電線対電線コネクタとは
電線対電線コネクタとは、電線ケーブル同志を電気的かつ物理的に繋ぐ中継コネクタの役割を果たすものです。
基板対電線コネクタとは異なり、電線と電線を繋ぐためのコネクタであることから、電線の配線を延長したり、ある目的で電線の一部分を、自由に切り離せるようにするために あらかじめ挿入するコネクタとも言えます。
箱型のハウジングにオスとメスのコンタクトピンを格納し電線ケーブルを圧着にてピン部につなぐ構造が一般的です。
電線対電線コネクタの使用用途
1対の電線と電線を、高密度な状態で安全かつ簡便に間違いなく接続したり、切り離したりするために用います。一般の産業機械やインフラの制御用途や自動車制御用の車載向け、コンピュータなどの情報機器向けなど、世の中のさまざまな用途で用いられています。
特に自動車制御用の車載向けの電線対電線コネクタは、自動車内部の過酷な使用環境に耐えるための各種耐熱性能に加えて、防水機能や耐電圧特性、応力や振動負荷時の高い接続安定性などの非常に厳しい信頼性基準をクリアした高性能な商品が用いられています。
また高速伝送のための高周波用途向けにインピーダンス整合が可能な中継コネクタもあります。
電線対電線コネクタの原理
電線対電線コネクタは、二つのハウジングと呼ばれるケースに格納された電線ケーブル同志を、接続ミスなく物理的かつ電気的に安定的につないだり、切り離したりする機能を果たすために存在します。この二つのケースの片方はプラグ、もう片方はレセプタクルと呼ばれ、各々オス、メスに対応します。
プラグとレセプタクルはともに電線ケーブルと電気的に接続されたコンタクトと呼ばれるピンを有しています。コンタクトはコネクタの最重要な部品であり、接触抵抗などを極力低減するために、高い導電性のCuを用いた合金が使われるのが一般的です。オスのプラグ側はばね性を持たないピンコンタクトを、メスのレセプタクル側にはばね特性を有するソケットコンタクトがよく用いられます。
また各々のコンタクトを保持し、絶縁のためのプラスチックで出来たインシュレータと、それを保護するシェルと呼ばれる外殻部品から構成されたハウジングにて一対のコネクタは構成されています。
ソケットコンタクトのばね特性は、コネクタの抜き差しの頻度が増えても、電気的にコンタクトの接続を安定的に維持するために非常に重要な要素技術であり、コネクタメーカー各社が、小型高密度、高性能なコネクタの技術開発にしのぎを削っています。