面取り機

面取り機とは

面取り機

面取り機とは、木材や鋼材などの角をC面にすることで角を切削する加工機のことです。

加工形状には、C面取りやR面取り、細かい形状の糸面取りが存在し、主に硬い材料で角が立つ場合にケガを防止するために使用されます。

面取り指示が図面などにある場合は、縦・横を面取り機で2mm削除するという意味で「C2」という表記がされます。また、面取り機のチップには木材用や鋼材用などの種類があり、機械と一緒に使い分けることで材質に合わせた切削が可能です。

面取り機の使用用途

面取り機は、木材、鋼材、プラスチック、アルミニウムなどの素材の角をC面やR面に加工する機械であり、角が立っている場合にケガを防止するために使用されます。

加工精度が高く、切削面が滑らかに仕上がるため部品の寸法精度を向上させることができます。また、材料の強度や耐久性も向上させることも可能です。一般的には自動車や航空機などの大型機械部品、建築材料、家具などの木材製品など、さまざまな産業で使用され、最近では、3Dプリンターとの併用により、さらに高度な形状の部品を作れるようになっています。

面取り機の原理

面取り機は、回転するカッターヘッドによって切削ができます。刃物には硬質合金やダイヤモンドなどの超硬材料が使用されることが多く、材質に合わせて選択されます。C面取り用、R面取り用、糸面取り用など、さまざまな形状があり、目的に応じて使用可能です。

切削の深さや加工速度などは機械の設定によって調整されます。また、切削時に発生するバリや切屑は、排出装置によって処理され、加工面の品質を向上させます。

木材、プラスチック、鋼材、アルミニウムなど、硬度や厚さによって使用する刃物を選択し、適切に加工を行うことが必要です。また、曲面部分や細かい箇所にも対応できるよう、さまざまな形状の刃物が開発されています。

面取り機の種類

面取り機は、ハンディータイプや卓上タイプ、パイプ面取り機など、多様な種類があります。

1. ハンディータイプ

ハンディータイプは、持ち運びができるため、高所や大型機器の角の加工など、狭い場所での作業に適しています。曲線加工が可能なハンディータイプは、穴径、半径、溝、角材の削除ができるため、幅広い用途に使われます。また、R面取りでは角を半径状に加工可能です。

2. 卓上タイプ

卓上タイプの面取り機は、切削加工後のバリなどを取りのけるため、加工後の綺麗な仕上がりを求められる場合に使用されます。

3. パイプ面取り機

パイプ面取り機には、メントリー、電動パイプリーマー、手動パイプリーマーの3種類があります。メントリーは、内側と外側の両面を取れるため、主に塩ビ管に使用されます。電動パイプリーマーは、主に鋼管の面取りに使われ、内側と外側の両面を取れますが、価格が高いです。手動パイプリーマーは、内側と外側の両面を取れ、電源がなくても使用可能ですが、管種や口径ごとに調整する必要があります。

面取り機のその他の情報

他の機械との組み合わせ

面取り機は様々な機械と併用することで、より効率的な加工が可能になります。

1. 旋盤
旋盤は、材料を回転させながら面取り機で加工することで、正確で均一な加工ができます。また、旋盤は面取り加工だけでなく、ドリルやフライス加工などさまざまな加工が可能なため、幅広い用途に利用されます。

2. ボール盤
ボール盤は、切削工具を材料に接触させ、回転させることで加工する機械です。面取り機と組み合わせることで、角材の加工に最適な深さや角度で加工ができます。

3. ミーリング加工機
ミーリング加工機は、切削刃を備えた回転する工具を用いて、直線、曲線、複雑な形状の加工が可能です。面取り機と併用することで、ミーリング加工機では加工しきれない部分の面取りが可能です。

4. その他の併用される機械
さらに、面取り機と併用される機械として、ワイヤーカッターや放電加工機などがあります。これらは、面取り機で削り取れない部分を加工可能です。ワイヤーカッターは、細いワイヤーを用いて材料を切削する加工機であり、放電加工機は、高周波電気放電を利用して加工する機械です。

参考文献
https://haikanko.net/8-chamfering-tools-essential-for-piping

非常電源

非常電源とは

非常電源

非常電源とは、通常の電力供給が使用できない環境下で電力を供給するためのバックアップシステムのことです。

停電や災害、電力系統の障害など、通常の電力供給が利用できない状況において重要な役割を果たします。非常電源の場合はJIS、消防法及び建築基準法で明確にどのような非常電源が必要かが定められています。

一例として、エレベーターや消防用スプリンクラー電源などに導入されます。

非常電源の使用用途

非常電源はさまざまな設備において使用されます。以下は非常電源の使用用途一例です。

1. 病院・医療施設

災害などによって停電が発生しても、電気を使用し続けなければならない代表的な施設が病院です。医療機器の中には人工心臓など、生命維持に直結する製品も多く存在しています。そのため、各病院には必ず非常用電源が確保されています。

停電などの非常時に必要な機器にだけ電力を供給することを目的に、病院のコンセントには色分けされていることが多いです。JIS規格として定義されています。

赤いコンセントは一般非常電源と呼ばれ、電力遮断後に自家用発電設備を介して40秒以内に起動し、10時間以上連続稼働可能です。特別非常電源と表示されている場合は10秒以内に起動し、10時間以上連続稼働可能です。緑色のコンセントは無停電非常電源と呼ばれ、無停電電源装置 (UPS) などによって即時起動します。

2. 一般家庭

災害への備えとして、一般家庭に非常電源が設置される場合もあります。リチウムイオン電池やディーゼル燃料発電機、ガス発電機などが使用されることが多いです。

台風などによる架空電線の断線停電には、プロパンガス発電機が有効です。家庭用の50kgプロパンガスを用いて発電すると、74時間程度の電力を作り出すことが可能です。暖房やスマートフォンの充電など災害時の生活に役立ちます。

3. 商業施設やオフィスビル

商業施設やオフィスビルでは、非常電源がビジネスの継続性に重要です。停電時や緊急事態時でも、エレベーターやセキュリティシステムなどの重要な機能を維持するために非常電源が利用されます。

非常電源の原理

非常電源は通常、蓄電池や発電機などの装置を使用して電力を供給します。

1. 蓄電池

蓄電池は、電気エネルギーを化学エネルギーとして保存し、必要な時にそれを電力として供給する装置です。常用電源運用時は蓄電池が充電されており、停電時には電力を供給します。これにより、一時的な停電や電力障害が発生しても重要な機能やシステムを維持することが可能です。

2. 発電機

発電機は燃料を燃焼させて回転エネルギーを生み出し、それを電力に変換する装置です。停電時に発電機が自動的に作動して電力を供給します。発電機は、長時間の電力供給が必要な場合や大規模な施設で使用されることが多いです。

3. 自動切替装置

常用電源と非常用電源を切り替えるために、自動切替装置と呼ばれる制御装置が使用されます。常用電源が喪失した場合、自動切り替え装置が非常電源に切り替えて電力供給を維持します。また、常用電源が回復した場合には再び常用電源に切り替える製品も多いです。

非常電源の選び方

非常電源を選ぶ際は、電力要件、連続運転時間、切替速度などから検討します。これらを検討した上で、予算の範囲内で最適な選択を行う必要があります。

1. 電力要件

非常電源が電力供給能力を評価することが必要です。使用機器やシステムの電力消費量を把握し、非常時に動作させるための必要電力容量を計算します。供給電圧も常用電源と一致するように選定します。

2. 連続運転時間

連続運転時間も検討することが必要です。想定される連続運転時間を確認し、燃料タンクや蓄電池の容量を決定します。長時間の停電を想定する場合は、別置の燃料タンクを準備する場合もあります。

3. 切替速度

切替速度も検討すべき要素です。通信機器がバックアップ対象の場合は、切り替えが迅速に行われることが重要なケースもあります。蓄電池と直流電源を使用することで、停電時間をほとんど無くすことも可能です。

参考文献
https://www.egm-service.biz/emergency_generator.html
https://www.fujielectric.co.jp/products/power_supply/ups/aboutups/
https://www.honda.co.jp/generator/lineup/lpg-generator/eu15igp.html

集電装置

集電装置とは

集電装置

集電装置とは、電車などの搬送装置が走行しながら電線から電気を供給するための装置です。

工場内のクレーンやホイストなどの給電装置として利用されます。搬送装置の軌道の天井や側面にトロリー線を配置し、トロリー上を集電装置のホイールやシューで接続して集電します。

集電装置は電車でよく利用されているパンタグラフや、クレーンやホイスト用のポールコレクター、トロリーポールなど、タイプは様々です。

集電装置の使用用途

集電装置は、主に自走する産業・商用装置で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 工場の天井クレーンやホイストクレーン
  • 新幹線やリニアモーターカー
  • 路面電車や地下鉄電車
  • 工場の自走式搬送ロボット

主に、重量のある機械や装置を一定の軌道で移動させるために使用する場合が多いです。集電装置を利用するには電線を張る必要があるので、あらかじめ決められた軌道でしか使用できません。

集電装置の原理

集電装置は、集電子部分、腕金部分、絶縁碍子などの部品で構成されています。

1. 集電子部分

集電子部分は、実際に裸電線と接触する部分です。通電箇所に接触し、電気を流します。そのため、電気を通しやすいやスズ、カーボンなどの合金が使用されます。接触により摩耗するため、定期的な交換が必要です。

2. 腕金部分

腕金部分は、集電子を裸電線に押し付けつつ支える部品です。ばねなどを使用して集電子を電線に押し付けます。走行時の衝撃に対応するために多少の遊びを持っているのが特徴です。

3. 絶縁碍子

集電子と腕金部分には電線からの電圧が掛かっていますが、 絶縁碍子は走行装置にこの電圧が印可されることを防ぐ部品です。走行装置に電圧が印可された場合、機器の故障や感電事故を招くため大変危険です。絶縁碍子によって絶縁することでこのような事故を未然に防ぎます。

集電装置の種類

集電装置には様々な種類がありますが、パンタグラフ、ポールコレクター、トロリーポールの3つが代表例です。

1. パンタグラフ

パンタグラフは各種の鉄道車両に適用されていて、種類が最も多い集電装置です。大きく分けて、ホイールタイプとシュータイプがあります。

ホイールタイプはホイールが架線に接触して集電し、耐アーク性が高いです。一方で、シュータイプは板状のシューを接触させていて、安定した供給ができます。

2. ポールコレクター

裸トロリー線上をポールコレクターのホイールが接触して、集電します。

3. トロリーポール

昔はよくトロリーバスや鉄道に利用されていた集電装置です。鉄などの金属のパイプでできていて、先端部分のトロリーホイールと架線と接触させて通電します。構造が単純ですが離線しやすいため、現在では減少傾向です。工場のクレーンなどに適用されます。

集電装置のその他情報

1. 集電装置を用いる理由

電車は電気エネルギーを利用してモーターを回転させて走行します。乗り物は世の中に多くありますが、電車は唯一、エネルギーを自車に搭載していない乗り物であることは意外と知られていません。

その理由は、電車の走行性能と距離にあります。大重量の乗り物を電気で長時間・長距離動かそうとすると、バッテリーではエネルギー容量が足りないです。発電機では過大な上、発電用のエネルギーを別途用意する必要があります。そのため、長距離を動かす場合は途中で補給しなければなりません。

上記の制約から、電気を流した架線から電気を取り込むことが最も効率的だと判断されました。その発想から、架線より電気を取り込む装置として集電装置が考案されたわけです。

2. 集電装置の変遷

集電装置は電車の実用化から使用されてきました。1895年に開設した日本初の営業用電車にも集電装置は搭載されています。その時の集電装置は、ポール1本のトロリーポールですが、電線が2本架線式になるとともにポール2本のトロリーポールへ代替されます。

しかし、トロリーポールは分岐点では脱線を防ぐため車掌の手動操作が必要です。進行方向変更の際もポールを上げ下げしなければなりません。そのため、技術の進歩に従って次第に廃れます。時代が進むとビューゲルやパンタグラフが登場し、架線や操作面でのさまざまな問題が解決・改善されました。現在は、パンタグラフが広く用いられ、日本ではほとんどがパンタグラフです。

パンタグラフも登場時は外国製のみでしたが、国内メーカーによる試行錯誤の末に国産パンタグラフが主流となりました。現在も改良を重ねて、機能や性能をより向上すべく切磋琢磨しています。

参考文献
https://www.shinkoh-electric.co.jp/pdf/pdf_file/syudensouchi.pdf
http://www.crane-club.com/study/crane/transmission.html
http://www.tawatawa.com/denshanani/page012.html
https://kyotolove.kyoto/I0000145

複動シリンダ

複動シリンダとは複動シリンダ

複動シリンダーは位置決め装置であるシリンダの一つです。円筒形の筒の中にロッドが入っており、圧縮空気を用いて動作を行います。シリンダは主に伸びと縮みの2種類の長さしか位置決めすることができません。

伸び縮みを行う際に、伸びのみ圧縮空気を使用して、戻りは圧縮空気を抜きスプリングで動作させるものを単動シリンダと呼びます。一方伸び縮みどちらも圧縮空気を利用して動作させるものを複動シリンダーと呼びます。

複動シリンダの使用用途

シリンダには様々な種類が存在します。エアーシリンダー、ロボシリンダ単軸ロボットなど様々です。圧縮空気を動力とするエアーシリンダーは複動シリンダーや単動シリンダの総称となります。

ロボシリンダはモーターとボールネジを組み合わせることでストローク量を自在に操ることができます。単軸ロボットはロボシリンダよりも更に重量物を搬送するのに用いられます。

複動シリンダーは圧縮空気を用いる為構造が簡単で、本体も安く軽量です。

複動シリンダの原理

複動シリンダーは円筒形状のシリンダチューブの両端を、ヘッドカバーやロッドカバーで覆っており、これらのカバーを4つのタイロッドを用いて締め付けています。径が小さいシリンダを用いる場合は、タイロッドを使用せずにカバーとねじ込んだりやカシメ結合したりする方法がとられます。チューブの内部にはチューブとはめ合う形のピストンが入っており、ピストンに取り付けられたロッドがロッドカバーを貫通し、外部に力を伝えます。ヘッドカバーやロッドカバーには、シリンダに空気を供給・排給するポートが設けられており、ピス トンの前後に、交互に空気を供給して往復運動を行います。

シリンダの取り付け方法は様々です。取り付け先によって変化します。L型ブラケットを用いて取り付けるフート型、筒のロッド側にフランジが付いているロッドフランジ型、筒のヘッド側(ロッドと反対側)にフランジが付いているヘッドフランジ型、クレビスにより取り付ける一山クレビスや二山クレビスなど様々です。

参考文献
http://kousyoudesignco.dip.jp/air5.html

絶縁支持台

絶縁支持台とは

絶縁支持台は電気を使用する機器の絶縁性を確保するために使用する台です。

台と言ってもテーブルではなく正確にはテーブルの脚の下に装着するパーツです。電気を使用する機器は漏電を起こすと事故になりますが、この時床がグレーチングなど金属で出来ていると電気は床を伝って流れてしまい、他の機器類に影響を与えて最悪の場合は機器の破損のみならず火災や感電事故につながってしまいます。

このような事故を避けるために絶縁支持台が使用されます。

絶縁支持台の使用用途

絶縁支持台は絶縁が必要であるバスバーの支持や制御盤及び分電盤、整流器盤のなどの機器を取り付ける絶縁台などに使用され、絶縁をサポートしています。

絶縁台は壁に固定されているものはともかく、地面に設置する場合には絶縁台の下部に絶縁支持台を取り付けることで地面から少し浮かせて設置した方が安全性は高くなります。

一方で、絶縁支持台はその性質上雨などで濡れてしまう恐れがある野外で露出した状態では使用できません。

絶縁支持台の原理

産業界においては無くそうと努力しても残念ながら事故は起こってしまいますが、その中でも感電事故は起こりやすい事故であると言えます。もちろん使用者の不注意により起こる場合もありますが、設計ミスや安全設備の不備などにより稀に起こってしまいます。電気の事故は感電のみではなく火災が起こることもありますし、短絡等で他の機器に高電圧がかかってしまい破損してしまうなど、損害が大きくなる場合もあります。ですので、電気を使用する際には安全に対して細心の注意を払う必要があります。この事故防止の観点からも絶縁支持台の設置は安全を担保するための重要な器具であると言えます。

絶縁支持台はポリプロピレンなど絶縁性が高い素材で出来ていますので、高い絶縁効果が得られます。そしてネジで締め付けるだけで取り付けられますのでネジ穴を開けるだけで使用が出来るようになり、使いやすくなっています。また、絶縁支持台同士をつなぎ合わせることもできますので、高さ調節もできます。

参考文献
https://denzai39.com/products/detail.php?product_id=6934

標尺

標尺とは

標尺

標尺とは、水準測定、および基礎工事において使用される測量メジャーの1つです。

測定地点の地表に垂直に立てて使用し、定点ごとにメモリを計測することで様々な地形の水平度や丘陵の勾配など地形測量ができる大型の測量道具になります。普通の定規と異なり、そのメモリは独特のキュービックな指標が印刷されており、5mm間隔で板 (またはメジャー) にメモリが打ってあるのが標尺独自のスケールです。

通常、地表における高低差等の土地調査では、標尺とレベルは一対で使用され、精度の高い測量を可能にしています。

標尺の使用用途

標尺の使用用途は、測量調査のほか建築土木の施工、工事です。家屋を建てる前に土地をならしますが、傾きがあっては上物の耐久品質に関わってくるため、精度の高い平面でなくてはいけません。

土地の傾きを調べることを水準測定といいますが、スタッフ (標尺の別称) はその大きな指標です。また建築施工においてもRC基礎配筋工事には、十字形状のクロススタッフや撮影用の影のでにくいリボンスタッフが用いられています。

建築土木関連以外では、金属加工における寸法測定や、製造業での品質管理と製品の寸法確認、教育現場での学生による寸法の学習と実験、デザインとアート制作における寸法計測、家庭用途でのDIYプロジェクトやインテリアデザインにおける測定などが挙げられます。寸法を測定するケースは様々があるため、使用用途に応じて扱いやすい標尺を選ぶことが重要です。

標尺の原理

最大の特徴は、メモリ幅が5mm間隔であることと、メモリの指標が線ではなくキュービック型凹凸で表されている点です。基本計測単位はメートルが基準で85.5cmの高さ表記は0.855と記録されます。一方で、間隔が3mmくらいのときは熟練者の目測で判断されます。

鉄筋コンクリートの施工ではクロススタッフと呼ばれるものを用いて縦横同時に測ることで交差する配筋を高精度で計測できます。土地の測量調査では、日本で最初の地図を作った伊能忠敬の時代から木製標尺がスタンダードです。雨風にはリスクがありますが、酷暑のアスファルト上でも狂いがなく、正確なため現在でも主力戦力です。

屋内、基礎施工では、一段、二段、三段折りタイプがあるスチール製品が軽量で好まれており、伸ばすと5mもの長さに達します。また、強化プラスチックやガラス製の標尺は化学薬品や熱を発する場所での測定に使用されることが多いです。測量時には、標尺を起こしてからブラブラと揺らすことで、レベルからの目測判断で一番ブレの少ない数値を採用します。

標尺の選び方

1. 測定精度と単位の選択

標尺の最も重要な要因は測定精度で、用途に合った十分な精度の標尺を選ぶ必要があります。一般的な標尺はミリメートル (mm) やセンチメートル (cm) 単位で測定しますが、必要に応じてインチ (inch) 単位のものも選べます。例えば、木工や建築の場合には、1mm以下の精度が必要ですが、さらに精密な測定が必要な場合には0.1mm以下の標尺が適切です。

2. 測定範囲の選択

測定対象物のサイズに合わせて、適切な測定範囲を選びます。短い標尺では大きな対象物を測定できないため、必要な測定範囲を確認します。一般的な標尺は15cmから30cmの範囲をカバーしますが、より長いものも利用できますが、長ければ長い分扱いにくさもあるため適切な長さを選択することが重要です。

3. 耐久性と材質

標尺は耐久性が求められるため、ステンレス鋼やアルミニウムなどの堅牢な材質で作られたモデルを選びます。また、刻み目や数字が耐摩耗性のある方式で刻まれているか確認し、長期間の使用に耐える製品を選ぶことが重要です。

4. 扱いやすさ

標尺は扱いやすいことが重要で、読み取りが簡単で見やすい数字や刻み目があるかを確認します。また、標尺の形状や持ちやすさも考慮し、自分に合った使いやすい標尺を選びます。作業着に下げておくといったケースも想定されるため、重量の比較も必要です。

参考文献
https://www.marusok.com/
http://sendainn.blog37.fc2.com/blog-entry-234.html

吊具

吊具とは

吊具

吊り具とは一般に物資、資材を吊り下げて移動、または固定するのに必要な吊り下げ荷重に相応しい耐性を持つ金具部品の総称です。俗にフックと言われているもの原理的に同義になります。

規模の小さいものでは台所のおたま掛けから、建築土木においてクレーン作業で活躍する玉掛け吊り具に至るまで規模も荷重耐性も様々な吊り具があります。

また病院で天井からカーテンレールを吊り下げられていますが、このようなタイプは固定式吊り具と呼ばれています。天井ボードの負荷を分散するためV字型になっているものが多く、頻雑にカーテンを引く病床で重宝されています。

吊具の使用用途

使用用途としては、厨房で調理器具や布巾を引っ掛けるS字フック、天井からアイボルト等の連結金具を用いて吊り金具でホップを提げる屋内向け吊り具などは身近な吊り具使用例です。

材質はプラスチック、針金やスチールなどが軽量向きです。ビル建築現場での鋼鉄資材搬入や工場の資材移送などは鉄鋼製のU型シャックルのようなロックの掛かる大型吊り具が使用されています。

U字型のシャックルは、ねじ込み式とボルト式があり簡単には外れません。鋼鉄資材吊り上げには欠かせない吊り具です。他に玉掛けに相応する吊り具として、フック型、リング型が代表的です。

吊具の原理

吊り具の大きな特徴はその連結部分の形状にあります。脱着が頻繁なもの、ロープなどを間接的に吊る場合は引っ掛ける形状のものが多く使用され、重量のあるものを吊る場合はロック式をとるのが通常です。

U字型のシャックルは、ねじ込み式とボルト式があり簡単には外れません。鋼鉄資材の吊り上げには欠かせない定番の吊り具です。他に玉掛けに相応する吊り具として、フック型、リング型が代表的です。

鋼鉄板など横吊りになるものにはクラップ型という形状の吊り具が使われます。洗濯挟みのようにクラップで4方をかまして吊り上げます。ハッカーなども板材向きに使用されます。

重量のある資材吊りのワイヤーは先端が輪になっており、それを人手で固定、確認することを「玉掛け作業」と呼びます。そこから一般的俗称で「玉掛け吊り具」と呼ばれる場合は形状的なことと合わせ荷重量の大きい資材向けの吊り部品を指している呼称となっています。

天井、天面に固定ビス等を打ち込み、スチールやワイヤーの金具部品を設置したものは「固定吊り具」と呼称されます。

吊具のその他の情報

1. 吊具のスリングとは

吊り具のことを総称してスリングと呼びます。吊り上げる紐という意味では、赤ちゃんをたすき掛けで抱き上げる抱っこ紐のこともスリングと呼ばれます。玉掛け用吊り具としてのスリングの中では、ナイロンなどの合成繊維で作られた帯状の吊り具のことをナイロンスリングと呼びます。玉掛け用吊り具として一般的にはフックやワイヤロープを使用します。しかしながら、吊り上げたい物体にフックをかける吊環がない場合、ナイロンスリングを使用します。

ナイロンスリングは帯状の吊り具です。フックに帯の両端をかけ、帯の中央部で吊り上げる物体を包むように使用します。吊り具としてナイロンスリングを使用するメリットは、吊環がなくても吊り上げられること以外に吊り上げたい物体の表面を傷めないということがあります。また吊り位置を変更することができるため、作業スペースや重心位置にあわせて自由に玉掛けを行うことができます。箱状物体の差し込み作業など、少しずつ吊り位置を変更する必要がある場合にナイロンスリングを吊り具として使用することがあります。デメリットとしては、帯の中心部分に確実に物体を据える必要があります。帯中心部分からズレた位置で吊り上げると、物体が回転する恐れがあるため注意が必要です。

2. 吊具の天秤とは

吊り具の一種として天秤と呼ばれるものがあります。柱やパネル、大きな建設機械など、通常の吊り具では玉掛けが難しい場合や、重心が不安定となる場合に天秤を使用します。

使用方法としては、クレーンのフックに天秤の上部をかけます。そして天秤から吊り下がっている複数のフックを吊り上げたい物体に玉掛けします。天秤からはワイヤだけではなくチェーンブロックを使用することができるタイプもあるため、吊り上げ後の荷物の回転が可能になります。

天秤の吊り具は、言葉の通り1つの柱で天秤上になっているものもありますが、四角形の柱となっているタイプもあるため巨大な物体の玉掛けも可能となります。吊り上げたい物体に合わせて、適切な天秤を選択しましょう。

参考文献
https://www.moetama.biz/knowledge/basic/beginner/entry-131.html
https://www.kondotec.co.jp/techinfo/powersling/
https://r-i.jp/products/

取付板

取付板とは

取付板

取付板とは、工業分野では主に配電盤の取り付けや、積電計、その他メーター類などを固定する際に台座として用いられる工業部品のことを指します。

用途により樹脂プラスチックやステンレスなどの金属材を金型加工したものが販売されています。使用目的別に板の形状や大きさは様々です。

またDIYの界隈などでは、日用品、業務用品をフックする目的でポールや壁に設置するボード類を「取付け板」と呼称する場合があります。要は機器などを設置する為の固定台座のことです。

取付板の使用用途

使用用途は、主に配電盤、電力計算ボックス、スイッチ、他各種メーター機器、計測器、測定器などを固定設置する際に土台として使用されています。

面白い設置部位としては、ゲームセンターのパンチ力を(/kg)測定してデジタル表示する遊具の内部に使われている用例です。ミット部分を強打する瞬発の衝撃から周囲機器を保護、固定する目的で使われています。

主に正確な計測や送力を求められる機器の安定性を保つことや設置強度を高める用途全般に使用されています。

取付板の原理

特徴として、加工される素材はステンレスやスチール材など温度や湿度、衝撃などに左右されにくい金属が多く使われています。又、ボックス型と呼ばれているものは台座と保護箱を兼ねており、箱の中に計器、計測器をインサートする仕様のものがあります。

屋内又は室内において使用されている取付板は樹脂性が多く、通常のプラ板を平面網の目加工したものから、強化プラスチックまであり、価格帯も180円~1000円前後と多種多用な取付板が市販されています。

これらは主に、スイッチやブレーカなどの配電計器、切り替え機器等を固定、保護している他、化粧板としても内装の美観を一助しています。

ポールなどへの設置も可能で、VF、VAケーブルなど隠蔽もできることなどから「取付自在板」という呼称で呼ばれることもあります。

また大昔から走っている京都のレトロな軽車両、列車などでは、木箱型の風情ある計器取付板が牽引車の前方上部壁面でみられました。「神様が入ってる箱」と子供たちの間で謂われており、本当に仏像が安置されていると思い込んでいた外人観光客がいたほどです。交通安全祈願には違い無さそうですが、現在でもどこかのローカル路面電車では見られるかもしれません。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M1500000000/M1505000000/

https://mobile.twitter.com/hankyu_ex/status/558212589571022848

丸ボルト

丸ボルトとは

丸ボルトとは、ボルトの頭部分が丸形状をしており、さらにプラスやマイナス、六角穴などがないボルトのことです。

正式名称は角根丸頭ボルト (英: Cup head square neck bolts) で、根角ボルトと呼ばれることもあります。丸ボルトには六角形状やプラスやマイナス、六角穴など、締結時にボルトを回すために工具と噛み合う形状はありません。

ボルトの首下にある4角形状と締結される部品に設けられた溝形状とが噛み合うことによって、丸ボルトが固定されます。丸ボルトが固定された状態で、丸ボルトの相手となるナットを回すことによって締結します。

一般的にボルトとナットで締め付ける際にはスパナレンチが、ボルトを固定する方とナットを固定する方の両方に必要です。しかし、丸ボルトであれば、ボルトとナットを称する際に通常2本必要なスパナやレンチが1本の工具で済みます。

丸ボルトの使用用途

丸ボルトは、建設現場で使用される場合が多いです。ねじの締め付けが多いような場所で、丸ボルトは真価を発揮します。

例えば、足場を組む際には大量の骨組み同士をボルトとナットで締め付けて組み上げていきます。この際に2本のレンチを使用して締め付けていくと、非常に手間と時間が必要です。

このような場合は、丸ボルトの使用が有効です。ただし、丸ボルトを使用する際には締め付け物に丸ボルトを固定するための穴が開いていないと使えません。

丸ボルトの原理

丸ボルトは、首下に設けられた四角形状が特徴です。首下部分は固定する部品と接するため、固定部品に丸ボルトの四角形状と噛み合う四角穴や長穴を空けておきます。丸ボルトを締結したい場所にセットするだけで、締結作業時に丸ボルトを固定することが可能です。

丸ボルトを固定する穴は長穴になっているのが一般的であり、このことによって位置決めができます。適当な位置に丸ボルトを差し込んで長穴にセットした後に反対側からナットを回して手締めで仮止めをしておき、スパナを使ってナットを締め付けます。

丸ボルトの選び方

丸ボルトがJISで規定されているのは、M6〜M20までのサイズのボルトです。ねじの公差域クラスは6g、強度区分は4.8 、8.8、10.9まで規格化されています。

一般的なねじに関する寸法に加えて、根角の寸法も対角長さと向き合う2辺の幅、四角形状の高さが規定されています。丸ボルトは、必要な強度に見合う呼びサイズと強度区分の丸ボルトを選定し、選んだ丸ボルトにあった長穴を締結する部品に空けておくことが重要です。

また、四角形状の付け根には隅Rがあり、JISでも最大値が規定されています。隅Rが締結部品に乗り上げないよう、長穴の寸法を決定します。

丸ボルトのその他情報

丸ボルトの締め方と緩め方 (外し方)

丸ボルトと六角穴付ボタンボルトは、使用方法が異なります。建設向けの丸ボルトと、産業向けの六角穴付ボタンボルトの違いです。丸ボルトの特徴として、以下の2つが挙げられます。

  • 相手の部品にあらかじめ四角穴を開けておき、四角穴の角に引っかかることにより回り止めにすることが可能
  • 頭部分のエッジがなく緩める穴などが無いため、いたずら防止の目的で使用される

丸ボルトは特殊な方法での締結に対して、六角穴付ボタンボルトは頭部分に六角穴があいており六角棒レンチで締結します。六角穴付ボタンボルトは、丸ボタン同様エッジ部分がないことから家電製品のパネル部分の締結や、産業製品のパネル部分の人間が操作する可能性がある部分によく使用されるボルトです。

参考文献
https://www.tankan-diy-land.com/34498
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221000550869/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110302280450/

ロータリーダンパー

ロータリーダンパーとは

ロータリーダンパーは例えばピアノのカバーなど突然倒れると危険な箇所に設置することで、ゆっくりと倒れるようする器具です。

ドアや蓋など何も処置をしていない場合は力のかかり具合により開閉の速度は異なり、力いっぱい閉めると閉める速度も速くなります。しかし、ロータリーダンパーを使用すると、この閉まる速度は力の賭け具合に係わらずほぼ一定になりますので、安全性が高まると共に閉まる際に出る騒音も軽減する効果が得られます。

ロータリーダンパーの使用用途

ロータリーダンパーは家具の扉や自動販売機の取り出し口のドア、各種機器類や測定器など急に閉まったり開いたりすると怪我や事故を起こして危険な箇所などに使用されています。

ロータリーダンパーを使用するとゆっくりと動作するために衝撃が抑えられますので、ガラスなど衝撃に弱く破損しやすい素材を使用している場合には非常に有効な器具になります。また、ゆっくりと閉まると高級感が得られますので、より高級感を演出するためにも使用されています。

ロータリーダンパーの原理

ロータリーダンパーはシリコンオイルなどの粘性が高い液体が使用されていますが、この粘性の高い液体内でローターを回転させますと液体からローターが抵抗を受けて制動トルクが得られます。液体内では高速で回転すればするほど抵抗が増しますので、この原理を応用するとローターが速く回転すればするほど強い制動トルクが得られますので、扉を閉める力によらずほぼ一定の速度で扉は閉まることになります。

もちろん、液体を使用した単純な機構ですので力によらず完全に速度が一定となるわけではありません。また、温度により液体の粘度も変わりますので、気温の高い夏には粘度が低下しますので閉まる速度は速くなりますし、逆に気温の低い冬には粘度が上昇しますので閉まる速度は遅くなります。

トルクはロータリーダンパーを右回り、左回りのどちらに回しても発生しますが、クラッチを内蔵させたタイプでは一方向のみに制動トルクを発生させることも可能になります。

参考文献
https://www.takachiho-kk.co.jp/prod/mechanical/damper/rotary_sp/