メンブレンスイッチについての概要、用途、原理などをご説明します。また、メンブレンスイッチのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。メンブレンスイッチ関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:株式会社フジクラ、2位:株式会社日本メンブレン、3位:株式会社タカチ電機工業となっています。
メンブレンスイッチとは、メンブレンが意味する「薄膜」のシートを回路上の接点に用いたスイッチのことです。家電製品や検査装置など手動のスイッチの操作が必要な装置のボタンとして、幅広く利用されています。
メンブレンスイッチは、薄膜のシート内部にスイッチ回路上の接点があり、手動で薄膜を押すことが、スイッチの接点の接続動作です。従ってスイッチ部が外気にさらされないため、防塵性や防水性に非常に優れたスイッチと言えるでしょう。
なおメンブレンスイッチには、スイッチを押す際のクリック感を持たせるために内部にディスクを使用している製品や、文字や数字などが表面のフィルムに印刷されている製品などがあり、細かな違いも含めると非常に多種多様です。
メンブレンスイッチは、手動でボタンやスイッチを押す必要がある製品に幅広く利用されています。家電製品や電子機器、検査装置、実験器具、自動車部品などが使用用途です。
メンブレンスイッチの選定の際には、メンブレンスイッチの特徴でもある防塵性や防水性の他にも、耐熱性や耐久性、サイズなどを考慮する必要があり、ここでメンブレンスイッチの身近な使用例を以下に示します。
メンブレンスイッチの構成は、通常は5枚のシート状の部品です。5枚のシートは表面から順に、表面シート、上接点シート、スペーサ、下接点シート、裏面シートと呼ばれています。粘着(のり)シートと呼ばれる薄膜を表面や裏面と接点のシート間に挟む場合もあります。
なお表面シートは、実際に使用者が手で触れる部分です。数字や文字が印字されており、防水処理が施されているものもあります。上接点シートには導電性のボタンが付けられており、下接点シート上にある部品は、上接点シートに合わせたボタンと回路配線です。
スペーサは、上接点シートのボタンと下接点シートのボタンが通常時には接触しないようにするためのもので、ボタンに合わせて穴が開いています。ボタンを押すと、シート全体が押し込まれ、接点同士が接触し通電します。裏面シートは、メンブレンスイッチを使用する装置とメンブレンスイッチを接着するためのシートです。
メンブレンスイッチの構造は、その汎用性の高い様々な用途に対応するために、非常に多くの種類があります。その中でも基本となる3つのタイプを紹介します。
表面がフラットで凹凸がない為、薄型化が容易です。最も簡単な構造の為、自由に配置出来ます。ただしスイッチ部を押した際のクリック感はありません。
表面シートに凹凸形状を持たせることで、スイッチ部押した際にクリック感やストロークがあります。
メタルドームと呼ばれる金属の板を表面シートの内側に組み込むことで、機械的なクリック感を出しているものです。
メンブレンスイッチは車載向けにも使用されており、エアコンなどの操作スイッチとしての用途だけではなく乗員を検知するセンサーとしても使われています。乗車時のシートベルト着用が義務化されたことで、自動車メーカーは乗員にシートベルト着用を促すシステムを構築しました。
座面にメンブレンスイッチを埋め込み、着座による座面の沈みによってメンブレンスイッチが作動します。メンブレンスイッチの作動の有無によって人が座っているかを検出するのです。なお、手のひらサイズの大きなメンブレンスイッチが使用されている場合が多いのは、着座位置の偏りにより作動しないという誤作動を防ぐ為です。
また補足になりますが、メンブレンスイッチは基本的にオンとオフの2値制御しかないために、乗員体格に応じた検知等の細かいセンサー制御用途には、圧力に応じた電極間の電気抵抗の変化を用いた感圧センサー等が、車載向けに検討されています。
メンブレンスイッチの主な使用用途はPCのキーボードです。キーボード全体を覆う大きなシートに印刷工程で複数のキーに対応した多様なスイッチの配線回路が形成されています。その後に複数の導電ボタンが付けられており、キーを押すことで通電しています。
対比される構造としては機械式の構造を用いたキーボードがあげられるでしょう。これはキーが独立の構造となっているので、打鍵感(タクタイル感)に特徴があります。ただし構造が複雑な分コストがかかり、一方の単純な構造で大量生産に向いているメンブレンスイッチを用いたキーボードは比較的安価です。薄型化に対応しやすく、防塵性や防水性に優れていることから、現在は多くのPCキーボードに普及しています。
しかし、単純構造ゆえにキーの一部を交換するということは出来ません。故障修理の際はキーボードごと交換する必要があり、一部のキーのみを修理が可能な機械式のキーボードとは異なります。
参考文献
https://n-membrane.com/switch/about/
https://www.nkkswitches.co.jp/support/klg/knowledge4.php
https://www.fujikura.co.jp/rd/gihou/backnumber/pages/__icsFiles/afieldfile/2009/03/17/R_7.pdf
https://n-membrane.com/switch/about/
https://i-da.co.jp/mem2/membrane.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト8
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社フジクラ | 21.6% |
2 | 株式会社日本メンブレン | 18.9% |
3 | 株式会社タカチ電機工業 | 18.9% |
4 | 株式会社三興ネーム | 10.8% |
5 | 株式会社東洋レーベル | 10.8% |
6 | 株式会社タッチテック | 8.1% |
7 | 株式会社ケイ・アンド・ディー | 5.4% |
8 | 株式会社テクノクレスト | 5.4% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のメンブレンスイッチページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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