コンクリート用ドリル

コンクリート用ドリルとは

コンクリート用ドリル

コンクリート用ドリルとは、硬質な素材に特化した穴を開けるための工具です。

コンクリート用ドリルは、特に建設現場やDIY作業で広く使用されています。コンクリートやモルタル、石材、レンガ、アスファルトなどの硬い表面を効率よく加工するために設計されています。一般的なドリルでは貫通が難しいこれらの素材を、強力な打撃力と回転運動によって粉砕しながら加工します。

中でもロータリーハンマードリルは、電動モーターによる回転運動と縦方向の打撃運動を組み合わせて動作するため、硬質な材料に穴を開ける作業を簡単かつ効率的に行うことが可能です。こうした特性により、配管やアンカー施工の下穴加工、電気設備の設置、さらには外装や内装の補修作業など、さまざまな用途に対応できます。

コンクリート用ドリルの使用用途

コンクリート用ドリルの主な使用目的は、硬い表面に正確な穴を開けることです。配管や電気配線の設置の際に、必要なサイズの穴をコンクリートやレンガに開けるために使用されることが多く、壁掛け家具や設備を固定するためのアンカー施工にも利用されています。

また、特定のモデルでは切断作業にも対応しており、建築物の壁や床の一部を取り除く際に使用されます。リフォーム時にコンクリートやアスファルトを取り除いて新しい構造を追加する工程で重要な役割を果たすため、解体作業や道路工事でも必要です。さらに、表面の除去作業にも適しています。コンクリートやレンガに付着した古い塗装や接着剤を取り除くことで、新たな塗装や装飾を施す準備を整えることが可能です。

形状加工の分野では、ドリルを使用して特定のサイズや形に調整する作業に役立ちます。窓枠やドア枠を取り付ける際に必要な加工を行うほか、装飾を目的とした仕上げにも活用されます。

コンクリート用ドリルの原理

コンクリート用ドリルの動作は、回転運動と打撃運動の組み合わせが原理です。ドリル内部に搭載された電動モーターが動力源となり、回転運動を生み出します。運動がビットに伝わることで、表面に圧力を加えながら削り取る動作が実現します。

カム機構という部品が回転運動を縦方向の動きに変換し、ドリルビットを上下に動かして硬い素材を効率的に粉砕する役割を果たしており、回転運動だけでは達成できない高速な削り取りが可能です。

ビットの先端には、削った材料を排出するデザインが施されており、作業中の詰まりを防ぐことが可能です。また、高性能なモデルでは、摩擦熱を効果的に冷却する機能が搭載されていることがあり、長時間作業を続けても性能が低下しません。

コンクリート用ドリルの種類

コンクリート用ドリルの種類としてロータリーハンマードリル、コアドリル、カッタードリル、ワイヤーブラシドリルの4つがあります。

1. ロータリーハンマードリル

ロータリーハンマードリルは、回転運動と打撃運動を同時に行う、最も一般的で汎用性の高いドリルです。主に建築現場で使用され、穴あけ作業の多くに対応できます。特に配管やアンカーの施工に適しており、コンクリートだけでなくレンガやタイルにも対応可能です。

2. コアドリル

円筒形の刃先を持つコアドリルは、大口径の穴を正確に開けるために使用されます。主に配管用の穴や試験用サンプルの採取で使用されることが多く、ダイヤモンド粒子が付いた刃先によって非常に硬い素材でもスムーズな作業が可能です。精密な作業を必要とする現場で特に有用です。

3. カッタードリル

鋸歯状の刃先を持ち、小さな穴を効率的に開ける作業に適しています。カッタードリルは軽量で扱いやすく、細かい加工や仕上げ作業に向いています。特に、タイルや薄いコンクリート板の加工で活躍します。

4. ワイヤーブラシドリル

ドリルビットの先端に金属製のブラシを装備しており、コンクリートや石材の表面清掃に使用されます。表面に付着した古い塗装や接着剤、汚れを除去する際に利用されます。

ターンバックル

ターンバックルとは

ターンバックル

ターンバックルはロープやワイヤーなどの張りを調節するための装置です。

ターンバックルは3つの部品で構成されており、中央の部品両端に右ねじと左ねじがついています。このため、両端の右ねじ及び左ねじが回転しないように固定して中央の部品を回転させると、回転方向によって両端のネジの間隔が近づいたり離れたりします。

この動作を利用し、右ねじと左ねじにロープやワイヤーを接続することで、ロープやワイヤ-の張りを自由に調節する事が出来ます。

ターンバックルの使用用途

ターンバックルの使用用途としては、建築物の耐震工事などで使用される耐震ブレースが代表的な使用例です。ブレースとは筋交い(正確には鉄筋造がブレースで木造は筋交い)です。2cm程度の鋼棒で構造に筋交いを入れますが、そのままでは鋼棒がたわんで構造物として機能しないため、ターンバックルでたわみを調整し、構造物として機能するようにします。

その他、大型のものでは橋梁や吊橋、道路橋などでもターンバックルが使用されています。

ターンバックルの原理

概要で述べたように、ターンバックルは3つの部品で構成されています。1つはターンバックル胴と呼ばれるターンバックル本体、残り2つの部品は2本のターンバックルネジから構成されています。

2つのターンバックルネジはターンバックル胴の両端にねじ込まれており、それぞれ右ねじ及び左ねじになっています。つまり、ターンバックルネジ自体は回転しないようにし、ターンバックル胴を回転させると、2つのターンバックルネジ間の間隔を狭めたり広げたり調整することが可能です。

この事は、ターンバックル全体の長さを変化させることが出来るという事と同じ意味であり、ターンバックル両端にロープやワイヤーを結合すれば、ターンバックル胴を回転させることで、ロープやワイヤーの張りを調整することができることになります。

ターンバックルの材質はSS鋼やSNR鋼などが使用されており、特に建材用の耐震ブレースはJIS規格で規定されています。

参考文献
https://www.kondotec.co.jp/products/turnbuckles/

電工ニッパー

電工ニッパーとは

電工ニッパーとは、特に電気設備工事などにおける電線の切断に特化したニッパーです。

鉄線線などの切断が可能なほか、ワイヤーストリップ (電線の皮むき穴) などが付いているものもあります。このタイプの電工ニッパーは、簡易ワイヤーストリッパーとして電線の被覆除去が可能です。

プロユース向けは、VVFケーブル (600Vビニル絶縁ビニルシース平形ケーブル) なども少ない力で切断できます。ただし、刃こぼれなどに注意が必要です。

電工ニッパーの使用用途

電工ニッパーは、電気設備工事におけるVVFケーブルの切断をはじめ、鉄線や銅線、ビニール線などの切断に使用されることが多いです。また、家電や通信機器、精密機器の電線の切断などにも使用されます。

プロユースの高価な電工ニッパーは切れ味も鋭いかわりに、扱いにも注意しなければいけません。許容されている以上の太い電線やピアノ線などを切断する、と刃こぼれするおそれがあります。これは、切れ味を鋭くするために薄刃を使用しているためです。

電工ニッパーの原理

電工ニッパーは、電線を切断するために特化されたニッパーです。VVFケーブルなどは電線が厚い樹脂被覆で覆われているため、この柔らかい樹脂被覆と金属線を同時に切断しなければいけません。

柔らかい樹脂被覆を少ない力で切断するには、刃先を鋭くして摩擦抵抗を少なくすれば切れ味は高まります。しかし、刃先を鋭くすれば金属線を切る際に刃こぼれが発生しやすくなります。このバランスをどのように取るかが、各メーカーの腕の見せどころです。

メーカーによっては刃先を特殊な方法で研磨したり、コーティングなどを施したりすることで、樹脂被覆の切断能力と金属線の切断能力を向上させています。もし、樹脂被覆がない針金のような太い裸の電線を切断するのであれば、電工ニッパーよりもより刃先が強い強力ニッパーと呼ばれるものを使用する必要があります。ただし、強力ニッパーは歯が厚いために、切断面が水平ではなく山型になるのが注意点です。

また、強力ニッパーにはピアノ線が切断できるものと、できないものがあるため、ピアノ線の切断用途で使用する際は確認が必要です。

電工ニッパーの種類

使用用途やニーズに合わせて、電工ニッパーにはさまざまな製品があります。用途に応じて、最適な製品を選ぶことが大切です。

1. 刃の形状による分類

電工ニッパーは、刃の形状が「フラットタイプ (平型) 」「ラウンドタイプ (丸型) 」「強力タイプ (山型) 」の3種類があります。フラットタイプとラウンドタイプは切断面がキレイに仕上がります。しかし、刃が薄いため太い電線の切断はできません。

強力タイプは、刃が厚いため太い電線も切断できます。ただし、切断面が山型になるので、インシュロックなどを切断すると、バリが残る点に注意が必要です。

2. サイズ

電工ニッパーは、数種類のサイズが用意されています。目安として、標準サイズは全長150mm、大きいサイズは全長200mm、小さいサイズは全長125mmです。

大きいほど切断能力が高く、少ない力で切断できます。しかし、手の大きさや作業環境、作業対象によっては、大きいサイズは使い勝手が悪くなることがあるため、使用状況に応じたサイズ選定が重要です。

3. 付加機能

付加機能をつけた電工ニッパーも販売されています。ワイヤーストリッパー機能付きのものは、刃を合わせると小さな穴ができて被覆の皮むきが可能です。簡易的な圧着ができる圧着機能付きのものもあります。

倍力ニッパーと呼ばれるものは、倍力機構でピアノ線などの硬い線も少ない力で切断可能です。また、抗菌樹脂グリップで衛生的に使用できるものや、蓄光グリップで暗いところでも見つけやすいものもあります。

参考文献
http://www.fujiya-kk.com/ja/products/

マルノコ

マルノコとは

マルノコ

マルノコとは、木材をまっすぐに切断するための電動工具です。

円形のブレードを回転させることで切断します。丸太の切断にも使えますが、深く切り込むような用途には向きません。

木材を切る用途では、チェーンソーや電動のこぎりがありますが、これらは木材の板などをまっすぐに切断する用途には向いていません。

マルノコの使用用途

マルノコは木材加工の際によく使用されますが、金属の切断に使用するタイプもあります。石膏ボードの切断なども可能です。

手で持つタイプは、使用は簡単ですが正確な寸法でまっすぐ切断する用途には向いていません。正確な切断が必要な場合は、固定式のマルノコを用いてガイドに沿って切断します。

マルノコの原理

のこぎりは反復運動で切っていくのに対して、マルノコはモーターが回転し、円形のブレードを回転させ、回転力により木材を切断します。機構が単純であり、モーターの生み出すトルクを活かして強力な切断力を生み出します。

切り粉や粉塵が大量に飛び散るため、集塵タイプのマルノコや集塵機に接続できるタイプのも多いです。なお、マルノコは、充電式とコード式から選べます。コード式は電力が常時供給されるため、バッテリー切れの心配はありません。

しかし、コードの長さに制限があり、使用範囲が狭く、コンセントがない場所では使用できないのがデメリットです。充電式はコード式に比べると電圧が低く、パワー不足に感じるかもしれません。

マルノコの選び方

マルノコを選ぶときの基準は、切断する材料、最大切込み深さ、軽さの3つになります。

1. 切断する材料

一般的なマルノコは、木材用を指しますが石膏ボードや金属を切断するマルノコもあります。材料によって刃の加工や形状が違いますので、どの材料に使用するか確認してから購入することが大切です。

2. 最大切込み深さ

最大切込み深さは、刃の径で決まります。刃の径が大きいほど、切込みも深くなるため、基本刃の径が大きいものを選ぶとよいです。ただし、刃の径が大きいものは重くなります。

3. 軽さ

軽さに関しては作業効率につながります。軽いマルノコであれば、作業時の疲労は軽減されます。

マルノコのその他情報

1. マルノコの使い方

電動式であるマルノコは、きれいに速く木材などを切断できますが、とても危険な工具です。正しく使えば非常に便利な電動工具ですが、一歩間違えれば大きな事故につながります。

刃の角度調整
まずは刃の角度調整を行います。適切に刃の角度調整を行っていないと切った断面が直角にならないため注意が必要です。このとき、つまみねじが緩んでいないか確認します。

刃の深さ調整
刃の上下の深さ調整を行います。適当な長さで大丈夫ですが、材料の厚みにプラス1cm程度出ていることを目安にします。

安全カバーの確認
刃の安全カバーは、材料に刃が当たると自然開閉するようにできています。人が操作しませんが、作業前に安全カバーが正常に開閉するかを確認します。

材料の切断
引き金を引いて、材料を切断していきます。

2. マルノコを使用する際の注意点

マルノコを使用する前には、必ず装置の安全性を確認することが必要です。マルノコは非常に危険な工具の1つであり、誤った使い方をすると大怪我を負うことになります。以下に、マルノコを使う際に注意すべき点をいくつか紹介します。

保護メガネやマスクなどの安全用具を着用する
切断中に飛び散る粉塵や切りくずは、目や口に入ってしまうと大変危険です。

必ず切断対象物を固定するためのジグやクランプを使用する
木材などが動いてしまうと、危険な状況に陥る可能性があります。使用時は、切断ラインをマーキングしておくことが重要です。マーキングしたラインに沿って切断すれば、正確な切断が可能になります。

ブレードの近くに手を置かない
マルノコは回転力を利用して切断するため、切断時にはブレードが回転していることに注意してください。ブレードに触れたまま切断を行うと、手や指などが危険にさらされることになります。軍手の繊維がマルノコに巻き込まれて事故につながるため、作業時は素手で使用します。

使用後は刃物を引っ込める
マルノコを使用した後は、必ず刃物を引っ込めるか、取り外し保管してください。また、刃物が錆びたりダメージを受けた場合には、すぐに交換することが必要です。

 

そのほか、マルノコのブレードの交換や刃の角度調整、深さ調整を行う場合は必ず電源を切り、プラグを抜いてから行うことも大切です。ブレードを交換する際は、適切なサイズのものを選びます。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/round_saw/#i
https://www.uedakanamono.co.jp/blog/%E4%B8%B8%E3%83%8E%E3%82%B3#i
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/slidecircularsaw_howtouse/

マイクロニッパー

マイクロニッパーとは

マイクロニッパーとは、細い金属や樹脂などの比較的硬度の小さい素材を切断するために使用される工具です。

ニッパーは、鋭い刃によって銅線や電線、樹脂などを切断する工具を指します。マイクロニッパーは、ニッパーのうち細かい作業に適したもので、小型のものが多く、小さいヘッドと軽い操作性が特徴です。

刃が鋭利なため破損する可能性があり、硬い金属などの切断には向きません。細かな切断作業に適しており、金属の細線やプラスチックのゲート (金型に溶融プラスチックを流しこむ際にできる通路部分) の切断などに使用されています。

マイクロニッパーの使用用途

マイクロニッパーの主な使用用途は、線や電線、樹脂などの切断です。汎用性が高く、一般家庭用の趣味・工芸から電気工事・産業分野まで、さまざまな場面で使用されています。

例えば、電子工作、プラモデル制作、ハンドメイドアクセサリー制作、電気配線、プラスチック部品の切り離しなどの用途が代表的です。プラスチック部品を射出成型すると、融かしたプラスチックの太い通路 (ライナー) 、部品の型に入る入り口の通路 (ゲート) 、部品本体が一体につながった状態で成型の型から外されてきます。

多くの場合で部品の保護のためにライナーごと運搬されており、使用直前にゲート部分で切り離す必要があります。マイクロニッパーは、プラスチックニッパーと重複した用途があり、このようなプラスチックのゲートの切断や微細加工にも使用可能です。しかし、マイクロニッパーは、プラスチックに限定されず、細い電線や銅線の切断もできます。

マイクロニッパーの原理

支点をヘッド部分に持つ「てこ」の原理により、刃に大きな力が加わります。労力を要せず、簡単に対象を切断できます。

マイクロニッパーは薄刃のものが多くなっていますが、これは大きな力をかけずに、比較的柔らかいものを丁寧に切り取るためです。また、ヘッドが小さいものが多く、狭い箇所でも目的の部位に差し入れて作業できます。

戻しばねを備えたものでは、ばねにより刃が開いた状態に戻るようになっており、切断する操作を簡単に反復しやすいです。このように作業性を高める工夫がされており、工作などの細かな作業を要する場面に適しています。

マイクロニッパーの選び方

サイズや先端刃の形状などによって多くの種類があり、目的に適したものを選ぶことが大切です。

1. 全体のサイズ

サイズは、120~200mmまで広い範囲があり、握りやすさや切断力の大きさなどから適切なマイクロニッパーを選ぶ必要があります。サイズが大きいほど、力も大きくなるため、太めの材料や硬めの材料には大きめのニッパーが適しています。

サイズが小さいほど、細かい操作がしやすいため、狭い場所での作業や、細かい作業には小さなニッパーが適しています。

2. 刃

刃の先端が薄いほど、切れ味が良いですが、その一方で刃を傷めやすくもなるため、目的や用途に応じて刃の厚みを選択します。

刃表面の形状は、丸みを帯びたラウンド刃と直線的なストレート刃があります。切断面を平らにしたい場合には、ストレート刃が適しています。

刃の丸みに沿って差し入れるようにして作業したいときや、刃の丸み (真ん中がやや出っ張っている) を利用してトリミングをしたいときはラウンド刃が適しています。

3. ヘッドの大きさ

狭いところに差し込む必要がある作業では、小さいヘッドのものを選択する必要があります。

4. 戻しばね

作業効率を上げるために、戻しばね付きのマイクロニッパーもよく使用されます。ばねにより刃が元の位置に戻るため、連続的に作業できます。作業内容に応じて、戻しばね付きのものにするかどうかを決めます。

参考文献
http://www.victor-kk.com/ja/products/82/
https://www.toptools.co.jp/products/2759/

運搬車

運搬車とは

運搬車

運搬車とは、資材や作物などの荷物を運搬するための車両です。

積載量は運搬車の仕様によって異なります。手動で動かして運搬する小型の運搬車から、エンジン駆動式で運転席に乗車して公道を走行できる乗用運搬車まで幅広いです。

運搬車を使うと一度に大量の作物、土砂、資材などを容易に運べます。

運搬車の使用用途

運搬車は作物や資材などを大量に運ぶために使用され、主に工事現場、農作業地、畜産の現場などで用いられます。作業場から荷降ろし場までの往復回数を減らせて、作業の効率を向上可能です。

使用用途に合わせて運搬車の仕様が異なり、荷台部分を斜めに傾けて簡単に降ろせるタイプは土砂などの運搬に適しています。手動やエンジン駆動式があり、手で押す以外にも自分で乗って移動できる運搬車には立ち乗りタイプや公道を走れる乗用運搬車もあるため、移動範囲などに合わせて選択可能です。

そのほか、荷台部分がリフトになっていて昇降できる運搬車やステンレス製の運搬車もあります。ステンレス製は過酷な使用条件に対応可能で、たい肥などの運搬に適しています。

運搬車の原理

運搬車は荷台部分と駆動部分に分かれています。駆動部分はクローラータイプとホイールタイプに分類可能です。

1. クローラータイプ

クローラータイプの運搬車は駆動部分が無限軌道になっています。そのため農地や工事現場などの平ではない道路、路面が整備されていない砂や土砂の上、傾斜地などでも運搬可能です。

2. ホイールタイプ

ホイールタイプの運搬車は駆動部分がタイヤで、手動とエンジン駆動があります。無限軌道よりも小回りが利くため、狭い道や機敏な動きが必要な場合に適しています。

運搬車の構造

荷台の形状で積載量が違うため、運搬車の形状は重要です。

1. 平ボディ

平ボディは荷台がフラットで屋根のない運搬車です。高さがある荷物を積みやすいです。しかし風雨で荷物が濡れたり、車が揺れて荷物が落ちる危険性があります。風を避けるためにシートを用いたり、ロープで荷物を固定する必要があります。

2. バンボディ

バンボディの運搬車は荷台がアルミ製のボックス型です。風から荷物を守れるため、現在ニーズが高まっています。商用車に用いる会社も多く、災害時に役立ちます。

3. 保冷車

保冷車は外気の影響を受けにくいです。荷台が断熱加工され、食材などを低温で保存しながら運べます。ただし保冷車では積み荷を冷やせません。

4. 冷凍車・冷蔵車

冷凍車や冷蔵車は冷凍食品を運搬可能です。生鮮食品や魚介類の鮮度を守りながら運べます。

5. ウィングボディ

ウィングボディはバンボディの荷台の両側が鳥の翼のように広がります。荷物の積み降ろしが容易で多くの荷物を運搬可能です。長い荷物を積めるほか、小型の荷物を隙間なく積み込めます。ウィングボディは中型トラックや大型トラックだけで、小型トラックはありません。

6. 牽引貨物自動車

牽引貨物自動車は連結式トレーラーで大量に輸送でき、輸送効率が高い運搬車です。

7. 特殊作業車両

特殊作業車両は荷台部分に特殊機能を搭載し、専門機能が高い運搬車です。

運搬車の種類

運搬車のサイズは3種類に分類されます。

1. 小型トラック

一般的に小型トラックとは道路運送車両法で全長が4,700mm以内、全高が2,000mm以内、全幅が1,700mm以内、最大積載量が3,000kg以内の運搬車のことです。すなわち2トントラックや3トントラックは小型トラックですが、トラックメーカーでは4トン未満が小型トラックと呼ばれています。

2. 中型トラック

中型トラックは全長が12,000mm以内、全高が3,800mm以内、全幅が2,500mm以内、積載量が約3〜4トンの運搬車です。荷台の形で積載量が違います。普通免許で運転できる中型トラックは最大積載量によって異なります。

3. 大型トラック

大型トラックは最大積載量が4トン以上の運搬車です。運転には大型免許が必要です。

参考文献
https://www.yanmar.com/media/news/2019/04/04002230/truck.pdf
https://www.yanmar.com/jp/agri/products/truck/
https://www.yanmar.com/jp/agri/products/truck/fg190/
https://www.yamabiko-corp.co.jp/kioritz/products/category/contents_type=113

ハンドサンダー

ハンドサンダーとは

ハンドサンダー

ハンドサンダーは、手動で被加工物表面を研磨や研削をおこなう工具です。

サンディングブロック、サンドペーパーホルダーなどとも呼ばれます。板状やブロック状の本体の一面にサンドペーパーをつけ、サンドペーパーを研磨あるいは研削をおこなう被加工物に当て、作業者が本体を持って本体を動かしてサンドペーパーで被加工物を研磨あるいは研削します。

本体にサンドペーパー付けるには、本体に設けられたクリップなどの固定具で固定する方法、あるいはマジックテープで固定する方法が一般的です。

ハンドサンダーの使用用途

ハンドサンダーの使用用途は、壁紙施工や塗装時の下地処理などです。壁紙施工の下地処理においては、壁の下地に壁下地用のパテを塗り、下地の凹凸面をならします。ハンドサンダーはこの下地のパテを平坦に仕上げる工程に使用されます。

ハンドサンダーは、各種材料の研磨にも好適です。例えば、クロスや木材の表面仕上げや金属の磨き、サビの除去などです。車両のパーツを研磨するあるいは塗装する前の表面の平滑化にも使用されます。また、細かく作業できるため、自動車のボディ修理作業にも好適です。

木材同士を繋ぎ合わせる際に使用する小さな棒状のパーツである木ダボの平面処理にも使用されます。変わったところでは、珪藻土のバスマットのお手入れなどにも使用されます。

ハンドサンダーの原理

ハンドサンダーは、ハンドサンダーの本体の一面に装着されたサンドペーパーを動かして使います。すなわち、ハンドサンダーの原理は、サンドペーパーが動くと、表面の砥粒粉末が加工対象物と接触して加工対象物の表面を削り取るものです。表面の不均一な凹凸が研磨されて、平滑な平面や曲面を作り出します。この過程を繰り返すことで、素材の表面を平滑に研磨可能です。

ハンドサンダーの構造

ハンドサンダーは、サンドペーパーとサンドペーパーを固定する手段を有する本体により構成されています。ハンドサンダーには、本体そのものを持って作業するものと、本体に持ち手であるハンドルを有しておりハンドルを持って作業するものがあります。サンドペーパーを本体に固定する方法としては、クリップなどの固定具で固定する方法とマジックテープで固定する方法が一般的です。

サンドペーパーをつける面が平面のものは平面を磨くのに好適です。この面が曲面となっているものもあり、曲面の研磨も簡単にできます。また、素材に合わせて適切なサンドペーパーの番手を選ぶことも重要です。

ハンドサンダーのその他情報

ハンドサンダーのメリットとデメリットを以下で解説します。

1. メリット

ハンドサンダーは、機動性が高いのがメリットです。手動で操作するため、機動性が高く、狭いスペースや曲がりくねった部分など、他の工具では処理しにくい箇所でも作業が可能です。

また、扱いやすいのもメリットです。ハンドサンダーは軽量で取り回しが容易なため、長時間の作業でも疲れにくく、精度の高い作業が可能です。安価であることもメリットで、電動式のサンダーよりも維持費も安く、メンテナンスも簡単な利点もあります。

さらには、サンドペーパーの番手や種類を変更すれば、多目的に使用できる点もメリットです。

2. デメリット

ハンドサンダーを使用する場合は、手作業でサンドペーパーを動かすため、手首や肩などへの負担を避けられません。長時間の作業や重い材料を扱う場合は、疲労や負傷の原因となるため注意が必要です。

また、手作業での研磨や研削となるため、仕上がりにムラが生じる可能性があるのもデメリットです。特に平面を仕上げる場合には、サンドペーパーのすり減りやサンドペーパーを当てる角度のズレによって仕上がりが不均一になることがあります。

ハンドサンダーを使用すると、研削時に発生する粉塵やカスが周囲に散乱することがあります。健康に影響する可能性があるため、留意が必要です。

逆浸透膜浄水器

逆浸透膜浄水器とは

逆浸透膜浄水器

逆浸透膜浄水器とは、水分子のみを通すことができる半透膜を使用した浄水器のことです。

別名RO (Reverse Osmosis) 浄水器も呼ばれています。半透膜は2ナノメートル以下という非常に微細な孔径が存在し、通常の浄水フィルター (中空糸膜・活性炭など) では除去できない物質 (ミネラル、細菌、ウイルス、トリハロメタン、塩素、環境汚染物質、重金属、放射性物質など)の除去も可能です。

逆浸透膜浄水器は、逆浸透現象を利用します。逆浸透現象は、水溶液 (原水) 側に圧力を加えて、半透膜を介して水分子を移動させることにより、純度100%に限りなく近い純水を作り出すことが可能です。作り出された純水は、ミネラル分 (カルシウム、マグネシウム、無機塩類など) を含んでいないため、いわゆる「超」軟水に該当します。

逆浸透膜浄水器の使用用途

逆浸透膜浄水器は、飲料水確保のための海水の淡水化が目的で開発されましたが、その後「宇宙空間において生活排水を飲料水に再利用する」「実験用、医療用水としての高純度純水」「災害時における飲料水確保」「硬水の軟水化」など、さまざまな目的で使用されています。

特に医療業界では、透析における水処理装置として逆浸透膜浄水器に用いられている技術が応用されており、必須の技術です。2011年東日本大震災後の福島第一原子力発電所事故により、東京都金町浄水場など首都圏の水道水から基準値以上の放射性物質が検出されています。

それがきっかけで、水道水から放射性物質を除去することができる逆浸透膜浄水器が注目されるようになりました。

逆浸透膜浄水器の原理

図1. 逆浸透膜浄水器の原理

逆浸透膜浄水器には、一定の大きさ以下の分子やイオンしか通さない半透膜を使用します。半透膜の材質として、再生セルロース、アセチルセルロース、ポリアクリロニトリル等が用いられています。浸透現象は、半透膜を隔てた片方に高濃度水溶液 (不純水) 、もう片方に低濃度水溶液 (純水) が存在する場合、水分子が半透膜を介して、低濃度水溶液 (純水) 側から高濃度水溶液側へ移動する現象です。

一方、逆浸透現象では、高濃度水溶液側に圧力を加えることによって、高濃度水溶液側の水分子が半透膜を介して低濃度水溶液 (純水) の方に移動するという現象で、逆浸透膜浄水器はこの原理を用いています。逆浸透膜浄水器では、一般的に原水となる不純物を含む水を100%純水にすることができず、生産できる純水の約2倍量の廃棄水が発生します。

また、海水のように不純物を多く含む水溶液 (原水) を処理する場合は、逆浸透現象を起こすROモジュールに直接原水を通すと、半透膜はすぐに目詰まりを起こしてしまうため、原水中の不純物濃度、濁度に応じた前処理が必要です。さらに、前処理によっても除去できない不純物 (イオンなど) が高濃度の場合、水溶液側にかける圧力を高くする必要があり、その際にポンプを使用して加圧しなければなりません。

逆浸透膜浄水器のその他情報

1. 家庭用逆浸透膜浄水器の水処理過程

図2. 家庭用逆浸透膜浄水器の水処理過程

家庭用逆浸透膜浄水器の場合、まず原水はセディメントフィルターに通します。セディメントフィルターの孔径は通常約1~5μmです。次に、処理水は活性炭 (カーボン) フィルターに通し、カルキ (塩素) 、臭いを取り除きます。

通常、逆浸透現象で用いる半透膜はカルキ (塩素) に弱く、カルキ (塩素) 除去が必要です。そして、逆浸透膜モジュールに処理水を通し、逆浸透現象によって純水を作製します。

2. 逆浸透膜浄水器のメリットとデメリット

逆浸透膜浄水器は、「極めて高純度の純水を作る出すことが可能である」というメリットの反面、「原水を100%純水に変えることができない (廃棄水が発生する) 」「加圧 (ポンプ) が必要である」「原水の状態によって、適切な前処理をする必要がある」などのデメリットも存在します。

また、逆浸透膜浄水器は原理上、複雑なシステム構造となるため、他の浄水器に比較し高価です。そのため、使用目的を鑑み、どの程度の純度の純水が必要なのかを考慮し、純水製造装置を選定する必要性があります。

参考文献
https://www.hydropure.co.jp/
https://waterstand.jp/waterlife/water_filter_server/waterlife00103.html
https://www.verusaqua.co.jp/
https://www.hama-josui.com/wate/

近赤外カメラ

近赤外カメラとは近赤外カメラ

近赤外カメラ (英: near infrared camera) とは、一般的なカメラでは映すことができない赤外線波長域の光を撮影できるカメラです。

近赤外線は、波長が700nmから2,500nm (0.7~2.5μm) の電磁波の1種です。人間の目で見ることができる可視光よりも波長が長いので、肉眼で見ることができません。

物体はその組成によって光の反射や吸収の仕方が異なっているため、この特性の違いを利用し、人間の目で見えない光を近赤外カメラによって可視化することが可能です。そのため、近赤外カメラは電子部品から農産物まで幅広い製品の検査で利用されます。

近赤外カメラの使用用途

近赤外カメラの使用用途は、人間の目で見ることができない近赤外線を写すことができるため、監視や検査、観察などです。被写体は様々で、医薬品や電子部品などから、農産物や食品など多岐にわたります。

具体的には、農作物の鮮度を判別したり、食品に異物が混入していないかを検査したり、医薬品の成分や肌の水分を分析したりする際に使用されます。また、塩・砂糖・調味料の区分が可能です。

果実のキズや木材の割れの検出、水と油の分別、ICカード内の回路読み取りなどの用途があります。今後も更なる使用領域の拡大が期待されます。

近赤外カメラの原理

近赤外カメラは、物質ごとの近赤外光の吸収量を画像として表示するものです。近赤外線は赤外線をさらに分別した中で、可視光線よりも波長が長く、電波よりも短い赤外線です。

近赤外線は太陽光中にもあるような日常に身近なので、人体や食物などに照射しても影響のない安全な光と言えます。色や熱には特徴を示しませんが、光の中で物体に一番吸収されやすい光です。

近赤外カメラの原理は、物質によって光の反射や吸収の度合いが異なることを利用する方法です。波長域の異なる光によって見え方が違うので、その違いのコントラストを強調させることで、異なる物質同士でも可視化することができます。

被写体に近赤外線が含まれた光を投射すると、異なる物質で光の反射や吸収の違いが特徴として画像に表れ、これを映すことで可視化しています。

近赤外カメラのその他情報

1. 近赤外カメラと遠赤外カメラの違い

赤外線は、さらに細かい波長域で3分類されます。

  • 0.7~2.5μm:近赤外線波長
  • 2.5~4μm:中赤外線波長
  • 4~1,000μm:遠赤外線波長

近赤外カメラと遠赤外カメラは、可視化出来る波長の範囲が異なります。また、カメラの検査対象となる被写体も近赤外カメラと遠赤外カメラとで異なっています。

近赤外カメラの対象は、食料品や医薬品、化粧品などの不良品検査に対し、遠赤外カメラは防犯セキュリティや車のドライビングアシスト用に、暗部での人や動くものが対象です。<近赤外カメラは、自ら熱を発するような物体の検知はできません。

そのほとんどが日中の太陽光下や照明器具による反射光を利用して観測を行います。近赤外カメラでのノイズ対策は比較的容易です。余計な反射を行う箇所を反射しない黒い布で覆えば改善できます。

遠赤外カメラは、熱を発するものをほとんど検知できるため、どんなに暗闇でも被写体と背景の間に温度差があれば、観測が可能です。ただし、日中は熱を発する物体が多くあるため、検査対象ではない物体は、すべてノイズとして観測されます。

2. 近赤外カメラの映像の見え方

近赤外線は電磁波の1種なので、人間の肉眼では見ることができない光です。しかし、可視光下で見分けがつかない被写体に対して、近赤外カメラで撮影すると、通常見分けができない被写体に対しても見分けることができるようになります。

例えば、食塩、砂糖、調味料は可視光下ではほとんど見分けがつきませんが、1.5μmの近赤外カメラで撮影すると、それぞれを見分けることが可能です。3種類の粉体の赤外光吸収度が、可視光下ではほぼ同じなのに対して、近赤外線下では異なることが理由として挙げられます。

塩は約1.1μmの吸収波長ですが、砂糖は約1.3μm、調味料は約1.5μmの赤外光吸収波長を有しています。そのため、1.5μmの近赤外カメラで撮影すれば3種類の粉体を見分けることが可能です。

参考文献
https://www.avaldata.co.jp/solution_imaging/near_infrared/near_infrared_camera.html
https://www.avaldata.co.jp/products/imaging/near-infrared-camera
https://www.asanumashoukai.co.jp/sanki/industry/photographic-equipment/ingaas
https://www.ko-pro.tech/200317marutto/

輪転機

輪転機とは

輪転機

輪転機とは、回転する円筒の間に印刷紙を通しながらインキを移して印刷する機械です。

回転する円筒に湾曲する印刷版を取り付け (版胴) 、版胴についたインキをブランケット胴と呼ばれる転写ローラーに一旦移します。巻取り紙と呼ばれる印刷紙をブランケット胴と圧胴と呼ばれる円筒との間に挟みながら巻き取ることにより、印刷を行います。オフセット印刷の印刷機の1つで、両面印刷や多色印刷を高速で処理することが可能です。新聞やチラシなど、多量に印刷するものを得意としています。なお、巻取り紙を使用する輪転機に対し、カットした紙を使用する印刷機は枚葉機と呼ばれています。

輪転機の使用用途

輪転機は、主にオフセット印刷で低コストかつ大量に印刷する際に使用されます。具体的な印刷物の例には下記が挙げられます。

  • 新聞
  • 折込チラシ
  • 雑誌
  • フリーペーパー
  • ビラ
  • ポスター

発行部数が多く、比較的薄手の紙に印刷されるものが中心です。輪転機は大量に同じ原稿を印刷する場合、コピー機、複合機に比べてコストが安くなるという特徴があります。不動産業界におけるポスティングチラシ、自治会の配布物や、学校・塾・予備校やPTAなど、教育関係における大量の印刷物に使用される場合もあります。

輪転機の原理

1. 印刷の基本的な仕組み

輪転機の基本的な仕組みは、巻取り紙と呼ばれる印刷紙をセットし、インクの乗ったブランケット胴と圧胴の間を巻取り紙を通過させて印刷を行うというものです。色は単色もしくは2色刷りが主流で、毎分100枚以上で高速かつ大量に印刷することが可能です。

  1. 製版したアルミ製の刷版が輪転機の版胴と呼ばれる部分にセットされます。
  2. 版に湿し水とインクをのせ、インクを一度ブランケット胴 (樹脂やゴム製の転写ローラー) に移します。
  3. ブランケット胴と圧胴と呼ばれる円筒を回転させ、これらの間を巻取り紙に通過させて印刷します。

輪転機はブランケット胴にのったインクを用紙に転写するため、紙と版が直接触れ合わない印刷方法です。このような印刷方法をオフセット印刷と言います。版が直接紙と触れないことから摩耗が少なく、大量印刷に向いている手法です。

2. 印刷の特性と印刷後の処理

輪転機による印刷は、両面多色印刷で行われるため高速印刷が可能です。インクの乾燥を早くするため、熱で急速に乾燥するインク (ヒートセットインキ) を使用し、印刷後はドライヤー部分を通過して乾燥します。このため、輪転機による印刷は紙が縮みやすいです。

高温になった用紙は冷却されたローラーに巻き取られることで冷却された後、規定のサイズへの用紙の折り、裁断が行われます。

輪転機は非常に大型の設備です。大きいものでは全長40メートルにもなります。セットできる巻取り紙のサイズは輪転機によって異なります。

輪転機の種類

輪転機の種類には、新聞用輪転機や、グラビア輪転機などがあります。また、圧胴の構造により、B-B型・共通圧胴型・圧胴型などの分類があります。

新聞用輪転機は、文字通り新聞の印刷に使用される輪転機です。グラビア印刷とは、シリンダーと呼ばれる円柱型の金属の凹み (セル) にインキを入れ、余分なインキを落として被印刷体に印刷する印刷方式です。セルの深さで濃度を調整するため、階調を持つ画像 (写真など) の再現性が高いことが特徴として挙げられます。機器によっては、耐油剤や撥水剤を塗布する機能性印刷も可能です。

輪転機のその他情報

輪転機を使用した印刷の工程

輪転機を使用した印刷工程全体は、大きく次の3つのステップに分けることができます。

  1. プリプレス工程
    印刷する原稿の構成、デザイン、編集から製版を行う工程です。
  2. プレス工程
    プリプレス工程で作成した版を用いて印刷を行う工程です。巻き取り紙のセット、版の取り付け、インクの調整などの準備を行った後に、印刷を開始します。刷り初めは、印刷ずれや濃度など異常がないか確認しながらゆっくり印刷を回しますが、その後は、回転数をあげて高速に印刷を行います。
  3. ポストプレス工程
    印刷した紙の後加工を行う工程です。最終的な印刷物のサイズに合わせて断裁を行います。用途に応じて、2つ折り、4つ折りなどの折り加工やラミネートや箔押しなどの処理を施す場合もあります。

参考文献
https://www.shinkohsha.co.jp/blog/rinten_maiyou/
https://www.ohw.jp/html/page245.html
http://www.grand-pt.co.jp/index.php?page=Type-Print