丸ボルト

丸ボルトとは

丸ボルトとは、ボルトの頭部分が丸形状をしており、さらにプラスやマイナス、六角穴などがないボルトのことです。

正式名称は角根丸頭ボルト (英: Cup head square neck bolts) で、根角ボルトと呼ばれることもあります。丸ボルトには六角形状やプラスやマイナス、六角穴など、締結時にボルトを回すために工具と噛み合う形状はありません。

ボルトの首下にある4角形状と締結される部品に設けられた溝形状とが噛み合うことによって、丸ボルトが固定されます。丸ボルトが固定された状態で、丸ボルトの相手となるナットを回すことによって締結します。

一般的にボルトとナットで締め付ける際にはスパナレンチが、ボルトを固定する方とナットを固定する方の両方に必要です。しかし、丸ボルトであれば、ボルトとナットを称する際に通常2本必要なスパナやレンチが1本の工具で済みます。

丸ボルトの使用用途

丸ボルトは、建設現場で使用される場合が多いです。ねじの締め付けが多いような場所で、丸ボルトは真価を発揮します。

例えば、足場を組む際には大量の骨組み同士をボルトとナットで締め付けて組み上げていきます。この際に2本のレンチを使用して締め付けていくと、非常に手間と時間が必要です。

このような場合は、丸ボルトの使用が有効です。ただし、丸ボルトを使用する際には締め付け物に丸ボルトを固定するための穴が開いていないと使えません。

丸ボルトの原理

丸ボルトは、首下に設けられた四角形状が特徴です。首下部分は固定する部品と接するため、固定部品に丸ボルトの四角形状と噛み合う四角穴や長穴を空けておきます。丸ボルトを締結したい場所にセットするだけで、締結作業時に丸ボルトを固定することが可能です。

丸ボルトを固定する穴は長穴になっているのが一般的であり、このことによって位置決めができます。適当な位置に丸ボルトを差し込んで長穴にセットした後に反対側からナットを回して手締めで仮止めをしておき、スパナを使ってナットを締め付けます。

丸ボルトの選び方

丸ボルトがJISで規定されているのは、M6〜M20までのサイズのボルトです。ねじの公差域クラスは6g、強度区分は4.8 、8.8、10.9まで規格化されています。

一般的なねじに関する寸法に加えて、根角の寸法も対角長さと向き合う2辺の幅、四角形状の高さが規定されています。丸ボルトは、必要な強度に見合う呼びサイズと強度区分の丸ボルトを選定し、選んだ丸ボルトにあった長穴を締結する部品に空けておくことが重要です。

また、四角形状の付け根には隅Rがあり、JISでも最大値が規定されています。隅Rが締結部品に乗り上げないよう、長穴の寸法を決定します。

丸ボルトのその他情報

丸ボルトの締め方と緩め方 (外し方)

丸ボルトと六角穴付ボタンボルトは、使用方法が異なります。建設向けの丸ボルトと、産業向けの六角穴付ボタンボルトの違いです。丸ボルトの特徴として、以下の2つが挙げられます。

  • 相手の部品にあらかじめ四角穴を開けておき、四角穴の角に引っかかることにより回り止めにすることが可能
  • 頭部分のエッジがなく緩める穴などが無いため、いたずら防止の目的で使用される

丸ボルトは特殊な方法での締結に対して、六角穴付ボタンボルトは頭部分に六角穴があいており六角棒レンチで締結します。六角穴付ボタンボルトは、丸ボタン同様エッジ部分がないことから家電製品のパネル部分の締結や、産業製品のパネル部分の人間が操作する可能性がある部分によく使用されるボルトです。

参考文献
https://www.tankan-diy-land.com/34498
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221000550869/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110302280450/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です