監修:株式会社LC-JAPAN
家庭用太陽光発電システムとは
図1. スレート屋根設置例
家庭用太陽光発電システムとは、一般住宅において太陽電池モジュールで電気を発電し、家庭で利用するシステムです。
太陽光発電は、温室効果ガスである二酸化炭素を出さない発電方法であり、日本において政令で定められている再生可能エネルギーの1つです。家庭用太陽光発電システムは、住宅の屋根などにソーラーパネル (太陽光発電モジュール) を設置し、降り注ぐ太陽光のエネルギーを用いて発電します。
使用する電力を自前で発電できるだけでなく、余った電力を売ることができる、災害時の非常用電源となるなどのメリットもあります。住宅用太陽光発電システムと呼ばれる場合もあります。
家庭用太陽光発電システムの使用用途
家庭用太陽光発電システムは、家庭で使用するための電気を発電するための設備です。副次的な目的も含め、主な使用目的には下記のようなものがあります。
- 二酸化炭素の排出がない自然エネルギーへの転換
- 自家発電・自家消費による電気代を節約
- 余った電気の売電によって収入を得られる
- 災害・停電時の非常用電源になる
また、自治体などによっては補助金をもらえる場合があったり、オール電化などと組み合わせることで光熱費が安くなる場合もあります。
家庭用太陽光発電システムの原理
1. 基本構成
家庭用太陽光発電システムは、主に
- 太陽電池モジュール (太陽光パネル)
- パワーコンディショナー
- 発電量モニター
- 分電盤
から構成されます。また、太陽光発電システムと組み合わせて蓄電池が使用される場合もあります。蓄電池を追加することで、発電した電気をためて、夜間の発電休止中に消費したり、夜に貯めた電気を昼に使ってピーク電力を減らしたりすることが可能です。また、蓄電池に電気をためていれば、停電の際に夜でも電気を使うことができます。
図2. 蓄電池設置例
2. 太陽電池モジュール (太陽光パネル)
太陽電池モジュールは、シリコン半導体を用いて太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する設備です。構造は、P型シリコン半導体とマイナスを帯びやすいN型シリコン半導体を張り合わせています。接合面を境にN型側に電子 (-)、P型側に正孔 (+) が集まるため、それぞれの電極をつなぐことで電気が流れる仕組みです。
3. パワーコンディショナー(パワコン)
図3. パワーコンディショナー設置例
パワーコンディショナーとは、太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための装置です。太陽光発電のシステム制御を行う役割もあります。また、パワーコンディショナーの自立運転機能を用いることで、停電中でも発電した電気を家庭で使うことが可能です。
4. 分電盤・発電量モニタなど
その他、太陽光発電システムの構成には下記のようなものがあります。
- 分電盤: 家庭で消費する電力の配線に電気を分ける装置
- 発電量モニタ: 発電量や消費電力量などを表示する装置
家庭用太陽光発電システムの種類
1. 概要
家庭用太陽光発電システムは、様々な事業者より提供されており、複数の種類があります。
太陽光パネルの設置枚数などの規模や、工事費用などは個々の設置ケース・事業者によって異なります。また、事業者別のサービスでは、太陽光パネルコーティング剤の塗布などによる発電効率アップや、蓄電池との一体化システムの構築、施工保証、発電保障、自然災害補償などが挙げられます。
2. 設置方法
設置方法では、屋根置き型・屋根材一体型の2種類が主流です。
屋根置き型とは、屋根材の上に架台を取り付け、その上に太陽電池モジュールを設置する方法です。追尾型架台、ソーラーシェアリング、カーポート架台など、設置場所によっては特殊架台が用いられることもあります。
屋根建材型は、太陽電池モジュールに防火性能と屋根材機能を持たせる方法です。屋根材に組み込んだり、太陽電池モジュール自体を屋根材として使用することが可能です。
本記事は家庭用太陽光発電システムを製造・販売する株式会社LC-JAPAN様に監修を頂きました。
株式会社LC-JAPANの会社概要はこちら