オゾン濃度計とは
オゾン濃度計 (英:Ozone concentration meter) とは、大気中や液体中に含まれるオゾンの濃度を知るための測定機器です。
気体や液体中のオゾンを利用目的に応じた適切な濃度に調整したり、またはオゾンの発生による事故や人体や環境への影響を防ぐために、適切なオゾンの濃度を管理したりする際に使用されています。
オゾン濃度計の測定方法には紫外線吸収法、半導体薄膜式、定電位電解法、検知管法などがあります。測定方法によって導入コストや、メンテナンスコストも様々です。それぞれの使用目的や作業範囲、作業環境、サイズ、付属品、消耗品などを考慮して選定する必要があります。
オゾン濃度計の使用用途
オゾン濃度計は、オゾン発生装置を導入したり、オゾンが発生しやすい環境でオゾン濃度を適切に管理したりするために用いられます。オゾンは汚水、浄水処理や医療業界、食品等の殺菌・脱臭、貯蔵など各業界で有用な化合物です。
ただし、高濃度になると人体や環境への悪影響を与えかねません。例えば日本産業衛生学会が定める作業環境基準としての許容濃度は、0.1ppm (0.2mg/m3) です。
また、オゾンは空気中の紫外線や放電があるところで発生します。 そのため、オゾン濃度計はオゾン発生装置の近くのみならず、オゾンが作業環境で発生しうる場所でも使用されています。
オゾン濃度計の原理
オゾン濃度計には複数の方式があり、原理も異なります。ただし、ほとんどの測定方法においては、オゾンの酸化反応を利用しています。
オゾンは非常に不安定であり、測定中にオゾン (03) から酸素 (02) へと変化してしてしまうので、どの測定方法においてもオゾン濃度は低下していく傾向があることに注意が必要です。
オゾン濃度計の種類
オゾン濃度計は、測定原理によって様々な種類があります。ここでは紫外線吸収法、半導体薄膜式、定電位分解法、検知管法について説明します。
1. 紫外線吸収法
紫外線吸収法は、オゾンが254nmの波長の紫外線を強く吸収する性質を利用した測定法です。254nmの紫外線はオゾン分子だけに吸収されるため、紫外線の吸収量からオゾン濃度を測定することができます。
また、紫外線吸収法なら、液相、気相いずれのオゾン濃度も測定することができます。注意点は他のガスが混在していると測定値に影響が出ることです。紫外線吸収法は連続測定に適しており、実験には非常に便利ですが、測定コストは高価な測定法になります。
2. 半導体薄膜式
半導体の薄膜の表面にオゾンが接触させ、オゾンの持つ酸化力によってオゾン分子が半導体と結合し半導体の分解率が変化することを利用したものです。分解前の半導体と分解率を用いることで、オゾン濃度を計測します。半導体薄膜式は、再現性と長期安定性に優れた測定方法です。
3. 定電位電解法
定電位電解法とは、一定の電位に保たれた電極上でオゾンガスを電気分解したときに生じる電流量から、濃度を測定する方法です。ガスの種類によって電気分解による電力量が変化するため、別のガスが混在している場合でも測定値は影響を受けにくくなっています。
定電位電解法は非常に感度が良く、低濃度領域でも定量的な計測が可能であり、比較的低価格で高精度のオゾン濃度測定が可能です。
4. 検知管法
検知管法とは、ガラス管の中に詰めた試料が変色した長さから濃度を測定するものです。ガラス管の中にインディゴ染料などの様々な試料を層状に詰め入れ、試料を固定・密閉します。
測定時にガラス管の両端を壊し、一端をサンプルするガス中に入れ、他端をガス検知器と言われる小型手動ポンプにつないで、一定量 (通常100cc) の気体を一定速度でガラス管を通じてポンプ内に引き込みます。オゾンを流し入れると試料が変色していくので、その変色した長さからオゾン濃度を測定することが可能です。本手法は比較的安価で検査が簡便、かつ比較的低濃度でも測定できます。
参考文献
https://www.applics.co.jp/ozonekeisokuki/ozonesokutei-kakaku.html
https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/info/6-1.php
http://www.rikenkeiki.co.jp/cms/riken/pdf/support/PC9-0314-180610S.pdf