貯水槽

貯水槽とは

貯水槽 (英: Water tank) とは、水を貯めておく目的で設置されている施設です。

水道水が貯水されている場合は受水槽とも言います。主に水を用いる建物の1階や地下に設置されますが、建物の屋上に設置される場合もあり、高置水槽や高架水槽とも呼ばれています。

一般的に水を格納するための槽をコンクリートやステンレスのほか、FRP (繊維強化プラスチック) と呼ばれる樹脂で製造可能です。貯水槽には通気口、ドレン管、オーバーフロー管、点検用マンホール、水位検知の電極保持器が設置されています。

貯水槽の使用用途

貯水槽に飲料用を含む上水道用水を貯めて日常生活で使用する用途が一般的です。一般家庭では水道管の蛇口から直接水を使用できますが、同時刻に複数の箇所で多くの水を使用する施設や3階建て以上のマンションなどの建築物の場合、水道管からの供水だけでは水が不足するため貯水槽が必要です。

それ以外にも工場等の事業所に産業用の雑用水を供給し、火災時の消火活動に用いる消防水利として防火水槽に使用されます。

貯水槽は使用用途、設置場所、給水手法により、受水槽 (水道水用途) や高置水槽 (屋上設置) のほかに、給水用ポンプに接続される圧力水槽に大別されています。

貯水槽の原理

貯水槽に求められる性能として必要な容積 (一日の使用量の半分程度が目安) の確保はもちろん、震災などの災害に耐えて破壊や倒壊などを防ぐために水槽自体の耐震強度も非常に重要です。高置水槽などは受水槽から給水ポンプで屋上のタンクへ給水し、各階へ高低差で発生する水圧を利用して給水するシステムを用いています。

貯水槽の管理は設置されている建物の管理者が行い、飲料用などの生活用水に用いられるため、1年に1回以上の清掃義務があり、一般に清掃は専門業者に依頼します。1年に1度、給水設備 (主に貯水槽) の衛生状態やポンプなどの設備の検査を実施し、問題ないことを確認する義務があり、建物の管理者は注意が必要です。

貯水槽の種類

貯水槽は主に3種類あり、受水槽、高置水槽、圧力水槽に分類されます。

1. 受水槽

タンクで水道引き込み管の水道水を貯水します。設置場所には地下室、屋外、水槽室に架台置きなどがあり、建物の2階や3階に設置する場合やFRPタンクを地面に埋設する場合もあります。

2. 高置水槽

建物の屋上に設置され、受水槽に給水した水をポンプで給水します。高低差による圧力で給水栓に給水されます。一定量を貯蔵でき、急な使用量の増加や断水にも対応可能です。

3. 圧力水槽

給水ポンプの吐出管に直接つながっている密閉加圧タンクです。上階に水圧によって水道水を上げ、水圧が減ったら圧力スイッチでポンプが自動的に起動します。

貯水槽の構造

給水方式は受水槽方式と水道直結方式の2種類に分類可能です。受水槽方式は水道本管から水を水槽に一度溜めて給水する方式で、ポンプ直送方式、高置水槽方式、圧力タンク方式の3種類があります。水道直結方式は水道局の水道本管と直結している給水方式で、直結直圧方式と直結増圧方式の2種類に分けられます。

1. ポンプ直送方式

水道本管から引き込んだ水道水を受水槽に一度貯水し、直送ポンプユニットで加圧して各戸に給水する方式です。近年の新築高層マンションで多く採用されています。

2. 高置水槽方式

水道本管の水を受水槽で一度貯水し、屋上の高置水槽に揚水ポンプで揚水して重力で各戸に給水する方式です。タンクは地上階の受水槽と屋上の高置水槽に2か所必要です。

3. 圧力タンク方式

水道本管の水を受水槽で一度貯水し、加圧ポンプによる加圧で各戸に給水する方式です。ポンプ直送方式との違いは直送ポンプユニットの代わりに加圧ポンプを使用する点です。

貯水槽の選び方

最近では清掃作業や各種補修工事中の期間に建物内の断水を避けるため、隔壁を設けて2槽式とするタイプや貯水槽そのものを複数槽配置して連結した状態で運用するケースが多いです。

電子カウンター

電子カウンターとは

電子カウンターとは、電子技術を用いて物事の数や回数を自動的に計測する装置や機器のことです。

電子的な回路やセンサーを使用して、何らかのイベントや対象物の出現や通過を検出し、それを数えることができます。よく対比される電磁カウンタに比べて高速で測定できますが、デジタル回路を動作させるためには電源が必要です。

高精度で効率的なカウントを行うことが可能で、データの自動収集や統計情報の生成に役立ちます。電子カウンターは、電子トータルカウンターと電子プリセットカウンターの2種類に区別されます。

前者がトータル数を表示する機能のみなのに対して、後者はあらかじめセットされた数量に到達した時点で、信号が出力されるカウンターです。

電子カウンターの使用用途

電子カウンターは、工場の製品出荷数のカウントや、駐車場の駐車台数の管理といった数量そのものの管理、位置検出用のロータリーエンコーダー光電センサーとの併用で長さや角度などの精密な制御フィードバックにも活用されます。また、プリセットカウンターを用いることで、工場での製品の数量毎の梱包指示、位置検出センサーとの併用による特定の長さや回転角に応じたパイプの切断、回転をストップさせるといった動作指示を自動的に出力することが可能です。

その他、交通信号機や高速道路の通行料金所などでの交通制御や小売業や倉庫管理における商品在庫を追跡した在庫の補充や発注のタイミングの管理にも使用されます。スポーツイベント、コンサート、展示会、博物館、劇場などの入場者数の確認にも有用です。

電子カウンターの原理

電子カウンター回路は、デジタル回路で構成されており、回路にパルス波形が入力された場合にそのパルスの数量を数える論理回路です。フリップフロップ回路を用いるのが一般的で、その場合、N個のフリップフロップ回路を用いると2のN乗-1個の数量のカウントが可能になります。

ただし、このカウント数量はデジタルの0と1のみ用いる2進数であり、人間が理解できる表示形式ではないので、デコーダ回路等を介して人間が理解可能な10進数に戻す操作を行います。大抵の電子カウンターにはLEDを用いたカウント数のディスプレイ表示機能が内蔵されており、この10進数のカウント数がLEDに表示される仕組みです。

プリセットカウンターではこの10進数のあらかじめセットされた数量との比較演算機能が搭載され、規定出力がなされます。なお、電子カウンター回路に必要な電源は、内部のフリップフロップ回路やデコーダ回路、LED表示向け等の動作電源であり、電池式もしくは外部電源などが主な利用例です。

前述のように工場の制御用機器に用いられる頻度も多いため、電子カウンター回路にはセンサーレールDINレールに搭載可能にしたタイプもあります。

電子カウンターの選び方

1. 用途の適合性

まずどのような目的で電子カウンターを使用するかを明確にします。例えば、製造業での生産ライン監視や在庫管理なのか、イベントの入場者数カウントなのか、用途に応じて必要な機能と精度が異なります。目的に加え、利用環境も明確にすると選択肢を絞りやすくなります。

2. 精度と信頼性

正確な計測が必要な場合は高い精度を持つカウンターを選びます。また、信頼性も重要で、長期間にわたって安定した性能を提供する製品が必要です。メーカー自身の信頼性や電子カウンターの口コミ、レビューなどを参考に選ぶことが大事です。

3. インターフェースとデータ管理

データの取得と管理が簡単で効率的なものを選びます。USB、Wi-Fi、Bluetoothなどの接続オプションやデータ転送機能が必要かどうかも検討が必要です。データの記録、保存、分析が容易であることで、工数削減や分析粒度、精度向上にもつながり、全体最適につながります。

4. 予算とコスト

電子カウンターの価格帯は幅広いため、予算に合った製品を選びつつ、性能と機能をバランスさせることが大切です。安価な製品は正確性に欠けることがあるため、用途に応じて適切な電子カウンターを選ぶことが重要です。

電線対電線コネクタ

電線対電線コネクタとは

電線対電線コネクタ

電線対電線コネクタとは、電線ケーブル同志を電気的かつ物理的に繋ぐ中継コネクタの役割を果たすものです。

基板対電線コネクタとは異なり、電線と電線を繋ぐためのコネクタであることから、電線の配線を延長したり、ある目的で電線の一部分を、自由に切り離せるようにするために あらかじめ挿入するコネクタとも言えます。

箱型のハウジングにオスとメスのコンタクトピンを格納し電線ケーブルを圧着にてピン部につなぐ構造が一般的です。

電線対電線コネクタの使用用途

1対の電線と電線を、高密度な状態で安全かつ簡便に間違いなく接続したり、切り離したりするために用います。一般の産業機械やインフラの制御用途や自動車制御用の車載向け、コンピュータなどの情報機器向けなど、世の中のさまざまな用途で用いられています。

特に自動車制御用の車載向けの電線対電線コネクタは、自動車内部の過酷な使用環境に耐えるための各種耐熱性能に加えて、防水機能や耐電圧特性、応力や振動負荷時の高い接続安定性などの非常に厳しい信頼性基準をクリアした高性能な商品が用いられています。

また高速伝送のための高周波用途向けにインピーダンス整合が可能な中継コネクタもあります。

電線対電線コネクタの原理

電線対電線コネクタは、二つのハウジングと呼ばれるケースに格納された電線ケーブル同志を、接続ミスなく物理的かつ電気的に安定的につないだり、切り離したりする機能を果たすために存在します。この二つのケースの片方はプラグ、もう片方はレセプタクルと呼ばれ、各々オス、メスに対応します。

プラグとレセプタクルはともに電線ケーブルと電気的に接続されたコンタクトと呼ばれるピンを有しています。コンタクトはコネクタの最重要な部品であり、接触抵抗などを極力低減するために、高い導電性のCuを用いた合金が使われるのが一般的です。オスのプラグ側はばね性を持たないピンコンタクトを、メスのレセプタクル側にはばね特性を有するソケットコンタクトがよく用いられます。

また各々のコンタクトを保持し、絶縁のためのプラスチックで出来たインシュレータと、それを保護するシェルと呼ばれる外殻部品から構成されたハウジングにて一対のコネクタは構成されています。

ソケットコンタクトのばね特性は、コネクタの抜き差しの頻度が増えても、電気的にコンタクトの接続を安定的に維持するために非常に重要な要素技術であり、コネクタメーカー各社が、小型高密度、高性能なコネクタの技術開発にしのぎを削っています。

銅張積層板

銅張積層板とは

銅張積層板

銅張積層板とは、CCL(Copper Clad Laminate)の名称で知られ、紙やガラスなどの基材に樹脂を含浸させたシートを積層し、加圧加熱処理して得られた積層板の両面に銅箔を施した板を言います。

プリント配線基板の元となる材料であり、最終形態としては、表面および内層に電子回路となるべきパターン状の回路を形成し、ビアで多層配線接続され、ICやチップコンデンサなどの電子部品を配置したプリント配線基板やモジュール電子回路として、非常に多岐にわたって用いられています。

銅張積層板の使用用途

銅張積層板は、通常は最終形態のプリント基板において規格分類されますが、最も広く汎用的にはFR-4というガラスエポキシ基板が世間では良く知られています。

FR-4基板は、高周波特性や機械強度に優れているため、パソコンなどの情報機器、家電品、携帯端末用途、OA機器、産業機械他、非常に汎用性高く使われています。

またFR-5という耐熱性に優れた基板は、高い信頼性が要求される車載用途向けに用いられています。

銅張積層板の原理

銅張積層板(CCL)は、絶縁性の高いガラスクロスと呼ばれる繊維で織られた布に、樹脂を含浸させて作成しますが、ガラス組成や布(クロス)の織り方、含浸する樹脂の配合量と組成により、その基板の機械強度や耐熱性、誘電率などの電気的特性が大きく変わります。よってプリント基板の特性には、この銅張積層板の構成が、最も重要であるといえます。

またそのつくり方は、3層CCLと、2層CCLに大きく区別されます。
今日汎用性高く主流に用いられているのは、安価で特性や品質が安定している3層CCLの方であり、接着剤としてエポキシ系とアクリル系のものが用いられています。製法はラミネート法が一般的です。

2層CCLは3層CCLに比べ、ラミネート法以外にキャスティング法やスパッタリング・めっき法などの様々な製法がありますが、コストは高くなる傾向にあり、その分特性と品質には優れています。

なおこの銅張積層板(CCL)は、基板メーカーでは製造はしていません。銅張積層板の製造を主に請け負っている化学材料メーカーから、コア材(基材)として購入するのが一般的です。

熱源設備

熱源設備とは

熱源設備

熱源設備とは、ビルやマンションなどの建物や工場などの特定施設、自動車や鉄道車両、船舶などにおいて、そこに熱を供給する設備のことを言います。
熱源のもととなるエネルギー源として、電気やガス、石油や石炭などが広く用いられており、ボイラーやヒートポンプ、温水機器などが代表的な熱源設備として挙げられます。

また最近では環境にやさしい脱炭素化社会が広く推奨され、太陽光や、温泉熱源などの地熱等を取りいれ、燃焼を伴わない熱源を、積極的に循環型の熱源設備に利用する取り組みも行われています。

熱源設備の使用用途

一般にビルやマンションなどの建物において、その管理者が扱う熱源設備は、ボイラーや冷凍機、熱交換器などがよく知られており、各々の熱源設備のメンテナンスなどを取り扱うためには例えばボイラー技士や冷凍機械責任者のような専門の資格が必要になってきます。

冷却の方では一般にフロンを用いた冷凍機の他に、工場などでよく用いられています循環水を活用して冷却を行うチラーと呼ばれる装置もあり、その冷却したい装置や空間の規模や、エネルギー効率を鑑みて、各種各様の熱源設備が用いられています。

熱源設備の原理

ここでは、ある一定規模のオフィスや病院、工場などの事業所で取り扱われる熱源設備の原理について、特に循環によるエネルギー効率の改善の事例に関して説明します。

一定規模の事業所でよくある事例は、熱源設備(吸収式冷温水機など)をまとめて空調設備の前に設置する手法です。熱源設備で、冷水や温水を生成しポンプと配管を用いてこれらの適温にした水を循環します。その熱を空調設備で熱交換に利用します。

具体的には、水蒸気を臭化リチウム水溶液で吸収し、加熱することで濃い臭化リチウム水溶液と水蒸気を再生、その後凝縮工程で水蒸気が冷却され水に戻り、その際の水冷パイプ内の水の気化熱で、空調での空気を冷却するという循環過程を、吸収式冷温水機の場合には用いています。

この循環を高効率に行うことで、省エネルギー化が図られ、熱源設備を一つの箇所にまとめるので事業所の景観もよくなります。この吸収式冷温水機に夜間電力を活用した蓄熱システム(スペースの関係で氷蓄熱が主流)の電気式の冷凍機等を組み合わせた事例もあります。

これらの最先端の熱源設備方式は省エネルギー化や高効率化の観点では有利ですが、初期設備投資やメンテナンスも必要とされるため、事業所の諸事情(規模や重点取り組み箇所)に合わせ、最適な熱源設備の選定が必要になります。

濃縮装置

濃縮装置とは

濃縮装置 (英: concentrator) とは、果汁のような液体から水分を蒸発させ、濃縮する装置です。

減圧によって水の沸点温度を下げて、より低い温度で水分が蒸発させ、濃縮する方法が一般的です。濃縮装置により液体を濃縮する目的として、より濃厚な味わいを提供し、水分除去による品質向上などが挙げられます。

食品以外では、化学工業での溶液の濃縮、薬品の製造、紙パルプ製造、廃液処理、輸送コスト低減などの目的があります。

濃縮装置の使用用途

濃縮装置は、食品関係では果汁のような液状のものへの利用が主流です。具体的には、糖液、出汁液、温泉水、果汁、ジャム、水あめ等の濃縮に使用されます。

濃縮技術は、真空包装技術や冷凍技術と連携することで、食品の変質要因の水分・酸素・温度の3つを抑止できることから、長期保存が難しかった食品への応用も広がっています。産業分野でも活躍しており、各方面から回収された洗浄処理液を濃縮することで、回収のコンパクト化が可能です。

その他、薬品や化学物質の製造、各種溶液の濃縮にも活用されています。

濃縮装置の原理

水の沸点は圧力が低下すると、低下します。真空濃縮はこの原理を利用しており、減圧状態で加熱することで対象液の水分の沸点を下げ、低い温度で蒸発させ濃縮します。水の沸点は大気圧では約100℃ですが、-0.05MPaで約80℃、-0.08MPaで約60℃、-0.09MPaでは約45℃です。

具体的プロセスは、まず対象液を濃縮装置に入れ、真空ポンプにより減圧します。そして、多くは撹拌機を回転させて、液が突沸しないようにしながら水分を蒸発させます。蒸発した水蒸気は、サイクロンを使用して集め、凝縮器で水にして排出するという流れです。

濃縮装置は、有害物質を除去することで、除去された有害物質が別途処理されます。残った液体や気体は、濃縮された形で再利用されます。真空濃縮は、濃度の高い溶液を作る方法として、古くから化学・食品・紙パルプなどの多くの分野で行われている方法です。

濃縮装置の特徴

1. 食品の風味を保持できる

濃縮装置は高真空にして低温度で濃縮するため、食品の濃縮をする場合は、食品本来の風味を保持できます。また、食品の酸化を抑え、熱による劣化を防止します。

2. 環境に優しい

対象液の温度を高くしないので、濃縮装置周辺も温度が上がりません。作業環境が良好です。また、蒸発して水になり処理水として排出され、臭気の発生がほとんどないのがメリットです。

3. 高粘度の液体にも対応可能

高い粘度の食品や化学物質・薬品に対応できます。対象液は非常に広範囲です。

4. 撹拌しながら加熱する

真空タンク内で撹拌しながら濃縮するので、突沸を防止し、食品の褐変などがありません。また、自動給液が可能で、濃縮装置をコンパクトに設計できます。

濃縮装置の種類

濃縮装置の種類は蒸発タンクの方式によって、いくつかに分類できます。代表的な方式は、以下の通りです。

1. 自然循環式

加熱室と蒸発室を分けて自然循環させるタイプです。ランニングコストが有利です。また、加熱菅内を沸騰しながら上昇するタイプは、糖液や水あめなどの濃縮に多く使われます。タンク内に撹拌機を付ける場合がほとんどです。

2. 強制循環式

ポンプを使って蒸発タンクの液を大量に循環させるタイプです。伝熱温度差が少ない場合や高粘度で自然循環が困難な場合などに使われます。化学プラントのスラリー液などの結晶化などの用途です。

3. 薄膜流式

伝熱面に対象液を薄膜上に流して、蒸発濃縮するタイプです。食品や医薬品などの熱に敏感なものの濃縮に適しています。ミルク、果汁、酵素、製薬、パルプ廃液などの濃縮に使われます。

分離装置

分離装置とは

分離装置

分離装置とは、ある集合体から所要の物質を分離する装置の総称をいい、集合体や分離する物質および分離する方法や規模など、その組み合わせは、多種考えられ、産業界でも需要に応じて製作が進められています。

分離装置は、分離する方法だけを考えても集合体の形態をはじめ分離する物質の性質・大きさなど、各種あり、さらに実現させる技術も最新技術が使われるなど、日々進化しており、常に最適の方法を選択する必要があります。

たとえば、油性分の混じった液体から不要となる油性分を分離する装置では、物質粒子の大きさで分けるフィルタ法や質量で分離する遠心力を応用した方法などが製作されています。

分離装置の使用用途

分離装置は、使用される用途や分野が多岐にわたり、一例としてあげてみても「油水分離装置」「空気分離装置」「血液分離装置」「磁気分離装置」などがあります。

特に注目されるのが、分離装置が使用される用途として環境に関連した分野が顕著で、将来へ向けたその時代で求められている社会的背景を反映させた技術と呼べるのかもしれません。

分離装置は、産業界に果たす役割も大きく、原材料を扱う産業界で切実な要請となっているのが、製造品質向上のベースともなる所要物質の純度をあげることで、分離装置は不要な物質を排除するためには欠かせない装置となっています。

分離装置の原理

分離装置は、装置に使われている分離のメカニズムにはいろいろあり、その種類と特徴を挙げてみます。

  • 遠心分離機による分離
    昔から使われていた分離法で、物質の質量の違いにより、分離します。回転を伴うため、衝撃に弱いものには不向きです。
  • ふるい分けを応用した固液分離
    この分離法も同様に古くから行われていたやり方で「ふるい」となるものの加工精度に依存します。
  • 吸着剤による分離
    分離したい物質を吸着できる素材の開発が伴いますが、最近、開発が著しい有機化合物の分離に適しています。
  • 熱分解でガス化し分離
    有機溶剤などの有効な方法で、加熱が前提となるため、廃油などの分離に適しています。
  • 磁石の吸引力を利用した分離
    産業廃棄物の中から微細スラッジの高精度分離などに有効です。
  • フィルタによる分離
    使われるフィルタの性能に依存しますが、フィルタの開発は、日進月歩で需要と供給の原理に従い、需要の見込めるフィルタの入手は時間の問題かもしれません。

舗装機械

舗装機械とは

舗装機械

舗装機械 (英: paving machine) とは、舗装工事で使用する機械です。

舗装の構造と工事工程によって、舗装機械は使い分けされます。構造は、地面に近い方から「路床」「路盤」「基層」「表層」の4層が基本です。舗装仕様によっても構造は変わり、1番身近なアスファルト舗装やコンクリート舗装、特殊舗装などの仕様があります。

各層ごとの施工手順は決められており、作業に適切な舗装工事用機械が使用されます。

舗装機械の使用用途

舗装機械は、舗装の仕様とともに舗装工事の工程で使われる機械が変わります。舗装機械により作られる各層には、それぞれ役割があり、最初の路床が上3層の荷重を地盤に伝える役割をし、主に土で作られます。

路盤が上2層の荷重分散を担当し、セメント・石灰などを含む砕石の層が、上層と下層の2層あります。基層は、路盤の凹凸是正を担当し、アスファルトや砂などの層です。

最後の表層がアスファルトやコンクリートで、上を通る自動車の荷重分散を行います。舗装機械は、各層の役割を適切に行えるよう使われます。

舗装機械の原理

舗装工事の工程ごとに、使用する舗装機械の原理と施工法を次に示します。

1. 路床工事

路床とは、地盤を平坦に整形し締め固めることです。上を通る車などの重量による路盤の沈下が防止できます。ブルドーザーは、土砂の掘削、盛土、整地などを行う土木機械であり、前面のブレードを使って土砂を押して排除し整地します。

モータグレーダは、車体の下に設けたブレードを進行方向に対し傾斜させ、地ならしに使うものです。タイヤローラーやロードローラーは、自重により転圧して敷き固めるために使います。自重式の他、振動式のロードローラーもあります。

路盤工事は、まずブルドーザーで敷き均し、仕上げの敷き均しは、モータグレーダです。次いで、タイヤローラーで転圧し、最後にロードローラーで敷き固めます。

2. 路盤工事

路盤工事は、路床工事と同様の土木機械を使います。路盤工事は、まず、ダンプトラックなどから砕石材料を降ろします。

次いで、ブルドーザーで粗均しを行い、所定の仕上がり厚さに敷き均しを行うのは、モータグレーダです。そして、タイヤローラーやロードローラーを使って転圧し、所定の密度に敷き固めます。

3. 基層・表層工事

アスファルトフィニッシャーは、自走式の舗装機械です。アスファルト舗装の専用機械として、基層工事と表層工事に使用します。アスファルト混合物を貯めるホッパ、原動機、走行装置のトラクタ部、及びアスファルト混合物を均一に敷き均すスクリードで構成されます。

まず、ダンプトラックで運搬されたアスファルト混合物をホッパに貯めます。次いで、ホッパ底にあるバーフィーダーで後方に送り、スクリューで混合物を左右に広げ、スクリードで敷き均しをします。スクリードの角度を変化させて、アスファルトの量を増減させ、敷き均す厚みを変えることが可能です。

アスファルトフィニッシャーを使用する表層工事では、敷き均しと締固めの2つの工程を行います。敷き均しは、アスファルト混合物を敷き詰めていく作業です。締固めは、敷き詰めたものを繰り返し転圧することでしっかりしたベースを作ることです。

最後に、タイヤローラーやロードローラーで転圧して仕上げます。

舗装機械のその他情報

コンクリート舗装機械

路床・路盤の工事の場合、コンクリート舗装に必要な機械は、アスファルト舗装と同じです。路盤の上にアスファルト中間層を設け、その上にコンクリート版を形成します。

コンクリート版の形成には、一般的には、ミキサ―車でコンクリートを運搬し、コンクリートポンプ車でコンクリートを流します。コンクリート舗装には、普通コンクリート舗装の他に、連続鉄筋コンクリート舗装や転圧コンクリート舗装など、短所を克服する方式もあります。

近年、アスファルト舗装が大半になり、コンクリート舗装の比率は低下しています。コンクリート舗装は、アスファルト塗装と比較すると、長所・短所があり、採用するのは、特殊な場所です。

コンクリート舗装は、耐久性や耐用年数が優れているので、トンネル内、急勾配の道路、空港のエプロン、コンテナヤードなどに使います。

補助電源装置

補助電源装置とは

補助電源装置

補助電源装置とは、本体の電源ユニットにつなぐ補助用電源装置であり、不足しがちな電源を主電源経由とは別に補うためにある電源装置です。

例えば鉄道車両の主電源が車両の駆動用がメインだとしたら、補助電源装置はその車両内の空調や照明用の安定供給用電源になります。同様に、パソコンのグラフィックディスプレイ向けの電源なども、代表的な補助電源装置と言えます。

補助電源装置も、本体と同じ電源ユニットから電力を受給される電源装置であることに注意が必要です。

補助電源装置の使用用途

主な用途には、前述の鉄道車両の車両内で用いる空調や照明用の電力の安定供給用電源向けです。

架線から供給される高圧電源(1500~2500V程度)を補助電源装置を介して、440Vから100V程度の低圧電源に変換して用います。電車の車両内の各種照明や表示灯はAC100Vが、空調機器は三相の440Vが、ドアの開閉装置等はDC100Vでの設計がほとんどのためです。

またこの例とは別に、UPSと呼ばれる蓄電池タイプの電源についても 電力会社の停電時に、パソコンやネットワークコンピュータが瞬時停電によってデータが失われることを防ぐための電源であり、広義な意味での補助電源装置と言えます。

補助電源装置の原理

車両向け補助電源装置の種類には、大別すると、MG(電動発電機)とSIV(静止型インバータ)があります。

MG(Motor Generator)は、電動発電機ともいい、補助電源装置として古くから使用されています。架線からの高圧電力をモーターに伝え、その電力で発電することにより所望の低電圧電力を得る装置です。

一方SIV(Static Inverter)では、代表的な高パワー半導体素子であるIGBTでインバータ回路を構成しています。高耐圧、高効率なIGBTのインバータでスイッチングすることで、必要な低電圧電力を得ており、静止型インバータとも呼ばれます。SIVの種類は、IGBTの当時の開発時期に応じて耐圧改善がなされたこともあり、3分圧、2分圧、2レベルインバータなどの種類があります。また、SIVはパルス幅変調(PWM)制御インバータとも呼ばれ、小型の交流フィルタで対応可能になり、補助電源装置の小型高効率化に大きく貢献しています。

なお、SIVが生成する低圧電源はAC電源なので、制御用装置に必要なDC100Vに関しては、整流装置で変換して用いています。

包装機械

包装機械とは

包装機械

包装機械とは、簡単にいえば物品を包み保護するという「包装」をする機械です。

対象となる物品によってもそれぞれの特性を考慮した機械が製作されています。そのカバーエリアは広く、日常生活になくてはならない機械となっています。

食品分野で使用される包装機械は、日常流通するものであり、健康に大きく関わる食材を扱います。包装技術の進化に歩調を合わせ、機械も機能的なレベルアップが図られています。

包装機械の使用用途

使用される分野は多岐にわたります。身近な食品や雑貨をはじめ医薬品などのメーカーでは、昼夜を問わず使用されています。

包装機械は、「商業包装」と呼ばれる小売を主目的とした包装ばかりではなく、「工業包装」といわれる物品の輸送や保管のための包装にも使われています。

食品関連のように求められる機能の高まりに従い、包装する物品の事前処理と連携する必要があります。高機能化や多機能化とあわせて、統合化も求められています。

包装機械の種類

包装機械は、包装する物品の供給方向により「縦ピロー包装機」と「横ピロー包装機」があります。そのほか、物品を上から包むように包装する「上包み包装機」や段ボールなどへの「箱詰機」があります。

JISでは包装を「個装」「内装」「外装」の3種類に分類していますが、包装機械もそれぞれに適した形態の機械が各種製作されています。

最近、錠剤やカプセルといった医薬品や雑貨などで主流となっているのはブリスターパックです。凸状の透明樹脂と台紙の組み合わせで作業を行う、専用機械が使用されています。

食品のような物品の包装は、外的要因からの隔離が特に重要です。外的要因としてあげられるのが、大気中に存在する酸素や湿気となる水分をはじめ太陽光や温度、さらに微生物などです。食品のような物品に使われる包装機械は、これら外的要因の影響をいかに最小限に食い止めることができるかどうか重要視されています。