インジケータとは
インジケータは指示器とも呼ばれ、計数を表示するための計器および機械要素部品のことを指します。英語の「Indicate」を名詞化した「Indicator」が語源です。
インジケータの使用用途
インジケータは産業用から一般消費者用まで、様々な製品に使用されます。一般消費者用としては、自動車の速度メーターやガソリンメーターもインジケータの一種です。気温や湿度計もインジケータであり、日常生活の様々な場面で目にします。
産業用としては、ボイラ圧力計や水位計などが挙げられます。加工工場などでは、板金などの部品の厚みなど測定をするためにインジケータを使用します。厚み測定などにはダイヤルゲージが一般的に使用されます。
インジケータの原理
インジケータの原理は構造や測定対象よって様々です。下記では、代表的なインジケータの仕組みを4つ解説します。
1. 機械式速度メータ
機械式速度メータは古い自動車などに使用されます。回転シャフトに取り付けた磁石などの回転を感知してメータを指示します。現在の自動車では、回転センサーの出力信号を電子部品で読み取り、演算して指示する仕組みが一般的です。
2. ブルドン管式圧力計
主に圧力を測定するために用います。圧力計の代表例とも言えます。ブルドン管と呼ばれる楕円形の金属筒を針と連動させた圧力計です。金属筒内圧が高まると金属筒が楕円から直線になる力が掛かり、針を動かします。原理としてはピロピロ笛と同じです。
3. 隔測式温度計
産業用途として用いられる温度計の代表例です。金属チューブ内部に有機材料や水銀、油などが封入されており、温度が上昇するとそれらが膨張して内圧が高まります。その圧力上昇によって指示針を動かします。
4. 容積式流量計
容積式流量計は油などの流量を測定するために用います。流量測定の代表例です。流体の通り道にギアが組んであり、流体が流れるとギアが回転します。ギアの回転が指示針と連動しており、流量として指示します。
インジケータのその他情報
インジケータとしてのダイヤルゲージ
ダイヤル目盛により数値を表示するダイヤルゲージもインジケータの一種です。ダイヤル目盛は長針が一回転する量を規定量とし、目盛は一回転を100分割したものが刻まれています。長針は10回程度回転するものが一般的です。
針が何回転したかを指示する短針があり、長針が指示するダイヤル目盛を基本に長針の回転量を短針で指示したものを組み合わせて指示量としています。物体の厚みや距離を測定するために使用することが多いです。ラック&ピニオンにより押し込みの直動運動を回転運動に変換し、ギアの組合せで変位量を増幅して微小な変位が測定できるようにしています。
ダイヤルゲージでは、測定子を押し込むと針が時計回りに回転します。押し込み方向を行き方向、逆を戻り方向と定義しています。アナログ式のダイヤルゲージは、変位量を増幅するためにギアを使用しています。ギアには通常遊びがあるため、バックラッシと呼ばれる誤差が発生します。
そのため、アナログ式ダイヤルゲージにはバックラッシの影響による誤差の許容値が設定されています。この許容値は、針の回転量に応じて変わります。ダイヤルゲージには、ブロックゲージなどの基準器を用いて基点を設定することもあります。
その後、対象物を測定し、表示された値を基準量に足し引きして測定値とします。上記のインジケータは仕組みが簡単なため、現在も信頼性を必要とされる装置に使用されています。操作性や汎用性を求められる場面では、現在はデジタル式も多く採用されます。デジタル式にはスケールやエンコーダを内蔵し、測定対象の変位を直接数値に変換するものもあります。
参考文献
https://axel.as-1.co.jp/contents/at/s_tools_dialgauge
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/dial-gauge.jsp