電子カウンター

電子カウンターとは

電子カウンターとは、電子技術を用いて物事の数や回数を自動的に計測する装置や機器のことです。

電子的な回路やセンサーを使用して、何らかのイベントや対象物の出現や通過を検出し、それを数えることができます。よく対比される電磁カウンタに比べて高速で測定できますが、デジタル回路を動作させるためには電源が必要です。

高精度で効率的なカウントを行うことが可能で、データの自動収集や統計情報の生成に役立ちます。電子カウンターは、電子トータルカウンターと電子プリセットカウンターの2種類に区別されます。

前者がトータル数を表示する機能のみなのに対して、後者はあらかじめセットされた数量に到達した時点で、信号が出力されるカウンターです。

電子カウンターの使用用途

電子カウンターは、工場の製品出荷数のカウントや、駐車場の駐車台数の管理といった数量そのものの管理、位置検出用のロータリーエンコーダー光電センサーとの併用で長さや角度などの精密な制御フィードバックにも活用されます。また、プリセットカウンターを用いることで、工場での製品の数量毎の梱包指示、位置検出センサーとの併用による特定の長さや回転角に応じたパイプの切断、回転をストップさせるといった動作指示を自動的に出力することが可能です。

その他、交通信号機や高速道路の通行料金所などでの交通制御や小売業や倉庫管理における商品在庫を追跡した在庫の補充や発注のタイミングの管理にも使用されます。スポーツイベント、コンサート、展示会、博物館、劇場などの入場者数の確認にも有用です。

電子カウンターの原理

電子カウンター回路は、デジタル回路で構成されており、回路にパルス波形が入力された場合にそのパルスの数量を数える論理回路です。フリップフロップ回路を用いるのが一般的で、その場合、N個のフリップフロップ回路を用いると2のN乗-1個の数量のカウントが可能になります。

ただし、このカウント数量はデジタルの0と1のみ用いる2進数であり、人間が理解できる表示形式ではないので、デコーダ回路等を介して人間が理解可能な10進数に戻す操作を行います。大抵の電子カウンターにはLEDを用いたカウント数のディスプレイ表示機能が内蔵されており、この10進数のカウント数がLEDに表示される仕組みです。

プリセットカウンターではこの10進数のあらかじめセットされた数量との比較演算機能が搭載され、規定出力がなされます。なお、電子カウンター回路に必要な電源は、内部のフリップフロップ回路やデコーダ回路、LED表示向け等の動作電源であり、電池式もしくは外部電源などが主な利用例です。

前述のように工場の制御用機器に用いられる頻度も多いため、電子カウンター回路にはセンサーレールDINレールに搭載可能にしたタイプもあります。

電子カウンターの選び方

1. 用途の適合性

まずどのような目的で電子カウンターを使用するかを明確にします。例えば、製造業での生産ライン監視や在庫管理なのか、イベントの入場者数カウントなのか、用途に応じて必要な機能と精度が異なります。目的に加え、利用環境も明確にすると選択肢を絞りやすくなります。

2. 精度と信頼性

正確な計測が必要な場合は高い精度を持つカウンターを選びます。また、信頼性も重要で、長期間にわたって安定した性能を提供する製品が必要です。メーカー自身の信頼性や電子カウンターの口コミ、レビューなどを参考に選ぶことが大事です。

3. インターフェースとデータ管理

データの取得と管理が簡単で効率的なものを選びます。USB、Wi-Fi、Bluetoothなどの接続オプションやデータ転送機能が必要かどうかも検討が必要です。データの記録、保存、分析が容易であることで、工数削減や分析粒度、精度向上にもつながり、全体最適につながります。

4. 予算とコスト

電子カウンターの価格帯は幅広いため、予算に合った製品を選びつつ、性能と機能をバランスさせることが大切です。安価な製品は正確性に欠けることがあるため、用途に応じて適切な電子カウンターを選ぶことが重要です。

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