サンプリングポンプ

サンプリングポンプとは

サンプリングポンプとは、液体またはガスのサンプルを取得するために使用されるポンプです。

計測対象を採取して目的化合物の定量を行い、採取した対象の体積と化合物量から化合物濃度を求めることが可能になります。一般的にはこの濃度はppmなどの単位で表されます。

サンプリングポンプの使用用途

サンプリングポンプは様々な産業や分野で使用されます。以下はサンプリングポンプの使用用途の一例です。

1. 環境調査

空気や土壌の調査や、廃棄物や化学物質などのサンプルを取得するために使用されます。これらのサンプルは環境汚染度合いや工場排水が基準値以下であることを確認するために使用されます。

大気汚染の調査ではサンプリングポンプを使用して空気中の微小粒子や有害物質をサンプリングします。また、水質調査では水中の汚染物質の濃度を評価します。土壌調査では土壌中の汚染物質の濃度を評価することが可能です。

2. 医療診断

患者から血液や呼気などの生体試料を採取するために使用されます。これらのサンプルは、検査や診断に使用されます。

3. 産業機器制御

化学プロセス制御や品質管理のために、生産ラインからサンプルを取得するために使用されます。化学業界の他にも食品や飲料業界でも広く使用され、生産ライン上の微生物や製品の物理的および化学的特性などを測定するために使用されます。

4. 研究開発

研究者が物質、化合物、微生物、化学反応、生化学的反応などを研究するために使用されます。研究用途においては、正確で信頼性の高いデータを収集することが重要です。したがって、適切なサンプリングポンプの選択や適切なサンプリング手法の選択が重要になります。

サンプリングポンプの原理

サンプリングポンプの原理は通常のポンプと同様です。ポンプ内のピストンまたはダイヤフラムを動かすことで、ポンプ内部の圧力を変化させます。圧力変化によって液体やガスをサンプルとして採取します。

液体の場合は吸入と排出の2つのバルブを備えたボトルなどを使用して、ポンプを介してサンプルを吸引します。一方、ガスの場合は吸入口を通じてサンプルを取得し、ポンプ内の特定の容積までガスを圧縮します。次に、ポンプのバルブを切り替え、ガスをサンプリング容器に放出します。

サンプリングポンプの正確さと信頼性はポンプの設計と機能によって決定します。高品質のサンプリングポンプは精度や安定性が高い場合が多いです。また、ポンプのポンプヘッドの材質やシール材質など、さまざまな要素がポンプのパフォーマンスに影響を与えます。

サンプリングポンプの種類

サンプリングポンプは用途などに応じて様々な種類が存在します。

動力源の違いに応じて、手動ポンプと電動ポンプがあります。手動ポンプは人力で操作され、容器やサンプリングバッグなどの収集容器にサンプルを取り込みます。電動ポンプは電力を使用してサンプルを取り込みます。

また、用途に応じてサンプリングポンプには以下のような種類があります。

1. ハンディサンプリングポンプ

個人が身に着けることができる小型で携帯性が高いサンプリングポンプです。主に労働者の被曝線量を測定するために使用されます。

労働者が長時間作業する場合、長時間のサンプリングが必要となります。パーソナルサンプリングポンプの多くはバッテリー駆動であり、連続的なサンプリングを長時間行うこと可能な製品も存在します。

2. エアボリュームサンプラー

大気中の微小粒子や微生物を捕集するためのポンプです。空気を一定量取り込むことができます。

エアボリュームサンプラーは微小粒子の調査において重要な役割を果たします。大気中の微小粒子は人体に悪影響を及ぼす可能性があり、環境調査や健康管理のために重要なデータです。エアボリュームサンプラーを使用することで正確な微小粒子の濃度を評価することができ、健康管理や環境保護に役立てることができます。

3. ハイボリュームサンプラー

大量の空気を取り込み、微小粒子の濃度を高精度で測定するためのポンプです。エアボリュームサンプラーよりもさらに多くの流量を採取することが可能です。ただし、エアボリュームサンプラーの方が、より細かい微粒子を捕捉可能な製品が多いです。

参考文献
http://www.kanomax.co.jp/technical/detail_0033.html

グラフィックパネル

グラフィックパネルとは

グラフィックパネルとは、構造を表示させるパネルのことです。

中央監視装置を構成する機器の1つとして使用されます。自動制御設備に設置される受変電設備の電力系統図・空調換気設備・給排水設備などの系統図や配置図を大きな画面上に映し出し、その画面内で機器運転状態や計測数値を表現します。

グラフィックパネルの使用用途

グラフィックパネルは、情報表示や映像の表示など、さまざまな用途に利用されています。

1. 街中における用途

例えば、観光案内鳥瞰図看板・360°パノラマ鳥瞰図・会議室向け大型パネルなどにも使用されています。また、鉄道等の交通制御システムにおいても車両の位置をランプで表示するなど多目的に使用されています。

その他、空港や駅の到着・出発案内や、コンサートやスポーツイベントでのスコア表示など用途の1つです。

2. 危険回避における用途

施設の警戒、監視状況を示す場合、施設の平面図をパネル盤へ挿入し、各種センサーより発信される警戒状況をコントローラーで統括し、LEDの点灯・点滅で表示することができます。見やすく、わかりやすい表示で侵入者の早期発見や迅速な対処を可能にします。

3. 工事現場における用途

グラフィックパネルは、工事現場での建設プロジェクトの広告やプロモーション使用にも適しています。現場内の見通しの良い場所に掲示することで、通行人や興味を持つ人々にプロジェクトの情報を提供できます。

また、グラフィックパネルは、工事現場内での指示や安全注意喚起にも役立つパネルです。重機や危険な作業エリアに関する情報を表示することで、事故を防ぐことができます。

さらに、建設プロジェクトの進捗状況を示すこともできるため、関係者間のコミュニケーションが改善される、業務が効率化する、プロジェクトのスケジュール管理が容易になるなどのメリットがあります。

グラフィックパネルの原理

情報を表示するためのディスプレイ技術の1種であるグラフィックパネルは、液晶やプラズマディスプレイといった従来のディスプレイ技術とは異なり、有機分子を利用した有機ELと呼ばれる素材を使用しています。有機ELは、電気を流すと発光する性質を持ち、液晶のようにバックライトが 不要で、薄くて軽量なディスプレイを実現することが可能です。

また、表示色が非常に豊富で、高いコントラスト比や視野角の広さも特徴的です。来客、来訪、見学者への施設の案内、説明を行う際に非常に有用なパネルである一方、監視装置と表示装置が別々に必要となるためコストは相対的に高くなります。

地図版としての用いる際は、表示方法によって「簡易方式」と「彫刻方式」の2つに分類できます。

1. 簡易方式

グラフィックパネルの簡易方式では、LEDという発光ダイオードを使用し、パネルの表面に直接配列されたLEDが光を放つことで表示を行います。この方式では、ドットマトリクスと呼ばれる方法で、点と点をつなげて表示するため、高精細な表示はできませんが、低コストでの製造が可能です。

また、電力消費も少なく省エネ性に優れています。

2. 彫刻方式

彫刻方式は、パネル表面をレーザーで彫刻し、光を透過する様にすることで表示を行います。レーザーの光は、パネル表面に当たると、表面を蒸発させることで微細な窪みを作ります。この窪みによって光が散乱し、パネルの表面に指定されたデザインが浮かび上がる仕組みです。

この方式は、彫刻深さや光の透過率を制御することで、より高精細な表示が可能となります。高い意匠性、視認性を持っており見た目に優れている反面、画面表示を変更する必要がある場合コストや納品期日の面で負担が大きくなります。

監視機器の増加や位置変更などの仕様変更が生じた際、画面表示の更新のために、地図版を新たに制作したうえで内部配線、背面LEDの位置も変更する必要があるのでコストが大きくなりがちです。このようなコスト高の対策として、最近では手作りのパネルを使用せず、ソフトで作成した監視画面を大型液晶ディスプレイへ投影し、汎用インターネットブラウザや専用アプリケーションを使用して監視する方式をとることが挙げられます。

グラフィックパネルの特徴

グラフィックパネルの製作には、高度な技術と専門的な知識が必要です。そのため、コストは多少かかるものの、設置することによって、施設全体の設備系統の把握が容易に行えます。

各種監視警戒状況・設備運転状況・故障発生状況などを、地図版でグラフィカルに確認・把握できるため、施設管理の品質向上に貢献しています。また、使用用途や場所に応じて最適な素材や技術を選択することが必要であり、それによってコスト削減が実現可能です。

オゾン濃度計

オゾン濃度計とはオゾン濃度計

オゾン濃度計 (英:Ozone concentration meter) とは、大気中や液体中に含まれるオゾンの濃度を知るための測定機器です。

気体や液体中のオゾンを利用目的に応じた適切な濃度に調整したり、またはオゾンの発生による事故や人体や環境への影響を防ぐために、適切なオゾンの濃度を管理したりする際に使用されています。

オゾン濃度計の測定方法には紫外線吸収法、半導体薄膜式、定電位電解法、検知管法などがあります。測定方法によって導入コストや、メンテナンスコストも様々です。それぞれの使用目的や作業範囲、作業環境、サイズ、付属品、消耗品などを考慮して選定する必要があります。

オゾン濃度計の使用用途

オゾン濃度計は、オゾン発生装置を導入したり、オゾンが発生しやすい環境でオゾン濃度を適切に管理したりするために用いられます。オゾンは汚水、浄水処理や医療業界、食品等の殺菌・脱臭、貯蔵など各業界で有用な化合物です。

ただし、高濃度になると人体や環境への悪影響を与えかねません。例えば日本産業衛生学会が定める作業環境基準としての許容濃度は、0.1ppm (0.2mg/m3) です。

また、オゾンは空気中の紫外線や放電があるところで発生します。 そのため、オゾン濃度計はオゾン発生装置の近くのみならず、オゾンが作業環境で発生しうる場所でも使用されています。

オゾン濃度計の原理

オゾン濃度計には複数の方式があり、原理も異なります。ただし、ほとんどの測定方法においては、オゾンの酸化反応を利用しています。

オゾンは非常に不安定であり、測定中にオゾン (03) から酸素 (02) へと変化してしてしまうので、どの測定方法においてもオゾン濃度は低下していく傾向があることに注意が必要です。

オゾン濃度計の種類

オゾン濃度計は、測定原理によって様々な種類があります。ここでは紫外線吸収法、半導体薄膜式、定電位分解法、検知管法について説明します。

1. 紫外線吸収法

紫外線吸収法は、オゾンが254nmの波長の紫外線を強く吸収する性質を利用した測定法です。254nmの紫外線はオゾン分子だけに吸収されるため、紫外線の吸収量からオゾン濃度を測定することができます。

また、紫外線吸収法なら、液相、気相いずれのオゾン濃度も測定することができます。注意点は他のガスが混在していると測定値に影響が出ることです。紫外線吸収法は連続測定に適しており、実験には非常に便利ですが、測定コストは高価な測定法になります。

2. 半導体薄膜式

半導体の薄膜の表面にオゾンが接触させ、オゾンの持つ酸化力によってオゾン分子が半導体と結合し半導体の分解率が変化することを利用したものです。分解前の半導体と分解率を用いることで、オゾン濃度を計測します。半導体薄膜式は、再現性と長期安定性に優れた測定方法です。

3. 定電位電解法

定電位電解法とは、一定の電位に保たれた電極上でオゾンガスを電気分解したときに生じる電流量から、濃度を測定する方法です。ガスの種類によって電気分解による電力量が変化するため、別のガスが混在している場合でも測定値は影響を受けにくくなっています。

定電位電解法は非常に感度が良く、低濃度領域でも定量的な計測が可能であり、比較的低価格で高精度のオゾン濃度測定が可能です。

4. 検知管法

検知管法とは、ガラス管の中に詰めた試料が変色した長さから濃度を測定するものです。ガラス管の中にインディゴ染料などの様々な試料を層状に詰め入れ、試料を固定・密閉します。

測定時にガラス管の両端を壊し、一端をサンプルするガス中に入れ、他端をガス検知器と言われる小型手動ポンプにつないで、一定量 (通常100cc) の気体を一定速度でガラス管を通じてポンプ内に引き込みます。オゾンを流し入れると試料が変色していくので、その変色した長さからオゾン濃度を測定することが可能です。本手法は比較的安価で検査が簡便、かつ比較的低濃度でも測定できます。

参考文献
https://www.applics.co.jp/ozonekeisokuki/ozonesokutei-kakaku.html
https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/info/6-1.php
http://www.rikenkeiki.co.jp/cms/riken/pdf/support/PC9-0314-180610S.pdf

インジケータ

インジケータとは

インジケータ

インジケータは指示器とも呼ばれ、計数を表示するための計器および機械要素部品のことを指します。英語の「Indicate」を名詞化した「Indicator」が語源です。

インジケータの使用用途

インジケータは産業用から一般消費者用まで、様々な製品に使用されます。一般消費者用としては、自動車の速度メーターやガソリンメーターもインジケータの一種です。気温や湿度計もインジケータであり、日常生活の様々な場面で目にします。

産業用としては、ボイラ圧力計や水位計などが挙げられます。加工工場などでは、板金などの部品の厚みなど測定をするためにインジケータを使用します。厚み測定などにはダイヤルゲージが一般的に使用されます。

インジケータの原理

インジケータの原理は構造や測定対象よって様々です。下記では、代表的なインジケータの仕組みを4つ解説します。

1. 機械式速度メータ

機械式速度メータは古い自動車などに使用されます。回転シャフトに取り付けた磁石などの回転を感知してメータを指示します。現在の自動車では、回転センサーの出力信号を電子部品で読み取り、演算して指示する仕組みが一般的です。

2. ブルドン管式圧力計

主に圧力を測定するために用います。圧力計の代表例とも言えます。ブルドン管と呼ばれる楕円形の金属筒を針と連動させた圧力計です。金属筒内圧が高まると金属筒が楕円から直線になる力が掛かり、針を動かします。原理としてはピロピロ笛と同じです。

3. 隔測式温度計

産業用途として用いられる温度計の代表例です。金属チューブ内部に有機材料や水銀、油などが封入されており、温度が上昇するとそれらが膨張して内圧が高まります。その圧力上昇によって指示針を動かします。

4. 容積式流量計

容積式流量計は油などの流量を測定するために用います。流量測定の代表例です。流体の通り道にギアが組んであり、流体が流れるとギアが回転します。ギアの回転が指示針と連動しており、流量として指示します。

インジケータのその他情報

インジケータとしてのダイヤルゲージ

ダイヤル目盛により数値を表示するダイヤルゲージもインジケータの一種です。ダイヤル目盛は長針が一回転する量を規定量とし、目盛は一回転を100分割したものが刻まれています。長針は10回程度回転するものが一般的です。

針が何回転したかを指示する短針があり、長針が指示するダイヤル目盛を基本に長針の回転量を短針で指示したものを組み合わせて指示量としています。物体の厚みや距離を測定するために使用することが多いです。ラック&ピニオンにより押し込みの直動運動を回転運動に変換し、ギアの組合せで変位量を増幅して微小な変位が測定できるようにしています。

ダイヤルゲージでは、測定子を押し込むと針が時計回りに回転します。押し込み方向を行き方向、逆を戻り方向と定義しています。アナログ式のダイヤルゲージは、変位量を増幅するためにギアを使用しています。ギアには通常遊びがあるため、バックラッシと呼ばれる誤差が発生します。

そのため、アナログ式ダイヤルゲージにはバックラッシの影響による誤差の許容値が設定されています。この許容値は、針の回転量に応じて変わります。ダイヤルゲージには、ブロックゲージなどの基準器を用いて基点を設定することもあります。

その後、対象物を測定し、表示された値を基準量に足し引きして測定値とします。上記のインジケータは仕組みが簡単なため、現在も信頼性を必要とされる装置に使用されています。操作性や汎用性を求められる場面では、現在はデジタル式も多く採用されます。デジタル式にはスケールやエンコーダを内蔵し、測定対象の変位を直接数値に変換するものもあります。

参考文献
https://axel.as-1.co.jp/contents/at/s_tools_dialgauge
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/dial-gauge.jsp

DFBレーザー

DFBレーザーとは

DFBレーザーは、レーザー共振器の一部に回折格子を組み込んだレーザーです。

DFBはDistributed FeedBackの略であり、「分散帰還」と訳されます。レーザダイオードの一種で、出力する波長が一定な点が特徴です。ダイオード層の境界に回折格子があるため、ある波長光のみを増幅させて出力させることが可能です。

単一波長を増幅させることでスペクトル幅が狭いため、光信号のスペクトル効率を最大化し、他の信号との干渉を最小限に抑えます。高密度な情報伝送や複数の信号の同時伝送に適しています。また、周波数の安定性が高いため、信号の品質やデータの転送速度の向上に有利です。

DFBレーザーの使用用途

DFBレーザーは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 長距離通信

DFBレーザーは、光ファイバ通信において広く使用されます。波長が単一であるため、情報の損失を最小限に抑えることが可能です。周波数安定性が高く、消費電力も低いため、長距離通信では有利です。

長距離光通信では損失を抑制するため、光ファイバーの通過損失が小さい波長を選びます。光ファイバは光の波長によって損失が大きく異なり、一般に1.3μ帯と1.5μ帯の波長が広く使用されます。特に1550nmの波長光は損失が最小の波長のため、長波長DFBレーザーの代表的な波長です。

2. 内視鏡

内視鏡を使用して体内の組織や臓器を観察するために使用される場合も多いです。DFBレーザーは内視鏡の光源として利用され、高品質な光を発光します。コンパクト性と信頼性が高いため、内視鏡の光源として適しています。

3. ガス検査

DFBレーザーはガス分析においても使用されます。特定の波長での光を生成し、目標ガスの吸収スペクトルを測定することで、ガスの種類や濃度を非破壊的に検出することが可能です。DFBレーザーはスペクトル幅が狭いため、高感度かつ正確な測定ができます。

DFBレーザーの原理

レーザー内部ではp型とn型のクラッド層や活性層が存在します。p型クラッド層にはプラス電極が接続されており、n型クラッド層にはマイナス電極が接続されています。p型層と活性層の間に回折格子を構成する点が主な特徴です。

動作時は電極から順方向に電圧を印加します。電圧によって電子とホールがそれぞれのクラッド層から活性層に入り込み、これらの電荷が再結合したときに発光する仕組みです。光は活性層の境界と反射板によって増幅されます。

DFBレーザーでは回折格子が組み込まれているため、特定の波長のみを反射し、単一波長の光のみを増幅させることが可能です。この特性は光通信や医療機器などの様々な用途で有用であり、DFBレーザーが広く利用される理由の一つです。

DFBレーザーのその他の情報

1. DFBレーザーの温度特性

半導体レーザーは温度によって波長が微少に変化します。DFBレーザーは温度に対して波長が安定している点も特徴です。波長多重光通信やコヒーレント光通信の分野においては波長の温度特性も重要なポイントになります。

一般のDFBレーザーは温度に対する波長勾配が約0.1nm/℃と言われており、回折格子の周期による波長調整と温度勾配によって発振波長を制御します。また周囲温度の影響を受けないように、通常は温度サーミスタとペルチェ素子などで温度制御を実施することが多いです。ただし、コストや消費電力を低減するために、外部から温度制御を要さないDFBレーザーに関しても盛んに研究されています。

2. FPレーザーとの比較

半導体レーザーには他にもファブリーペロ (FB) レーザーがあります。FBレーザーは共振器内で光が前方と後方の面で複数回反射されて増幅される仕組みです。比較的スペクトルが広い点が特徴です。

したがって、DFBレーザーとはスペクトル幅の広さに大きな違いがあります。FPレーザーは光ファイバ通信やセンサーなど、幅広い用途に使用されていますが、単一モード出力が必要な場合はDFBレーザーが適しています。

参考文献
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/15-02-kaisetsu1.pdf
https://www.fiberlabs.co.jp/tech-explan/about-ld/
https://optipedia.info/laser/ld/dfb-laesr/

CNCフライス

CNCフライスとは

CNCフライス

CNCフライスとは、フライス盤にコンピュータ制御を搭載した製品です。

フライス盤は、刃物を回転させて金属などを切削する機械を指します。CNCとは、「Computer Numerical Control」の略で、日本語ではコンピュータ数理制御という意味です。

フライス盤は加工対象をステージに固定し、高速回転する工具で削ることで目的の形状に加工します。加工の種類ごとに使用工具が異なり、正面フライスや面取り用フライスなどがあります。制御装置とフライス盤が一体の製品は非常に高価ですが、PCソフトウェアでフライス盤を制御する方式であれば、比較的安価に購入できます。

CNCフライスの使用用途

CNCフライスは金属加工工場などで使用されます。対象となる部品例は以下です。

  • バルブ
  • 歯車
  • ベアリング
  • アルミフレーム
  • 精密機器の部品
  • 一品物の産業装置部品

CNCフライスでの加工として、穴あけや溝を掘る方法が挙げられます。CNCフライスは精密加工が可能なため、高品質な金属加工が必要な製品での使用に最適です。

一般的なフライス盤であれば、同様の加工に技術や経験が必要ですが、CNCフライスは制御装置が加工を補助してくれます。中には複数工具を取付可能で、工具交換不要のCNCフライスもあります。

CNCフライスの原理

CNCフライスは、主に制御用コンピューターや固定台、工具で構成されます。

1. 制御用コンピュータ

図面ファイルなどを読み取り、固定台や工具を制御します。手動のフライス盤を使用するより簡単に部品などを製作可能です。

2. 固定台

一般的に2軸の移動型のステージと加工対象を固定するバイスで構成され、動作時はコンピューターによって制御されます。

3. 工具

1軸で移動し、動作時は高速で回転します。正面フライスやエンドミルなど、複数種類が存在します。

CNCフライスの加工方法

CNCフライスでは、平面切削、側面切削、溝加工などが可能です。

1. 平面切削

正面フライスやエンドミルの工具を使用して加工対象に対して垂直に工具を当て、加工対象を平面的に加工します。最も一般的な手法です。

2. 側面切削

使用する工具は前者と同じで、加工対象に対する工具の当て方が異なります。本手法では工具を平行に当てることで加工作業を実施します。

3. 溝加工

エンドミルを使用して加工対象に工具を垂直で当て、溝の方向に移動することで加工します。

CNCフライスのその他情報

1. CNCフライスに使用するソフトウェア

CNCフライスのソフトウェア内では、2D・3DCAD図面などを基に「CNCフライスの動作命令データ」に変換する必要があります。「CNCフライスの動作命令データ」はGコードと呼ばれます。

Gコードは、動作タイミングや動作軸の回転速度、工具の変位といった細かい動作命令が時系列に並んだデータです。PC上の個別ソフトウェアとして提供される場合もあれば、3DCADソフトウェアなどのアドオンとしてCADの一機能のように扱える場合もあります。

2. CNCフライスの使い方と注意点

CNCフライスを使用する際は、注意するべき点がいくつかあります。

  • 工作物の固定や工具取り付けに不備があると、工作物や工具が飛ばされてしまう可能性があります。
  • 使用する工作材やフライス盤のスペックにより、加工条件を適切に設定する必要があります。
  • Gコードに変換する際にフライス盤本体などに干渉する移動軌跡を作ってしまうと、工作物の破損や人身事故に繋がります。
  • ATC (Auto Tool Changer) 機能を有したCNCフライスは加工中に使用する工具を交換できますが、Gコード変換時の工具と実際にセットする工具との組み合わせが食い違わないようにします。
  • 上部からぶら下げた工具で工作材を削って加工するため、加工に不向きな形状が存在します。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmehokkaido/2003.43/0/2003.43_36/_pdf
http://www.tech.tsukuba.ac.jp/2008/pdf/report/Ishikawa_report2008.pdf
https://d-engineer.com/kikaikakou/sessakukakou.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machining/cutting/type.jsp

基板対基板コネクタ

基板対基板コネクタとは

基板対基板コネクタ

基板対基板コネクタとは、プリント基板を高密度で実装するために用いられるコネクタのことです。

このコネクタの中でも、接続したコネクタをピッチ、列間、嵌合の3方向に可動できる、もしくはいずれかの方向に可動できて嵌合ずれの影響を抑制するように設計されたものをフローティングコネクタと呼びます。

ソケットとプラグを組み合わせることで、x-y-zの3次元方向に可動できるため、こじり(衝撃)、位置ずれなどの影響を受けにくいコネクタです。

基板対基板コネクタの使用用途

基板対基板コネクタは、最近の流れである機器の小型化に対応するために用いられており、基板同士を直接接続することが可能です。この利点から基板対基板コネクタはコンピュータ、携帯情報機器、デジタルテレビ、自動車、産業機械・インフラなど幅広い用途があります。

最近は、ますます電子機器の高機能化が進んでおり、高度化、高精度化された基板対基板コネクタの需要も高まっています。

基板対基板コネクタの原理

基板対基板コネクタは、ピンとソケットを使用して基板同士の接続を行います。このピンとソケットのはたらきは、電気的な接点や力学的に基板同士を結合分離することです。

この結合分離機能のおかげで機器のユニット構成を可能にしており、はんだ付けやねじ止めなどの永久接続にはないメリットが得られます。製品の構造設計や量産性の向上により、トータルコストの低減が可能です。また、部品交換や点検等の保守性が向上するため、性能や品質の安定化に繋がります。

基板対基板コネクタの選び方

基板対基板コネクタには、基板を上下に重ねるスタックタイプや片方を立てて使用して接続するタイプがあります。基板の接続向きでコネクタの形状が変わるため、まずはどの向きで基板を接続したいかを検討します。

コネクタの下側からピンが貫通するボトムエントリタイプもあります。実装密度は低いデメリットがある一方で、基板間の距離を自由に設定することが可能です。その性質から、発熱部品を別基板とする製品等で使用されます。

基板対基板コネクタを選定する際は、電流値、耐圧、絶縁などが回路仕様に適合しているかの確認が必要です。中でも微小レベルや高信頼度を要求する回路の場合は、材質の確認も重要となります。

基板対基板コネクタのその他情報

1. 基板対基板コネクタのメリット

プリント基板を設計過程で、追加回路が載らなくなった場合に基板対基板コネクタを使用します。その他には機能が少しずつ異なる数種類の基板を1種類の基板で済ませる際に、異なる機能を担う基板をオプション基板として取り扱います。

基板対基板コネクタを使用すれば、オプション基板を取り付け、取り外しすることで1種類の基板で複数製品の機能の実現が可能です。通常、基板と基板をつなぐときはケーブル等を用いますが、このようにケーブルで基板をつなぐと機器内で基板が占めるスペースが大きくなってしまいます。

製品の小型化を行う際に障害となるため、小型化のニーズを満たす際に基板対基板コネクタは有用です。このコネクタを用いることで、回路が1枚の基板に収まらない場合や大きさが異なる基板を載せる場合、製品が小型化されて基板同士を接合する必要がある場合などに対応することができます。

2. 基板対基板コネクタの注意点

基板を接合する際はピンの数など、基板同士の接合部位がマッチしていることを確認する必要があります。また、コネクタはあくまで基板同士を接合する機能を持っているものであり、基板を力学的に支える力は大きくありません。

従って、基板をネジなどで支える機構が別途必要となります。このコネクタを用いることで基板の保守等も容易になりますが、コネクタを外すときに基板に過度な力が加わって破損することがないように慎重な取り扱いが必要です。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/board-to-board-connectors
https://www.jae.com/column/01-advantages-of-connectors/

アナログタイマ

アナログタイマとは

アナログタイマ

アナログタイマ (限時継電器) とは、入力を受け付けた時点から一定の設定時間後に接点をON/OFFするための装置です。

アナログ式はダイヤルで手軽に設定時間を調節できるのがメリットですが、一方でアナログ式のため誤差が出るリスクがあります。アナログタイマはON/OFFを1度だけ切り替えられるだけではなく、定期的にON/OFFを行うことができたり、ONの入力を受けて出力をONにしたり、もしくはOFFにするなど入力/出力の値を変えたりすることも可能です。

アナログタイマの使用用途

アナログタイマは一定の時間経過後に装置を動かしたり、装置を止めたりすることができます。アナログタイマはいくつかの動作モードによって分類が異なり、出力を切り替えたいタイミングに応じて選ぶ必要があります。

1. 歩行者用の押しボタン信号機

ボタンを押したあとに、信号機が赤から青に切り替わります。

2. 自動ドア

人がドアに近づくとセンサーが反応してドアが開き、人がドアから離れた一定時間後にドアが閉まります。

3. 鳩時計

決められた時刻になるとギミックが稼働して内部の鳩が展開、収納を繰り返します。

4. コイン式乾燥機

お金を投入すると、決められている時間だけ乾燥機が稼働します。

アナログタイマの原理

アナログタイマは時計部、電源部、入力部、出力部の4つのパーツで構成されています。電源スタート方式の場合は、電源部へ電圧が印加された後にアナログタイマが作動します。

外部からの入力信号を入力部で受けて時計部で時間を計測、設定時間になると出力部から外部へ出力信号を出す仕組みです。この設定時間はユーザーが任意に設定することができます。また、設定時間に到達したことをタイムアップと呼びます。

アナログタイマの動作モードには、いくつかの種類があります。

  • オンディレイ動作
    入力ON後に時間差で出力ONになる
  • オフディレイ動作
    入力OFF後に時間差で出力OFFになる
  • フリッカ動作
    入力ON後に時間差で出力ON/OFFが定期的に切り替わる
  • インターバル動作
    入力ON後に時間差で出力OFFになる
  • スターデルタ動作
    電動機向け

ON/OFFの切り替えは、接点の切り替えによって行われます。なお、5番目の「スターデルタ動作」は名前だけでは動作のイメージがつきにくいため簡単に紹介します。このスター、デルタとは電動機の巻線の回路形状から名付けられており、スター、デルタの接点がON、OFFになることでタイマを制御しています。 

アナログタイマの選び方

1. 表示精度

タイマにどこまでの単位を表示させるかで、用途に応じて決める必要があります。例えば、調理時間の計測であればコンマ数秒単位での計測は不要で、秒単位で十分です。一方で、工業用途や実験に使用されるものであれば、コンマ数秒単位で計測できるタイマである必要があります。

2. 計測範囲

タイマの計測可能な範囲の確認が必要です。長時間の計測が必要な場合は、長時間対応のタイマを選ぶ必要があります。タイマによっては、例えば24時間経過後は1日とカウントされる場合もあれば、25時、26時…とカウントされる場合もあります。

3. 操作性

ボタンの配置やデジタル表示など、使いやすさが重要です。特に、ボタンの配置はON/OFFのタイミングのズレに繋がるため、タイマを選ぶ際には何回か試してみる必要があります。表示されている数字は、読みやすく分かりやすいフォントであるかも確認します。

4. 耐久性

長期間使用する場合は、耐久性のある製品を選ぶことが大切です。特に工業用途や屋外での使用には、頑丈で耐久性のあるタイマが必要です。寒さや暑さによって機能が低下する場合もあるため、「どこで使うのか」「その場所ではどんな影響があるのか」を事前に確認しておきます。

5. 価格

予算に合ったタイマを選びます。必要な機能を持ちつつも、無駄な機能を排除したコストパフォーマンスの良い製品の選択が重要です。同じ機能でも、耐久性や素材など細かい違いがあるため、複数のタイマを比較する際には注意が必要です。

6. レビュー・評価

購入前に、他のユーザーのレビューや評価を確認すると良いです。実際に使用した人たちの意見や評価を参考にすることで、自分に合ったタイマを見つけやすくなります。自分と同じ用途で購入したユーザーの意見を確認するのがおすすめです。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/timer_timeswitch_tg_j_7_4.pdf

超音波流量計

超音波流量計とは

超音波流量計

超音波流量計とは、超音波による音響振動を利用した流量計で、被測定物に非接触で測定ができる特徴を持つ流量計です。

伝播時間差式とドップラー式の2つの方式があります。超音波流量計は管内に障害物がないため圧力損失がなく、シンプルな構造です。故障しにくい、測定可能な範囲が広い、流体の密度や粘度の影響を受けない、高精度などの特徴があります。

また、超音波流量計はクランプオンデバイスであり、配管外側に取り付けることでセンサを腐食させずに、腐食流体も測定することができます。

超音波流量計の使用用途

超音波流量計は、配管内を移動する気体や液体、固体の流量の測定に使用されています。具体的には、水処理施設や工場での流体の流量の管理に用いられる場合が多いです。

超音波流量計の中でも伝播時間差方式は、固体や泡が混ざっていると測定精度を確保できません。そこで、純度が高い流体の測定、例えば半導体工場での薬品の流量管理などに使用されます。一方、ドップラー式は流体中の固体物質や泡を利用して流量を測定しているため、懸濁した流体、例えば汚泥や排水の流量測定に使用されます。

超音波流量計は、伝播時間差式とドップラー式のどちらの方式でも配管の外に着脱するクランプオンデバイスで、配管の外から超音波を送受信する構造です。このため、配管内に障害物がないこととなり、圧力損失はゼロで、シンプルな構造で故障しにくい、流体の密度や粘度の影響を受けないなどの特徴があります。また、配管内部にセンサーなどの部材を配する必要がないことから、部材を腐食させることなく腐食流体も測定可能です。

超音波流量計の原理

超音波流量計には、伝播時間差式とドップラー式があり、それぞれ構成が異なります。

1. 伝播時間差式超音波流量計

伝播時間差式超音波流量計は、トランジットタイム式超音波流量計ともいわれます。現在では、伝播時間差式超音波流量計が主流です。伝播時間差式超音波流量計では、配管内の流体に対して上流側から下流側 (正方向) と逆の下流側から上流側 (逆方向) に向けて流体を斜めに横切るように、超音波を送受信できる構成です。

流体が動いていなければ、超音波を正方向に送信した場合の超音波の伝播速度と逆方向側に送信した場合の超音波が伝播する速度は同じです。しかしながら、流体が動いていると、正方向で送信された超音波の伝播速度は流体の速度が加わった速度となります。

一方の逆方向で送信された超音波が伝播する速度は、流体の速度を差し引いた速度となります。すなわち、伝播時間差式超音波流量計では、この速度の差から流体の速度を算出し、そこから流量を算出しています。

伝播時間差式超音波流量計は、このような構造と原理を有するため、流量の計測精度は高いです。しかし、液体中に固形物や気泡があると測定精度を保てず計測できません。

2. ドップラー式超音波流量計

ドップラー式超音波流量計では、ドップラー効果を利用しています。ドップラー効果とは、救急車のサイレンの音が近づくときと遠ざかる時で異なって聞こえる現象に代表される効果です。これは、音の発生源が観測者に近づいてくるときと遠ざかる時で見かけ上の音波の波長が変わるために起こる現象です。

ドップラー式の超音波流量計では、変換器を用いて配管の内部を流れる流体に超音波を照射して超音波が流体中の粒や気泡が反射する現象を利用しています。そして、この粒や気泡による反射により波長 (周波数) がずれた超音波を受信しています。この超音波の周波数変化と流速は直線関係となるため、流速から流量の算出が可能です。

超音波流量計のその他情報

1. 伝播時間差式超音波流量計の気泡に関する課題

伝播時間差式超音波流量計で気体並びに液体の流量を測定する場合、測定値は系内の流速分布の影響を受けるため、流量計の上流側は整流となっている必要があります。特に流体の流速が速くなると、測定機器の上流や系内でキャビテーションが発生しやすいです。キャビテーションが起こると、流体中の気泡の発生や混入が起こりやすく、伝播時間差式超音波流量計での測定精度を確保できません。

この気泡対策としては、機器の上流側に気液分離槽の設置が挙げられます。しかし、既設の設備では改造が必要となり、コストなどがデメリットです。そこで、近年では気泡通過時のデータをキャンセルして、流量を測定する機能を持つ超音波流量計が開発されています。

2. クランプオン式の超音波流量計のメリット

流量計としては、容積式流量計やタービン式流量計、フローセル流量計などがありますが、いずれも配管内の流体の流量を測定するのに、配管内に検出部材の設置が必要です。新設の設備であれば、設計段階で流量計の設置位置を決め、仕様も確定可能です。

しかし、既設の場合、配管改造が必要となり、装置停止時の対応となるケーズが多くあります。例えば、差圧式流量計やタービン式流量計を既設の設備に設置する場合には、配管の切断などの工事が必要です。

しかしながら、クランプオン式の超音波流量計であれば、配管工事が必要ないため、容易に設置でき、既存の設備への設置も容易なことがメリットです。

参考文献
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow4.pdf
https://www.jp.omega.com/technical-learning/dif-between-doppler-transit-time-ultrasonic-flow-meters.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/technique/ultrasonic.jsp
https://www.tokyokeiso.co.jp/products/download/tg/UL350_TG-F1083.pdf