舗装機械とは
舗装機械 (英: paving machine) とは、舗装工事で使用する機械です。
舗装の構造と工事工程によって、舗装機械は使い分けされます。構造は、地面に近い方から「路床」「路盤」「基層」「表層」の4層が基本です。舗装仕様によっても構造は変わり、1番身近なアスファルト舗装やコンクリート舗装、特殊舗装などの仕様があります。
各層ごとの施工手順は決められており、作業に適切な舗装工事用機械が使用されます。
舗装機械の使用用途
舗装機械は、舗装の仕様とともに舗装工事の工程で使われる機械が変わります。舗装機械により作られる各層には、それぞれ役割があり、最初の路床が上3層の荷重を地盤に伝える役割をし、主に土で作られます。
路盤が上2層の荷重分散を担当し、セメント・石灰などを含む砕石の層が、上層と下層の2層あります。基層は、路盤の凹凸是正を担当し、アスファルトや砂などの層です。
最後の表層がアスファルトやコンクリートで、上を通る自動車の荷重分散を行います。舗装機械は、各層の役割を適切に行えるよう使われます。
舗装機械の原理
舗装工事の工程ごとに、使用する舗装機械の原理と施工法を次に示します。
1. 路床工事
路床とは、地盤を平坦に整形し締め固めることです。上を通る車などの重量による路盤の沈下が防止できます。ブルドーザーは、土砂の掘削、盛土、整地などを行う土木機械であり、前面のブレードを使って土砂を押して排除し整地します。
モータグレーダは、車体の下に設けたブレードを進行方向に対し傾斜させ、地ならしに使うものです。タイヤローラーやロードローラーは、自重により転圧して敷き固めるために使います。自重式の他、振動式のロードローラーもあります。
路盤工事は、まずブルドーザーで敷き均し、仕上げの敷き均しは、モータグレーダです。次いで、タイヤローラーで転圧し、最後にロードローラーで敷き固めます。
2. 路盤工事
路盤工事は、路床工事と同様の土木機械を使います。路盤工事は、まず、ダンプトラックなどから砕石材料を降ろします。
次いで、ブルドーザーで粗均しを行い、所定の仕上がり厚さに敷き均しを行うのは、モータグレーダです。そして、タイヤローラーやロードローラーを使って転圧し、所定の密度に敷き固めます。
3. 基層・表層工事
アスファルトフィニッシャーは、自走式の舗装機械です。アスファルト舗装の専用機械として、基層工事と表層工事に使用します。アスファルト混合物を貯めるホッパ、原動機、走行装置のトラクタ部、及びアスファルト混合物を均一に敷き均すスクリードで構成されます。
まず、ダンプトラックで運搬されたアスファルト混合物をホッパに貯めます。次いで、ホッパ底にあるバーフィーダーで後方に送り、スクリューで混合物を左右に広げ、スクリードで敷き均しをします。スクリードの角度を変化させて、アスファルトの量を増減させ、敷き均す厚みを変えることが可能です。
アスファルトフィニッシャーを使用する表層工事では、敷き均しと締固めの2つの工程を行います。敷き均しは、アスファルト混合物を敷き詰めていく作業です。締固めは、敷き詰めたものを繰り返し転圧することでしっかりしたベースを作ることです。
最後に、タイヤローラーやロードローラーで転圧して仕上げます。
舗装機械のその他情報
コンクリート舗装機械
路床・路盤の工事の場合、コンクリート舗装に必要な機械は、アスファルト舗装と同じです。路盤の上にアスファルト中間層を設け、その上にコンクリート版を形成します。
コンクリート版の形成には、一般的には、ミキサ―車でコンクリートを運搬し、コンクリートポンプ車でコンクリートを流します。コンクリート舗装には、普通コンクリート舗装の他に、連続鉄筋コンクリート舗装や転圧コンクリート舗装など、短所を克服する方式もあります。
近年、アスファルト舗装が大半になり、コンクリート舗装の比率は低下しています。コンクリート舗装は、アスファルト塗装と比較すると、長所・短所があり、採用するのは、特殊な場所です。
コンクリート舗装は、耐久性や耐用年数が優れているので、トンネル内、急勾配の道路、空港のエプロン、コンテナヤードなどに使います。