阻集器

阻集器とは

阻集器

阻集器とは、家庭の台所・浴室・洗面所や、飲食店・レストランの厨房から排出されるゴミや有害物質を阻集して油分を分離し、残された水のみを排出する排水設備です。

排水には、シンクに取り付けてあるカゴなどで受けきれなかった細かな食品残渣や油分が多く含まれています。もしこれをそのまま河川に流してしまうと、水質汚濁などの環境汚染につながるおそれがあります。また排水内に様々な異物が流れると管内で堆積してしまい、最終的には詰まって排水が流れなくなってしまいます。最悪の場合は汚水の逆流が発生する可能性が出てきます。特に大型の施設では被害が甚大になるため、阻集器が重要な役割を担っています。

阻集器の使用用途

阻集器は排水を伴う様々な場面、施設で使用されます。例えば最も一般的なグリース阻集器の場合、食品残渣や廃油などを多く排出する飲食店、レストランや一般住宅、集合住宅などで広く用いられています。またオイル阻集器の場合、浮上油を分離し排水中への流出を防止するためにガソリンスタンドや駐車場、洗車場などで使用されます。ヘアー阻集器は、店舗で排出される毛髪を阻集するために理髪店や美容院などで使用されています。

このように阻集器は、下水に汚染された排水を流出させて排水設備を損傷させることを防ぐとともに、下水処理場における一定の水質確保にも役立っています。

阻集器の原理

阻集器の原理を基本的な構造に言及しながら説明します。阻集器の大半は仕切り板により3槽式になっています。

1. 第1槽

第1槽目にはバスケットが設けられており、排水に含まれている大型の異物や食材のくずをせき止めます。バスケットの網目を通り抜けた異物はそのまま沈殿し、いわゆる汚泥となって第1槽から第2槽の下部に堆積します。

2. 第2槽

第2層の役割として重要なのは排水に含まれている油分を分離させることです。第1槽のバスケットでは排水に含まれている油脂分を通過してしまうため、第2槽で油の比重が水よりも小さい性質を利用し上部に油を集めます。油脂分から分離された排水は第2槽の下部から第3槽へと流れていきます。油脂分が完全に取り除かれるわけではないですが、ほとんどは第2槽に留まります。

3. 第3槽

第3槽では第2槽で取り除き切れなかった油脂分をさらに分離させ、異物と油脂分がほぼ取り除かれた排水を下水へと流していきます。

このように阻集器の3つの槽はそれぞれ異なる役割を担っており、それぞれの槽で異物を取り除いて、余計なものが含まれていない状態にした排水を下水へと流しています。ここで大事なのは各槽で分離した異物はそのまま残ってしまうということです。そのため定期的に清掃を行う必要があります。日々の清掃を怠ってしまうと阻集器の能力が低下し、外部へ汚水を流出してしまいます。さらに細菌が繁殖することによって悪臭が発生するなど、店舗や施設の運営に悪影響が及んでしまう可能性もあります。

阻集器の種類

阻集器は建物や排水の種類によって適切なものを選択する必要があります。以下に代表的な阻集器の種類を紹介します。

1. グリース阻集器

油分を含んだ排水を処理し、排水管の詰まりや下水処理場の処理能力の低下による河川などの水質汚濁を防止します。

2. オイル阻集器

ガソリン阻集器や油水分離槽とも呼ばれ、排水中への油脂分の流出を大幅に軽減させます。さらに洗車や床洗浄時に発生する土砂などの堆積物を分離し、下水管の目詰まりを防ぎます。

3. ランドリー阻集器

洗濯の過程で出てくる繊維くずやボタンくずなど、排水中に含まれる微細なごみを捕集します。

4. ヘアー阻集器

理髪店や美容院から排出される水に含まれる髪の毛などによる排水管の詰まりを防止します。

5. プラスター阻集器

石膏などによる排水管の詰まりを防止します。

6. サンド阻集器

排水中に含まれる泥や砂などを除去します。

参考文献
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat08/5163/
https://www.horkos.co.jp/product/con/con_03_01.php
https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat05/4886/

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