アナログタイマとは
アナログタイマ (限時継電器) とは、入力を受け付けた時点から一定の設定時間後に接点をON/OFFするための装置です。
アナログ式はダイヤルで手軽に設定時間を調節できるのがメリットですが、一方でアナログ式のため誤差が出るリスクがあります。アナログタイマはON/OFFを1度だけ切り替えられるだけではなく、定期的にON/OFFを行うことができたり、ONの入力を受けて出力をONにしたり、もしくはOFFにするなど入力/出力の値を変えたりすることも可能です。
アナログタイマの使用用途
アナログタイマは一定の時間経過後に装置を動かしたり、装置を止めたりすることができます。アナログタイマはいくつかの動作モードによって分類が異なり、出力を切り替えたいタイミングに応じて選ぶ必要があります。
1. 歩行者用の押しボタン信号機
ボタンを押したあとに、信号機が赤から青に切り替わります。
2. 自動ドア
人がドアに近づくとセンサーが反応してドアが開き、人がドアから離れた一定時間後にドアが閉まります。
3. 鳩時計
決められた時刻になるとギミックが稼働して内部の鳩が展開、収納を繰り返します。
4. コイン式乾燥機
お金を投入すると、決められている時間だけ乾燥機が稼働します。
アナログタイマの原理
アナログタイマは時計部、電源部、入力部、出力部の4つのパーツで構成されています。電源スタート方式の場合は、電源部へ電圧が印加された後にアナログタイマが作動します。
外部からの入力信号を入力部で受けて時計部で時間を計測、設定時間になると出力部から外部へ出力信号を出す仕組みです。この設定時間はユーザーが任意に設定することができます。また、設定時間に到達したことをタイムアップと呼びます。
アナログタイマの動作モードには、いくつかの種類があります。
- オンディレイ動作
入力ON後に時間差で出力ONになる - オフディレイ動作
入力OFF後に時間差で出力OFFになる - フリッカ動作
入力ON後に時間差で出力ON/OFFが定期的に切り替わる - インターバル動作
入力ON後に時間差で出力OFFになる - スターデルタ動作
電動機向け
ON/OFFの切り替えは、接点の切り替えによって行われます。なお、5番目の「スターデルタ動作」は名前だけでは動作のイメージがつきにくいため簡単に紹介します。このスター、デルタとは電動機の巻線の回路形状から名付けられており、スター、デルタの接点がON、OFFになることでタイマを制御しています。
アナログタイマの選び方
1. 表示精度
タイマにどこまでの単位を表示させるかで、用途に応じて決める必要があります。例えば、調理時間の計測であればコンマ数秒単位での計測は不要で、秒単位で十分です。一方で、工業用途や実験に使用されるものであれば、コンマ数秒単位で計測できるタイマである必要があります。
2. 計測範囲
タイマの計測可能な範囲の確認が必要です。長時間の計測が必要な場合は、長時間対応のタイマを選ぶ必要があります。タイマによっては、例えば24時間経過後は1日とカウントされる場合もあれば、25時、26時…とカウントされる場合もあります。
3. 操作性
ボタンの配置やデジタル表示など、使いやすさが重要です。特に、ボタンの配置はON/OFFのタイミングのズレに繋がるため、タイマを選ぶ際には何回か試してみる必要があります。表示されている数字は、読みやすく分かりやすいフォントであるかも確認します。
4. 耐久性
長期間使用する場合は、耐久性のある製品を選ぶことが大切です。特に工業用途や屋外での使用には、頑丈で耐久性のあるタイマが必要です。寒さや暑さによって機能が低下する場合もあるため、「どこで使うのか」「その場所ではどんな影響があるのか」を事前に確認しておきます。
5. 価格
予算に合ったタイマを選びます。必要な機能を持ちつつも、無駄な機能を排除したコストパフォーマンスの良い製品の選択が重要です。同じ機能でも、耐久性や素材など細かい違いがあるため、複数のタイマを比較する際には注意が必要です。
6. レビュー・評価
購入前に、他のユーザーのレビューや評価を確認すると良いです。実際に使用した人たちの意見や評価を参考にすることで、自分に合ったタイマを見つけやすくなります。自分と同じ用途で購入したユーザーの意見を確認するのがおすすめです。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/timer_timeswitch_tg_j_7_4.pdf