サンダー

サンダーとは

サンダー

サンダーとは、モーターなどを動力として、回転動作で素材の表面を研磨する機器です。

サンダーの回転は偏心している場合がほとんどです。偏心とは、回転の中心が偏っていることを指します。単純な回転運動よりも複雑に動くため、より広範囲を磨くことが可能です。その上、より高い研磨効果を期待できます。

サンダーで研磨すると粉塵が舞い上がります。粉塵捕集のために、集塵機が付属する製品も販売されています。

サンダーの使用用途

サンダーは主に工事現場や生産現場で使用されますが、近年ではDIYに使用する場合もあります。どちらも素材の表面研磨に使用します。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 木材切断後のバリ取り
  • 金属表面のさび落とし
  • 劣化した塗装へのケレン作業
  • 金属材料の面取り

比較的削る範囲が小さい場合は紙やすりなどを使用し、広範囲にわたる表面処理を行う際に使用されます。材料にバリや錆があると、塗装のノリが悪くなったり怪我の原因につながるためです。仕上げ処理としてサンダーを使用し、材料表面を磨きます。

サンダーの原理

サンダーには、円形の研磨用のディスクを用いて削る製品と、サンドペーパーや布製やすりなどを取り付けて研磨するオービタルサンダーがあります。オービタルサンダーは、モーターなどを動力として紙やすりが楕円軌道を描くように回転しています。また、サンドペーパーが平面に装着されているため、平らな面の研磨に最適です。

そのため、木工テーブルの表面仕上げなどに使用します。サンドペーパーが消耗した場合は、固定用クリップなどを外せば交換可能です。オービタルサンダーは使い勝手がよく、サンドペーパーからバフに付け替えることで艶出しにも応用できます。木材表面のワックスがけにも使用可能で、さまざまな用途へ応用できるのが特徴です。

サンダーの選び方

電動のサンダーは研磨作業の省力化に有効なため、さまざまな種類が販売されています。用途などに応じて正しく選定することが重要です。サンダーと一口に言っても、オービタルサンダーやランダムサンダーなどの種類があります。

オービルサンダーは研磨力が弱い反面、多くの材料に適用可能です。ランダムサンダーは機能面が充実していて作業効率も高い反面、ランニングコストが高い上に本体価格も高価です。そのため、使用用途に応じてサンダーの種類を選定していきます。

また、研磨により飛散する材料くずは清掃が必要となります。 清掃の手間を省きたい場合は集塵パック付きのサンダーが最適です。サンダーへ適用可能なサンドペーパも確認した上で選定します。ほとんどの場合は市販のサンドペーパーを使用可能ですが、中には専用のペーパーを使用するサンダーも販売されています。

サンダーのその他情報

1. サンダーの使い方

サンダーは誤った使い方をすると怪我をする恐れがあるため、正しく使用することが重要です。

  1. やすりはサンダー本体下部のパッドの大きさに合うようにカットします。
  2. やすりを挟むレバーロックを外し、カットしたやすりをパッドの下に敷いてレバーロックを行います。
  3. 装着したやすりがたるんでいる場合は固定し直し、たるみを無くします。
  4. 材料平面を研磨する場合は、本体のパッド全体を面に密着させて前後に動かしながら研磨を行います。

作業する際は、作業用手袋を着用し、両手でサンダーを持ちましょう。また、ゴーグルや保護メガネを着用すると、くずが跳ねて目に入るリスクを避けられるため、より安全です。

2. サンダーの名称由来

サンダーの名称由来については諸説あります。中でも、sanding (研磨) するための工具のためサンダーと呼ばれているとする説が有力です。ただし、どの説が正しいとも言えないのが現状です。

そもそも、ディスクグラインダーを指してサンダーと呼ばれることも多くあります。グラインダーやサンダーは互いに混同されながら、てきとうに呼ばれつつ使用されています。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/sander-guide/
https://www.diyna.com/wcf/wcf01-3.html

磁器タイル用ドリル

磁器タイル用ドリルとは

磁器タイル用ドリル

 

磁器タイル用ドリルとは、電動工具である電動ドリルに装着する穴開け専用ビットのひとつである。電動工具は全ての機種共通の規格があり、マルチインパクトドライバーならばインパクト調整をフラットにすれば使用できる機種もあります。

インパクトドライバー専用を謳う規格の商品もありますし、電動ドリル専用のビットも市販されています。繊細な穿孔には軽量、回転のみの電動ドリルが向いています。

「ダイアモンドコアビット○○番」と素材材質そのものが商品名称になるほど、硬い材質で作られている筒刃です。

磁器タイル用ドリルの使用用途

使用用途は、主に磁器タイル、コンクリート、モルタル、瓦、大理石など硬度の高い素材に穴を開けるのが仕事です。

回転ドライバー(またはインパクトドライバー)の駆動力により、建造物で使用されるエクステリア周りの石材や、壁面の磁器タイル、プレキャスト壁面などへの穿孔に使用されています。

またDIYでも磁器タイル向けビットは600~1000円程度から市販されており、石や陶器の加工などにも使用出来ます。それより軟質の資材にも兼用して使用できますので規格違いが数種類あると経済的です。

磁器タイル用ドリルの原理

磁器タイルドリルの本体(又は先端)は、ダイアモンドや超合金製の硬質筒刃状の替刃です。「ダイアモンドはダイアモンドでしか削ることが出来ない」と称されるように、超硬質原石やそれに匹敵するタングステンや工具用鋼を研磨した刃先で作成されています。

表面加工はチタン素材によるコーティングなどで磨耗耐性を作り出しており、二重刃物のような断面層となっています。これが連続で強化磁器タイルでも石材をも穿孔できる品質を維持しています。

公には「ドリルビット」と呼称され販売されていることが多いです。高価製品では、水タンクが付録している磁器タイルドリルもあります。磨耗が激しい刃部は、オプション部品として先端の替刃のみ脱着できるので経済的です。

ドリル作業は僅かずつ削刃していくので、粉塵が飛散するのが難点ですが水タンクのガジェットを一体化することで利便性を上げています。掘削と同時に放水する仕組みでそのまま本体工具にタンクとビットを装着し使用します。

因みに手動式用具もあり、手押し回転部分はコの字に曲げられグリップがついています。正確な位置に垂直に固定し、螺旋状の溝があるビット先端を押し込むようにして穴を開けます。

参考文献
https://item.rakuten.co.jp/kentikuboy/a-61759/

電気溶接機

電気溶接機とは

電気溶接機

電気溶接機はアーク放電を利用して金属同士を溶接する機器です。

電気溶接機には直流インバーター溶接機や交流アーク式溶接機などがあります。電力供給のためのコンセントが必要ないバッテリー式の電気溶接機もあり、持ち運びに便利で電源が無いような場所での作業に適しています。

一般家庭用の電圧である100Vで使える電気溶接機も販売されています。アセチレンなどの可燃性ガスを使用する場合には資格が必要になりますが、電気溶接機を使用する際には資格は必要ないために取り掛かりやすい溶接機です。

電気溶接機の使用用途

溶接機は金属加工を行う工場では使用されますが、一般の生活ではなかなか使う用途はありません。しかし、金属を使用して棚や小物などを作る場合には電気溶接機を持っている場合といない場合では作れる物が大きく違ってきます。

例えば、溶接機を持っていないと金属パーツ同士を直接くっつけることが出来ずに、ネジとナットで繋げなければなりません。パイプや板などの単純な形状でしたらネジとナットでも繋げることは可能ですが、複雑な形状になるとどうしても溶接機を使う必要が出てきます。

電気溶接機の原理

電気溶接機はアーク放電を起こすことで金属を溶かすほどの高温を発生させて溶接棒を溶かします。溶けた溶接棒は糊の役目をはたして金属パーツ同士を接合させますが、この時の接合は金属結合となりますので非常に強い結合力となり、一度溶接すると人間の力では引き離すことが難しくなります。

電気溶接機で溶接できる素材はアーク放電で溶かされた溶接棒と金属結合を起こす物質ですが、溶接棒の素材により異なりますので素材に応じて専用の溶接棒を使用します。一般的には軟鉄、ステンレス、鋳鉄などの鉄系の材料を溶接させることができます。

電気溶接で使用するアーク放電は高電圧により空気中に電気が流れている状態です。アーク放電は強い光を発する上に有害な紫外線も含まれていますので、放電中の溶接部を直接見ると目に損傷を受けますので、電気溶接機を使用する際には眼を守る保護具が必須になります。

また、アーク放電は溶接機と溶接する金属がそれぞれ電極になっていて溶接する金属に電気が流れていますので、電気の回路を形成することと感電防止のために溶接物のアースを取る必要があります。

電気溶接機のその他情報

半自動溶接機

半自動溶接機は、トーチと呼ばれる加熱器具で自動で供給される溶融金属という金属を溶かし、2つの資材を接合する装置です。

半自動溶接の溶接方法はガスシールドアーク溶接とノンガス溶接の2つに分けられます。

ガスシールドアーク溶接とは、高温となった金属が酸素と反応することで酸化するのを防ぐために不活性ガスを噴射することで酸素を遮断する手法です。

この場合に使用するガス種によって、CO2溶接、MAG溶接、MIG溶接の3つの溶接方法があります。

CO2溶接

CO2溶接は、シールドガスに炭酸ガスだけを使用する半自動溶接法です。主に鉄の溶接に使用されています。半自動溶接のなかでは最も一般的で溶け込みが良いのが特徴です。炭酸ガスを使用するのでランニングコストを低く抑えることができます。

MAG溶接

MAG溶接は、シールドガスに混合ガスを使う溶接方法です。混合ガスには、一般的に不活性ガスであるの80%アルゴンガスと20%炭酸ガスが使用されています。主に鉄やステンレスの溶接に使用されています。使用するアルゴンガスが高価であるため、ランニングコストが高くなります。

MIG溶接

MIG溶接は、シールドガスにアルゴンガスだけ、またはアルゴンガスに2%の酸素を加えた混合ガスを使用する溶接方法です。おもにステンレスやアルミニウムの溶接に使用されています。ステンレスを溶接するときはステンレスワイヤーが使用され、アルミを溶接するときはアルミワイヤーが使用されます。スパッタが非常に少ないので非常に美しく仕上がります。炭酸ガスを使わない分、溶け込みが浅くランニングコストが高くなります。

電気溶接機に関する資格

電気溶接機による作業は、感電災害、爆発や火災といった重大な災害が発生する危険性があり、これらの災害を防止するため、事業者は、電気溶接(アーク溶接)の業務に就かせる労働者に対し、特別教育の実施が義務付けられています(労働安全衛生法第59条第3項/労働安全衛生規則第36条第3号/安全衛生特別教育規程第4条)。

アーク溶接の学科においては、アーク溶接等に知識と労働安全衛生法をはじめとした関係法令を学びます。

パワードライバー

パワードライバーとは

パワードライバーは電動で自転するドライバー類の総称です。別名インパクトドライバーと呼ばれる電動工具と電動ドリルドライバーや電動ネジ閉めドライバーなどの工具類を総称して呼称することもあります。(電動ドリル以下は別索引参照)

また商品名として手動で使うドライバーではあるものの、グリップ部分が大きく握りやすいウレタンクッションなどで覆った疲れにくい工具の名称にも使用されています。

本格プロ仕様の製品はインパクトが段階調整、無段階できるのでドリルドライバーとネジ締めを兼ねることが出来ます。

パワードライバーの使用用途

使用用途は、DIYから建具設置、各種建材ビス穴加工及び設営など多岐にわたります。身近な用例は棚作りの棚受け、ブラケット部品の設置、手摺りの設置、犬小屋作成、家屋における内装資材設置、物置など簡易屋根や外装資材を固定するなど様々なシーンで使用されています。

また工業分野において、各種製品組み立て作業には欠かせない工具です。

用例は自動車のアクセサリー取り付け、楽器などでは電子オルガン、シンセサイザ本体部外装組み立て、エレキギター、ベースなどではデザイン性も兼ねての胴板一体型のピックガード加工部分などの細飾などでも活躍します。

パワードライバーの原理

その特徴は大きく、作業者の作業姿勢の取りずらい天井などや手を入れにくい角度の穴開け ネジ締め作業に高い作業能力です。固まってしまったネジも強い回転力で難なく弛め、強いインパクトで打ち込みずらい箇所の瞬時のビス止めなどにはこの工具無しでは語れません。

工具そのものも特徴はドライバー(ネジ回し)+ハンマー(打撃力)を組み合わせている仕様です。ハンマーのインパクトはトリガーの引き具合で無段階調整できるものと、スイッチ式で数段階に調整ができるものがあります。

材木や塩ビ板に強い押し回しは必要ありませんが、金属ネジを硬質素材に打ち込むには相応のインパクトが必要です。それを電動出力で自在に調節できるのもインパクトドライバーの魅力です。

他、コード式と充電式があること、先端のビット、ドリル、ソケットの仕様次第で多目的使用用途があることです。近年は軽量化、機動性を含めコードレス式が多くなっています。ビットなど各種先端オプションは全機種共通規格(スライドスリープ)があり本体製品にたがわず装着可能です。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/impact_driver_diy/#i-4

ラチェット

ラチェットとは

ラチェット (英: ratchet) とは、一方向のみ回転が可能で逆方向の回転を妨げる機構です。

歯車の配置によって構築され、特に工具や機械の設計など、さまざまな応用用途で使用されます。一方向の動きを必要とする状況で利用され、特に力をかけて回転を行う際に非常に便利です。ラチェットレンチを指して、ラチェットと呼ぶことも多いです。

ラチェットを使用することで、繰り返しの作業や連続的な作業を効率的に行うことができます。車両の整備や建設現場などの分野では、時間と労力の節約に寄与します。また、逆方向への動きを防ぐため、誤って装置を逆に回すことによる事故を防ぐことが可能です。

ラチェットの使用用途

ラチェットはさまざまな使用用途で広く利用されています。以下はラチェットの使用用途です。

1. 工具

ソケットレンチなどのラチェットツールは、ボルトやナットを締め付け、緩める作業に非常に役立ちます。特に車両整備や建設工事など、さまざまな作業を効率化することが可能です。自動車整備では、ラチェットツールを使用して車輪のナットやブレーキの調整などを行います。

2. 運送業

ラチェットストラップは、荷物や貨物をトレーラーにしっかり固定するために使用することが可能です。運送・物流業界で一般的に使用され、貨物の安全な輸送を確保するのに役立ちます。貨物が移動することなく、運送中の安全を確保する際に有利です。

3. 釣り具

ラチェットリールは、釣りの際にラインをコントロールするために使用されます。特に大物を釣る際に、魚が引っ張ったときにリールが逆戻りしないようにすることが可能です。これにより、魚を確実に巻き上げることができます。

4. 自転車

自転車のリアハブには、ラチェット機構を備えたフリーホイールが内蔵されています。フリーホイールは自転車の後輪が前進するときにはチェーンが動かず、ペダルを漕ぐときにのみチェーンが伝達されるように設計された部品です。これにより、自転車が前方に進む際にのみペダルを踏まずともタイヤが回転します。

ラチェットの原理

ラチェットの基本的な構造は、一方向の回転を許可し、逆方向の回転を防ぐために設計されています。ラチェットギアとパウル、ハンドル・レバーなどで構成されます。

1. ラチェットギア

ラチェットギアはラチェット機構の核となる部分で、円盤形状の部品です。ラチェットギアには歯車が円周上に均等に配置されています。この歯車が他の部品との噛み合いを制御し、一方向の動きが可能です。

2. パウル

パウルはラチェットギアに接続されたパーツで、歯車が噛み合うか離れるかを制御します。パウルはラチェットホイールの歯車に沿って滑りながら動作し、歯車に噛み合うとラチェットギアは動かず、逆方向の回転が防がれます。

一方、逆方向に回転しようとするとパウルが歯車にスライドして回転が可能です。

3. ハンドル・レバー

ラチェット機構を操作するために、ハンドルやレバーが接続されることが多いです。ハンドルまたはレバーを回すことで、パウルがラチェットホイールと相互作用して制御された方向に動きます。

ラチェットの選び方

ラチェットを選ぶ際にはいくつかの要因が存在します。以下はラチェット機構の選定要素一例です。

1. 材質

ラチェットの材質は、耐久性と信頼性に影響を与えます。高品質なラチェットは耐久性のある鋼材や合金などから作られることが多いです。

一例として、海釣り用の釣り具などではアルミニウムやカーボン素材などの耐食性が高い製品が使用されます。用途に応じて材質を選定します。

2. 送り角度

送り角度はラチェットが1回転あたりに何度進むかを示す指標です。一般的なラチェットツールでは15度または5度のものがあります。小さな送り角度を持つラチェット機構は狭いスペースでの作業や微調整に適していますが、大きな送り角度を持つものは作業の効率向上に寄与します。

3. 強度

ラチェットの強度はどれだけのトルクまたは負荷を処理できるかを示す指標です。作業に必要なトルクに耐えられる強度を持つラチェット機構を選ぶことが重要です。強度については、多くの場合は製品の仕様に記載されています。

4. 回転方向

ラチェット機構には正進行と逆進行の2つの回転方向があります。一部のツールは回転方向を切り替えることが可能です。使用するラチェット機構が、用途に応じて正確な回転方向であるかを確認します。

参考文献
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2005/12/news001.html
https://ktc.jp/facebook/19718
https://ktc.jp/kiso/lesson/ratchet_handle.html

ディスクドライブ

ディスクドライブとは

ディスクドライブ

ディスクドライブとは、情報を記憶するディスクと、情報の読み出し・書き出しを行うヘッドで構成される物理的な記憶装置です。

コンピュータのストレージの一種で、大別するとフロッピーやハードディスクのような磁気ディスクドライブと、CDをはじめとする光学ディスクドライブがあります。コンピュータに内蔵されているタイプを内蔵ディスクドライブ、USBなどのインターフェースを介してコンピュータに接続して使用するタイプを外付けディスクドライブと呼びます。

ディスクドライブの使用用途

ディスクドライブは、コンピュータシステムで物理的に各種データやプログラムを記録する記憶装置として使用します。

高速なアクセスが可能な磁気ディスクドライブはWindowsやmacOS、LinuxなどのOSを格納している起動ディスクとして使われることが多いです。ただし、最近ではさらに高速なアクセスが可能なSSD (英: Solid State Drive) を使うことも増えています。

比較的アクセス速度が遅くメディアの入れ替えが可能な光学ディスクドライブは、データの保存やバックアップ、プログラム、動画ファイル、音楽データ、画像データの配布などに使われることが多いです。

ディスクドライブの原理

ディスクメディアのうち、メディアへの書き込みや読み出しを磁気で行うものを磁気ディスクメディアと呼びます。一方メディアへの書き込みや読み出しをレーザー光で行うものを光学ディスクドライブと呼びます。

磁気ディスクドライブでは磁性層を持たせたメディアをドライブ内で回転させ、磁気ヘッドで生じさせた磁界で磁化させることで情報の書き込みを行うとともに磁界の変化を読み取って情報の読み出しを行います。

一方、光学ディスクドライブではドライブ内のスピンドルモーターでメディアを回転させてレーザー光を当て、ピックアップレンズで反射光から情報を読み出します。読み出しにはCDとDVDでは赤色レーザー (CD: 780nm、DVD: 650nm) を使用しますが、Blu-rayではより波長の短い青紫色レーザー (405nm) を使用するため記憶容量が大幅にアップしています。

ディスクドライブのその他情報

1. ディスクドライブの故障

ディスクドライブはモータやヘッドなど機械的に動くパーツがあることと、精密性が高いことから故障が多いです。ディスクドライブがディスクの読み取りに失敗するケースでは、ピックアップレンズ部分の汚れが原因である場合はクリーニングするとうまく読み取れることがあります。

また、ディスクドライブの故障と勘違いされやすいケースとしては、ディスクメディア側の不備があげられます。ディスクの傷や皮脂汚れなどがある場合は、うまく読み取れないことがあります。

問題の無いディスクメディアを使用しても読み取れない場合は、内部で物理的な故障が発生している可能性があります。ディスクドライブの内部構造は複雑であり、個人で修理することは難しいため、専門業者に修理依頼が必要です。

2. ディスクドライブの異音

ディスクドライブを長期間利用していると異音が発生することがあります。ディスクドライブの異音は設置場所の不備やディスクの挿入方法が不適切である場合に発生することが多いです。

PC内部で適切に固定できていない場合、ディスクを読み取る際の振動がケースに振動を伝搬させ、異音が発生することがあります。ディスクドライブが正しくPC内部に固定されていることを確認します。ディスクメディアの挿入が不適切な場合は、読み取りの際に異音が発生することがあるため、一度取り出して再度正しくドライブに挿入します。

また、ディスクメディア自体が偏芯している場合は、ディスクドライブの状態に関わらず異音が発生します。ディスクメディアにラベルが張られるケースなどでも同様の事態となることがありますが、ディスクドライブ自体に問題があるわけではないので、一時的なものと判断できます。

3. 光学ディスクドライブの違い

光学ディスクドライブの中でも青紫のレーザー光を用いるBlu-rayは、読み出しに使用するレーザー光の波長が短く、データ書き込み面のトラックピッチがDVDの半分になっていることなどによりDVDよりはるかに大容量の記録が可能となりました。いずれの光学メディアともドライブの種類により書き込みできる製品と、読み込みのみできる製品に分かれます。

参考文献
https://www.sony.jp/bd/about/technology/index.html
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/20190712/
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/20190802/

ステープラー

ステープラーとは

ステープラー

ステープラーとは、複数枚の紙などを綴じる文具です。日本では、よくホッチキスと呼ばれています。ただし、ホッチキスは商品名であり、JIS規格ではステープラーと表記されます。

最も一般的なのは金属製のコの字型の針を使用するステープラーです。コの字の開放端である二本を複数枚の紙の片面側から貫通し、裏面で二本の開放端を先端が向き合うように屈曲させて紙を綴じます。ほかの方式もあり、サイズも様々です。最も日常的に使用されるのは、10号と呼ばれるサイズの針を使用し手で握って使用するものです。

ステープラーの使用用途

ステープラーの最も代表的な使用用途は、書類などの紙を複数枚合わせて綴じることです。このほか、医療の際の傷口の縫合や壁紙などの止付け、木材や陶器をつなぎ合わせる際にも使用されています。これらの用途に応じて様々なサイズが用意されています。

なお、医療用途で傷口の縫合に使用されるものはスキンステープラーと呼ばれ、建築現場などで使用される壁に止付ける専用のステープラーはタッカーと呼ばれています。

例えば、紙を綴じるステープラーは大きく分けて小型、中型、大型の三種類です。小型のものは日常でよく見る手で握って使うサイズものです。中型や大型になると、手で握る形ではなくハンドルを押し下げて閉じる形になっています。

針の大きさもステープラーの大きさに合わせて様々です。大型のステープラーではコピー用紙を50枚以上も綴じられるものもあります。また、通常はコの字の針を開放端となっている二本の先端が向き合うように閉じますが、仮綴じ用に針の二本の先端を外開きで閉じられるものもあります。

紙用ステープラーは大きく分けて小型、中型、大型の三種類に分類され、大型のものは手で握る形ではなくハンドルを押し下げて閉じる。針の大きさはさまざまあり、大型のホッチキスだとコピー用紙で50枚以上閉じることができるものもある。また仮綴じ用に針を外開きで閉じることのできるものもある。

ステープラーの原理

ステープラーの原理は、通常の紙を綴じるもの、医療用のもの、建築用のもののいずれも基本的には同じです。ここでは、紙を綴じるものを例にして解説します。

最も一般的なステープラーは、V字状の本体の両先端にコの字型の針の開放端を出す部分と開放端を受けて屈曲させる部分がある構造です。したがって、V字型の本体の間に紙を配し、本体を手で握ってV字型の先端を閉じれば、コの字型の針の開放端が紙を貫通した上で針の開放端が先端を向き合う形に屈曲します。結果として複数枚の紙が綴じられます。

ステープラーの構造

V字型のステープラー本体の片方の先端側には針の出口があり、内側には針を格納するマガジンがあります。そして、マガジンの中にはコの字型の金属製の針を押出す金属の板であるドライバがあります。ドライバはバネにより押圧されており、マガジン内の針は針の出口部分に連続してセットされる構造です。

本体の逆側には、押し出されたコの字の針の開放端である先端を受けるクリンチと称される部分があります。したがって、V字型の本体内側に綴じる紙などを挟んで本体を握って先端同志を合わせれば、コの字型の針の開放端が紙を貫通し、クリンチにより開放端が向き合うように屈曲可能です。これにより紙が綴じられ、連続的に針が送られることから連続的に紙を綴じることが可能です。

なお、クリンチの形状を工夫すれば、綴じ終わり針の曲がりの度合いを調整できます。綴じ終わり部分を極力平らにしたフラットクリンチ型タイプの製品もあります。

ステープラーの種類

ステープラーには、上述のような紙を綴じる通常の大きさのもののほか、いろいろな種類があります。この章では、針を使用しないステープラーと大型ステープラー、医療用ステープラーを解説します。

針を使用しないステープラー

紙を綴じるステープラーには様々な種類や大きさの製品があります。その中でも近年注目されているのが、針を使用しないステープラーです。

最近は情報保護の観点から、書類をシュレッダーで処理した後に廃棄するケースが多くみられます。そこで、針を外すことなくシュレッダーでそのまま処理できるものが求められています。また、針によるけが防止や資源回収を容易にするなどの観点からも針を使用しないものが求められていました。

そこで、紙に切れ込みを入れて切れ込みの端を同時に作った切れ目に差し込んだり、圧着したりして紙を綴じる、針を使用しないステープラーも販売されています。ただし、このタイプでは綴じられる紙の枚数が針を用いるステープラーよりも少ないのがデメリットです。

大型ステープラー

大型ステープラーは、片手で持って握り込むような一般的なサイズのものとは異なり、机上などに設置した状態で上面から押さえつけるようにして綴じるタイプです。当然針も大きな1号サイズまで対応でき、書類であれば数十枚から百枚単位を一度に綴じることが可能です。

閉じる作業にはある程度の力が必要なため、大型ステープラーの中には小さい力で綴じることができることをアピールポイントとしている製品もあります。また、大量の書類を綴じる際は書類がズレてしまうことが往々にしてあるため、そのようなズレを防止する製品も販売されています。

医療用ステープラー

医療用ステープラーは、医療行為に用いられるステープラーです。スキンステープラーとも呼ばれ、傷口の縫合に使用されています。

文房具用とは異なり、針が高耐食性で組織反応の少ない素材の針を使用しているのが特徴です。例えばSUS316Lなどのステンレススチール製の針を使用しています。医療用ステープラーを用いるメリットは、以下の通りです。

  1. 吻合箇所へかかる圧力が小さい
  2. 縫合部表面を圧迫しない
  3. 手術時間を短縮できる

ただし、医療用ステープラーは、縫合する皮下5mm以内に骨や神経、血管、内臓がある場合には使用できません。

医療用ステープラーの使用方法は、まず皮膚用ピンセットで皮膚を適切な位置へ寄せます。次に、ステープラーの両端を平行に縫合部分の皮膚に押し付けます。

そしてハンドルをしっかり握り、 それ以上動かないことを確認するまで握り締めなくてはなりません。最後にハンドルを緩め、 縫合ピンからステープラーを離します。

一方、針を抜く作業は次の手順です。まずリムーバーの下顎を針の下に潜り込ませます。

次に、ハンドルを握り締めて縫合ピンが変形し、ハンドル同士を接触させます。最後に針が完全に変形したことを確認してから縫合ピンを取り去って針の除去が完了です。

参考文献
https://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story/about03.html
https://www.fcg-r.co.jp/lab/goods/report/190429.html
http://kawasaki-seibutsu.com/products/skin/
http://kawasaki-seibutsu.com/products/skin/

エンドニッパー

エンドニッパーとは

エンドニッパーとは、刃の先端が爪切りのように直角に曲がっている器具のことです。

釘の先端などの硬い物でも切断することが可能で、別名喰い切りなどとも呼ばれています。ニッパーとは、電気工事や建設現場などで電線や針金などを切断する丈夫な刃を持ったツールを指します。

エンドニッパーは、平面処理に使用されると共に様々な使い道があり、幅広く使用されています。

エンドニッパーの使用用途

エンドニッパーは、主に木材から飛び出てしまった釘の頭など、平面から飛び出た突起を切り取る際に使用されます。服飾では、金属ファスナーの長さ調節や、ハトメなどの金属を取り外す際に便利です。

そのほか、布などを木材に止付ける大型のホッチキスのようなタッカーステープルを取り除く場合などにも使用できます。このように、エンドニッパーは多くの役割をもち、様々な場面で使用されている器具です。

エンドニッパーの原理

エンドニッパーはその形状から、ワイヤーなどの物体を横から切断する目的には適しておらず、毛抜きのように飛び出た物体を摘まむようにして、切断することに特化した器具です。作業していても余り使用する機会はなく、工具箱の隅に置かれがちですが、ニッパーではどうしても切断しにくい場合や硬い金属を切断しなければならない場合など、いざというときに持っておくと役立ちます。

エンドニッパーは、必要な強度を得るために刃の素材には特殊合金などを使用して、無酸化焼入れや高周波焼入れを行って素材の強度を上げています。切断できる材質は、プラスチックや線など柔らかいものを始めとして、ステンレスといった非常に硬い材質にも対応しています。

ただし、切断できる大きさはエンドニッパーの大きさと材質によって異なる点に注意が必要です。小さなエンドニッパーでは小さなものしか切れず、大きなものを切ろうとすると大型のエンドニッパーが必要になります。

エンドニッパーの選び方

エンドニッパーは、サイズや刃の形状などによる特徴や違いを理解し、目的に合ったものを選ぶ必要があります。

1. サイズ

エンドニッパーは、作業内容により適したサイズが異なります。目安として、全長120~160mm程度が一般的なサイズです。125mm程度の小さなサイズは、模型組み立てや籐細工などの細かな作業、200mm以上の大きいサイズは、ワイヤーなどの硬線を、ねじったり切断するのに適しています。

ただし、サイズが大きくなると、重量があり使い勝手が悪くなることがあるため、作業目的に応じ、適切なサイズを選ぶことが重要です。

2. 刃の形状

エンドニッパーは、一般的に刃先・グリップ・スプリング (戻しバネ) の3つで構成され、刃は主に「フラット刃」「ラウンド刃」「強力刃」の3つに分類されます。

フラット刃
刃が平らになっており、切った断面が尖りにくくきれいで、薄刃で鋭いため小さな力で切断できます。

ラウンド刃
表面が丸みを帯びており、ピンポイントでの切断や硬い素材を切るのに適しています。

強力刃
通常のエンドニッパーよりも刃の耐久性が高いため、強度の要求される作業に適しています。

3. バネの有無

エンドニッパーには、バネ付きとバネなしの製品があります。バネがつけられているものは、刃が自然に開くようについているため、作業性を高め、長時間作業時の疲労を軽減できます。ただし、収納する際に、スペースをとるというデメリットがあります。

4. グリップの種類

グリップは使用時の快適さ、操作性、安全性に大きな影響を与えます。手に合わないグリップを使用すると、作業能率が下がり、ケガの原因になることがあります。グリップにも長さや形、素材などさまざまな種類があるため、店舗で実際に触って、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

参考文献
https://www.tsunoda-japan.com/itempage/EN-165S.html

手動チェーンブロック

手動チェーンブロックとは

手動チェーンブロック

手動チェーンブロックとは、重い荷物を持ち上げるために使用される機械器具です。

産業において、さまざまな場面で使用される器具の1つです。一般的に軽量かつコンパクトな設計であるため、狭い空間や制約のある場所での使用に適しています。場所を取らず、取り扱いが容易です。

電力や油圧を必要とせず、人力で操作できるため、電源が利用できない場所でも使用できます。特別な電気設備やエネルギー供給も必要ありません。また、頑丈で耐久性があり、信頼性が高い設計で作られています。

ただし、チェーンブロックには最大荷重が指定されています。この制限を超えて荷物を持ち上げたり引き寄せた場合、チェーンブロックが破損するため危険です。使用する際は、荷重の適切な評価と確認が重要です。

手動チェーンブロックの使用用途

手動チェーンブロックは、さまざまな用途で使用され、物を持ち上げたり移動させたりするのに役立ちます。以下は手動チェーンブロックの一般的な使用用途です。

1. 建設現場

建設現場では、手動チェーンブロックは建設材料や機材の運搬に幅広く使用されます。たとえば、鋼材やコンクリートブロックを高い場所に持ち上げ、建物の建設作業を効率的に行うのに有利です。また、建設機械の部品やアタッチメントの取り扱いにも使用されます。

2. 工場

手動チェーンブロックは製造業での生産プロセスや物流において重要な役割を果たす器具です。原材料や製品の保管や荷物の積み下ろし、機械のメンテナンスなど、さまざまなタスクに使用されます。特に狭いスペースや高所にアクセスできない場所で便利です。

3. 舞台設営

舞台設営において、手動チェーンブロックは舞台セットや照明、音響機器の昇降および配置に使用されます。舞台上の大道具や背景装置を効率的に移動させたり、高さを調整したりするのに便利です。舞台技術者やステージクルーによって操作され、舞台の成功に寄与します。

4. 船舶

船舶や造船所では、手動チェーンブロックは船舶の建造、修理、および保守に不可欠なツールです。重い部品や機器を取り扱い、船体の組み立てや装備の設置を行います。ドックでの船舶の引き揚げや降下にも使用され、船のドッキングおよび保守作業を支援します。

手動チェーンブロックの原理

手動チェーンブロックは、物体を持ち上げたり移動させたりするためのシンプルな機械です。チェーンや歯車、制動装置などで構成されます。手動チェーンブロックには、一連の鋼製リンクからなるチェーンが取り付けられています。

このチェーンは、荷物を持ち上げるための主要な力伝達手段です。チェーンを巻き上げることで対象物を持ち上げます。その他、歯車が内蔵されている場合が多いです。これらの歯車は、チェーンを巻き上げることで荷物を持ち上げる力を生成します。歯車によってチェーンの移動距離よりも荷物の移動距離が短くになり、これによって持ち上げる力は大きくなる仕組みです。

制動装置は操作を停止したときに、荷物が自動的に落下しないようにする役割があります。これにより、チェーンから手を離しても荷が空中で制止します。

手動チェーンブロックの選び方

手動チェーンブロックを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 揚程

揚程は手動チェーンブロックで荷物を持ち上げる最大高さを示す指標です。どのくらいの高さまで荷物を持ち上げる必要があるかを確認し、それに合わせてチェーンブロックの揚程を選択します。

揚程が長いほど、高い場所での使用が可能です。ただし、過度に長い揚程を必要としない場合、短い揚程のモデルを選択することでコストを削減できます。

2. 定格荷重

定格荷重は手動チェーンブロックが持ち上げることができる最大重量を示す指標です。荷物の重さやサイズを考慮して、必要な定格荷重を選択します。安全性の観点から、定格荷重を超えないように注意が必要です。

3. 質量

手動チェーンブロック自体の質量も重要な要素であり、軽量であれば持ち運びや取り扱いが容易です。特に移動作業が頻繁に必要な場合、軽量のモデルが適しています。一般的に定格荷重が大きい場合、質量も重くなる傾向なります。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/c-22232/
https://www.bildy.jp/mag/chain_block/#ABOUTCHAINBLOCK

貫通ドライバー

貫通ドライバーとは

貫通ドライバーとは、ネジに接する金属の軸がグリップの中を突き抜けている構造をしたハンドドライバーです。

グリップから出た後ろの金属部分 (座金や尻金などと呼ばれます) をハンマーで叩いても使えるように作られています。貫通ドライバーとドライバーの違いは、ドライバーは、ネジを回す金属の軸がグリップの途中まで刺さっている様な非貫通構造ですが、貫通ドライバーは、その名の通り、グリップの中を貫通している構造です。

普通のドライバーを使用してハンマーで叩くと、ネジに加わる力が小さくなるだけでなくドライバーも痛めてしまいます。

貫通ドライバーの使用用途

貫通ドライバーの主な使用用途は、ネジを締めたり緩めたりすることです。

また、グリップの後ろをハンマーで叩き、衝撃を与えて、きつく締まったり、腐食して、はずしにくくなったネジを緩めるようにすることもあります。つぶれたネジ頭の再形成や一時的なハツリ作業などにも使用されます。

貫通ドライバーでネジに衝撃を与える時に使用するハンマーは、プラスチックや樹脂などのハンマーが最適です。金属製のハンマーなどを使用すると必要以上に衝撃が加わり、ネジ以外の部分に悪影響を与えてしまうことがあります。どうしてもネジが緩まないときには、同時に潤滑剤等を使用することも有効です。

貫通ドライバーの原理

貫通ドライバーのグリップから出た後ろの金属部分を叩くと、衝撃がドライバー先端からネジに伝わり、固着部分が動いたり、わずかにすき間ができたりするため、ネジを緩めることができます。

また、普通のドライバーと比べて、多くの貫通ドライバーはグリップが樹脂製で太くしっかりしています。その理由は、貫通ドライバーはハンマーで叩かれることを前提としており、しっかり握れるように配慮されているからです。貫通ドライバーを使用する時には、貫通ドライバーをしっかり握り、手に伝わる衝撃を少しでも和らげ怪我を防止するるために手袋も使用することが推奨されます。注意点は、貫通ドライバーは電気を直接通すため、電気に関連する作業には不適切です。

貫通ドライバーの種類

貫通ドライバーも普通のドライバー同様、さまざまな用途に合わせたタイプがラインナップされています。代表的なタイプとしては下記の通りです。

1. 丸軸タイプ

金属の軸の断面が丸く作られているタイプです。角のない丸い軸なので、手を添えて回してもスムーズに回せるようになっています。一般的に多く見られるドライバーと同じです。

2. 角軸タイプ

金属の軸の断面が四角形に作られているタイプです。レンチスパナなどをかけて、大きな力をかけて回せます。

3. ボルスター付タイプ

金属の軸とグリップの結合部分が六角形になっているタイプです。スパナやメガネなどを六角形の部分にかけて、大きな力で回すことができます。

4. マグネット付タイプ

金属の軸の先端にマグネットが内蔵されたり、磁気を帯びさせたりして、ネジなどの金属がくっつくタイプです。両手が入らない狭い場所などで作業する時にマグネット付きが便利です。丸軸タイプや角軸タイプの先端がマグネット付きになっているものなど、様々な種類があります。

貫通ドライバーのその他情報

使用上の注意点

多くのメーカーは、貫通ドライバーとハンマーでネジに衝撃を加える使い方を推奨しているわけではありませんが、ユーザーの多くが貫通ドライバーでネジに衝撃を与える使い方をするため、衝撃に耐えられるようには作られています。しかし、マイナスの貫通ドライバーをタガネの代わりに使うとドライバー先端を痛めるため、注意が必要です。

固まったネジを緩めるためには、ショックドライバー (インパクトドライバー) が適しています。ショックドライバーは、ハンマーで叩き、衝撃が伝わると同時に先端がわずかに回転するように作られているため、ネジを緩める際に効果的です。

参考文献
https://electrictoolboy.com/media/18273/
https://blog.f-gear.co.jp/item/comparison/muzyundr/