水素製造装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、水素製造装置のメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。水素製造装置関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社イープラン、2位:東芝エネルギーシステムズ株式会社、3位:日立造船株式会社となっています。
水素製造装置とは、水素を作り出せる装置です。
水素は地球上に豊富に存在する元素で、軽くて無色・無臭の気体です。水素は、水から作られることが多く、環境に優しいエネルギーとして注目されています。水素製造装置は、この水素を効率よく作るために開発された技術です。
製造方法は大きく分けて2通りあります。1つ目は、LPガス等の水蒸気改質です。原料はLPガスのみではなく褐炭と言った化石燃料やメタンなど炭化水素も使用できますが、実用化されている水素製造装置の原料にはLPガスが使用されています。
2つ目が水の電気分解で、アルカリ性の水を電気分解して作り出します。水をアルカリ性にする際には一般的に水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが添加されます。
水素製造装置で作られた水素は、さまざまな用途で利用されています。主な使用用途は、以下の通りです。
水素と酸素を化学反応させて電気を作り出す燃料電池は、自動車や家庭用の発電など、幅広い分野で利用されています。エネファームなどの家庭用のコージェネレーションシステムは水素を燃料として使用し、燃料電池により発電が行われます。
このコージェネレーション用の燃料である水素を作り出すために、機器内で都市ガスから水蒸気改質で水素が作り出されています。
水素は化学工業や鉄鋼業などで、原料や還元剤として使われています。ガラス製造や金属処理用の還元剤用に水素は使用されているため、これらの用途にも水素製造装置は用いられています。
水素は、液体状態でロケットの燃料としても使われています。
高温の水蒸気を炭化水素に吹きかけることで水と炭化水素を反応させ、反応後のガスとして水素が得られます。炭化水素中の炭素は水の酸素と結びついて一酸化炭素を形成するため、炭化水素と水の両方から水素分子が分離されます。
2つの電極をアルカリ性の液体に入れ、両方の電極に電圧をかけることで、電気分解反応が始まります。水素は陰極から発生し、陽極からは酸素が発生します。
純粋な水はイオンを含まないので電流が非常に流れにくく、電解質の水酸化ナトリウムを添加します。水酸化ナトリウムを使用すると、陰極から水素、陽極から酸素と単純に水が電気分解され、水酸化ナトリウムを追加せず電気分解をし続けることが可能です。
水素製造装置には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴や用途によって使い分けられています。
天然ガスや石油を使った水素製造装置で、これらの化石燃料と蒸気を反応させて水素を取り出す方法です。現在、水素の大部分はこの方法で作られています。効率が良く、大量の水素が得られることが利点ですが、化石燃料を使うため、環境負荷があります。
電気分解の原理を使った水素製造装置で、水を電気で分解して水素を作る方法です。この装置は、環境に優しいエネルギー源 (太陽光や風力など) から得られる電気を使うことができるため、環境負荷が低いとされています。ただし、効率や規模面で課題があり、改善が求められています。
水素エネルギーの活用は、今後の脱炭素化にむけた取り組みとしてエネルギー分野を中心に国内外で導入が進み、今後も利用の拡大が予想されます。2017年12月には、国が水素基本戦略を策定し、国全体として水素社会実現のための取り組みを広げているためです。
今後のエネルギー対策の一環として、再生エネルギー (太陽光、風力発電、地熱発電など) の電気を利用した純粋な水素を取り出すことが期待されます。既に太陽光を使ったアルカリ水電解によって水素を製造する技術等が開発されており、水素自動車の燃料電池等の開発に向けられています。
現在の石油精製工場での製油では、水素は欠かせない存在になっています。製油の工程の中で、原料や製品に含まれる硫黄分を除去する「脱硫」と呼ばれる工程で水素が用いられます。
また、水素ガスを用いた触媒反応により良質な石油などの製品を作る水素化分解装置などにも有用です。特に重油の製油の工程では水素を大量に使うため、様々な工業プロセスから副次的に生産された水素 (副生水素) のみでは不足してしまうことから、石油精製工場では水素製造装置が併設されることが多いです。
炭化水素を用いた水素製造の方法としては、スチームから触媒上で熱化学反応を進めるスチームリフォーミング法と、無触媒で反応を進める部分酸化法の2種類があります。
参考文献
https://www.awi.co.jp/business/industrial/plant/vh.html
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/termlist/1000971/1000981.html
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/termlist/1001150/1001222.html
https://www.toyo-eng.com/jp/ja/products/refinery/hydrocracking/
https://www.eneos.co.jp/business/hydrogen/supply_chain.html
https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/about-hydrogen/
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2523
https://www.nedo.go.jp/content/100639757.pdf
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水素製造装置のカタログ一覧はこちら企業
株式会社三社電機製作所 株式会社コスモスエンタープライズ カルコジェニック株式会社 株式会社信州TLO*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社イープラン |
50.7%
|
2 | 東芝エネルギーシステムズ株式会社 |
10.6%
|
3 | 日立造船株式会社 |
7.8%
|
4 | エア・ウォーター株式会社 |
7.6%
|
5 | 三菱化工機株式会社 |
5.3%
|
6 | 大阪ガス株式会社 |
5.2%
|
7 | 住友精化株式会社 |
4.6%
|
8 | Enapter |
3.2%
|
9 | PeakScientific |
2.7%
|
10 | 西川計測株式会社 |
2.4%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の水素製造装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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住友精化株式会社
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最新の閲覧: 57分前
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注目ランキングについて: Metoreeに登録されている水素製造装置製品1点の中での2023年12月5日時点でのアクセス数を元に算出しています。
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2023年7月27日
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2023年3月7日
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2023年1月27日
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企業
株式会社三社電機製作所 株式会社コスモスエンタープライズ カルコジェニック株式会社 株式会社信州TLO自立型水素供給システムH2One™は水のAEM式電気分解による水素製造装置を中核とした、地域への電気、燃料供給のためのソリューションです。
単に水素を製造するだけではなく、電気分解向けの電力への再生可能エネルギーの利用や燃料電池による貯蔵、電力や水素燃料の供給までを自動でコントロールします。
集約化されたワンコンテナモデルでは1N㎥/hrの水素製造装置と水素タンク、PEFC式の燃料電池及び蓄電池が併設され、非常時に電力、燃料、温水等を供給することが可能です。
水素製造装置HYDROSPRING®は水を電気分解することによって水素を発生させるオンサイト型の製品で、発電用タービンの冷却や半導体製造のために使用されます。
原料としては水を使用し、分解のための電気を供給することにより、99.9999%の極めて高純度な水素を生成することが可能です。
ボタン1つでの操作が可能で廃液処理や高圧ガスの取扱が不要、水素の貯蔵が不要で必要に応じて生産、供給可能なため取り扱いが容易なことが特長として挙げられます。
装置のラインアップは必要な水素の容量に合わせて1N㎥/h~100N㎥/hまで複数の種類を取り揃えています。
水素製造装置HYSERVE30は都市ガスを改質、精製して水素を発生させる製品で、工業用途や燃料製造用途に使用することが可能です。
原料としては中圧都市ガスを使用し、改質により99.999vol%以上の純度の水素を発生させることが可能です。
特長としては原料の特性により圧縮動力が少なくて済むこと、操作が容易で遠隔監視が可能であること等が挙げられます。
この装置によって供給される水素の量は30N㎥/hとなります。
コンパクト水素製造装置HyGeia 50は都市ガスやLPGを改質、精製して水素を発生させる製品で、工業用途や燃料製造用途に適しています。
原料である都市ガスやLPGを水蒸気で改質することにより、純度99.999vol.%以上以上の水素を発生させることが可能です。
特長としては装置の負荷の調整が可能で水素の必要量に応じて生産を調整できること、高圧ガス保安法の適用外で、保守が容易であること等が挙げられます。
この装置によって供給される水素の量は50N㎥/hrとなります。
水電解水素製造装置EL 2.1は水を陰イオン交換膜で電気分解して水素を発生させる製品で、燃料、産業目的での水素製造に適しています。
原料としては水を使用し、電気分解により純度99.9%の水素を発生させることが可能です。
モジュール設計とソフトウェアでの管理を特長としており、設置が容易で遠隔操作や複数台での並列稼働が容易です。
装置1台によって供給される水素の量は500 NL/hr ですが、必要に応じてスタックさせることにより、大量の水素を供給することができます。