製造業業界全体のWebデザイン向上のためアイコンの無料配布を決定致しました。
下記アイコンの商用利用を含む利用をして頂けますので是非ご利用ください。
利用の際には画像参照元として、産業用製品比較のメトリーとご記載及びリンク(https://metoree.com/)をお願い致します。
今回は下記の10個を配布致します。今後随時利用可能アイコンを増やして行きますので、是非ご利用ください。
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ACアダプターとは、電源コンセントと電子機器間で交流電源を直流電源に変換する装置のことを指します。
AC (英: Alternating Current) は交流電源を意味します。交流電源は、電力会社から一般家庭のコンセントに商用電源として供給されています。一般的な電子機器は直流電圧で動作するため、交流電源から直流電源への変換が必要です。持ち運ぶ必要のない大型家電などには、あらかじめ変換回路が内蔵されています。
一方で、よく持ち運ぶような電子機器には携帯性の観点から変換回路が内蔵されていません。こうした背景からACアダプターが活用されており、交流電源を直流電源に変換する役割を担っています。
ACアダプターは我々の日常生活に広く普及しています。例えばスマートフォンやタブレット、ゲーム機、ノートパソコンなどが挙げられます。
ACアダプターは小型で持ち歩けるモバイル機器に多く用いられており、機器本体の軽量化や安全性の面においても重宝されています。機器本体と変換回路を分割することで軽量化を図り、高圧な商用電源を低電圧に変換することで利用者の安全性も確保しています。
また、入力と出力に適したアダプターを用意すれば100Vや200Vの商用電源以外にも自動車や航空機などからも電力を供給することができるため、特定の電源に縛られることなく給電が可能な汎用性の高い製品として活用されています。
ACアダプターは、一般的に入力電源からの交流電流をまずACピンによって受け取ります。電流はヒューズを通過し、ラインフィルタに流れ込みます。ラインフィルタでは電流の変化によって生じるノイズを低減させます。
その後、ダイオードに電流が流れ込み全波整流します。この仕組みによって電源から入力した負の電圧を正の電圧に変換し、整流することで直流に変化させます。
しかし、ダイオードで整流した電流は完全な直流ではないため、次に電流が流れ込む電解コンデンサの仕組みによって電気の波をより直線に近い波に平滑します。
直流に変換された電流はトランジスタに入り、矩形波に変換されることで出力電圧が安定的に保たれます。矩形波に変換された電流がトランスに入り、最適な電圧に調整されます。最後に出力側の電解コンデンサでさらに平滑します。
ACアダプターは、上記の流れを繰り返すことで安定的な直流を生み出しています。
ACアダプターは電源プラグ、本体、出力コネクタから構成されています。
ACアダプターの電源プラグはコンセントを差し込む部分を指します。地域ごとに規格で標準化された形状となっており、自国以外でACアダプターのプラグを使いたい場合には、別途変換アダプターが必要です。
ACアダプターの本体部分には、交流電源を直流電源に変換する回路が組み込まれています。整流回路や安定化回路はACアダプターの機能を有する部分です。ACアダプターは出力する電力が大きいほど回路が大規模となり、本体のサイズも大きくなります。
出力コネクタは電子機器に接続する部分です。標準化された規格のコネクタやメーカー独自のものを用いているコネクタなど、様々なタイプがあります。
ACアダプターにはスイッチング式とトランス式の2種類があります。
スイッチング式ACアダプターは2000年代から主流となった方式です。1960年代にロケット用の電源としてアメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発したのが起源と言われています。
小型で軽量なうえ、トランジスタなどの制御回路によってパルス幅を調整し電圧の安定化を図っているため、ムダがなく高効率な電源アダプターです。
トランス式ACアダプターは、別名リニア式やドロッパ式とも呼ばれています。スイッチング式ACアダプターが普及する前から活用されており、制御回路が簡易的で安価なACアダプターです。また、鉄心にコイルを巻いた構造の電源トランスを使用する大型で重いアダプターでもあります。
一方で、スイッチング式と比べるとノイズが生じにくい特性があり、オーディオ機器や医療用機器などに使用されています。
ACアダプターを選ぶ際は、ACアダプターの本体に記載されているラベル表示と接続機器の定格電圧表示を確認します。また、変換方式や出力コネクタの種類が適合している必要もあります。
ACアダプターは電源機器のため、適切に使用しなければアダプターや機器の故障だけでなく火災などの事故の原因にもなり得ます。
一般的にラベル表示にはモデル名や型式が記載されています。そのほかにI/PやO/P、L.P.S、プラグの極性など多くの情報が記載されています。
I/Pは入力電圧を示しており、国内であればAC100Vから240Vまでの表示がされています。国外では110Vから240Vまで幅があり、国によって取り扱われている電圧が異なります。
日本国内では多重定格周波数も示されており、50Hzから60Hzの記載がされています。これらはおおまかに分けて50Hzが東日本の取り扱い範囲で、60Hzが西日本の取り扱い範囲です。
O/Pは出力電圧を示しています。
L.P.Sは、Limited Power Sourceの略で最大の出力電圧と出力電流、定格電力に制限がある電源を指しています。IEC60950の国際規格で規定されています。
プラグの極性はプラグの外径と内径を示しており、センタープラスとセンターマイナスの表記があります。一般的に市販されている多くのアダプターがセンタープラスですが、誤ってプラス表記のアダプタにマイナス表記のアダプタを差し込んでしまうと機器故障の原因になるため、プラグの極性も確認が必要です。
参考文献
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/4299/
https://www.724685.com/word/wd141126.htm
CADとは、「Computer Aided Design (コンピュータ支援設計) 」の略で、もともと紙の上で手書きで行っていた設計や製図の作業を、コンピュータ上で行うことのできる設計手法またはそのソフトウェアのことです。
1960年代にアメリカの計算機科学者により開発され、はじめは航空機の設計に使われていました。その後、建築分野や自動車分野などの工業分野へ波及し、現在ではアパレル業界でも活用されています。
CADの種類には、図面を平面で表す2次元CADと立体で表す3次元CADがあります。また、使用分野を問わない汎用CADと、建築・自動車・電気など特定の分野に特化した機能を持つ専用CADという分類の仕方もあります。
CADとよく似たツールとして、CADの設計情報を元に、製造機械の制御プログラムを作成する機能を持つCAM(Computer Aided Manufacturing)と、CADで設計した製品が目標の性能・評価を満足するかシミュレーションする機能を持つCAE(Computer Aided Engineering)があります。どちらもCADと連携して使用されるものです。
CADは、業務として設計プロセスを持つさまざまな産業で使用されています。主な使用用途は、以下のとおりです。
CADの建築物や自動車部品など、寸法や形状、その範囲を指定する必要のなるあらゆる分野での図面作成に使われています。CADは手書きに比べ格段に速く製図をすることが可能で、修正も容易です。
また、データをクライアントや取引先と共有、編集しあうことで建築設計納期の短縮や部品開発のスピードアップにもつながります。
CADは構造物の設計だけでなく、自動車や家具やインテリアのデザインに活用することも可能です。従来デザイナーがスケッチで行っていた作業を3D CADで行うことで、立体的にイメージを伝えることができます。
スケッチとは異なり、3D CAD画面上でいろいろな角度から見たり回転させたりすることで、よりコンセプトが伝わり易くなります。
金属や木材、プラスチックの加工方法として、NC加工があります。NC加工では被加工物に回転した刃を当てて所望の形にするのですが、その加工を制御するのがCAMです。CAMにより、NCの加工プログラムを作成することができます。
3D CADでは構造物の寸法やデザインを設計するだけでなく、力が加えられた時の挙動をシミュレーションすることができます。例えば、ある形状の椅子を設計した際、座る面に荷重がかかった場合、脚部にどの程度の力がかかるか、変形や破損しないかを解析により予測することができます。解析には、CAE (Computer Aided Engineering) というソフトを使用します。
CADを利用した設計は、紙の上に手書きで行う作業に比べてスピーディーに実施可能です。作業者によって誤差が生じがちな線の太さや手書き文字などを均一化することができます。また、図面修正も該当箇所のみをピンポイントに変更することで行えます。
設計データの履歴を保存することによって、以前のデータに戻って設計のやり直しも可能です。また、過去の図面データを読み込むことで、似たような設計の共通作業を減らせるため、効率の向上が期待できます。
また、紙ベースの設計図では破れやインクの退色などのリスクがありますがCADデータであれば、その心配はありません。管理が容易なので、メール等で物理的に離れた人への共有も瞬時に行うことができます。
CADには2次元CADと3次元CADがあります。
2次元CADは、三角法に基づいた正面図・平面図・側面図という従来の紙の図面に相当するものを、コンピュータを用いて作成します。図面自体は手書き時代のものと変わりませんが、コンピュータ上で設計することで作業効率は飛躍的に向上しています。
3次元CADは、立体そのもので設計・図面製作を行います。任意の視点からの立体的図面と見ることができ、複雑な設計でも形状を把握しやすいというメリットがあります。
3次元CADで設計する手法としては、立体の形状情報を直接変更していく直接モデリング法と、寸法・拘束条件などのパラメータを指定して立体モデルを構築していくパラメトリック法があります。
参考文献
https://www.saeilo.co.jp/cad_cam.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/3d-printers/agilista/knowledge/cad_differ.jsp
https://www.autodesk.co.jp/solutions/cad-software
http://www.mech.tohoku-gakuin.ac.jp/rde/contents/sendai/mechatro/archive/RMSeminar_No23.pdf
EPROMとは、「Erasable Programmable Read Only Memory」の略で、データの書き込み・消去が一定回数できる半導体メモリです。
書き込んだデータは、電源を切っても内容が保持される不揮発性メモリです。EPROMは、強い紫外線を一定時間照射することで、メモリ内の全てのデータを消去します。
そのため、データの一部を残して消去することはできません。また、長期間太陽光や蛍光灯に当て続けると、データが消去されてしまうので注意が必要です。データの書き換え回数が数十回程度であったり、データ消去に一定時間かかったりすることから、近年では電気を使って消去するEEPROM (Electrically Erasable PROM) やフラッシュメモリに置き換わりつつあります。
EPROMは、プログラムやデータを書き込まれてコンピュータ制御機器に搭載されています。何度もデータを消去し書き込むことが可能ですが、データを消去するためには紫外線の照射装置にかける必要があります。
電子機器に組み込んだ場合、データの書き換えの都度、電子機器からEPROMを取り外して紫外線照射装置にかけなければなりません。そのため、電気的にデータの書き換えが可能なEEPROMなどが主流になりつつあります。
EPROMでは、1ビットのデータは1個のトランジスタに保持されます。この様にデータを保持するトランジスタのことを、メモリセルトランジスタと呼びます。
EPROMのメモリセルのトランジスタは、ゲート酸化膜中に電気的に絶縁されたフローティングゲート (浮遊ゲート) が埋め込まれています。
浮遊ゲートの上には、制御ゲートと呼ばれる電極が配置されていて、データの読み書きに使用されるものです。EPROMは、このメモリセルが碁盤目状に配置されています。
EPROMの原理を3つの観点から解説します。
メモリセルトランジスタの制御ゲートに高い電圧を加えることで、メモリセルトランジスタのチャネル中のソースとドレイン間に流れる電子は、高いエネルギーを獲得します。エネルギーを獲得した電子の一部は、ゲート酸化膜を飛び越えて浮遊ゲートに注入されて、浮遊ゲートを負電荷にします。浮遊ゲートが負電荷になると、データが記録されたことになります。
トランジスタが機能するために制御ゲートにかける電圧を、スレッショルド電圧と呼びます。データが書き込まれて浮遊ゲートが負電荷になっているメモリセルトランジスタは、データが書き込まれていないメモリセルトランジスタより、制御ゲートに高いスレッショルド電圧を加えなければ動作しません。
データが書き込まれていないメモリセルトランジスタのスレッショルド電圧と、データが書き込まれているメモリセルトランジスタのスレッショルド電圧の中間の電圧を読み出し電圧と呼びます。読み出し電圧を加えてメモリセルトランジスタがオンするかオフするかで、データの有無を判断することが可能です。
紫外線を照射することで浮遊ゲート内の電子は、高エネルギー状態になります。高エネルギーになった電子は、ゲート酸化膜を飛び越えて基板と制御ゲートに放出されます。電子を放出した浮遊ゲートは、電気的に中性になりメモリセルトランジスタのスレッショルド電圧が初期値に戻ります。
これがメモリセルトランジスタのデータが消去される原理です。EPROMのデータ消去が全データ一括消去なのは、紫外線の照射を特定のメモリセルトランジスタに絞ることが困難なためです。
EPROMのメモリ容量は、2キロビット (256バイト)~32メガビット (4メガバイト) で、型番から確認できます。EPROMの型番は、2732、2764のように27から始まります。型番の27以降の数字がメモリ容量です。
例えば、2732は32キロビットの容量を持つことを、2764は64キロビットの容量を持つことを表しています。また、27C32、27C64の様に型番の27の後にCが入っているものは、メモリセルトランジスタがCMOS構造であることを示します。
参考文献
https://www.atmarkit.co.jp/icd/root/87/5785787.html
http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi751.htm
https://shizenkarasuzon.hatenablog.com/entry/2018/12/09/233440
HDDとは「Hard Disk Drives」の略で、外部記憶装置として代表的な装置です。
電源を落としてもデータが消えない性質を持つ不揮発性の記憶装置です。磁性体を用いた金属のディスクを複数枚重ねた構造となっており、これを高速に回転させて磁気ヘッドを近づけ、磁性体を磁化させることで、データの読み書きを行っています。
データの読み書きをする際に、磁気ヘッドとディスクを近接させるため、振動には弱い構造です。大量のデータを扱うため接続には通信の高速性が求められ、SCSIやIDE、SATAなどの規格が使われています。かつては外付けHDDとの接続にもSCSIやSATA規格を用いたケーブルが使われることが多くありました。
しかし、近年USB接続によるデータ転送の高速化が進んだため、外付けHDDの接続にはUSBが使用される場合も増えてきています。
HDDは大容量記憶装置として、パソコンのデータを保存する装置に多く用いられています。また、パソコン以外にも外付けの記憶装置やサーバー、ネットワークドライブや家電のハードディスクレコーダー、ゲーム機など、電子機器には広くハードディスクが使用されている状況です。
近年では、SSDの容量が大きくなってきたことにより、従来HDDが担っていた役割をSSDが担う場合が増えています。HDDは磁気ディスクを用いていますが、SSDは半導体素子を使ったNAND型フラッシュメモリにデータを記録します。
SSDと比較したときのHDDの利点は、大容量のものを廉価に調達できることです。そのため、頻繁に読み書きを行う記憶装置にSSDを、データを二次的に保存する記憶装置にHDDを充てる使い方が増えてきています。
ハードディスクは、一般的にディスク、モーター、磁気ヘッド、制御回路などから構成されています。ハードディスクでは、一枚のディスクをプラッタと呼びます。プラッタの表面には磁性体が塗布してあり、これに磁気的にデータを記録する仕組みです。データ容量を得るため、複数のプラッタを重ねて搭載するのが一般的です。
ハードディスク内には、動作させるためのモーターが搭載されています。モーターの種類は2つあり、1つはプラッタを回転させるモーターです。これはスピンドルモーターと呼ばれます。これが高速回転できるほどデータの読み書きが速くなるため、この回転数が性能表示されることがあります。もう1つは磁気ヘッドを動かすためのアームを駆動するモーターです。
磁気ヘッドは、ハードディスクにおいてプラッタ上のデータを読み書きするためのものです。プラッタが複数あるために、磁気ヘッドもそのプラッタの数に応じて搭載されます。データを書き込む原理は、電流を用いてプラッタ表面の磁性体に磁力を与えることにより、データを書き込むものです。
磁力 (磁石のS極とN極の向き) がどちらを向いているかがデジタル記録の0と1の情報に対応します。読み取りの際には、プラッタ上の磁場の影響により変化する抵抗値をもとにデータを読み取ります。
内蔵HDDと外付けHDDで選び方の着眼点が異なります。
パソコンの自作や、デスクトップパソコンの性能向上のために内蔵HDDを購入することがあります。まず、自作または交換しようとしている環境の接続規格 (IDEやSATA) を確認し、適合するものを選びます。
次いで、ディスクサイズは3.5インチと2.5インチがありますが、おおむね3.5インチが標準デスクトップPC用であり、2.5インチがノートPCあるいは省スペースデスクトップPC用です。デスクトップPCの3.5インチ用スペースにマウンタを設置して2.5インチディスクを組み込むこともできます。
容量は使用目的に合ったものを選択します。不必要に大容量なものはコストが高くなります。ディスクの回転数は7,200rpmと5,400rpmが主です。高速に回転するほどデータの読み書きが速くなる一方、高額で発熱も大きくなります。用途を考慮し、高速の読み書きが必要かによって選択するとよいでしょう。
外付けHDDには、据え置き型とポータブル型があり、持ち運びをするのか、しないのかによって選択します。据え置き型は重く持ち運びに適さない一方で安価であり、ポータブル型は軽量で、持ち運び中の衝撃対策が考慮されているためです。
外付けHDDに接続するインターフェースは、接続機器に応じて選択します。接続規格はUSB、Thunderbolt、eSATAなどがあります。USBなどは世代によって通信速度が大きく異なるため、詳細に使用を確認し、期待する通信速度に対応したものを選択するとよいでしょう。
参考文献
https://www.elecom.co.jp/pickup/column/storage_column/00015/
https://www.brain-network.ne.jp/hdd_data/hdd001.html
https://www.pc-master.jp/words/hdd.html
HEPAフィルタとは、大気中のミクロン以下の微粒子を高効率で捕集する装置です。
HEPAフィルタは正式には「High Efficiency Particulate Air Filter」と呼ばれます。JIS規格による規定では、0.3μmの粒子に対して99.97 %以上の捕集効率を有すること、そしてフィルタによる圧力損失が245 Pa以下の性能を持つことが求められています。
超高性能フィルタとして、粗塵用フィルタを経て選別された最終段階で利用されます。環境衛生の保持や、クリーンルームを必要とする産業的な用途において、HEPAフィルタを用いた空気清浄化のニーズが高いです。
HEPAフィルタの使用用途の1つとして、クリーンルーム内の清浄環境の保持が挙げられます。クリーンルームにおいて空調機器を使用する場合に、空調機器にHEPAフィルタをつけることで、微粒子がクリーンルーム内に入るのを防ぎます。
また、製造装置に組み込まれるファンユニットに使用することで、空気の清浄化が可能です。粉塵を扱う作業場の排気装置にHEPAフィルタが搭載されているケースもあります。扱う物質が特定化学物質に該当する場合など、HEPAフィルタの搭載が義務付けられている場合もあるので、扱う物質に当てはまる法規を確認することが大切です。
製造業のみならず、一般家庭向けの空気清浄機にHEPAフィルタが搭載されているケースが増えてきました。花粉症の原因となる花粉のサイズが直径10~30μm、カビやダニなどの微生物のサイズが直径5μm以上のため、HEPAフィルタはこれらを99.97%以上捕集できます。
図1. HEPAフィルタの捕集原理
HEPAフィルタは直径1~10μmの微細なガラス繊維で作られたろ紙でできており、これを波形状に整形して丈夫な枠内に取り付けた構造となっています。フィルタ内ではガラス繊維が複雑に絡み合っており、通過するガス中に含まれる微粒子が吸着されます。
対象の粒子径は、1μm以下が代表的です。より大きな粒子であれば、HEPAフィルタでなくエアフィルタを使用します。微粒子の付着過程としては、繊維と微粒子が接触し吸着したり、衝突後のブラウン運動を経て吸着されたりすることがあります。HEPAフィルタの場合、0.1μm~0.2μmの粒子においては捕集効率が悪いため注意が必要です。
図2. HEPAフィルタの捕集効率
小さい粒子は静電気の影響を強く受けるため、静電力を利用して微粒子を引きつける静電HEPAフィルタも存在します。これにより、微粒子の捕集効率を高めることが可能です。
HEPAフィルタは非常に目が細かいことから、長期間使用すると目詰まりを起こし、徐々に捕集効率は低下します。捕集効率が低下すると、圧損が大きくなったり、フィルタ前後の圧力差に耐えられずフィルタが破損したりしてしまう恐れがあるため、目詰まりがひどくなった場合はフィルタの交換が必要です。
交換せずにHEPAフィルタを長持ちさせる方法は、以下の通りです。
1. プレフィルターを付ける
HEPAフィルタは非常に細かい粒子を捕集できますが、目が細かいため大きい粒子がフィルタに到達すると目詰まりを起こしやすくなります。そのため、HEPAフィルタの前に目の粗いプレフィルタを取り付けることで、HEPAフィルタの寿命を延ばすことができます。
2. オイルミストを避ける
図3. HEPAフィルタの長寿命化
オイルミストがHEPAフィルタに到達すると膜を作ってしまうため、目詰まりの原因となります。オイルミストが発生する場所でHEPAフィルタを使う場合は、ミストコレクタなどの専用装置でオイルミストを取り除きます。
参考文献
http://www.ace-cl.jp/product/filter-hepa
https://www.orionkikai.co.jp/faq/products/pap/post-808/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/4/4/4_4_265/_pdf/-char/ja
ICソケットとは、ICパッケージのリードをはんだ付けせずにボード上で結線し、抜き差し可能としたソケット部品のことです。
ICソケットは、各種各様のバラエティーに富んだICリードフレームの形にあった様々な形状が用意されており、直接抜き差しできる構造になっています。ICとは「integrated circuit」の略で、集積回路のことです。
ICは、半導体素子であるトランジスタやコンデンサ、抵抗などを超小型化し、小さなシリコンチップの上に集積させたものです。一般的にICとして作られたシリコンチップは、導電性のリードフレームにワイヤーで接続され樹脂モールドで覆われています。
ICソケットの使用用途は、樹脂モールドパッケージングされたIC部品の各端子に相当するリードをはんだ付けせずにマザーボードに結線させるために使用され、主に電子機器の試作用ボードで用いられています。
ICソケットそれ自体は一般的に基板にはんだ実装してIC部品の抜き差し用の受け側のソケットとして使用します。ICソケットからICを取り外すことが可能なため、回路の試作時などICの変更の可能性がある場合や、ICを基板に直接はんだ付けしたくない場合などに用いられる事例が多いです。
例えば、メーカーでメモリにデータを書き込んで納品してもらい、別のメーカーにてメモリの実装を行う場合などは、メモリにデータを書き込む際にはICソケット等を用いることで直接素子をはんだ付けせずにすみます。
また、ICのみが頻繁に仕様変更の必要があり、評価基板やシステムボードは変更の必要がない場合に、ICのはんだ付け工数の削減可能なICソケットはよく活用されます。
ICソケットの原理は、ソケット内部のICパッケージ部品のリードを受ける接点箇所に様々な工夫を凝らし、はんだ付けせずともICリードとソケット内部のコンタクトとの電気的かつ物理的な接触を保持する仕組みにあります。ICソケットには、ICのリードフレームとの接触方式がいくつかあります。
板ばね式は、ICパッケージ部品のリードを2枚の板で、両側から挟む方式です。
丸ピン式は、内部のコンタクトでICパッケージ部品のリードと接触させる方式です。板ばね式は面でICリードと接触するのに対して、丸ピンは数点でICリードと接触させるため、保持性が良く振動や衝撃に対して有利です。しかし、板ばね式と比較して丸ピン方式のICソケット自体のコストはやや高いです。
ゼロプレッシャー方式というICソケットは、ICが簡単に着脱できる構造になっています。着脱用のレバーやスイッチなどがついており、このレバーの操作により、ICのリードフレームが固定されたりフリーになったりします。
板ばね式や丸ピン式と比べて挿抜耐久の回数も多くなります。ICのテストやROMライターなど、挿抜の多い用途の場合によく用いられます。
ゼロプレッシャー方式のICソケットをはんだ付けするときには、コンタクトはオープン状態ではんだ付けを行います。コンタクトがクローズされた状態ではんだ付けをすると接触不良の原因になる場合がありますので注意が必要です。
ICパッケージにはリードフレームタイプのほかにLGA (Land Grid Array) と呼ばれる多ピン対応のパッケージ品があります。このタイプのICパッケージはリードによる端子接続ではなく、パッケージ裏面に端子が格子状に配置されており、ICパッケージの辺のみならず、内部の面に格子状にパッドを有します。
LGAは本質的に多ピン対応に優れており、またリードが存在しないため寄生インダクタの影響がなく、信号の高周波対応にも適しています。LGA品はBGA (Ball Grid Array) と呼ばれるはんだボールを有するタイプと異なりますが、ICソケットでの実装が可能です。専用の剣山タイプのピンで接続する構造であり、多いものでは10000ピンの特注タイプも存在します。
裏面ピンをソケットで接続の場合、裏面にICを両面実装するパッケージ品、大電流を扱うパワー系のICでは、その放熱設計は極めて重要です。放熱ヒートシンク内蔵などの熱設計にも留意することが非常に重要で、大電流ピンは端子が溶けて破壊しないよう、最大定格電流にも十分注意する必要があります。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/193.pdf
IPD(Intelligent Power Device)は、パワースイッチ、過熱・過電流などに対する各種保護回路、制御回路などを1チップに搭載したパワーICです。
IPS(Intelligent Power Switch)、スマートスイッチ(Smart Switch)などと呼ばれることもあり、誘導性負荷による逆起エネルギーを吸収することができる高性能な半導体パワースイッチです。
IPDには、外部負荷に対して電流側に配置するハイサイドスイッチと、GND側に配置するローサイドスイッチがあり、それぞれの配置に適した回路構成をしています。
IPDは、モーター、ソレノイド、ヒーター、ランプなど、逆起エネルギーを発生する恐れがある誘導性負荷を駆動するスイッチとして使われます。
特に車載分野での用途が多く、ECU(エンジン制御ユニット)、ADAS(先進運転支援システム)、トランスミッション制御ユニット、油圧サスペンション制御ユニット、パワー・ディストリビューション・モジュールなど、安全性の要求が厳しいさまざまな車載部品に使用されています。
また、モーター駆動、ソレノイド駆動を伴う産業用機器や、エアコン、換気扇、シーリングファンなどの家電製品にも使われます。
IPDは、駆動用のパワーデバイス、電流センサ、過電流保護回路、温度センサ、過熱保護回路などで構成されます。
モーターやソレノイドなどの誘導性負荷を駆動すると、誘導性負荷の周囲に磁場が発生します。駆動電流をオフにすると、電流の供給がなくなり磁場が崩壊し、磁場の変化による電磁誘導により逆方向の電流が誘導されて逆起電力が発生します。このとき発生する逆起電圧は、電流の変化の速さに比例しており、電源電圧をはるかに上回る高電圧スパイクとなる場合もあります。
IPDは、このような逆起電力が発生したとき、電流センサが過電流を検知して、過電流保護回路のMOSFETをオフにして電流を遮断します。また、過電流が消滅したことを検知すると、再び保護回路のMOSFETをオンにして復帰します。過熱に対しても、同様の保護システムが働きます。
IPDにはハイサイドスイッチとローサイドスイッチの2種類あります。
ハイサイドスイッチは、外部負荷と電源の間に挿入するスイッチで、一つの電源に複数の負荷が接続されている回路に適しています。自動車はバッテリーが固定で、車体が接地されている環境なので、スイッチがオフ状態のときに車載デバイスがGND電位になるハイサイドスイッチがよく使われます。
ローサイドスイッチは、外部負荷とGNDの間に挿入するスイッチで、複数の電源に負荷が接続されている回路に適しています。
参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/switch
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/product/intelligent-power-ics.html
https://www.infineon.com/dgdl/Infineon-JPPowerDevice1408-10-ART-v01_00-JA.pdf?fileId=5546d462576f34750157ba4dfaf536d5
MOS (Metal Oxide Semiconductor) センサーとは、光や他の物理量を検出するために使用されるイメージセンサーのことです。
MOSセンサーは、メタルオキシドセミコンダクター (MOS) 構造を持っており、主にCMOSイメージセンサーや気圧センサーなどに利用されます。イメージセンサーは、デジタルカメラなどに搭載され、レンズから入る光を電気信号に変換する部品で、撮像素子とも呼ばれます。
イメージセンサーの種類は、MOSセンサー、CMOS (Complementary MOS) センサー、CCD (Charged Coupled Device) センサーなどです。現在は、高性能なCCDセンサーと低消費電力・低価格なCMOSセンサーが主流となっています。
イメージセンサーとして最も早く開発・量産されたMOSセンサーは、CCDセンサー、CMOSセンサーに押されて一時姿を消しましたが、近年新しいMOSセンサーが登場し、再び注目を浴びています。
イメージセンサーは、デジタル機器で撮影を行う機能を持つデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、自動車、医療機器、産業機器などの分野で使用されます。しかし、これらの分野における現在の主流は、CCDセンサーとCMOSセンサーです。
現在のMOSセンサーは、CCDセンサーの持つ高感度・低ノイズを実現しつつ、CMOSセンサー並みに消費電力が低いという特徴を持ちます。そのため、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの分野で使用されています。
MOSセンサーは、画素ごとにフォトダイオードとMOSトランジスタスイッチで構成されます。格子状に並んだ各フォトダイオードを選択するために、垂直走査回路もしくは水平走査回路で構成されるのが基本です。
光が入射すると、フォトダイオードには入射光量に比例した光電流が流れ、光電流と蓄積時間の積で表される電荷が集積します。信号電荷は、垂直走査回路からの行選択信号によって垂直スイッチMOSトランジスタがON状態になると、垂直信号線に読み出され、さらに水平走査回路からの列選択信号によって水平スイッチMOSトランジスタがON状態になることで、水平信号線と電源間に電流が流れます。
水平信号と電源間には出力抵抗が挿入されていて、この出力抵抗での電圧降下がプリアンプで検出され、1つの画素の出力電圧となる仕組みです。このように各画素のフォトダイオードを読み出すスイッチを次々切り替え、1画素ごとにデータを読み出していきます。
なお、垂直信号線の電位は電源電圧に設定されていますが、実際には性格に電源電圧にならず、ばらつきが発生してノイズの原因となります。また、MOSセンサーでは多数のフォトダイオードが配列されていますが、それぞれのダイオードの感度にはばらつきがあり、MOSセンサー全体で感度の不均一性が発生します。
MOSセンサーは、使用する応用分野によって異なります。具体的な種類は、光センサーや気圧センサー、温度センサー、加速度センサーなどです。使用する目的や測定する物理量に応じて、適切なセンサーを選ぶことが重要です。
センサーの測定範囲は、センサーが検出できる物理量の範囲を示します。適切な測定範囲を選ぶことで、目的に合った正確な測定が可能となります。センサーのデータシートや仕様書を確認し、必要な測定範囲を選ぶことが重要です。
センサーの感度は、検出される信号の強さや微小な変化を示します。高感度のセンサーは、より低い信号レベルや微弱な変化を検出する能力があります。目的に応じて、適切な感度を持つMOSセンサーを選ぶことが重要です。
センサーのノイズレベルは、測定結果の精度に影響を与えます。低ノイズのセンサーは、正確な測定や高品質なデータ取得に有利です。ノイズレベルはデータシートや仕様書で確認し、目的に適した低ノイズのMOSセンサーを選ぶことが重要です。
MOSセンサーの出力インターフェースは、センサーデータの取得や統合に影響を与えます。アナログ出力やデジタル出力 (I2C、SPIなど) は、使用するシステムやマイクロコントローラーとの互換性を確認する必要があります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/68/3/68_216/_pdf/-char/ja
NVRAMとは、電源を切っても記憶内容が保持される不揮発メモリーで、自由に読み書きが可能な半導体メモリです。
Non Volatile Random Acess Memoryの略で、エヌブイラムと読みます。ただしNVRAMはデータが消えないメモリチップではなく、内蔵電池によりデータを保持し続けることができる消耗品です。そのため、電池が尽きれば使用ができなくなります。通常内蔵されている電池は素子の樹脂パッケージの中に入っており、交換が困難です。
NVRAMは不揮発なメモリーで、RAMと同じように読み書きが行えるフラッシュメモリなどの総称です。コンピュータのモニタやプリンタ、自動車やスマートカードなど、設定を記憶する必要があるデバイスなど様々なところで使われています。
例えばコンピュータのマザーボード上のRTCは、日付や時刻の保存にCMOSバッテリを使用するバッテリバックアップ式のNVRAMが用いられます。NVRAMの一例で、多くのコンピュータのBIOSに用いられています。
NVRAMは、不揮発性を持つRAMでSRAMにバッテリーによる電力バックアップを搭載することで、電源オフ時にデータ保持を可能にしています。基本的にはSRAMですので、データの書き込みはEERPOMやフラッシュメモリよりも、高速な動作になります。
ただし、バッテリが必要で最終的にバッテリを交換する必要があります。そのため、バッテリが切れたらデータはすべて失われます。
Macintoshでは以前はPRAMと使用していましたが、インテル製のCPUを搭載するようになってからはNVRAMにMacintoshの設定情報を保存しています。NVRAMに起動ディスクや、ディスプレイ解像度、スピーカー音量、ユーザー設定の日付・時間情報などの設定情報が保存されています。
また、SPARCstationのイーサネットのMacアドレスについても、ROMではなくNVRAMに保存しています。電池が切れた場合にMacアドレスが変わってしまう問題があります。