水質分析装置

水質分析装置とは

水質分析装置

水質分析装置とは、その名前の通り水の状態、性質を自動測定する機器です。

基本は水のある場所から、測定に必要な量を採取し、装置の試料ホルダーにセットすることで測定します。

また単純に水の性質を分析すると書きましたが、測定できる項目は多数におよびます。

pH、濁度、電導度、塩分濃度、溶存酸素などが主な測定項目になります。

上記の項目を複数測定できる装置もありますし、1項目に特化した装置もあります。

水質分析装置の使用用途

水質分析装置の使用用途は水のある場所、特に環境問題が叫ばれる昨今ではさまざまな場所にあります。

例えば上水道施設は下水道施設から送られてきた水を再び各家庭や施設に送るため処理をする場所です。処理後の水が問題ない基準を満たしているか確認するため水質分析装置を導入しています。

また工場で製品を製造するとき水は欠かせないものです。工場で使用された水は汚れており、工場内で処理して排水できる基準を満たします。

このとき水質分析装置を使用して排水基準を満足しているか計測します。

水質分析装置の原理

水質分析装置の測定原理は、測定する項目によって異なります。

pHは標準溶液と測定したい水の電位差がどの程度生じるかで測定を行います。

濁度の主な測定原理は、光を水に投下させます。濁りが強いほど光は反射・散乱し、透過する光の量は減ります。この光がどれだけ透過したのかで測定します。

電導度は塩化カリウム溶液を標準として電気抵抗を測定し、その逆数を電導度とします。目的の水を測定し塩化カリウム溶液に対する電気抵抗の差から求めます。

溶存酸素は隔膜電極法が最もポピュラーな測定法になります。

作用電極と酸素の溶けた水の間に、酸素と透過させる隔膜を入れます。酸素が隔膜を透過すると作用電極にて還元反応が起こります。この反応により電流が流れるため、これを測定して酸素濃度を求めます。

主な測定原理を書きましたが、このような測定方法が水質分析装置本体内部に構築されており、試料ホルダーに設置されたサンプルを測定して、装置の検出器に信号を送り、各測定値を表示します。

参考文献
https://aqua-ckc.jp/doc/CP01-200-00-005_turbidity.pdf
https://www.jaima.or.jp/resource/jp/basic/pdf/basic_25.pdf
https://www.jemima.or.jp/tech/5-02-02.html

阻集器

阻集器とは

阻集器

阻集器とは排水中から有害物質やごみを分離し、残された水のみを排出する排水設備のことを指します。

阻集器の内部にはメッシュ状のバスケットや仕切り板が設置されており、排水中に含まれる不要な成分を分離・除去します。

後述するように、用途に応じて様々なタイプの阻集器が存在します。

多くの阻集器では有害物質の逆流を防ぐために、分離した成分のトラップ機能を有しています。

阻集器を用いることで排水管中への有害物質の流入を防ぐことができ、環境汚染対策などが期待できます。 

阻集器の使用用途

阻集器はその種類に応じて排水を伴う様々な場面で使用されます。

オイル阻集器は、浮上油を分離し排水中への流出を防止するためにガソリンスタンドや駐車場、洗車場などで使用されます。

グリース阻集器は、オイルを含有する水を排出するガソリンスタンドや自動車修理工場、レストランなどで使用されます。

公共下水道に汚染された排水を流出させ、排水設備を損傷させることを防ぐとともに、下水処理場における一定の水質確保にも役立ちます。

阻集器の原理

阻集器にはオイル阻集器やグリース阻集器、サンド阻集器に加え、ヘアー阻集器などがあり、各阻集器は異なる用途において使用されます。

オイル阻集器は給油場などから出る排水から、ガソリンや油類を除去する装置です。排水中に含まれるガソリンや油を浮上させて除去する自然浮上法を利用します。排水管中に混入し、悪臭や爆発事故が発生することを防ぎます。

グリース阻集器も上述のオイル阻集器に類似した装置で、排水中に含まれる油脂類を浮上分離させて除去し、配管中に油脂が詰まることを防ぎます。バスケットや仕切り板を設けて分離回収の効率を高めています。

サンド阻集器は排水中に含まれる泥や砂などを除去します。2枚の仕切り板を用意し、その高さを変えることで、阻集器の底に砂泥を沈殿させます。その結果、排水管に砂泥が混入することを防ぎます。

ヘアー阻集器は理髪店などにおいて、毛髪が排水管に混入することを防ぐために、バスケット形のフィルタとして機能します。

参考文献
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat08/5163/
https://www.horkos.co.jp/product/con/con_03_01.php
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat05/4886/

卓上型塗布ロボット

卓上型塗布ロボットとは

卓上型塗布ロボット

卓上型塗布ロボット (英: tabletop coating robot) とは、接着剤シール剤、コーティング剤などを定められた位置に塗布する卓上型のロボットです。

シーリングロボットとも呼ばれます。塗布ロボットに備え付けられたアームの位置や角度を制御し、先端の吐出口から規定量の液体を吐出します。

より正確に対象物に塗布するため、ロボットの動作速度や軌跡の安定性を考慮した様々な塗布ロボットが開発されています。コンパクトな設計で汎用性に優れており、塗布工程の効率化を図ることが可能です。

卓上型塗布ロボットの使用用途

卓上型塗布ロボットは、IC基板などにシール剤やコーティング剤の塗布のために、様々な生産現場で導入されています。従来の液体材料の塗布方式では、スポイトや刷毛などを用いて対象に塗布していました。

しかし、吐出量が安定しないことから、安定的に液体を吐出できる塗布ロボットが開発され、その活用が進んでいます。コンパクトな設計のため、既存の現場に容易に導入することが可能です。作業工程を変更せず、従来の作業効率を向上させることができます。

卓上型塗布ロボットの原理

1. 塗布ロボット

塗布ロボットは、アームの動作方式により、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボットの3つの種類があります。

  • 垂直多関節ロボット
    4~6軸の可動軸があるため立体的な動きができます。
  • 水平多関節ロボット
    複数の回転軸によりアームが水平移動し、先端部でZ軸方向を調整します。
  • 直交ロボット
    複数の単軸ロボットを組み合わせたものです。

直交ロボットは構造と制御が単純です。また、位置決め精度が高く、導入コストが他の方式よりも低くなっています。

2. 塗布方式

液体の塗布方式は、一般的なエアパルス方式と、メカ方式 (JET方式、容量計量方式) があります。塗布する液体材料の特性に応じて選択可能です。

一般的なエアパルス方式は、一定時間電磁弁を開閉することで吐出口内へ圧縮気体を送り込み、吐出口から液体を押し出す方法です。弁の開閉時間と圧力を変えることで、吐出量の制御が容易なのがメリットと言えます。

卓上型塗布ロボットの特徴

1. 汎用性が高い

卓上型塗布ロボットは、塗布工程に導入が容易です。汎用性が優れており、多品種少量生産に適しています。

2.自動化が可能

卓上型塗布ロボットは、塗布工程を変えずに自動化が可能です。生産品質と生産効率の向上につながります。

3. 生産現場への導入が容易

卓上型塗布ロボットは小型でコンパクトのため、現状の生産現場へ導入が容易です。モデルチェンジや段取り替え、レイアウト替えなどが発生した場合、柔軟に対応できます。

4. 高精度

高水準の塗布品質により、歩留まりが向上します。ロボットのアームの剛性が高く、重量がある塗布機器であっても、塗布作業の高速安定性が良好です。

卓上型塗布ロボットの選び方

塗布ロボットの選定は、重要な事項を検討する必要があります。

1. 重量と各軸負荷

ロボットの可搬質量と軸負荷モーメントは、ロボットの選定で最も重要な検討項目です。可搬質量は、塗布の吐出口だけでなく、アームに取り付ける機器や配管などの質量を含めたものです。

また、軸負荷モーメントは、可搬質量を振り回して塗布する慣性モーメントを加えて算出します。各軸にかかる慣性モーメントに対して、十分余裕があるロボットを選定します。余裕がないと、吐出口がふらついたり、加減速が弱くなったりするトラブルの原因になります。

特に、直交ロボットは、コーナー部でオーバーシュートを抑制するためにモーターの容量を大きくする必要があります。直交ロボットは、主目的が搬送用であり、塗装作業には、十分な余裕が必要です。

2. 正確性・再現性

塗布スプレーガンの動作軌跡の正確さと再現性が重要です。正確性・再現性は塗布ロボット導入の大きな利点です。

3. 制御性

塗布ロボットは、全体の塗布装置と的確に連動する制御が重要となります。また、塗布のコーナー部の速度や回転半径、吐出口の移動軌跡などの重要な制御が必須です。

参考文献
https://www.mohno-dispenser.jp/compass/compass06.html
https://www.musashi-engineering.co.jp/faq/faq001.html
https://www.janome.co.jp/industrial/jpn/products/desktop_robot/index.html

鍛造機

鍛造機とは

鍛造機

鍛造機 (英: forging mashine) とは、金属材料に圧力を加え、成形または鍛錬を行うための機械です。

鍛造機は大きく分けると、ハンマとプレスがあります。圧縮空気や蒸気を利用した空気ハンマや蒸気ハンマに加え、大型ハンマを重力により落下させるドロップハンマなどです。一方、プレスは、荷重の発生方法から、液圧プレスと機械プレスがあります。

ハンマでは大きな圧力を加えることができる一方で、荷重の制御が難しく、高い精度の鍛造が困難です。特に精密な鍛造を要する場合には、機械プレスが用いられます。 

鍛造機の使用用途

鍛造機は、高強度の金属材料を必要とする自動車部品や航空機部品に加え、包丁やペンチといった金物の製造加工において使用されます。

具体的には、鍛造機は自動車部品のクランク軸、ギア、タイヤホイール、ベアリングレースなどです。また、航空機部品では、ジェットエンジンの部品や胴体フレームに多く使用されています。

その他の産業部品として、ボルトやカップリング、バルブなどが挙げられます。高い強度が求められ、加熱されても変形しにくい部品が必要な場合に、鍛造機が利用されます。

鍛造機の原理

鍛造は金属材料を打撃し成形する加工法として、古くから用いられています。鍛造により金属の強度が高まるプロセスは、かなり解明されています。

鍛造により金属が圧縮され、十分に引き伸ばされると、メタルフローライン (鍛流線) と呼ばれる結晶構造が形成されます。このメタルフローが重要な役割を担っていますが、鍛造されていない鋳造品ではメタルフローがなく、曲げ応力に対して十分な強度がありません。

鍛造された金属では、材料形状に沿ってメタルフローが形成され、金属は高い強度を有し、耐久性が向上します。鍛造機はハンマもしくはプレスによって金属を打撃し、メタルフローを生成します。

ハンマによる鍛造では、ラムの重量や圧縮空気を利用して、金属と強く衝突させる工法です。一方、プレス類では、油圧によって強力にシリンダを加圧したり、モータによる回転運動をクランクなどにより直線運動へ変換することで加圧します 。

鍛造機の種類

1. ハンマー鍛造機

鍛造ハンマーは、主に熱間鍛造で使われる鍛造機械です。空気ハンマ、カウンターブロー空気ハンマ、スプリングハンマなどがあります。

空気ハンマ
空気圧によりラムと呼ばれる駆動部を加速しながら落下させて、ワークを打撃成形する機械です。打撃エネルギーが大きい特徴があります。

カウンターブロー空気ハンマ
ラムの落下と同時にワークを治具毎引き上げて打撃します。圧力を増加させ、振動が小さいのが特徴です。

スプリングハンマ
スプリングの力を使う小型の汎用ハンマです。人手による鍛冶と比べ生産性が高く、たたき跡のばらつきが小さいが、作業者の熟練が必要です。

2. プレス鍛造機

プレス鍛造機の動力による分類は、機械プレス、液圧プレス、サーボプレスなどです。

機械プレス
機械プレスの1つは、動力にフライホイールの回転運動をラムのスライド運動に換えて圧力をワークに加えるプレスです。任意の位置でスライドを止められないが、加工の速度が速く生産性が優れています。自動化ラインが可能です。大量生産の冷間鍛造に多く使用されます。

また、機械プレスには、フライホイール式のほか、クランクプレス、ナックルプレス、スクリュープレスなどの種類があります。

液圧プレス
液圧プレスは、油圧や水圧を使ってワークをプレスする機械です。小ロットの大きな製品から大量生産の小さな製品まで広く使われます。

任意の位置でスライドを止めることができるため、試作や材料の変形試験も可能です。また、加圧速度が遅いため、放熱しやすい小型部品の熱間鍛造には不向きです。

油圧鍛造プレスが主流ですが、大きな製品の熱間鍛造では、メンテナンス性、安全面、価格から水圧鍛造プレスも使われます。火力発電のタービンや、発電機ロータなどの大きな製品の熱間鍛造に使われます。

サーボプレス
鍛造サーボプレスは、サーボモータでラムを直接スライドさせます。サーボモータで駆動するため、加圧力や加圧量の精密な制御が可能です。

サーボプレスは、加圧速度を制御して生産性が向上し、加圧量を制御して歩留まり低下ができます。マグネシウムなどの難加工材や、複雑な形状の鍛造も可能です。

参考文献
https://kotobank.jp/word/%E9%8D%9B%E9%80%A0%E6%A9%9F%E6%A2%B0-95209
https://ohmiyanissin.co.jp/2020/09/11/348/
https://www.hakkokinzoku.co.jp/forging-encyclopedia/forging/merit.html

電子ビーム溶接

電子ビーム溶接とは

電子ビーム溶接とは電子管から発射された電子を磁界や電界を利用して加速し、工作物(ワーク)を加熱溶解させて溶接する加工法です。
電子管の陰極は加熱されると熱電子を放出します。この放出現象はブラウン管等に使用されたものと同じ原理です。

この熱電子をワークに照射して加熱溶解する工法は基本的に真空内で行われています。
ワークとしては厚板から薄板までの加工が可能であり、溶接した部分に歪みが残りにくいことが特長です。

最近では真空度が低い環境でできる溶接法や、電子を発射する電子銃移動型も利用されています。

電子ビーム溶接の使用用途

電子ビーム溶接の使用用途は部品材料別に多数提案されています。

  1. 他の溶接法では難しい材料
    ステンレスと鉄、ステンレスとなどの異種金属材料です。
  2. 気密性が高い溶接部品
    圧力タンク真空チャンバ等の大型構造物、水冷ジャケットなどの冷却部品です。
  3. 低歪溶接、高速溶接に対応した部品
    ギアなどの自動車部品です。
  4. 溶接時にワーク表面の酸化を防ぐ材料
    チタン、ニオブなどの活性金属材料です。
  5. キーホール溶接(深溶け込み溶接)、細い溶接ビード(溶接金属)、低歪み溶接に対応した部品
    銅、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属材料です。

電子ビーム溶接の原理

真空中で陰極のフィラメントを加熱すると電子が連続的に放出されます。ここで発生する電子は熱電子と呼ばれています。
そして、放出された熱電子は陰極-陽極間に印加した高電圧(60~150KV)で加速され電子ビームをつくります。

この電子ビームは電磁コイルで集束し更に偏向コイルで走査方向を制御しながら、目的とするワーク表面の特定スポットへ集中照射させることができます。

その後ワークに衝突した熱電子の運動エネルギーは熱エネルギーに変換され、その表面は高熱となりワークが溶解して溶接が完了します。

通常使用する電子ビーム溶接機のスポット径は約0.2mmと非常に小さく、溶接部の周辺に加えられる熱影響が少ないため金属表面や内部に歪みが残りにくい溶接が可能です。

電子ビームの出力を調整することで、金属の溶け込み範囲や深さのコントロールが可能であり、薄板から厚板まで幅広い範囲の板厚材料の溶接ができるようになっています。

参考文献
電子ビーム溶接の原理 | 電子ビーム溶接 | 溶接革命 | キーエンス (keyence.co.jp)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvsj2/60/2/60_16-RV-032/_pdf/-char/en
https://www.ebtohoku.co.jp/technical/welding.html
https://engineer-education.com/production-engineering-27_electron-beam-welding/#i

電磁クラッチ

電磁クラッチとは

電磁クラッチ

電磁クラッチとは、コイルに発生した電磁力により軸同士を連結して動力を伝えたり、両軸を切り離して動力を遮断したりする機械です。

コイルへの通電により動力伝達を容易に制御できるため、遠隔操作が可能なだけでなく、断続的な動力伝達も可能です。

電磁クラッチにはトルクの発生方法により、摩擦形、かみあい形、空げき形、スプリング形などの種類があります。

このうち摩擦形は構造が単純で安価であり、制御性に優れているため最もよく使用されています。 

電磁クラッチの使用用途

電磁クラッチは、エンジンの回転力を伝達する機械として、自動車機器などの発電機油圧ポンプの駆動力として使用されます。

クラッチには、作動原理によって機械、油圧、電磁力などの種類がありますが、産業用途では電磁クラッチが一般的に使用されます。

これは軸同士の動力伝達を電磁力によって容易に制御できることに由来します。

自動車機器だけでなく、小型の電磁クラッチであれば事務機器や通信機器におけるトルク伝達を目的に用いられます。 

電磁クラッチの原理

クラッチには電磁クラッチの他に、作動方式に応じて機械クラッチや油圧クラッチなどがあります。

電磁クラッチは電磁力により制御が容易であるため、一般的に使用されるものです。

電磁クラッチはトルク発生方法によって様々な種類に分類されますが、ここではかみあいクラッチ、摩擦クラッチ、自動クラッチについて説明します。

  • かみあいクラッチ
    従動軸と原動軸のつめを噛み合わせて、2軸の連結や切り離しを行うものです。

つめ同士の滑りがなく、効率的に動力を伝達することができます。

回転中のかみ合わせは衝撃が発生するため、低速運転時において接合させます。

  • 摩擦クラッチ
    原動軸と従動軸に取り付けた摩擦板を接触させ、摩擦力によって動力を伝達するものです。

摩擦板を押し付ける強度を変化できるため、軸が回転中であっても衝撃を抑えた滑らかな接合を実現できます。

  • 自動クラッチ
    軸の回転がある一定の条件を超えたときに、自動的に動力の伝達や遮断を行うものです。

例えば遠心力を利用した遠心クラッチでは、ある回転速度を超えた場合に、原動側と従動側の摩擦板が自動的に接触します。

その結果、摩擦面を通じて動力を伝達することができます。

参考文献
https://www.gifu-daiichi.ed.jp/weblog/file/68223ede96a086415777118c2a4d94388e5d4ec8.pdf
https://www.mikipulley.co.jp/JP/Products/ElectoromagneticClutchesAndBrakes/about.html

塗装機械

塗装機械とは

塗装機械

塗装機械とは塗料の吹き付けを塗付を行う際に使用される機器のことです。

従来は塗料を塗るときは、凹凸のある立体的な部分は刷毛で、平面箇所はローラーで作業を行っていました。

しかし塗る面積が大きくなればなるほど、多くの作業員や膨大な塗る時間が必要となり工数が多くなります。

このような場合は塗装機械を使用することで塗る工数を大幅に削減でき、かつ刷毛やローラーよりも均一に塗ることができるためきれいな塗装面にできます。

塗装機械の使用用途

塗装機械の使用用途は、主に建築、外壁、橋梁などの土木建造物の塗装に使用されます。

機械のため1台あたりの価格も高いので、それなりの広大な面積を塗る場合に使用されます。

使用できる塗料としては建築などの一般塗料から、環境の厳しい箇所に塗る重防食塗料など、さまざまな塗料に対応します。

使用上の注意点は、塗装後の洗浄で機器の中に塗料が残っていると次使用する場合に不具合を起こす可能性があるため、専用の洗浄剤で機器内部をきれにする必要があります。

また近年では改修時に古い塗膜を剥がすための剥離剤も塗装機械で吹き付けたりします。

塗装機械の原理

塗装機械の原理は種類によって異なります。

ダイヤフラム式エアレス塗装機

ダイヤフラム式エアレス塗装機は塗料を吹き付ける際の動力として電気やエンジンのみを使用しており、コンプレッサを使用していません。

機器本体より吹き付けるためのノズルと、塗料を吸い上げるノズルの2本が出ており、塗料が入っている容器に塗料を吸い上げるノズルを入れます。

機器の電源を入れると塗料に高圧力が掛かるので、この圧力で塗料を吸い上げます。ノズル先端には目の細かいフィルターがあるので、塊となった塗料が機器内部へ侵入するのを防ぎます。

吸い上げた塗料は吹き付けるノズルから吐き出され塗装していきます。メリットしてはエアーを使用していないため吹き付け時に、塗料が周囲に飛散し辛いことです。

コンプレッサーを使用したエア式の塗装機械

コンプレッサーを使用したエア式の塗装機械もあります。こちらは圧縮空気に塗料を載せて吹き付けます。

エア式の方が塗装面を均一に塗装できます。しかし周囲への塗料の飛散は多くなります。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/559/

砥石

砥石とは

砥石

砥石は研削材料を砥粒 (粒子状の研削剤) に結合させて作られる工具です。一般的には、酸化アルミニウムやシリコンカーバイトなどの研削剤をバインダーに混ぜて固めて砥石の形状に成形しています。砥石は形状や粒度により多種類に分類されています。
砥石は主に金属加工において使用されますが、ガラス、セラミック、プラスチック、石材などの研磨にも使われます。また手動でも使用されますが、高速回転するモーターに取り付けられた研磨盤に装着して使用されることも多く、使用目的や機械の規格に適した砥石を選ぶことが必要です。

砥石の使用用途

1. 切削工具の研ぎ直し

切削工具には刃物の部分があり、使用すると刃が鈍くなってしまいます。砥石を使って刃を研ぎ直すことで、再び鋭い状態に戻せます。例えばナイフやノコギリやドリルビットや鋸やハサミや旋盤の切削工具などが挙げられます。

2. 金属製品のバリ取り

金属を切削する際に、切削部分の周囲にバリ(ガタつきや鋭利なとげ) が発生ことがあります。砥石を使ってバリを取り除けます。金属板やアルミ板やステンレスなどの加工品でよく使用されます。

3. 金属製品の磨き

金属の表面を滑らかにするために、砥石を使って磨けます。車やバイクのエンジンパーツや家具の金属フレームなどが挙げられます。

4. 切れ味の良い刃物の製作

砥石を使って新しい刃物を作れます。例えば日本刀や包丁やハサミやカミソリや剪定バサミなどです。

5. その他

その他にも、砥石は様々な用途に使用されます。例えば陶器の表面を研磨したり、磨きをかけていないステンレス鋼の表面を砥石で磨いたりして美しく仕上げられます。

砥石の原理

砥石の原理は「砥石の表面に固着している砥粒を加工対象物の表面に押し付けた状態で、回転運動や直線状の往復運動によって、加工対象物の表面を削り取ること」です。

1. 刃物の研磨

刃物の切れ味が悪くなった場合は砥石を使って研磨します。刃物を砥石に対して角度をつけて押し付けることで、砥石の表面に固着している砥粒が、刃物の切れ味を悪くしている鈍い部分を削り取ります。理想的な刃先の形状を作り出すために、刃物を角度をつけて砥石に押し付けることで、砥粒が刃先にかかる角度をコントロールすることが必要です。

2.金属の表面の研磨

金属の表面には不純物や凹凸があり、研磨前は滑らかでない場合があります。この場合、砥石を使って研磨することで、不純物や凹凸を削り取り、滑らかな表面を作り出します。

3. 条件の考慮が必要

砥石の表面には砥粒が多数固着しています。砥粒は硬質の鉱物から作られており、砥石の種類によって砥粒の大きさや硬度、形状が異なります。

砥石を使って研削したり研磨したりする際は、砥粒の種類や粒度や硬度、砥石の種類や形状、加工対象物の種類や形状、押し付ける角度や力など、さまざまな条件を考慮することが必要です。

砥石の種類

砥石を砥粒の材質によって分類すると、以下のように種類があります。

1. アルミナ砥石

アルミナ砥石はアルミニウム酸化物 (Al2O3) を主成分とした砥粒を使用した砥石です。アルミナ砥石は比較的柔らかくて加工対象物に対する摩擦が少ないため研削作業に適しています。例えば鋼材の研削や金属部品の表面仕上げなどに使用されます。

2. シリコンカーバイト砥石

シリコンカーバイト砥石は炭素とシリコンを主成分とした砥粒を使用した砥石です。シリコンカーバイト砥石は、硬くて高温にも耐えられるため、鋳鉄や非鉄金属やセラミックなど硬質な素材の研削に適しています。

シリコンカーバイトは、炭素繊維やガラス繊維を含浸させたシリコンカーバイド (SiC) の一種で、高温での使用に適した非常に硬く耐久性が高い素材です。

3. ダイヤモンド砥石

ダイヤモンド砥石は、天然ダイヤモンドまたは人工合成ダイヤモンドを砥粒として使用した砥石です。ダイヤモンド砥石は、非常に硬く、研削作業において高い削り取り力を持ち、耐久性にも優れています。例えば刃物やハードディスクのヘッドやレンズなどの研削に使用されます。

4. CBN砥石

CBN砥石は、窒化ホウ素 (BN) を主成分とした砥粒を使用した砥石です。CBN砥石はダイヤモンド砥石と同様に硬く、研削作業に高い削り取り力を持ち、さらに耐久性に優れています。例えば鋳鉄、工具鋼、ハードメタルなど、硬質な素材の研削に使用されます。

CBNとは、「cubic boron nitride(立方晶窒化ホウ素)」の略称です。CBNは、ダイヤモンドと並んで超硬物質として知られており、非常に高い硬度と熱安定性を持っています。

BNとは「boron nitride (窒化ホウ素) 」の略称です。BNは、ダイヤモンドと同様に砥石や工具の材料として利用されますが、ダイヤモンドよりも比較的軟らかく、加工性が良好であることが特徴です。

ハードメタル (Hardmetal) は、主にタングステンカーバイトとコバルト等の金属から成る合金材料のことを指します。

砥石の特徴

長所

(高い剛性)
砥石は硬くて非常に剛性が高いため、加工時の振動が少なく高精度な加工が可能です。

(多様な加工対象物)
砥石は硬度や形状の異なる材料を加工できます。

(精密加工が可能)
砥粒の細かい砥石を使用することで、高精度で滑らかな加工面を得られます。

(耐久性に優れる)
砥石は研削材料であるため、磨耗して交換が必要な場合がありますが、適切な取り扱いとメンテナンスを行うことで、寿命を延ばせます。

(切れ味が良い)
適切な砥粒の選択と砥石の形状により、高品質の切れ味を得られます。

短所

(磨耗が激しくて比較的短い時間で交換が必要になる場合がある)
特に金属加工においては、砥石の目詰まりが進むことにより砥石の研削能力が低下して効率が悪くなるため、交換が必要になる場合が多い。

(粉塵の発生)
研磨した後に多くの粉塵が発生することがあるため、作業場所の清掃が必要になることがあります。特に、粉塵が健康に悪影響を与えることがあるので、適切な安全対策が必要です。

(砥石を使用する際には、安全面にも十分注意する必要がある)
砥石が割れたり、破損したりすることがあるため、適切な保護具の着用や、砥石が飛散しないような対策が必要です。また研削作業中に発生する熱により、砥石や加工対象物が変形することがあるため、十分な冷却が必要になります。

砥石のその他情報

砥石には砥粒の種類による分類以外にも、以下のような分類方法があります。

1. 形状による分類

円筒形、平板形、円盤形、錐形、棒形などに分類されます。

2. 結合剤による分類

砥石の砥粒同士を結合する結合剤の種類によって、陶磁器結合、樹脂結合、ゴム結合、金属結合などに分類されます。

3. 粒度による分類

砥石の砥粒の大きさによって、粗粒砥石、中粒砥石、細粒砥石、超細粒砥石などに分類されます。

 

熱処理炉

熱処理炉とは

熱処理炉

熱処理炉とは、加熱や冷却によって金属の組織や性質を改善する炉です。

熱処理は鉄をより固くする「焼き入れ」や靭性を与える「焼き戻し」などを指し、例えば日本刀をより硬く、切れ味良く、破損しにくくするため熱処理技術が生まれました。日本で熱処理炉が発展を始めたのは戦後で、製鉄業の技術の進歩に伴い熱処理炉技術も躍進しました。熱処理炉にはめっき炉、浸炭炉、ろう付け炉、焼鈍炉などがあります。

熱処理炉は加熱炉と冷却炉の組み合わせで構成され、製品品質に影響が出るため、製品の種類や生産量で最適な熱処理炉を選択する必要があります。

熱処理炉の使用用途

熱処理炉には以下のような使用例があります。

1. 食品業界

1年のうち気温が高い季節では食中毒を引き起こす細菌の問題が取り上げられています。細菌の多くは熱処理で死滅するため熱処理炉を使用可能です。食品プラントでは約130°Cで30分間の条件で生産設備の殺菌が行われます。

2. 自動車業界

自動車の高剛性化を支える技術として熱処理炉が利用されています。メッシュ式やローラー式の連続炉で、一定の温度管理のもと製品の熱処理が行われます。

熱処理炉の原理

熱処理炉は鋼の「焼き入れ」「焼き戻し」「焼きならし」「メッキ処理」などに使われる炉です。熱処理炉は加熱炉と冷却炉の組み合わせで構成され、組み合わせが品質を決定します。加熱炉は大きく分けて「焼却炉」と「電気炉」があり、その特徴は以下の通りです。

1. 焼却炉

灯油、重油、LPG、都市ガスなどを燃料としてバーナーを燃焼させます。

2. 電気炉

工業ヒーターで炉内を高温に上げるほか、ピンポイントで加熱するレーザー式、コイル式、ビーム方式があります。

3. 加熱炉

加熱炉で製品の品質を安定させるには温度と時間管理が重要です。温度記録計で管理し、温度条件が外れた場合には作業者に異常を知らせます。一旦条件を外れた場合にはそのとき炉内にある製品は不良になる恐れがあります。

4. 冷却炉

冷却炉のタイプは「空冷」「水冷」「油冷」「炉冷」があり、それぞれ冷却速度が違います。炉冷では炉から出た製品に手を出さずに自然と冷却し、焼きなましの効果があります。

熱処理炉の構造

熱処理炉では熱処理が加熱と冷却でセットになっており、熱処理装置の形式によってプロセスが異なります。

1. バッチ式

ロール上に処理品を設置して加熱炉に入れ、加熱と保持の後にロールを搬出して冷却材で冷却します。処理数量の少ない場合に向いています。

2. 連続式

加熱と冷却を連続して行い、間欠式と純連続式に分類されます。間欠式は加熱炉と冷却炉が離れたタイプで、純連続式は一体型のタイプです。処理数量の多い場合に適しています。

熱処理炉の種類

1. 鍛造加熱炉

鍛造前に棒鋼のような材料を適温に熱して塑性のある状態にします。

2. 圧延加熱炉

スラブやビレットなどの鋼片を加熱して塑性のある状態にして、形鋼、棒鋼、線材、鋼板などの製品にするため圧延機を使用します。

3. 焼準炉

鋳造や鍛造で不均一になった鋼の組織を均一化して機械的性質を向上させて切削性を改善します。800~900°C程度の温度に加熱して大気中で冷やします。

4. 焼鈍炉

冷間加工で生じる内部応力を取り除きます。焼準とは異なり、加熱後に炉内で徐冷します。

5. 焼入炉

鋼を硬化させて磨耗性を付与し、加熱後に水槽や油槽で急冷します。

6. 焼戻炉

焼入れで脆くなった鋼に靭性を与え、焼入れ時の残留応力を取り除いて焼割れを防止します。焼入れした鋼を700°C以下に加熱して大気中で冷やします。

7. 浸炭炉

鋼表面を硬化させて耐磨耗性を付与します。浸炭性のある吸熱性変成ガス中で一定時間加熱し、歪防止のためにオーステナイト変態温度より少し高い温度に下げて焼入れします。

8. アルミ熱処理炉

鋳物の機械加工や冷却収縮による歪を取り除き、組織の均一化によって機械的性質を適正にします。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/heat/

配管部品

配管部品とは

配管部品

配管は流体をある場所(装置)から他の場所(装置)へ、輸送するための部品です。

配管は使用される環境、流体などを考慮して、その機能を満足するように、設計、制作、施工されます。

配管は内部流体の圧力に耐える強度が必要で、流体の圧力損失を抑え、目的の終点まで最適なルートを選択することが必要です。

配管には具体的に次のような装置、部品が用意されています。

  • 管(パイプ)
  • 管継手(フィッティング)
  • 弁(バルブ)
  • 配管支持装置(ハンガー・サポート)

配管部品の使用用途

配管部品には以下のような使用例があります。

  1. 上水道の配管
    水道水は一般に、川や湖を水源として、水をせき止めたダムや水中に立てた取水塔から取水します。
    配管はおもにダクタイル鋳鉄管やポリエチレン管などを使用します。
  2. 都市ガス用の配管
    都市ガスは液化された状態(LNG)で原産地から輸入して、ガス製造工場で気化させます。
    気化されたガスは高圧→中圧→低圧の順に調整されて、一般家庭に送り出されます。
    高圧管は鋼管や合成樹脂鋼管、中圧管はポリエチレン管やダクタイル鋳鉄管、低圧感はPE管が主に使用されます。

配管部品の原理

配管部品それぞれの特徴を説明します。

  • 管(パイプ)
    管の材質は、金属、非金属、樹脂など多種多様で、現在も新しい材料の開発が進んでいます。
    産業界では金属管が主流で、中でも鋼管が多く使われています。
    強度が強く、劣化しにくい特性があり、さびやすい欠点があります。
    鋳鉄管は衝撃弱くて脆い欠点がありますが、鋼より腐食しにくいので埋設配管でよく使われます。
    非鉄金属は軽量の特性を活かして、航空機などで使用されます。
  • 管継手(フィッティング)
    管継手は用途により以下のように分けられます。
    「流れ方向を変えるもの」(エルボなど)、「管のサイズを変化させるもの」(レジューサなど)、「流れを合流、分岐するもの」(ティなど)に分けられます。
  • 弁(バルブ)
    水道水の蛇口のように、「流れを止める」「流量を調整する」といった用途に使用します。
  • 配管支持装置(ハンガー・サポート)
    配管の重量を支えて、熱膨張を適切に逃がすために使用されます。

参考文献
https://haikanko.net/types-and-usage-of-iron-pipe-commonly-used