補助電源装置

補助電源装置とは

補助電源装置

補助電源装置とは、本体の電源ユニットにつなぐ補助用電源装置であり、不足しがちな電源を主電源経由とは別に補うためにある電源装置です。

例えば鉄道車両の主電源が車両の駆動用がメインだとしたら、補助電源装置はその車両内の空調や照明用の安定供給用電源になります。同様に、パソコンのグラフィックディスプレイ向けの電源なども、代表的な補助電源装置と言えます。

補助電源装置も、本体と同じ電源ユニットから電力を受給される電源装置であることに注意が必要です。

補助電源装置の使用用途

主な用途には、前述の鉄道車両の車両内で用いる空調や照明用の電力の安定供給用電源向けです。

架線から供給される高圧電源(1500~2500V程度)を補助電源装置を介して、440Vから100V程度の低圧電源に変換して用います。電車の車両内の各種照明や表示灯はAC100Vが、空調機器は三相の440Vが、ドアの開閉装置等はDC100Vでの設計がほとんどのためです。

またこの例とは別に、UPSと呼ばれる蓄電池タイプの電源についても 電力会社の停電時に、パソコンやネットワークコンピュータが瞬時停電によってデータが失われることを防ぐための電源であり、広義な意味での補助電源装置と言えます。

補助電源装置の原理

車両向け補助電源装置の種類には、大別すると、MG(電動発電機)とSIV(静止型インバータ)があります。

MG(Motor Generator)は、電動発電機ともいい、補助電源装置として古くから使用されています。架線からの高圧電力をモーターに伝え、その電力で発電することにより所望の低電圧電力を得る装置です。

一方SIV(Static Inverter)では、代表的な高パワー半導体素子であるIGBTでインバータ回路を構成しています。高耐圧、高効率なIGBTのインバータでスイッチングすることで、必要な低電圧電力を得ており、静止型インバータとも呼ばれます。SIVの種類は、IGBTの当時の開発時期に応じて耐圧改善がなされたこともあり、3分圧、2分圧、2レベルインバータなどの種類があります。また、SIVはパルス幅変調(PWM)制御インバータとも呼ばれ、小型の交流フィルタで対応可能になり、補助電源装置の小型高効率化に大きく貢献しています。

なお、SIVが生成する低圧電源はAC電源なので、制御用装置に必要なDC100Vに関しては、整流装置で変換して用いています。

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