角速度センサー

角速度センサーとは

角速度センサー

角速度センサーとは、物体の回転運動や向きの変化を計測するセンサーです。

ジャイロセンサーとも呼ばれます。物体が回転する際の角速度の変化を電気信号に変換し、その情報を取得します。角速度センサーは高い応答性を持ち、物体の動作や回転をほぼリアルタイムで検出可能です。

これにより、リアルタイムの制御や反応性を持つ応用用途に利用できます。また、最新の角速度センサーは非常に小型であり、コンパクトなデバイスに統合することも可能です。

ただし、振動や衝撃などの外部要因が角速度センサーの計測に影響を及ぼすことがあります。特に高精度な測定が求められる場合、これらの外乱を最小限に抑える対策が必要です。

角速度センサーの使用用途

角速度センサーは、近年ではさまざまな機器に使用されています。以下にその一例を示します。

1. 自動車

自動車の安定性制御システムでは、角速度センサーを使用して車両のスリップ角や偏位を検出することが可能です。これにより、路面状況や運転条件に応じて個々の車輪のトルクを制御し、車両の安定性を向上させます。

また、運転支援システムでは車両の傾きや急旋回などの情報を利用して、適切な制御を行うことで安全性を高めることが可能です。

2. スマートフォン・タブレット

スマートフォンやタブレットの角速度センサーは、デバイスの傾きや回転を検出して画面の向きや視点を自動的に調整します。ユーザーがデバイスを傾けると、これに対応して画面が回転するなどの機能を提供することが可能です。

また、モーションセンサーゲームや仮想現実体験においても、デバイスの動きをリアルタイムに反映させるために使用されます。

3. ゲームコントローラー

ゲームコントローラーはプレーヤーの動きや傾きを検出して、ゲーム内のキャラクターに反映させる場合も多いです。これにより、よりインタラクティブなゲームプレイが可能となります。

4. 産業用ロボット

ロボットは正確な動作を実現するために、自身の姿勢と動きを正確に把握することが必要です。角速度センサーはロボットの関節や部品の角速度を検出し、リアルタイムのフィードバックを通じてロボットの運動を制御します。これにより、高精度な位置決めや作業を行うことが可能になります。

角速度センサーの原理

角速度センサーは、回転機械式、光学式、静電容量式などの方式があります。

1. 回転機械式

回転する物体に働く見かけの力 (コリオリ力) を利用して検出する星器です。回転する物体に角速度を与えると回転軸を傾けようとするトルクが発生します。このトルクを検出することで角速度の検出が可能です。

2. 光学式

サニャック効果によって検出する方式です。回転する円形の光路を回転方向に沿って光が1周する時間と、逆方向に1周する時間に差が発生することを利用します。これにより、光の周波数や光の強度などから角速度を算出することが可能です。

3. 静電容量式

可動電極と固定電極がある場合に、可動電極が動くことによる静電容量の変化によって角速度を測定する方法です。高精度な角速度計測が可能であり、航空宇宙や産業分野などで使用されています。

角速度センサーの選び方

角速度センサーを選ぶ際に、考慮すべきポイントは以下の通りです。

1. 寸法

用途に合ったコンパクトなサイズのセンサーを選ぶことが重要です。特に携帯機器や小型デバイスに組み込む場合、センサーの寸法は制約要因になることがあります。選択肢を検討する際に、センサーの寸法が用途に適しているか確認します。

2. 動作電圧

センサーの動作電圧は、使用する電源に合わせて選ぶことが必要です。一般的に低電圧で動作するセンサーが多く、バッテリー駆動のデバイスに適しています。動作電圧が制御電圧と一致することを確認することが重要です。

3. 測定範囲

センサーの測定範囲は、センサーが正確に測定できる角速度の範囲を示します。必要な角速度の幅に合わせて選択します。過度に広い測定範囲を持つセンサーは精度が低くなる可能性があるため、適切な範囲を選ぶことが重要です。

4. 出力信号

角速度センサーの出力信号は、アナログまたはデジタルであることがあります。アナログ出力は連続的な値を提供し、デジタル出力はディジタルフォーマットで値を出力することが可能です。制御装置とのインターフェースに合わせて選択します。

角速度センサーのその他情報

角速度センサーと加速度センサーの違い

角速度センサーと加速度センサーは、いずれも慣性空間の動きを検出するセンサーの一種です。ただし、測定する動作が異なります。角速度センサーは対象物の回転や向きの変化を検知し、加速度センサーは対象物の移動速度を検知するセンサーです。

それぞれの検知センサーのみで複雑な動きは検知できず、両方のセンサーを活用した機器が多いです。センサーを2、3 軸と多角的に配置することで、より精度高く動きを検知できます。ただし、センサーを増やしすぎるとセンサーの設置スペースやコストが増加するため注意が必要です。

参考文献
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https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/automotive_gyro.pdf
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https://www.jae.com/Motion_Sensor_Control/Description/
https://industrial.panasonic.com/jp/ss/technical/b14
https://ednjapan.com/edn/articles/1406/09/news014.html https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/gyro/check.html
https://04510.jp/times/articles/-/2225?page=1
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/1913/

 

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