基板対基板コネクタ

基板対基板コネクタとは

基板対基板コネクタ

基板対基板コネクタとは、プリント基板を高密度で実装するために用いられるコネクタのことです。

このコネクタの中でも、接続したコネクタをピッチ、列間、嵌合の3方向に可動できる、もしくはいずれかの方向に可動できて嵌合ずれの影響を抑制するように設計されたものをフローティングコネクタと呼びます。

ソケットとプラグを組み合わせることで、x-y-zの3次元方向に可動できるため、こじり(衝撃)、位置ずれなどの影響を受けにくいコネクタです。

基板対基板コネクタの使用用途

基板対基板コネクタは、最近の流れである機器の小型化に対応するために用いられており、基板同士を直接接続することが可能です。この利点から基板対基板コネクタはコンピュータ、携帯情報機器、デジタルテレビ、自動車、産業機械・インフラなど幅広い用途があります。

最近は、ますます電子機器の高機能化が進んでおり、高度化、高精度化された基板対基板コネクタの需要も高まっています。

基板対基板コネクタの原理

基板対基板コネクタは、ピンとソケットを使用して基板同士の接続を行います。このピンとソケットのはたらきは、電気的な接点や力学的に基板同士を結合分離することです。

この結合分離機能のおかげで機器のユニット構成を可能にしており、はんだ付けやねじ止めなどの永久接続にはないメリットが得られます。製品の構造設計や量産性の向上により、トータルコストの低減が可能です。また、部品交換や点検等の保守性が向上するため、性能や品質の安定化に繋がります。

基板対基板コネクタの選び方

基板対基板コネクタには、基板を上下に重ねるスタックタイプや片方を立てて使用して接続するタイプがあります。基板の接続向きでコネクタの形状が変わるため、まずはどの向きで基板を接続したいかを検討します。

コネクタの下側からピンが貫通するボトムエントリタイプもあります。実装密度は低いデメリットがある一方で、基板間の距離を自由に設定することが可能です。その性質から、発熱部品を別基板とする製品等で使用されます。

基板対基板コネクタを選定する際は、電流値、耐圧、絶縁などが回路仕様に適合しているかの確認が必要です。中でも微小レベルや高信頼度を要求する回路の場合は、材質の確認も重要となります。

基板対基板コネクタのその他情報

1. 基板対基板コネクタのメリット

プリント基板を設計過程で、追加回路が載らなくなった場合に基板対基板コネクタを使用します。その他には機能が少しずつ異なる数種類の基板を1種類の基板で済ませる際に、異なる機能を担う基板をオプション基板として取り扱います。

基板対基板コネクタを使用すれば、オプション基板を取り付け、取り外しすることで1種類の基板で複数製品の機能の実現が可能です。通常、基板と基板をつなぐときはケーブル等を用いますが、このようにケーブルで基板をつなぐと機器内で基板が占めるスペースが大きくなってしまいます。

製品の小型化を行う際に障害となるため、小型化のニーズを満たす際に基板対基板コネクタは有用です。このコネクタを用いることで、回路が1枚の基板に収まらない場合や大きさが異なる基板を載せる場合、製品が小型化されて基板同士を接合する必要がある場合などに対応することができます。

2. 基板対基板コネクタの注意点

基板を接合する際はピンの数など、基板同士の接合部位がマッチしていることを確認する必要があります。また、コネクタはあくまで基板同士を接合する機能を持っているものであり、基板を力学的に支える力は大きくありません。

従って、基板をネジなどで支える機構が別途必要となります。このコネクタを用いることで基板の保守等も容易になりますが、コネクタを外すときに基板に過度な力が加わって破損することがないように慎重な取り扱いが必要です。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/board-to-board-connectors
https://www.jae.com/column/01-advantages-of-connectors/

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