【2021年版】真空炉4選 / メーカー4社一覧

真空炉のメーカー4社・17製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。


目次


真空炉とは

真空炉は、真空熱処理加工ができる炉です。炉の中を真空にした状態で対象物を加熱するので、対象物の表面を酸化させることなく加工することができます。脱炭を防止でき、熱処理した後も、ステンレス等の光沢を維持することができます。また、表面の清浄性が高いので異種の金属の接合もきれいに加工でき、加熱から冷却をゆるやかに行うので歪みを減らすことができます。

二酸化炭素の排出量が少なく済み、寸法や硬度のバラつきも減らすことができる処理方法です。

真空炉に窒素ガス等を流しながら熱処理を行う場合もあります。

真空炉の使用用途

真空炉で処理した金属は光輝性が高い特徴があり、表面の酸化や不純物を減らすことができます。真空炉は金属の焼き入れ焼き戻しや焼結、エバポレータ等のろう付け、焼鈍などに利用されています。通常の金属ではなく超硬工具等の高級鋼やマグネットやコンデンサ、自動車部品、産業機械部品等、特殊な機能が要求される金属が真空炉で作製されています。

利点が多い真空炉ですが、メンテナンス費用がかかり、大型の炉は特にコストが高い面があります。

真空炉の原理

真空炉では、油回転ポンプやターボ分子ポンプ等を組み合わせて炉内の空気を排気し高真空状態を維持します。高真空で酸素がない状態で加熱することで、酸化を防ぐことができます。

炉の容器の材質はステンレスが主です。1000℃~2300℃までの加熱が可能で、タングステンモリブデン、炭化ケイ素といったメタルヒーターで加熱しています。

小型の炉には、管状炉で、アルミナや石英ガラス管の中に対象物を入れて加熱するタイプもあります。ヒーター材にはカンタル線等が使用され、700℃~1600℃程度まで加熱できます。

冷却方式は自然冷却、ガス冷却、油冷却等があります。高温の場合には容器を二重構造にして水冷する方式も取られています。

また、高温の温度測定には外部から放射温度が測定されます。アルメル―クロメル熱電対や白金ロジューム合金の熱電対が使用されます。

標準的な真空炉では加熱と冷却を同じ室で行いますが、近年作業効率を高めるために別の室に分ける機種も出ています。

真空炉の構造

真空炉は搬送・加熱・冷却の3工程により被熱処理品を熱処理加工し、熱処理部品の種類や数、目的によって大きく「一室型」と「多室型」の2つの構造に大別されます。

「一室型」は、搬送機構がなく作業員が被処理品を炉内に搬送・設置し、一室で加熱と冷却を行います。加熱と冷却工程を同室で行うため、急激な温度差に耐える必要があり、ヒータや構造部材には、耐熱性ステンレス鋼やカーボン部材が使用されています。構造がシンプルなため、実験用の小型から大量生産の大型までラインナップが豊富な点も特徴です。

冷却は炉内と被熱処理品の汚染を防止するため、自然冷却か窒素などの不活性ガスによるガス冷却が採用されます。冷却ガスの吹出し口の数や位置、また攪拌ファンにより冷却ガスの流れ・滞留をコントロールすることで均一で汚染の少ない冷却が可能です。

従って、表面の汚染や変形に敏感な製品の処理に適した構造になります。一方で、冷却速度が遅く、前の処理が完了するまで次の被熱処理品を投入できないため、生産性が低いのがデメリットです。

「多室型」は、搬送・加熱・冷却工程を2室以上で行う構造です。搬送室に投入すれば基本は設定通り全自動で加熱・冷却を完了してくれ、前・中・後などゾーン毎に温度制御できたり、小バッチの加熱室を複数設け処理時間をずらしすことで、生産性を向上することができるメリットがあります。

冷却を別室にすることで、油などの冷却能の高い液体冷媒が選択可能です。さらに冷却室が加熱されていないので高い冷却能を維持でき、焼入れ性が低く冷却速度に敏感な金属材料などでもしっかり性能を出すことができます。一方で冷媒による処理材の汚染があることから熱処理後に洗浄が必要であったり、冷却速度が速いために歪や割れが発生するなどのデメリットにも注意する必要があります。

真空炉のカーボン部材

真空炉には、カーボングラファイトやC/Cコンポジットなどのカーボン部材が、発熱体、構造材、熱処理治具として使用されています。

カーボン部材は、耐熱性が高く最高3,000℃までの耐熱性があり、軽量で熱膨張係数が小さく熱疲労による変形が小さいこと、低熱容量が特徴です。

軽量なので被熱処理品の積載量アップと段取り負荷の低減ができ、変形しにくいためランニングコストの低減にも繋がります。また低熱容量なので省エネ効果もあることから、多くの生産性向上効果のメリットがあります。

一方で、加熱時にカーボンが揮発する性質があるので、炉内や被熱処理部品の汚染、またガス冷却だけに限定されるなどのデメリットがあります。 

参考文献
http://bright-anneal.co.jp/faq/a2-1.html
https://www.chushin-koshuha.co.jp/technology/technology04/
https://chugai.co.jp/pro_01_parts_01/
https://www.satovac.co.jp/products/vacuum_equipment/furnace/index.html
https://www.toyotanso.co.jp/Products/application/heat-treatment.html

真空炉のメーカー情報

真空炉のメーカー4社一覧


真空炉のメーカーランキング

社員数の規模

  1. 1 フルテック株式会社
  2. 2 DOWAサーモテック株式会社
  3. 3 株式会社IHI機械システム

設立年の新しい会社

  1. 1 DOWAサーモテック株式会社
  2. 2 中日本炉工業株式会社
  3. 3 株式会社IHI機械システム

歴史のある会社

  1. 1 フルテック株式会社
  2. 2 株式会社IHI機械システム
  3. 3 中日本炉工業株式会社

真空炉4選

PQシリーズ

株式会社IHI機械システム PQシリーズ 画像出典: 株式会社IHI機械システム公式サイト

特徴

日本で初めて真空炉をアメリカから輸入し、開発を続けてきた総合重機メーカーであるIHI機械システム株式会社の横型真空炉PQシリーズは、多くの企業での採用実績があります。

特に温度管理についての性能が高く、加熱室の上下左右方向に加熱ヒーターが内蔵されています。

また冷却用整流板が付いており、かつ冷却ガスの流れる方向を選択することができるので、冷却機能も高くなっています。

最高温度は1320℃で、焼き入れ、焼き戻し、磁性処理等に適しており、処理後の表面をとても綺麗に仕上げることができます。

株式会社IHI機械システムの会社概要

製品を見る

VGQ/VPQシリーズ

株式会社IHI機械システム VGQ/VPQシリーズ 画像出典: 株式会社IHI機械システム公式サイト

特徴

IHI機械システム株式会社の竪型真空炉は、縦に長い製品や大型の重量の思い製品など横型では対応できないサイズに対する真空炉として利用されています。

大型の炉については上下方向にヒーターが配置されているので、温度が均一になるよう工夫されています。

最高温度はいずれも1320℃で、87kPa~287kPaまでの冷却ガス圧に耐え得る仕様です。

焼き入れ、焼き戻し、磁性処理、時効処理、ろう付けなど幅広い使用用途があります。

株式会社IHI機械システムの会社概要

製品を見る

NVF-P型 加圧冷却式真空熱処理炉

中日本炉工業株式会社 NVF-P型 加圧冷却式真空熱処理炉 画像出典: 中日本炉工業株式会社公式サイト

特徴

加圧冷却式真空熱処理炉は、大型から小型まで豊富なラインアップを取り揃えており、標準品以外のサイズもお客様のご要望をヒアリングし、オーダーメイドで対応します。

中でも、当社が国内で初めて開発した小型真空熱処理炉のNVF-30-Pは、必要設置スペースがW2000×H2300×L2000(mm、メンテスペース含まず)の為、町工場から研究開発室等にも設置でき、多品種少量の熱処理を行う際に非常に高効率なタクトタイムを実現します。

また、大型炉と同様に加圧冷却方式を採用しており、焼入れ性能の向上、硬度ムラの抑制が可能です。様々なオプションも合わせてご提案できますので、一度お問合せください。

中日本炉工業株式会社の会社概要

製品を見る

40

DOWAサーモテック株式会社 40 画像出典: DOWAサーモテック株式会社公式サイト

特徴

DOWAサーモテック株式会社のメタルホットゾーン高温真空炉40は、真空、不活性ガス、水素ガス雰囲気下での最高2200℃での高温焼結が可能なファインセラミックスの焼成に適したモデルです。

処理量のグロスが40kgで、寸法は200㎜x500㎜x300㎜となっています。

最高2200℃と高温になるホットゾーンに従来から使用されているグラファイトでなく金属を使用していますので、カーボンによる汚染問題を解決してくれます。

プログラムを組むだけの全自動運転で均一な温度での加熱ができ、しかもホットゾーンの変形や消耗を軽減する設計のため、簡単な操作でメンテナンスコストを削減することもできます。

DOWAサーモテック株式会社の会社概要

製品を見る

真空炉の17製品一覧

関連記事

カテゴリから探す