環境測定器

環境測定器とは

水検出センサーとは、水分子に吸収される長波長の光を使用して、水を検出するセンサーです。

一般的な光電センサーでは、液体を検知・検出することは可能ですが、透明な水では光が透過すると同時に光の減衰量が非常に小さく検知することが困難であり、色のついた水や色の濃度が異なる水などでも減衰量が変わるため、更に検知が困難になります。

一方、この水検出センサーは、水分子に吸収される長波長の光を使用することで、透明な水、色のついた水、色の濃度が異なる水でも検知できることが特徴です。

環境測定器の使用用途

水検出センサーは、一般的な光電センサーの液体検知とは異なり、水分子に吸収される長波長の光を使用して、水を検出するセンサーであることが特徴なため、水を検出する用途で利用されています。

また、霧状の水でも安定して検出できることから、水を使用する生産現場や生産環境でのスプレーによる水洗浄の監視、貯水タンクの液面検出や液面レベルの検出、ペットボトルやガラスなどの透明容器に液が充填されているかを検出するなど、さまざまな水検出の用途で利用されています。

環境測定器の原理

一般的な光電センサーは、水分子によって光を反射や拡散しながらも液体を検知・検出することは可能ですが、透明な水では光が透過すると同時に光の減衰量が非常に小さく検知することが困難であり、色のついた水や色の濃度が異なる水などでも減衰量が変わることで更に検知が困難になります。

一方、水検出センサーは、光電センサーと同様に投光側、受光側のセンサーで構成され、水分子に吸収される長波長の光には、主に1.45um(1450nm)の赤外光が用いられることが特徴です。

この水分子に吸収される長波長の光を水検出センサーに使用することで、透明な水、色のついた水、色の濃度が異なる水でも水分子に光が吸収し遮光されるため、安定して水を検知することができます。この水検出センサーの特徴から、光電センサーでは誤動作しやすい水滴や気泡、小さな気泡が蓄積した泡などの液-成分に水が使用されている場合、同様に水分子に光が吸収し遮光されるため、安定して水を検知することもできます。

参考文献
https://www.takex-elec.co.jp/bundles/takexelecpublic/pdf/library_wartersensor.pdf
https://www3.panasonic.biz/ac/j/fasys/sensor/photoelectric/ez-10/index.jsp

メッシュコンテナ

メッシュコンテナとは

メッシュコンテナ

メッシュコンテナとは、面がメッシュ(網目)構造をしている折りたたみ式のコンテナです。物流業界で使うメッシュパレットと同様の形状をしています。農作業において収穫物を積載し輸送する際に用います。他に似た役割をするものにスチールコンテナがあります。

キャベツやカボチャなど重量のある野菜・果物を積載する際には金属製のメッシュコンテナを使用することが望ましいです。また、プラスチック製のものは安価で手に入りやすいことが特徴です。

メッシュコンテナの使用用途

メッシュコンテナは主に農産物の運搬・保管をする際に使用するコンテナです。主にイモ、タマネギ、キャベツ、カボチャなどの重量物に適しています。内包材(ネット)を使用することで米・麦・大豆など小さな穀物にも対応できます。

各面がピンやハンドルで接続された組み立て式コンテナと、各面がコイルで繋がっている一体式コンテナがあります。どちらも使用しない時は折りたたんで積み重ね、コンパクトに収納できます。展開時でも数段なら積み重ねが可能です。

メッシュコンテナの原理

メッシュコンテナは、畑で収穫した野菜を積載し、そのまま加工場等へ出荷することができます。詰め替え作業を省略して作業効率をアップさせると共に、段ボールなどの資材の経費を削減できるという大きなメリットがあります。

メッシュ構造なので通気性が高く、内容物の腐食・腐敗を防ぐ効果があります。またメッシュ構造は内容物にコンテナの壁が当たる面積とかかる荷重を小さくし、コンテナに詰めることによる傷みを軽減する工夫が施されています。

組み立てが容易、かつ使用しない時には折りたたみ、同型のコンテナなら積み上げてコンパクトに保管しておくことができます。

大きな金属製のメッシュコンテナは大規模な農産品の貯蔵・乾燥・輸送に適しています。小さなプラスチック製メッシュコンテナは取り回しが楽であり、小規模なものであれば収穫から選果、運搬、さらに商品としてお店に並べるまで一貫して使用することができ、作業効率を高くすることができます。

参考文献
https://www.h-seikan.co.jp/container/mesh/

MCU

MCUとは

MCU

MCUとは、「Micro Controller Unit」の略語でマイクロプロセッサと同義です。

コンピュータを構成する要素としてMCU、メモリ、グラフィックスやHDDドライブユニット、イーサネット通信インターフェースなどの入出力装置に分類することができます。

これらの構成要素の中でMCUは、内部に持つ命令を読みだして実行する手段に基づき、メモリに格納された命令群を1つずつ読みだしては実行する装置です。

MCUの使用用途

MCUは、全てのコンピュータに搭載されています。スーパーコンピュータから業務用高性能コンピュータや民生用コンピュータ、さらには我々が日常よく使用しているノートPC、スマートフォンやタブレット端末に至るまで規模は異なりますが、MCUが搭載されています。

また、様々な民生用機器や業務用機器も用途の1つです。具体的には、テレビやレコーダー、各種オーディオ機器、更に車やバイク、業務用の各種測定機器などが挙げられます。これらに搭載されたMCUの多くは、シングルチップマイクロコンピュータとも呼ばれ、夫々の分野や用途に応じて最適な周辺ハードウェア等も取り込み機器の小型化に貢献しています。

MCUの原理

MCUの初期の役割は、メモリ上の命令を読みだして、それを解読し実行することでした。実行とは、加減乗除の演算を行いその結果をメモリに戻すという動作です。

MCUの内部には、理解することのできる命令群と夫々の命令に対して何をしなければならないかということがあらかじめ定められています。メモリ上の命令はMCUにより、メモリ上のアドレスの小さい番地から順次読みだされ、逐次実行されていきます。

演算結果に従い、周辺デバイスに対してデータを出力したり、周辺デバイスからデータを読み込んだりします。

MCUのその他情報

1. MCUの機能

半導体技術の急速な発達に伴い、半導体の微細加工の進展と高度化により、従来はMCUの外側にあったメモリ、グラフィックスや各種インターフェース機能がMCUの内部に取り込まれ、機器の小型軽量化に大きく貢献しています。

グラフィックス機能が内蔵されている場合は、グラフィックスに対してデータを書き込むことにより、その先に接続された液晶ディスプレイやモニタなどに表示されます。また、イーサネット通信機能が内蔵されている場合は、ネットワーク上の自身に対して送られてきたパケットデータを取り込み、内部で解析・演算し、再びネットワーク上へデータを出力します。

2. MCUとMPUの違い

MCUとプロセッサのMPU (Micro Pricessor Unit) は上述した通りどちらもCPUを核として複数の機能や装置を1つにまとめたもので、大きく見ると同じ分類です。MCUとMPUの違いとしては、性能面が挙げられます。

演算ビット数
一度に処理できるデータ幅である演算ビット数に違いがあります。MCUは8〜32ビットであるのに対し、MPUでは32〜64ビットの演算ビット数を持ちます。MCUと比較して、MPUは演算能力が高いです。

動作周波数
MCUの動作周波数は16MHzであるのに対してMPUの多くは400MHz以上です。MPUは、処理速度でもMPUより高速であることがわかります。

消費電力
MCUの消費電力は、1W未満であるものが多いです。MPUの消費電力が数十Wであることと比べるとMCUは消費電力を抑えての使用が可能です。

MCUは性能面でみるとMPUに劣ります。機能面でも汎用的な使用ができるMPUに対し、絞られている特徴があります。低消費電力やコストの低さがMCUのメリットにあたるため、実現したい機能がMCUで実現可能な場合はMCUを選択します。

参考文献
https://www.tel.co.jp/museum/exhibition/principle/microprocessor.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/innovation/mpuworks.html

磁気近接センサー

磁気近接センサーとは

磁気近接センサーとは、磁力を使って検出対象に接触することなくスイッチを開閉します。
主には、リードスイッチ、ホール素子、磁気抵抗素子を使った方式があります。特徴は、非接触で検知が可能、検出距離の調整が簡単(磁力を強くする)、相互干渉がない、寿命が長い、小型であるなどが挙げられます。筐体しだいでは、埃、熱、振動などの他のセンサーでは使用できない環境でも使うことができます。また、木材、プラスチックなどの非強磁性体材料を通過して検知することも可能です。

磁気近接センサーの使用用途

磁気近接センサーの用途は、自動ドア、窓、檻などの開閉の検出を行い、防犯用途などに使われています。工場などでは、組み立てラインの位置検出、自動倉庫の棚の検出、工業用ミシンの位置検出、複写機のカセット位置検出など様々な産業機械に使われています。近年では、工場の無人搬送車を目的地まで誘導するために、使われており、工場の床面にマグネットを設置し、磁力を磁気センサーで検知することで無人搬送車を目的地まで誘導しています。

磁気近接センサーの原理

磁気近接センサの原理には、主にはリードスイッチ、ホール素子、磁気抵抗素子を使った方式があります。以下にそれぞれについて、説明します。

  • リードスイッチ
    -磁石を使ってリードスイッチを動作させて検出します。リードスイッチに磁石などにより磁界が作用することにより接点の開閉が行われます。
  • ホール素子
    -ホール効果と呼ばれる、物質に流れる電流に対して垂直に磁界をかけると、電流方向と磁界方向に垂直な電圧が発生することを利用しています。ホール素子が、磁石から強い磁束密度をうけると閉を検出し、磁石が遠ざかり磁束密度が弱くなると開を検出します。
  • 磁気抵抗素子
    -磁気抵抗効果素子と呼ばれる、磁気が加えられると電気抵抗が変化する素子を利用しています。磁気抵抗素子が磁石などから磁気が加えられて抵抗の増加し開閉が行われます。なお、磁気抵抗素子には、以下の4つの種類があります。
    ・半導体磁気抵抗素子
    ・異方性磁気抵抗素子
    ・巨大磁気抵抗素子
    ・トンネル磁気抵抗素子

参考文献
https://go.alps.jp/l/506151/2018-09-03/sx9dz
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/knowledge/prox/magnetic_type/principle_structure.html
https://www.akm.com/jp/ja/technology/technical-tutorial/basic-knowledge-magnetic-sensor/magnetic-sensor/

角速度センサー

角速度センサーとは

角速度センサー

角速度センサーとは、物体の回転運動や向きの変化を計測するセンサーです。

ジャイロセンサーとも呼ばれます。物体が回転する際の角速度の変化を電気信号に変換し、その情報を取得します。角速度センサーは高い応答性を持ち、物体の動作や回転をほぼリアルタイムで検出可能です。

これにより、リアルタイムの制御や反応性を持つ応用用途に利用できます。また、最新の角速度センサーは非常に小型であり、コンパクトなデバイスに統合することも可能です。

ただし、振動や衝撃などの外部要因が角速度センサーの計測に影響を及ぼすことがあります。特に高精度な測定が求められる場合、これらの外乱を最小限に抑える対策が必要です。

角速度センサーの使用用途

角速度センサーは、近年ではさまざまな機器に使用されています。以下にその一例を示します。

1. 自動車

自動車の安定性制御システムでは、角速度センサーを使用して車両のスリップ角や偏位を検出することが可能です。これにより、路面状況や運転条件に応じて個々の車輪のトルクを制御し、車両の安定性を向上させます。

また、運転支援システムでは車両の傾きや急旋回などの情報を利用して、適切な制御を行うことで安全性を高めることが可能です。

2. スマートフォン・タブレット

スマートフォンやタブレットの角速度センサーは、デバイスの傾きや回転を検出して画面の向きや視点を自動的に調整します。ユーザーがデバイスを傾けると、これに対応して画面が回転するなどの機能を提供することが可能です。

また、モーションセンサーゲームや仮想現実体験においても、デバイスの動きをリアルタイムに反映させるために使用されます。

3. ゲームコントローラー

ゲームコントローラーはプレーヤーの動きや傾きを検出して、ゲーム内のキャラクターに反映させる場合も多いです。これにより、よりインタラクティブなゲームプレイが可能となります。

4. 産業用ロボット

ロボットは正確な動作を実現するために、自身の姿勢と動きを正確に把握することが必要です。角速度センサーはロボットの関節や部品の角速度を検出し、リアルタイムのフィードバックを通じてロボットの運動を制御します。これにより、高精度な位置決めや作業を行うことが可能になります。

角速度センサーの原理

角速度センサーは、回転機械式、光学式、静電容量式などの方式があります。

1. 回転機械式

回転する物体に働く見かけの力 (コリオリ力) を利用して検出する星器です。回転する物体に角速度を与えると回転軸を傾けようとするトルクが発生します。このトルクを検出することで角速度の検出が可能です。

2. 光学式

サニャック効果によって検出する方式です。回転する円形の光路を回転方向に沿って光が1周する時間と、逆方向に1周する時間に差が発生することを利用します。これにより、光の周波数や光の強度などから角速度を算出することが可能です。

3. 静電容量式

可動電極と固定電極がある場合に、可動電極が動くことによる静電容量の変化によって角速度を測定する方法です。高精度な角速度計測が可能であり、航空宇宙や産業分野などで使用されています。

角速度センサーの選び方

角速度センサーを選ぶ際に、考慮すべきポイントは以下の通りです。

1. 寸法

用途に合ったコンパクトなサイズのセンサーを選ぶことが重要です。特に携帯機器や小型デバイスに組み込む場合、センサーの寸法は制約要因になることがあります。選択肢を検討する際に、センサーの寸法が用途に適しているか確認します。

2. 動作電圧

センサーの動作電圧は、使用する電源に合わせて選ぶことが必要です。一般的に低電圧で動作するセンサーが多く、バッテリー駆動のデバイスに適しています。動作電圧が制御電圧と一致することを確認することが重要です。

3. 測定範囲

センサーの測定範囲は、センサーが正確に測定できる角速度の範囲を示します。必要な角速度の幅に合わせて選択します。過度に広い測定範囲を持つセンサーは精度が低くなる可能性があるため、適切な範囲を選ぶことが重要です。

4. 出力信号

角速度センサーの出力信号は、アナログまたはデジタルであることがあります。アナログ出力は連続的な値を提供し、デジタル出力はディジタルフォーマットで値を出力することが可能です。制御装置とのインターフェースに合わせて選択します。

角速度センサーのその他情報

角速度センサーと加速度センサーの違い

角速度センサーと加速度センサーは、いずれも慣性空間の動きを検出するセンサーの一種です。ただし、測定する動作が異なります。角速度センサーは対象物の回転や向きの変化を検知し、加速度センサーは対象物の移動速度を検知するセンサーです。

それぞれの検知センサーのみで複雑な動きは検知できず、両方のセンサーを活用した機器が多いです。センサーを2、3 軸と多角的に配置することで、より精度高く動きを検知できます。ただし、センサーを増やしすぎるとセンサーの設置スペースやコストが増加するため注意が必要です。

参考文献
https://mems.tamagawa-seiki.com/tec_info/
https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/automotive_gyro.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejsmas1995/116/4/116_4_131/_pdf
https://go.alps.jp/l/506151/2018-09-03/sx9dz
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/knowledge/prox/magnetic_type/principle_structure.html
https://www.akm.com/jp/ja/technology/technical-tutorial/basic-knowledge-magnetic-sensor/magnetic-sensor/
https://www.jae.com/Motion_Sensor_Control/Description/
https://industrial.panasonic.com/jp/ss/technical/b14
https://ednjapan.com/edn/articles/1406/09/news014.html https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/gyro/check.html
https://04510.jp/times/articles/-/2225?page=1
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/1913/

 

液体用ポンプ

液体用ポンプとは

液体用ポンプ

液体用ポンプとは、液体を移動させるために使用される装置です。

ポンプは一般的に液体を対象とする装置のため、ほとんどのポンプが液体用ポンプです。液体を吸い上げて圧力をかけ、それを配管や管などを通して別の場所に送り出す役割を果たします。液体用ポンプは、液体を効率的に吸い上げて送り出すことが可能です。

水や化学薬品、石油などのさまざまな液体に対応しています。また、現代の液体用ポンプは自動化技術に対応しており、センサーや制御装置と連携して自動的に運転・制御できる場合が多いです。遠隔制御も可能であるため、遠隔地からの監視や操作ができます。

ただし、液体の性質や使用目的に応じて適切な種類を選択することが重要です。誤ったポンプの選択は性能の低下や故障の原因となる可能性があります。

液体用ポンプの使用用途

液体用ポンプの使用用途を挙げると、枚挙に暇がありません。以下は液体用ポンプの使用用途一例です。

1. 水道

一般家庭や工業用途での水の供給にポンプが使用されます。井戸水や地下水をくみ上げて、建物や農地への給水を行います。また、水の浄化や排水処理にもポンプが使用され、汚水の排出や浄水プラントの運転などに利用されることが多いです。

2. プラント

石油やガスの採掘や輸送などにおいてポンプが必要です。特に原油や重油の輸送には高圧のポンプが使用されます。また、化学プラントにおいてもさまざまな液体や薬品を処理するための特殊な材質のポンプが用いられます。

3. 食品加工

 食品や飲料の容器に液体を充填する際に使用されます。粘度の高い液体にも適用することが可能です。また、ジュースや調味料などの液体を果実や原料から搾り出す圧搾ポンプとしても使用されます。

液体用ポンプの原理

液体用ポンプの中で共通する基本的な原理は、「ポンプが液体を吸い上げて圧縮し、それを別の場所に送り出す」という点です。全ての液体用ポンプは液体を吸い上げる機構を持っています。ポンプ内で空間を作り、液体をその空間に引き込むことで行われます。ポンプ内の圧力低下により液体が吸い上げられます。

吸い上げた液体は、ポンプ内で圧力をかけられます。この圧縮によって液体のエネルギーが増加し、送液を行うのに必要な圧力を得ることが可能です。

圧縮された液体は、ポンプ内の排出口から別の場所に送り出されます。液体の流れを制御するために、バルブや弁が使用されることもあります。

液体用ポンプの種類

液体用ポンプにはさまざまな種類が存在します。以下は液体用ポンプの種類一例です。

1. ギアポンプ

ギヤが互いにかみ合って液体を移動させるポンプです。1つのギヤが回転すると、従動するギヤも同時に回転します。歯車の間の空間が液体を吸い上げ、回転するギヤによって液体が圧縮されて排出口に送られます。

粘性のある液体を効率的に移動させることが可能です。潤滑油や燃料の供給に広く使用されています。

2. ピストンポンプ

ピストンとシリンダーの組み合わせによって、液体を移動させるポンプです。ピストンがシリンダー内を往復運動することで液体が吸い上げられ、シリンダー内の圧力が変化します。ピストンの動きによって液体が圧縮され、排出ポートから送り出されます。

高圧での使用や正確な流量制御が必要な場合に有利です。粘度の高い液体などに広く使用されます。

3. ダイヤフラムポンプ

可動するダイヤフラムを用いて液体を吸い上げ、圧縮して排出するポンプです。ダイヤフラムは液体との接触部を密封することが可能です。したがって、薬品や腐食性のある液体、固形物を含む液体など、特殊な液体の取り扱いに適しています。

4. 渦巻ポンプ

液体を回転する羽根によって吸い込み、遠心力によって液体を外側に押し出すポンプです。羽根の形状により、液体がポンプ内で渦巻状に流れます。この特性により、液体がゆっくりとポンプ内を回転しながら移動するため、固形物の凝集が防止可能です。

流量が多く必要であり、圧力をそれほど必要としない用途に使用されることが多いです。

参考文献
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/a3a.html
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/a1b.html

超硬ボールエンドミル

超硬ボールエンドミルとは

超硬ボールエンドミル

超硬ボールエンドミル (英: everloy-cemented-carbide ball end mill) とは、超硬材で作られたエンドミル工具の先端が、球状の刃先をした切削工具です。

超硬は超硬合金とも呼ばれ、非常に硬い合金です。炭化タングステン炭化チタンなどを鉄に添加し、高温で粉末焼結により押し固めて製造します。

ボールエンドミルは、側面と片側端面に刃があり、端面側がボール状になっています。複雑な曲面加工が可能です。超硬材のエンドミルは、主にマシニングセンタの工具に使用されます。

超硬ボールエンドミルの使用用途

ボールエンドミルは、曲面形状を成形する切削加工に適しています。そのほか、底面の角部に部品やゴミが貯まらないようにするためのフィレット部や、液体の流路としてのかまぼこ状の溝の加工にも使われています。

具体的な用途は、射出成形型・レンズ型などの金型類、モデリング、小物部品などの形状加工です。切削工具の先端が球面の特徴があり、複雑な曲面加工が可能です。ただし、底面のコーナー部をシャープなエッジにする切削加工には向きません。

ボールエンドミルによる切削加工は、プレス加工などの塑性加工と比較すると、切削加工は寸法精度が高く、複雑な切削加工が可能です。

超硬ボールエンドミルの原理

超硬ボールエンドミルは、ボール状の刃先を使って、曲面加工ができます。さらに、NC工作機械と併用することで複雑な3次元の曲面の加工が可能です。

ボールエンドミルは、刃先の断面積が小さいため剛性が大きくありません。したがって、刃こぼれが生じやすいので注意が要ります。切削工具用の超硬合金は、P種、M種、K種の3つの用途分類があります。

1. P種

P種は耐熱性、耐溶着性が優れており、炭化チタンTiC、炭化タンタルTaCなどを多く含みます。クレーターや熱亀裂といった熱的損傷に強い合金です。主な用途は、鋼、合金鋼、ステンレスなどの加工です。

2. M種

M種は炭化チタンTiC、炭化タンタルTaCなどを適度に含み、熱的、機械的損傷ともに強い合金です。主な用途は、ステンレス、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄などの加工です。

3. K種

K種は強度に優れる炭化タングステンWC主体の合金です。特にすきとり磨耗のような機械的損傷に強い特性があります。

主な用途は、鋳鉄、非鉄金属、非金属などの加工です。一方、硬いがために、ねばさが少なく折れやすい性質もあります。圧縮には強いが、引っ張り、横からの力には弱いのが欠点です。

超硬ボールエンドミルの特徴

長所

  • プレス加工などのせん断加工に比べて、エンドミルによる切削加工は寸法精度が優れています。
  • 通常のエンドミルとは異なり、刃が丸いことから、エッジ部分を無くし複雑な曲面の加工が可能です。ボールエンドミルの球半径以上の曲率半径であれば曲面を自在に成形することができます。
  • ダイヤモンドコーティングを使えば、さらに高度を上げて、超硬材の加工が可能になります。
  • 刃先が摩耗すれば再研磨可能で、経済的です。

短所

  • エンドミル加工は、除去する部分が多くなるため、材料の歩留まりは悪くなります。
  • 加工面が波形状になることで、表面にばらつきが発生する場合があります。そのため、塗りつぶすように加工するので、加工時間がかかります。
  • 底面の角部の直角加工ができません。また、切削くずの排出性が悪いです。

超硬ボールエンドミルの種類

超硬ボールエンドミルには、構造面から分けると、一体型、刃先分離型、ろう付け型の3種類があります。

1. 一体型

一体型は、シャンクから刃先までが一体になっているエンドミルです。剛性が高いため高精度の加工が可能です。また、摩耗しても再研磨・再コーティングして使うことができます。

2. 刃先分離型

刃先分離型は、インサートと呼ばれる刃先をねじや押さえ金で固定するタイプです。超硬素材を部分的に使いことで、価格を下げています。特徴は、刃先が摩耗したとき新品と交換できることです。

3. ろう付け型

ろう付け型は、シャンクに超硬の刃をろう付けしたエンドミルです。低価格タイプです。

参考文献
https://sakusakuec.com/shop/pg/1endmill03/
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_processing/mp01/a0239.html

可変抵抗

可変抵抗とは

可変抵抗

可変抵抗は回路を設計する上で基本的な素子として電気回路や電子回路ではよく使われます。抵抗体と抵抗体の表面を移動する摺動子(しゅうどうし・ワイパー)からできており、摺動子の移動により抵抗値を自在に可変できる特徴を有します。

可変抵抗のことをポテンショメーター(potentiometer)と英語圏の方々では呼んでいます。
従って、海外に合わせるわけでもありませんが、言いやすさもあり本稿では、可変抵抗をポテンショメーターと言い換えて以下では説明します。

様々な電子機器において使用されており、特にオーディオ機器の調節ボリュームとしての使用を代表的な一例として挙げることができます。

構造が単純でありながら性能もそこそこ良く低コストであることから便利に使用されています。このようにそこそこ性能が良いという反面で、可動部があるため摩耗により抵抗値が変化する欠点があげられます。

このようなポテンショメーターのデメリットを許容できない場合は、コスト的には高くなりますがデジタル式のソリューションを選択する方法もあります。

可変抵抗の使用用途

ポテンショメーターは、電流の量を調整したり電圧を調整したりする働きがあります。

自由に好きな抵抗値に設定することができるという特徴を生かしポテンショメーターは以上のような回路上の役割を果たしています。

このような機能を利用して民生用機器としてはオーディオ機器の音量制御等の各種ボリューム調節用として使用されたり、ゲーム機のコントローラ等にも使用されています。

さらに、もう一つの機能として変位センサの役割をポテンショメーターは持っています。
被測定物までの距離や寸法などの測定が可能なものを変位センサと言います。
車などのワイパを動かしてその位置が変化した場合、この変位センサの機能を使い距離や寸法などを測定することが可能です。

安価で比較的精度も高いポテンショメーターは、我々が良く利用する機器や装置をはじめとして、産業機器向けの用途としても使用されており、例えば、船舶機器や医療機器、更には建築機械、工作機械などにも使用されています。

可変抵抗の原理

ポテンショメーターは摺動子(可動部)が抵抗体の上を動いて移動した場合、抵抗体の停止した場所により抵抗値が決まります。このように構造およびメカニズムがシンプルであることから製作コストをかけずに作ることができます。

一定の電圧を抵抗体から出ている2つの端子にかけ、3本目の端子から摺動子(ワイパー)の移動する位置により異なる出力がなされます。抵抗体の表面に均一な抵抗物が塗られているため、長さあたりの抵抗値は同じになるため、摺動子(ワイパー)の移動位置で抵抗値は確定します。

以上の仕組みを利用し、実際に出力された電圧から変位量を測定します。この測定結果を変位センサとして利用したりします。
さらに、システムコントローラにアナログ量を入力して制御させたり、サーボモータの出力状態の検出などに使われます。

ポテンショメーターはリニア(リニア型)ポテンショメーターとロータリー(回転可変型)ポテンショメーターがあります。前者は直線上の位置を検出するもので、後者は回転角度を検出するものです。

単回転型と多回転型とがロータリー型(回転可変型)にはあります。これは導電性プラスチックを使用しているものなどがあります。

精度を高める目的で、抵抗値の変化が移動量に対してリニアになるように慎重に製作されています。
他の分類方法として接触型と非接触型があります。
接触式にはセラミック(ceramics)と金属(metal)を混合したサーメット(cermet)抵抗素子型、巻線抵抗素子型およびコンダクティブプラスチック(Conductive plastic)抵抗素子型などの種類があります。

以上の通り説明してきたポテンショメーターに対して、デジタルポテンショメーターがあります。以下に簡単に触れておきます。

コントローラー側でアナログ方式のポテンショメーターの摺動部を設定する電子部品がデジタルポテンショメーターです。IC内部に存在する集合抵抗をコントローラーからの制御で切り替えていきます。可動部がないため摩耗することがなく、高精度の抵抗値を安定して得ることができ、ノイズも発生しません。寿命が長く高性能という特徴があります。

アナログ方式およびデジタル方式のポテンショメーターには夫々の特徴がありますので、使用する回路で要求されるスペック、コストを考え、いずれを使うべきかの判断を行う必要があります。

参考文献
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/analog_devices/115321/
https://www.aor.co.jp/glossary/syllabary/potentiometer/
https://engineer-education.com/variable-resistor/
https://book.mynavi.jp/files/topics/56029_ext_90_0.pdf
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/2814/

ボーリングバー

ボーリングバーとは

ボーリングバー

ボーリングバーとは、工作機械を使用してボーリング加工を行う際に用いられる工具です。

一枚刃のバイトと寸法調整ネジから構成されています。ボーリング加工とは、あらかじめドリルによって空けられた下穴に誤差0.05mm以内といった精度の内径加工を施す仕上げ加工のひとつで、精密な穴加工をするときに用いる加工方法です。

エンドミルの円弧補間による穴仕上げよりもバックラッシ (歯車間の遊び) が発生しにくく、真円度が確保しやすい特徴があります。

ボーリングバーの使用用途

主にH7やH6公差の精密な穴加工をするときに使用します。エンドミルよりも高い面粗度と真円度を確保できるため、公差が厳しい加工に対応できるためです。

工業製品の分野において、ボーリング加工は必要不可欠であり、具体的にはエンジンやトランスミッションなどに使われる接合部、シャフトを通す歯車の穴において幅広く使われる加工方法です。

また、穴の精度を向上させるほどがたつきが少なく耐久性も向上していくため、日常で使用する機械の接合部分にもボーリング加工を施しています。

ボーリングバーの原理

ボーリングバーは、チップ取替式 (スローアウェイチップ) の刃物と寸法を調整するためのネジで構成されています。ネジを六角レンチで回すことでチップの位置を動かすことができるので、あらかじめ空けた下穴に合わせて調整してから加工します。

ボーリングバーを用いた加工で注意するポイントは、貫通後のプログラムです。主軸が回転したまま加工点まで戻ると仕上げ面に螺旋状の傷がついてしまうので、必ず主軸の回転を停止し、刃先が仕上げ面に触れないよう逃がしてから加工点に戻します。このときの穴加工プログラムはGコードのG76を用いるので、マシニングセンタを使用するときはG76を使用してボーリング加工をするのが理想です。

同じく精密な穴加工にリーマを用いることもありますが、リーマは小径の加工に適しており、経済面においてはリーマに軍配が上がります。それに対してボーリングは直径20mm以上の穴加工に対応しますが、ボーリングバーは高価であるため、コストがかかることがデメリットです。

ボーリングバーの種類

ボーリングバーは大きく分けて2種類あります。

1. ハイスボーリングバー

15mm以下の穴の仕上げは、一般公差のみの仕上げで用いる荒加工で使われます。靭性が高いため衝撃に強い反面、高速加工に適しておらず仕上げ面においても超硬に比べ振動によるビビりが発生し粗くなりがちなので、使われる場面は限定されます。h7などの公差仕上げの場合、直径15mm以上の穴で用います。

2. 超硬ボーリングバー

ハイスよりも硬度の高い素材で構成されたボーリングバーで、精密加工において広く用いられています。一般公差の荒加工で用いると折れやすいため、15mm以下の公差穴に使用します。ハイスのボーリングバーより高価ですが、公差が安定しやすく時間が短縮できるので長期的には安価です。

デメリットは靭性が低く衝撃に対して脆いため、突く方向によっては折れてしまう可能性があります。早送りを多用しすぎないなど、衝撃を避けるような加工方法を考える必要があります。

ボーリングバーのその他情報

ボーリングバーの調整方法

ボーリングバーの調整は、バーに組み込まれている調整ネジを回して寸法調整をします。

ネジのクランプを外し、目盛りを見ながら時計回りにネジを回すことで寸法を拡大していきます。調整ネジを反時計回りに回すと縮小しますが、ネジ間の遊び (バックラッシ) がある関係で目盛りと異なる寸法になる可能性が高いため注意が必要です。

また、ボーリングバーの種類によっては目盛りがデジタル表記になっているものもあり、目盛りの読み間違えや目盛りを注視する手間が省けるメリットがありますが、価格が高価な点がデメリットです。アナログ同様、実際の表示と寸法は必ずしも一致しないので微調整の手間はどちらも変わりません。

CPUファン

CPUファンとは

CPUファン

CPUファンとは、熱暴走を防止するためにCPUを冷却する送風機です。

CPU (Central Processing Unit) は、中央演算処理装置と呼ばれる部品です。パソコンで行われる多くの処理を担うことから、非常に負荷がかかって発熱します。

複数もしくは複雑な処理が必要な場合は、CPUの温度が80℃まで上昇し熱暴走の危険が伴います。熱暴走が発生するとCPUに致命的な欠陥が生じるだけでなく、他のパーツにも悪影響を及ぼします。こうしたトラブルを防ぐために、CPUファンで熱伝導率の高いヒートシンクを冷却し、正常な動作をサポートしています。

CPUファンの使用用途

CPUファンは、コンピュータを構成する上で必須部品であるCPUの冷却用途に使用されます。正確にはCPUを直接冷却せずに、CPUと接続したヒートシンクを冷却して間接的に吸熱しています。そのため、ヒートシンクの材料には熱伝導率の高いステンレスやアルミ、をはじめとした金属板が使用されます。

CPUファンの原理

CPUファンはフレーム、モーター、羽根車などによって構成されます。フレームは、ポリカーボネートなどのプラスチック樹脂やアルミニウムで構成されます。四隅に取付穴を開けたフレームが一般的で、形状は真円形や正方形です。

モーターは、羽根車を駆動させる動力装置です。コンピュータの電源装置がDC電源であり、ノイズを発生させづらいことからDCモーターが一般的です。一般的にはDC12V仕様のモーターが使用されます。羽根車はフレームと同様の材質で、複数枚の羽根を持ちモータを動力に回転・送風します。

CPUファンの種類

CPUファンは冷却方法に応じて空冷式と水冷式の2種類に分けられます。

1. 空冷式CPUファン

CPU上にヒートシンクを設置してCPUファンで冷却するタイプです。CPUで発生した熱をヒートシンクが吸熱して冷却します。ファンを大きくすれば冷却効果が高い反面、回転音が大きくなるため、適切なファンを選定することが重要です。構造が簡単で安価なため、ほとんどのコンピュータで採用されます。

2. 水冷式CPUファン

ラジエータで冷却した水を熱交換器に循環させて冷却します。高解像度でハイスペックなパソコンやスーパーコンピュータに使用されます。冷却性能が非常に高い反面、大きなスペースが必要な上に高価です。

CPUファンのその他情報

1. CPUファンの回転数

CPUの性能を最大限に発揮しつつ、静音性を保つためにはCPUファンの回転数制御が重要です。PCの基本ソフトウェアであるBIOSにて、CPUファンの制御に関する設定を行うことができます。

CPUファンの回転数は温度による自動制御が一般的です。CPU温度に応じて回転数を上下するように自動で制御されます。手動で制御するように設定することも可能です。また、CPUファンと合わせてケースファンも活用することで、効率的にPCの内部温度を低減できます。

近年のCPUやヒートシンクは性能も向上しており、ファンの回転数を低めに設定しても熱暴走が発生しにくくなっています。CPUファンの音がうるさいと感じる場合は、設定を変更して回転数を下げることで改善する可能性があります。 

2. CPUファンの掃除方法

CPUファンの利用を続けると、PC内部に存在するホコリやゴミによって次第に汚損します。CPUファンに汚れがたまると冷却性能が低下してCPUが熱暴走する可能性が高まるため、定期的な清掃が必要です。

特に注意して掃除すべきなのはスリット部分にたまったゴミです。ヒートシンクの隙間部分がゴミでふさがるとファンの送風が滞ってしまい、冷却性能が低下します。

また、冷却効果はCPUファンとヒートシンクの間に塗られたグリスにも依存します。グリスは熱伝導率の高い素材を使用し、定期的な塗り直しが必須です。CPUファンの掃除を行う際には、あわせてCPUとの接続部分のグリスもふき取って新しいグリスを塗布します。劣化したグリスを使い続けると、CPUに対する冷却性能が低下します。

参考文献
https://www.4900.co.jp/smarticle/11502/
http://jisaku-pc.net/speed/bios_05.html
https://www.pc-master.jp/jisaku/fan.html