MCUとは
MCUとは、「Micro Controller Unit」の略語でマイクロプロセッサと同義です。
コンピュータを構成する要素としてMCU、メモリ、グラフィックスやHDDドライブユニット、イーサネット通信インターフェースなどの入出力装置に分類することができます。
これらの構成要素の中でMCUは、内部に持つ命令を読みだして実行する手段に基づき、メモリに格納された命令群を1つずつ読みだしては実行する装置です。
MCUの使用用途
MCUは、全てのコンピュータに搭載されています。スーパーコンピュータから業務用高性能コンピュータや民生用コンピュータ、さらには我々が日常よく使用しているノートPC、スマートフォンやタブレット端末に至るまで規模は異なりますが、MCUが搭載されています。
また、様々な民生用機器や業務用機器も用途の1つです。具体的には、テレビやレコーダー、各種オーディオ機器、更に車やバイク、業務用の各種測定機器などが挙げられます。これらに搭載されたMCUの多くは、シングルチップマイクロコンピュータとも呼ばれ、夫々の分野や用途に応じて最適な周辺ハードウェア等も取り込み機器の小型化に貢献しています。
MCUの原理
MCUの初期の役割は、メモリ上の命令を読みだして、それを解読し実行することでした。実行とは、加減乗除の演算を行いその結果をメモリに戻すという動作です。
MCUの内部には、理解することのできる命令群と夫々の命令に対して何をしなければならないかということがあらかじめ定められています。メモリ上の命令はMCUにより、メモリ上のアドレスの小さい番地から順次読みだされ、逐次実行されていきます。
演算結果に従い、周辺デバイスに対してデータを出力したり、周辺デバイスからデータを読み込んだりします。
MCUのその他情報
1. MCUの機能
半導体技術の急速な発達に伴い、半導体の微細加工の進展と高度化により、従来はMCUの外側にあったメモリ、グラフィックスや各種インターフェース機能がMCUの内部に取り込まれ、機器の小型軽量化に大きく貢献しています。
グラフィックス機能が内蔵されている場合は、グラフィックスに対してデータを書き込むことにより、その先に接続された液晶ディスプレイやモニタなどに表示されます。また、イーサネット通信機能が内蔵されている場合は、ネットワーク上の自身に対して送られてきたパケットデータを取り込み、内部で解析・演算し、再びネットワーク上へデータを出力します。
2. MCUとMPUの違い
MCUとプロセッサのMPU (Micro Pricessor Unit) は上述した通りどちらもCPUを核として複数の機能や装置を1つにまとめたもので、大きく見ると同じ分類です。MCUとMPUの違いとしては、性能面が挙げられます。
演算ビット数
一度に処理できるデータ幅である演算ビット数に違いがあります。MCUは8〜32ビットであるのに対し、MPUでは32〜64ビットの演算ビット数を持ちます。MCUと比較して、MPUは演算能力が高いです。
動作周波数
MCUの動作周波数は16MHzであるのに対してMPUの多くは400MHz以上です。MPUは、処理速度でもMPUより高速であることがわかります。
消費電力
MCUの消費電力は、1W未満であるものが多いです。MPUの消費電力が数十Wであることと比べるとMCUは消費電力を抑えての使用が可能です。
MCUは性能面でみるとMPUに劣ります。機能面でも汎用的な使用ができるMPUに対し、絞られている特徴があります。低消費電力やコストの低さがMCUのメリットにあたるため、実現したい機能がMCUで実現可能な場合はMCUを選択します。
参考文献
https://www.tel.co.jp/museum/exhibition/principle/microprocessor.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/innovation/mpuworks.html