度と言われており、その多くは中国に埋蔵されています。

空気中では酸化被膜を作るため、内部は純金属です。水酸化ナトリウムには反応しませんが、硫酸塩酸には溶けます。高温では空気中で酸化し、酸化モリブデンとなります。

モリブデンのその他情報

1. 栄養素としてのモリブデン

モリブデンは体内の有害成分を無毒化する、さらには無毒化した成分を体外に排出するなどの働きがあります。人間にとって重要な栄養素の1つです。成人の生体内に10mg程度存在し、その多くは肝臓や腎臓に分布します。

モリブデンの役割の一例としては、キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼなどの酸化還元酵素の捕因子が挙げられます。捕因子とは、有機物やイオンなどのたんぱく質以外で、酵素を活性化させる物質のことです。捕因子によって活性化された酸化還元酵素は、酵素反応によって特定の物質を別の物質へと変化させる働きをします。

モリブデンは豆類や穀類や肉類に多く含まれます。2020年版の食事摂取基準によると、モリブデンの推奨摂取量は成人男性で約30μg/日、成人女性で約25μg/日です。通常の食事から多く摂取できるので、体内のモリブデンが不足することはほとんどありません。もし不足した場合には、心拍数の増加、夜盲症などの症状が現れることがあります。

2. モリブデンの毒性

モリブデンを大量に摂取すると血中尿酸濃度が増加し、痛風のような症状がみられることがあります。しかし、通常の食事程度の量でそのような症状が起こることはないです。

ラットの経口摂取におけるLD50 (半数致死量:急性毒性の指標) の値は、三酸化モリブデンで188mg/kg、モリブデン酸ナトリウムで250mg/kg、モリブデン酸二アンモニウムで680kg/mgです。これらの値から、毒物及び劇物取締法の分類では三酸化モリブデンとモリブデン酸ナトリウムが劇物に属します。

モリブデン酸ナトリウムは危険性の高い物質です。エアロゾルは呼吸器や眼を刺激し、吸入すると咳やのどの痛みなどの症状が現れます。また、誤って経口摂取した場合は吐き気や嘔吐などの症状が現れます。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/c-50770/b-237/q-%93%F1%97%B0%89%BB%83%82%83%8A%83u%83f%83%93/
https://www.juntsu.co.jp/qa/qa0915.php
http://www.te27.jp/mori.html
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4ao.pdf
http://www.mac.or.jp/mail/140701/03.shtml
https://www.env.go.jp/chemi/report/h24-01/pdf/chpt1/1-2-2-17.pdf

マクロレンズ

マクロレンズとは

マクロレンズとは、被写体に非常に近い距離で撮影する、マクロ撮影するためのレンズです。最短撮影距離(通常20cm前後)が特別短く設計されています。一般的には撮影倍率(イメージセンサー面上の被写体と実際の被写体の大きさとの比率)が0.5~1.0倍以上の映像が得られるレンズをマクロレンズと言います。一般的には、単焦点レンズなので、開放F値が小さく(2.8程度が一般的)、映像が明るいことも特徴です。

マクロレンズの使用用途

マクロレンズは花や昆虫など小さな被写体を、後述する被写界深度を浅めにして被写体の前景、背景をボカして被写体の存在感を高め、撮影倍率も高くして、シャープで詳細な明るい映像を得る用途で用います。

図1に近接撮影の一例を示します。被写界深度は被写体まで近ければ近いほど浅くなります。またF値が小さい (明るい) ほど、焦点距離が長いほど浅くなります。被写体に寄れない状況では被写界深度が浅い望遠レンズの方が背景をボカしやくなります。SONY DT 30mm F2.8 Marco SAMを使って撮影した写真では、5cm後方の造花が大きくボケています。

図1. マクロレンズで造花を近接撮影した例

マクロレンズの原理

焦点距離 (図2参照) が50mm~60mm (イメージセンサーのサイズがフルサイズの場合、画角は75度程度) になり、それより焦点距離が短くなると (15mm程度で画角にして100度程度) 広角レンズになります。

撮影した時に、ピントが合っているように見える前後の幅を被写界深度と呼び、マクロレンズはこれが小さい (浅い) と表現することが特徴です。例えば、焦点距離50mm程度のマクロレンズで、F値2.8、30cmの撮影距離にある被写体では被写界深度はわずか7mm程度になり、その幅から外れるものは映像がボケることになります。

図2. 一眼レフカメラの概略構造と距離に関連する主な用語
(被写体は梅の木にとまっているウグイス)

マクロレンズの構造

図2では簡単のため、レンズを1枚の凸レンズで表していますが、実際には、一般の一眼カメラ同様、マクロレンズでも図3に示すように、像面湾曲、歪曲収差など、様々な象のひずみや収差や、光量を調整するために数多くのレンズを重ねたレンズ構成が考えられています。

例えばパウル・ルドルフが1902年に発明したカールツァイス社の単焦点Tessarレンズでは、レンズの数が「3群4枚」と表現されますが、左から3枚目と4枚目のレンズは、一体化しており、これを「1群」と数え、「3群4枚」という表現になります。多くの市販のマクロレンズは5群6枚や、8群9枚など、複雑なレンズ構成を採用しています。

また、マクロレンズは最短撮影距離を小さくするために、レンズを前に大きく繰り出せる特別な設計になっている点に標準レンズとの相違があります。

図3. 一眼カメラのレンズの一般的レンズ構成例

マクロレンズの種類

マクロレンズには、35mm判の焦点距離を基準に以下の3種類があります。被写体に近接して撮るものだけが、マクロレンズでは無い点に注意が必要です。いずれのマクロレンズにもピント合わせにはAF、MFモードがあります。

1. 標準マクロレンズ (50〜60mm)

被写体に近接・拡大した映像を得るために、最短撮影距離が特に短く設計されています。被写界深度も極めて浅いため、前後のボケも大きく、近接するほどAFでのピント合わせは難しく、MFで三脚やリモートシャッタなどを使って手振れを最小限に抑えた撮影が必要です。

2. 中望遠マクロレンズ (100mm前後) 

被写体までの距離は数m程度で用います。昆虫や小動物に撮影を意識させず、花、植物などを周囲の余計なものをカットして最適な画角で撮影することが可能です。ポートレート撮影、スナップ撮影や風景撮影、⽔族館の⽣物撮影にも好適です。最も人気のあるマクロレンズとされています。

3. 望遠マクロレンズ (200mm前後)

高所・遠方の被写体、障害物があって近寄れない被写体を、標準や中望遠よりも⼤きく写す際に使⽤します。一方、画⾯に写る画角が中望遠以上に小さくなるので、より被写体を印象付ける絵作りも可能です。

参考文献
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/04.html
https://for-camera-beginner.com/tdepth/
http://masupi.com/phase26.htm

ペイントローラー

ペイントローラーとは

ペイントローラー

ペイントローラーとは、大きな平面を迅速かつ効率的に塗装するために使用される塗料塗布の道具です。

ペイントローラーは通常、「ローラーフレーム」と「ローラーカバー」の2つの部分から構成されています。ローラーカバーが塗料を吸収して塗装面に転写します。ローラーカバーは洗浄して再利用することもできますが、使用後は廃棄するのが一般的です。

ローラーフレームは、ローラーカバーを取り付けるために必要です。塗装工はハンドル部分でローラーを保持します。ローラーフレームは再利用する場合が多いです。

ペイントローラーの使用用途

ペイントローラーは、内装、外装、鉄部、木部などの塗装に使用されます。塗装する場所や、素材、塗料の種類といった塗装の用途や目的に応じて、ペイントローラーを選定することが大切です。

ペイントローラーは広範囲を効率的かつ均一に塗装することができるため、仕上がりが美しく整います。また、粘度が高い塗料をムラなく厚膜塗布できるため、耐久性にすぐれた防錆・防食塗装に最適です。

ペイントローラーの原理

ペイントローラーは、「ローラーフレーム」部と「ローラカバー」部で構成され、ローラーフレームにローラーカバーを取り付ければ準備完了です。ローラーカバーは、円筒状の芯体にさまざまな素材のカバーを固定したものです。塗料の種類、塗装の場所、塗装の目的によって、ローラーカバーの素材を変える必要があります。

磨耗したローラーを交換する際は、古いローラーを取り外し、新しいローラーをローラーフレームのハンドル部分に取り付けます。

ペイントローラーの種類

ペイントローラーは、ローラーのサイズや用途によって分類することができます。

1. ローラーのサイズによる分類

レギュラーローラー
レギュラーローラーは、内径が38mmで基本的な長さが9インチ (22.86cm) となっています。しかし、さまざまな種類があるため、ハンドルを選ぶ際には注意が必要です。平坦な広い面積を塗装する場合に適しています。

ミドルローラー
ミドルローラーは、内径が26~27mmで基本的な長さが7インチ (17.78cm) となっています。広いところも狭いところも塗装することができる万能ローラーです。

スモールローラー
スモールローラーは、内径が15~16mmで基本的な長さが4インチ (10.16cm) となっています。入り組んだ狭い場所や小さな面積を塗装する場合に適しています。

2. 用途による分類

手動ローラー
手動ローラーは、最も一般的なペイントローラーで一般的に壁や天井に塗料を塗布するために使用されハンドル延長用のコネクタを特徴とするハンドルを持っています。

パッドローラー
パッドローラーはトリムや縁取りの塗装に効果的なツールです。吸水性の高い平らなパッドを利用して、まっすぐで均一なストロークで塗料を塗布します。

テクスチャローラー
テクスチャローラーは、特に表面にテクスチャをペイントするように設計されています。

ミニホットドッグローラー
ミニホットドッグローラーとは、ミニチュアペイントローラーです。手の届きにくい場所の塗装に最適です。

ペイントローラーの選び方

ペイントローラーの種類によって長所と短所があり、それぞれが特定の塗装工程に適しています。塗料のコストと同様に、ローラーのコストも塗装工程の最終結果に影響を与えます。

塗装業者の中には、一度ローラーを使用してそれを捨てるところもあれば、また洗って何度も再利用できる高価なローラーを使用するところもあります。一番安いローラーで塗装工程のコストを削減することも大切ですが、うまく塗装できなければ意味がありません。ローラーにはそれぞれ特徴があるため、ローラーとフレームがぴったりとフィットするのかが重要です。

そのため、コスト面だけを重要視するのではなく、機能面もしっかり考慮した上で、適切なペイントローラーを選ぶようにしましょう。

参考文献
https://www.diy-shop.jp/contents/diy-school-paint/paint_roller_type.html

平蝶番

平蝶番とは

平蝶番

平蝶番とは、開き戸、蓋、ゲートのような2種類の物を開閉するために、軸によって支えて繋ぐための一般的な金具です。

蝶番とは、通常、限られた可動部を持ち、2つの羽を芯棒などで機械的に接続した部品のことです。扉などの開閉する物体に取り付けるため、使用する場所や取り付けた位置に適した平蝶番を選ぶ必要があります。

平蝶番は狭いスペースやフレームに、最適なサイズの蝶番です。ピンはフレームの羽に固定されているため、ピンを外さずにドアを蝶番から素早く持ち上げられます。羽にはドアフレームに取り付けるためのネジ穴が、複数ある平蝶番もあります。

平蝶番の使用用途

様々な種類の蝶番が開発されています。主要な蝶番は、長蝶番、抜き差し蝶番、旗蝶番、スプリング蝶番 (ばね蝶番) 、スライド蝶番、自由蝶番 (両開) 、リリースヒンジ、トルクヒンジ、クリーンヒンジ、オートヒンジ丁番、儀星蝶番、角蝶番、キャビネット蝶番、隠し蝶番、ガラス蝶番などです。

主に扉の開閉、ピアノ、勉強机の引き出し、キャビネット、収納棚などに使用されます。それぞれの蝶番は特徴や用途が異なるため、適材適所に使用しない場合には蝶番が壊れる可能性があります。

平蝶番の原理

蝶番は両方のプレートが回転するために、自由に稼働するピンによって結合されており、2つのプレートや羽で構成されています。

通常の蝶番のプレートには、扉などの可動部に取り付けるために穴があります。穴にはセルフタッピング、機械ねじ、ナット、ボルト、リベットを使用可能です。

平蝶番の構造

蝶番の部品の名称は下記の通りです。

1. 羽

蝶番の平らな部分で、横方向に伸びていて、扉にねじ込まれます。ピン (芯棒) が入る管の本数によって、2本管の羽や3本管の羽と称されます。

2. ナックル

羽が合わさる蝶番の真ん中 (円形) の部分で、ピンが通過します。

3. バレル

ナックルの列はバレルと呼ばれています。

4. ピン (芯棒)

ナックルにスライドして、2つの羽を一緒に保持する長い部分です。

5. 木ネジ穴

羽を扉などに固定するためのネジ穴です。一枚の羽に2〜3個穴が空いています。

6. ナイロンリング

摩擦を低減するために、ボールベアリングを管の接合部に挿入する場合もあります。

平蝶番の種類

蝶番には、多種多様なサイズ、特徴、素材があります。平蝶番はあらゆるシーンで、最も使用されている蝶番です。蝶番と呼ぶ場合には、一般的に平蝶番のことを指します。

長蝶番は平蝶番よりも長く、ピアノの鍵盤の蓋を代表とする、長い扉などに使用されます。旗蝶番は羽根部分が取りつけ側と扉側で上下に分かれており、羽根が軸を中心に360°回転可能です。スプリング蝶番は、扉が自動的に閉まるカウンターなどに用いられます。自由蝶番の内側にもバネが入っていて、バーカウンターで使用可能です。

よくキッチン扉や家具に使われている蝶番は、アングル蝶番やスライド蝶番です。トルクヒンジは開閉時に抵抗が発生するため、自由な角度で維持できます。オートヒンジは開閉スピードを制御可能で、隠し蝶番は扉を閉めると見えない蝶番です。サイドボードやキャビネットによく使用される蝶番だけでなく、アクリル扉やガラス扉に用いる専用の蝶番などもあります。

平蝶番の選び方

平蝶番は小窓や小箱に付ける場合に適しています。軽い素材に向いており、DIYなどでもよく見かける種類です。簡単に取り付け可能で、おしゃれなタイプやアンティーク風の平蝶番もあります。ブロンズやゴールドなどの、さまざまな色から、平蝶番を選択可能です。

平蝶番を取り付けるためには、まず仮置きします。作業中に平蝶番が動く場合には、マスキングテープによる軽い固定が必要です。基本的に平蝶番は2つ使用し、長さが2m以上ある扉などには3つ使います。ビス穴の中心に印を付けて、ドリルや錐で穴を開けます。穴を開けた部分にビスを止めて、締めすぎないように注意が必要です。

バススイッチ

バススイッチとは

バススイッチとは、デジタル信号を伝達するための半導体スイッチです。

基本的な機能は機械スイッチと同様ですが、MOSFET (英: Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ) システムを利用していることが特徴です。

MOSFETにより、信号を電気的に導通 (オン) させたり遮断 (オフ) したりします。スイッチであるため、当然双方向で動作し、信号の向きを気にする必要はありません。中には、信号を増幅したり、逆にレベルを下げたりする機能を内蔵しているものもあります。

バススイッチの使用用途

バススイッチはデジタル回路用のデバイスであり、CPUと周辺ICの間の信号ラインに挿入して使用します。大きな電流を流すことはできないため、電源ラインのスイッチとしては使えません。

信号の導通と遮断を行うタイプに加えて、接続先を切り替えるタイプも存在します。最も単純な例として、入力Aに対して出力BとCが配置されている場合、A-B間が導通されている状態からA-C間の導通に切り替える際にバススイッチが使用されます。

また、信号遅延がなく、高速スイッチングに対応できるため、比較的高速な回路でも利用されています。さらに、ノイズを発生させたり電力消費量を増加させたりしないため、電圧変換器、ホットスワップ、ホットプラグ、バスまたは容量の隔離・分離などに利用されます。

バススイッチの原理

一般的なバスイッチは2つのMOSFETを組み合わせて作られています。P-CHのMOSFETとN-CHのMOSFETのゲートを直結し、互いのドレインを並列に接続します。ゲートから信号を入力することにより、常にP-CHまたはN-CHのMOSFETが導通状態となることを利用し、出力信号として取り出す仕組みです。

似た原理を持つデバイスにはバスバッファがあります。バススイッチとバスバッファは駆動能力に違いがあります。バススイッチは高速なスイッチングが可能である一方、接続されるデバイスの駆動能力は高くありません。一方、バスバッファはファンアウト数が大きい、つまり駆動能力が高いのですが、切替に遅れが発生します。

回路上での用途を考慮して、どちらのデバイスが良いかを見極めることが必要です。

バススイッチの種類

バススイッチは、前述のP-CHとN-CHのMOSFETを並列に接続して構成するタイプの他に、N-CHおよびチャージポンプがあります。以下に詳しく解説します。

1. P-CHとN-CHの並列タイプ

P-CHとN-CHのオン抵抗特性を併せ持っています。オン抵抗の特性カーブが入力電圧0Vから電源電圧までほぼ平坦であるため、出力信号の電圧を最大限に活用可能です。

2. N-CHタイプ

ゲートに所定の電圧加え、ドレインとソース間に信号を入力することにより、オン・オフのスイッチングを行います。

3. チャージポンプタイプ

出力信号電圧の範囲を向上させるために、N-CHのMOSFETのみを使用するタイプです。チャージポンプ回路で昇圧し、ゲート電圧を高く保持できます。上記の並列タイプと同じように、オン抵抗が入力電圧に対して低く、特性カーブが平坦であるため、入出力信号の電圧を最大限に活用できます。ただし、他のタイプよりも多く電力を消費するのが欠点です。

バススイッチのその他情報

バススイッチは、フラットパネルテレビ、携帯電話、PCおよび周辺機器、カーナビゲーションシステムなどに組み込まれ、高速デジタル信号の伝送に使用されます。これら応用製品の開発が進むにつれ、信号の伝達速度は高まっています。

このトレンドに対応するため、バススイッチは高速化の一途を辿っています。また、携帯電話などの外部インターフェースを搭載し、複数の信号のやり取りを行う機器では、複数の信号を切り替える高機能化が顕著です。

ボールベア

ボールベアとはボールベア

ボールベアリングは、外輪と内輪間の分離を維持するためにボールを使用する転動要素ベアリングの一種です。

ボールベアリングの目的は、回転摩擦を減らし、ラジアル荷重とアキシャル荷重をサポートすることです。

これは、少なくとも2つの輪を使用してボールを輪間に格納し、ボールを介して負荷を伝達することによって達成されます。

ほとんどの応用例では、いずれかの輪は静止しており、他方の輪は回転アセンブリ(例えば、ハブまたはシャフト)に取り付けられています。

外輪、内輪の一方が回転すると、ボールも同様に回転します。

ボールは外輪と内輪それぞれに点で接触し内部で転がるため、2つの平らな表面が互いに滑る場合よりも低い摩擦係数を実現できます。

ボールベアの使用用途

一般的に、ボールベアリングは可動部品を含む様々な製品や用途に使用されています。

ハードドライブからスケートボードまで、ボールベアリングはスラスト荷重とラジアル荷重の両方を扱うように設計されています。

これらの用途の中には、それぞれ異なる特徴や要求があります。

日常的なもの以外では、ボールベアリングは、より高度な技術が要求される用途に使用されています。

例えば、ハッブル望遠鏡、火星のローバーおよび天候の衛星はすべてボールベアリングを使用しています。

原始的な技術への使用歴が長いのと、新しい技術での用途でも継続的に使用されているため、潤滑技術の改善により、ボールベアリングの寿命は延びてきました。

これにより、メンテナンスや交換の必要性を減らすことができました。

ボールベアリングの中には密封されているものもあり、潤滑剤を必要としないものもあります。

潤滑剤を必要とするボールベアリングは、一般的にグリースを使用します。

ボールベアリングは、あらゆる形状、サイズ、複雑さを持つ様々な用途で使用されており、様々な産業や製品のための費用対効果の高い技術であり続けています。

ボールベアの原理

ボールベアリングは、外側の輪からボールに荷重を伝え、内側の輪に荷重を伝える働きをします。

球形のボールが内輪と外輪に接触するのは、球という特性上、接点はごくわずかな点で、摩擦係数が低いことでスムーズに回転するようになっています。

しかし、ベアリングの使い方を誤る(軸がずれた状態で使用する等)と逆に摩擦が発生してしまい、効率を下げることがあります。

ボールは荷重を受ける接触面積が小さいため、過負荷になると、ボールが変形しベアリングを破壊してしまうことがあります。

ボールベアリングは、機能的に従来の軸受けの手法と比べ十分に機能することが証明されており、また、製造が容易なので、多くの製品に応用されています。

日常生活の一部にあるボールベアリングは、ミキサーや運動器具などに使用されており、自転車、DVDプレーヤー、ウォーターポンプ、洗濯機、ファンなどは、ボールベアリングを使用している多くの製品の一部にしかすぎません。

 

光電子増倍管

光電子増倍管とは

光電子増倍管 (英: Photo Multiplier Tube 略語: フォトマル・PM・PMT) とは、光 (光子) を電気に変換することができる最も感度の高い光センサの1つです。

真空状態のガラス管の中に入射窓、光電面 (カソード) 、ダイノードなどの各部品が設置された構造をしています。原理としては真空中で金属に光を照射すると表面から電子が放出される、外部光電効果という現象が利用されています。

光子1個からでも大きな電気信号に高速で (10-9秒程度) 変換することができるので、光検出器として電子顕微鏡、環境分析機器、医療機器、分光光度計分光分析装置などに搭載されています。

光電増倍管の使用用途

光電子増倍管は、電子顕微鏡の2次電子検出器や、紫外可視分光光度計や発光分光分析装置など、光分析装置の検出器に用いられています。また、大気中の粒子を計測するダストカウンタ、大気中の浮遊物の散乱光を検出するレーザレーダ (LiDAR) 、がん検診などに用いられるPET (陽電子放射断層撮影法) 、CT (コンピュータ断層撮影) などの医療用装置にも使用されています。

LiDARは、自動車の周囲の物の位置や動きを検出する手段となり、全自動運転の鍵となる技術としても期待されています。ニュートリノの研究で世界最先端の設備として用いられたスーパーカミオカンデには、5万トンの水タンクの中に発生するチェレンコフ光 (電子が水中の光速を超えると発生する光) を捉えるため、径20インチの光電子増倍管が1万3,000本も使われています。

光電子増倍管は、感度の面で非常に優れており、微弱な光を充分な量の電気信号に変換することが可能です。一方で、使用に高い電圧が必要で、熱電子などに起因するノイズを拾いやすいなどのデメリットもあります。そのため、光電子増倍管の電源には極めて低ノイズで、安定性が高いことが求められます。

光電増倍管の原理

図1. 光電子増倍管の基本構造

光電子増倍管は、光を光子1個から検知し、電気信号に変換することができる光センサです。図1に光電子増倍管の全体構造を示します。

真空状態のガラス管の中に光が入射する窓、光子を外部光電効果 (電子を真空中に放出させる効果) により電子に変換する光電面、光電子を集める集束電極、2次電子を増倍する10段前後のダイノード、電子信号を発生する陽極が取り付けられています。光電面から陽極まで全体で、1,000V程度の直流電圧がかけられます。

1. 窓材

窓材には光の主に短波長側の波長領域に応じて、硼硅酸ガラス、石英ガラス、UV透過ガラス、MgF2結晶などが用いられます。

2. 光電面

図2. 光電面と外部光電効果 (イメージ)

光電面は,高真空に接する面に量子効率 (光電子発生効率) 活性層を形成します。可視領域では、バイアルカリ金属光電面,赤外領域まで感度のある3種類以上のマルチアルカリ金属光電面、紫外検出用アルカリハライド光電面や紫外から近赤外域で高い感度を持つIII‒V族化合物半導体を用いた光電面が開発されています.

3. ダイノード

図3. ダイノードの構造と機能 (イメージ)

光電子は集束電極で加速され、ダイノードに集められます。ダイノードはニッケル、ステンレスなどの基板金属に二次電子放出比を高める活性層を形成します。アルカリ金属-アンチモン (SbCsなど) や酸化ベリリウム酸化マグネシウムを蒸着させた層などが用いられるのが一般的です。

電子がダイノードに衝突することで、多数の二次電子が放出されます。放出された二次電子は次に設置されたダイノードに衝突し、そこでさらに多くの二次電子が放出されます。これを繰り返すことで最終的には電子が100万倍以上にも増え、充分な量の電気信号として検出されます。

光電子増倍管のその他情報

二次電子増倍部の構造

二次電子増倍部は、ダイノードなどの配置・形状により、サーキュラケージ型、ラインフォーカス型、ボックスアンドグリッド型、ファインメッシュ型、メタルチャンネル型など様々な構造が考案されています。

それぞれの構造について、電子軌道解析により最適な電極設計がなされます。電子は高真空中を走行するので、高速な時間特性の取得が可能です。光を粒として数えられる高感度と高速応答特性が、最前線でPMTが利用される理由です。

晶析装置

晶析装置とは

晶析装置とは、液体や気体から固体である結晶を析出させる機器のことです。

晶析は古くから利用されている技術で、例えば食塩の生成など日常生活で身近なものとして存在します。溶媒に対する溶質の溶解度が温度に依存して決まることを利用しており、溶質が最大限溶けている状態を飽和状態と呼びます。

冷却、蒸発、溶媒の変更、反応などにより、溶解度が下がり飽和状態を超えると、溶質が溶けきれず結晶として析出する点が特徴です。晶析装置は、化学、製薬、食品など幅広い分野で活用されており、品質管理や新しい物質の開発に役立っています。

さまざまな種類の晶析装置が存在し、それぞれの目的や条件に応じた選択が重要です。晶析装置の正確な理解と適切な運用により、効率的な結晶生成や研究が可能となります。

晶析装置の使用用途

晶析装置は、結晶生成に使用される機器で、形状によって異なる結晶が得られます。主に2つのタイプがあり、それぞれ特徴と使用用途が異なります。

晶析装置は、化学、製薬、食品などの産業で幅広く利用されており、適切な装置を選択することで、効率的な結晶生成が可能です。

1. クリスタルオスロ型

クリスタルオスロ型晶析装置は、溶媒蒸発部分と結晶成長部分が分離されています。外部から熱を与えることで、溶媒を蒸発させ結晶を析出させる仕組みです。結晶成長部分でポンプによる循環がないため、結晶破砕が起こりにくいのがメリットです。

しかし、溶液濃度を下げる必要があり、装置の大型化がデメリットと言えます。青化ソーダなどのメッキ処理に用いられる物質が製造されます。

2. 逆円錐型

逆円錐型晶析装置は、逆円錐の形状をしており、大きな結晶ほど沈降速度が遅いことを利用して、溶媒を分離します。粒径が大きくかつ粒径分布が小さい結晶を作製することが可能です。

晶析装置の原理

晶析装置は結晶生成のための機器で、結晶化のメカニズムは結晶核の生成と成長の2つのプロセスから構成されています。

1. 結晶核の生成

圧力や温度の変化により、固相状態がエネルギー的に安定する場合があります。ナノサイズの微小な結晶が生成し、これを結晶核と呼びます。

結晶核の生成には、自発的に発生する1次核発生と、力が加わって大きな結晶から剥離したものが核になる2次核発生があります。実験室レベルでは1次核発生が支配的ですが、工業レベルでは2次核発生が主です。

2. 結晶成長

結晶核の表面に原子や分子が付着し、結晶が成長します。結晶表面には階段状の部分 (ステップ) があり、原子や分子はステップの折れ曲がった部分 (キンク) に取り込まれ、キンクへの連続的な取り込みによって、結晶層が厚くなり成長が進行します。

結晶成長は複雑なプロセスであり、まだ完全なメカニズムの解明には至っていません。

晶析装置のその他情報

晶析装置と併用される機械

晶析装置は、結晶生成に特化した機器ですが、効率的な結晶の生成・回収・精製のために、溶解槽、濾過装置、温度調節機器、遠心分離機などの機械と併用されます。

1. 溶解槽
溶解槽は、晶析装置の前処理工程で使用されます。溶質を溶かすための容器で、適切な濃度の溶液を調整するために重要です。溶解槽では溶質と溶媒を混合し、加熱や攪拌を行って均一な溶液を作成します。

2. 濾過装置
濾過装置は、溶液中の不純物を除去するために使用されます。晶析前に行われる濾過工程は、生成される結晶の品質に大きく影響します。濾過装置には、ろ過紙やろ過膜が使用され、微粒子や不純物を捕捉します。

3. 温度調節機器
温度調節機器は、晶析装置内の温度を制御するために使用されます。晶析過程では、温度が重要な因子であり、適切な温度制御によって、結晶の生成速度や品質が大きく変わります。温度調節機器は、ヒーターや冷却装置です。

4. 遠心分離機
遠心分離機は、晶析装置で生成された結晶を回収するために使用されます。遠心力を利用して結晶と溶液を分離し、結晶の回収効率を高めます。遠心分離機は、連続式やバッチ式などです。

参考文献
https://www.nippon-chem.co.jp/dcms_media/other/cre2004-2.pdf
https://www.mt.com/jp/ja/home/applications/L1_AutoChem_Applications/L2_Crystallization.html
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http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/uwaha/uwaha09cl2.pdf
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https://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/labs/miurah/research/stepdynamics/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gkk1952/14/Special2/14_Special2_126/_pdf