導通チェッカー

導通チェッカーとは

導通チェッカー

導通チェッカーとは、電気回路において2つの電極の間に電気が流れているかどうかを確認するための計測器具です。

導通チェッカーによって、回路に問題があるか、配線が正しく接続されているかを素早く確認することができます。単純なペンタイプのものから高精度なデジタル表示機能を備えたものまで、さまざまな種類があります。

一般的に、電気工事などで専門家が使用することが多い機器です。しかし、ホームセンターなどでも比較的安価で購入できます。

導通チェッカーの使用用途

導通チェッカーは、電気回路の導通や断線を検出するために使用される検査器具で、以下のような用途に使われます。

1. 配線の接続確認

配線の接続が正しいかどうかを確認するために使用されます。導通チェッカーを利用することにより、配線が正常に接続されているか、断線や接触不良があるかどうかを素早く確認することができます。

2. 電子回路のテスト

電子回路の部品や回路が正しく接続されているかどうかをテストするために使用されます。導通チェッカーを使用して、部品や回路が正常に機能しているかどうか、例えば特定条件でリレー接点がON/OFF状態にあるのかなどを判断することができます。

3. 電気工事の確認

電気工事の際に、導通チェッカーを使用して電線の接続や配線の導通を確認することで、安全かつ信頼性の高い電気設備を確保することができます。

4. 電気機器のトラブルシューティング

電気機器の故障を特定するために、導通チェッカーを使用することができます。例えば、電気機器が動かない場合、導通チェッカーを使用して、電源や配線の問題を特定することができます。

導通チェッカーの原理

一般的に、導通チェッカーは2つのプローブ (尖った金属の棒状の部品) を使用して、電気回路の両端を接続します。内部に電源や発振器などの回路を持ち、その回路から発生した信号をプローブを通じて電気回路に送信します。

導通チェッカーは、送信された信号が回路の中を通過するか否かを検出するものです。信号の通過を検出すれば、表示装置にその結果を表示します。一般的な表示装置にはLEDランプやブザーなどが用いられ、信号を検出した場合に点灯や鳴動するようになっています。

電気回路が導通している際は電流が流れるため、導通チェッカーの信号が通過します。一方、電気回路が断線している場合には、電流が流れないため信号が通過しなくなります。このようにして、導通チェッカーは電気回路の導通や断線を検出することが可能です。

導通チェッカーの種類

導通チェッカーには、以下のような種類があります。

1. ペンタイプ導通チェッカー

筆記用具のような形状をしており、尖ったプローブ部分を電極に当てることで、回路の導通を確認します。操作が簡単で使いやすく、初心者向けとしてよく使われます。

2. マルチメーター型導通チェッカー

デジタル表示機能を備えた導通チェッカーで、オームメーターや電圧計、電流計などの測定機能も持ちます。精度が高く、より正確な測定が可能ですが、操作が複雑で初心者向けではありません。

3. LEDライト付き導通チェッカー

回路の導通を光で確認することができる導通チェッカーです。LEDライトが点灯することで、回路の導通を確認することができます。操作が簡単で、見やすく使いやすいものです。

4. タッチペン型導通チェッカー

プローブをタッチすることで、導通を確認するタッチペン型の導通チェッカーです。直感的に扱えるため、一般的なペン型導通チェッカーに比べて操作性が良いとされています。

参考文献
https://www.diylabo.jp/column/column-554.html
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/129.html
http://eleshop.blog.jp/archives/22203520.html
http://act-ele.c.ooco.jp/bzm/bzm1.htm

低抵抗測定器

低抵抗測定器とは

低抵抗測定器とは、1オームに満たないミリオームを単位とする微小な抵抗を測定できる装置です。

一般的な抵抗測定器は、測定器と抵抗間の接触抵抗や測定リード線の配線抵抗の影響を受けるため、1オームに満たない抵抗を高精度で測定できません。それに対して、低抵抗測定器は接触抵抗や配線抵抗の影響を少なくし、1オームに満たない抵抗でも高精度で測定可能です。

低抵抗測定器の使用用途

低抵抗測定器は、さまざまなサンプルに対して抵抗値を測定する際に使用されてます。具体的には、モータ、ソレノイド、チョークコイルなどの巻線抵抗やワイヤハーネス、コネクタ、スイッチ接点の接触抵抗、プリント基板上の配線抵抗を測定するためです。

また、電流ヒューズやシャント抵抗器の抵抗や導電性ゴムの直流抵抗を測定する際も、低抵抗測定器を使用するのが望ましいです。

低抵抗測定器の原理

一般的な抵抗測定器は、2端子法を用いて抵抗を測定しますが、低抵抗測定器が抵抗を測定する際に使用する測定方法は4端子法です。

1. 2端子法

2端子法は、電流源用のリード線と電圧計用のリード線を共通で使用します。、電流源の電流が、抵抗測定時に電圧計のリード線にも流れ、リード線の電圧降下および接触抵抗の電圧降下が発生し、抵抗測定時に測定誤差が出ます。

2. 4端子法

4端子法は、電流源と電圧計のリード線を独立して使用します。電圧測定のリード線には電流が流れず、リード線の電圧降下および接触抵抗の電圧降下が発生しないため、高精度で抵抗を測定できます。

低抵抗測定器のその他情報

1. 抵抗レンジの設定

抵抗値に合わせて、低抵抗測定器の抵抗レンジを設定します。抵抗レンジの設定方法は、マニュアルモードとオートモードがあり、任意に抵抗レンジを設定したい場合はマニュアルモードを使用し、抵抗レンジを自動で設定したい場合はオートモードを選択してください。

オートモードを選択した場合、自分自身で抵抗レンジの設定を変更する手間が省けるメリットがあります。しかし、モータ、ソレノイド、チョークコイルなどの巻線抵抗の場合、オートレンジでは測定値が安定しないことがあります。そのようなときには、マニュアルで抵抗レンジを設定したうえで、抵抗値を測定すると良いです。

2. 測定電流レンジの設定

測定電流をできるだけ大きくした方が抵抗両端の電圧が大きくなるので、測定精度が向上します。しかし、測定電流を大きくすると、抵抗の消費電流が増えて抵抗が発熱します。

抵抗が発熱すると、抵抗が切れたり、抵抗値が変化したり、抵抗が磁化する等の問題が発生しやすいです。これらの問題によって、抵抗値を正しく測定できない場合があります。反対に、測定電流を小さくすると、抵抗両端の電圧が小さくなるので、測定時に外来ノイズの影響を受けやすく、測定値が安定しにくくなります。

3. 測定スピードの設定

測定スピードをできるだけ遅くした方が、測定精度は向上し、外来ノイズの影響を少なくできます。測定スピードを速くすると、測定時間が短くなりますが、外来ノイズの影響を受けやすく、測定値が安定しにくくなります。

4. 外来ノイズの低減方法

抵抗測定時に外来ノイズの影響を受けると、測定値が安定せず、正しい測定ができません。リード線を充分にシールドしたり、リード線をツイストしたりすることで、外来ノイズからの影響を少なります。

参考文献
https://jeea.or.jp/course/contents/02101/
https://www.akaneohm.com/column/lowmeasure/
http://www.cveng.co.jp/CVE-30/cve30_1.html
http://www.cveng.co.jp/CVE-18/cve18_1.html
http://www.multimic.com/products/detail/577

ミックスドシグナルオシロスコープ

ミックスドシグナルオシロスコープとは

ミックスドシグナルオシロスコープ (英: Mixed Signal Oscilloscope) とは、アナライザの機能を持つデジタルオシロスコープのことです。

最近のデジタルオシロスコープでは、ロジック入力の機能を装備してアナログとデジタルの両方の信号を表示できる機種が増えていますが、それらをミックスドシグナルオシロスコープと呼び、通常のオシロスコープと区別しています。ミックスドシグナルオシロスコープでは、アナログ入力チャンネルからの信号波形と、デジタル入力チャンネルからのロジック波形を一つのディスプレイ上に表示し、両者を同一時間軸で比較することが可能です。

ミックスドシグナルオシロスコープの使用用途

ミックスドシグナルオシロスコープは、特にアナログ信号とデジタル信号が混在した回路の信号解析に使われます。従来は、アナログ信号の観測用にオシロスコープ、デジタル信号の観測にロジックアナライザを用意し、それらを組み合わせて測定していましたが、一台のミックスドシグナルオシロスコープを用いることで作業効率が大幅に向上するようになりました。

アナログとデジタルの信号を同時に観察し解析することができるため、例えばロジック回路からのデジタル信号が特定のステータスを示したタイミングでトリガーを掛けることにより、その前後のアナログ回路の信号波形を観測することが可能です。また、高速デジタル回路における特定のタイミングで発生するトラブル解析において、デジタル信号の波形をオシロスコープを用いて、立上り時間の遅れやオーバーシュート/アンダーシュートの有無などを観測する際にも非常に有効な測定器です。

ミックスドシグナルオシロスコープの原理

ミックスドシグナルオシロスコープは、デジタルオシロスコープにロジックアナライザの機能を組み込んだ測定器で、両者を統合して波形データの取得を可能にしたものです。どちらの機能も共通の時間軸を基にデータの取り込みを行うので、アナログ信号の波形とロジック回路のデジタル信号のタイミングは完全に一致しています。

アナログ入力は4~8チャンネル、分解能は8~12bit 、一方デジタル入力は16チャンネルもしくはそれ以上で、1bitの信号として扱うのが標準的なスペックです。メモリ長は機種ごとに異なりますが、大きいほど測定上有利になります。なお、一般にデジタル信号の方が長い時間データを取得できます。

ディスプレイ上には、時間軸を共通にしてアナログ信号波形とデジタル信号が表示されるので、双方の関係が一目瞭然となり、回路の動作解析に非常に有効です。なお、機種によってはWindows10等のオペレーティングシステムを採用しているものもあり、PCやタブレットなどの操作性を継承することから、より効率的に作業を進めることができます。

ミックスドシグナルオシロスコープのその他情報

ミックスドシグナルオシロスコープ特有の便利な機能

ミックスドシグナルオシロスコープ特有の便利な機能について、メモリデバイスの回路解析を例に説明します。コントローラからメモリへ出力されるコマンドはRAS、CAS、WEの信号の組み合わせで定義されていますが、その表示に信号名ではなくシンボルを使うと、”Hi”と”Lo”のロジック波形だけでなく”Read”や”Write”といったシンボルで表示することができるので、信号解析を進める上で大変便利です。

さらに、”Read”や”Write”のパターンをトリガ条件に設定すれば、そのときのデータやアドレスの信号波形をオシロスコープで観察できます。逆に、オシロスコープに入力された異常な波形をトリガ条件にすると、その現象がどのシーケンスで発生するのかを確認することも可能です。

もう一つの例として、通常のオシロスコープではチャネルが不足する場合の対処があります。余っているロジックチャネルは、波形を観察できませんが、トリガ入力やタイミングの確認用に設定することができます。従って、波形を観察する対象の信号だけにオシロスコープのチャンネルを割り当てられるので、オシロスコープのチャンネルを有効に活用することが可能です。

参考文献
https://tmi.yokogawa.com/jp/
https://teledynelecroy.com/japan/products/scopes/mso-xs/default.asp
https://jp.tek.com/oscilloscope-mixed-signal-oscilloscope
https://www.perytech.com/Language/jp/MSO.htm
https://jp.tek.com/oscilloscope

プリーツフィルタ

プリーツフィルタとはプリーツフィルタ

プリーツフィルタとは、フィルタをプリーツ状に成形することで体積あたりの表面積を増やし、ろ過性能を高めたものです。フィルタは構造によって特徴が異なり、目的や用途に応じた構造のものを選ぶ必要があります。

プリーツフィルタは低圧損に抑えたい場合や特定のサイズの粒子径以上の粒子を確実に捕捉したい場合に使用されます。プリーツフィルタのような表面ろ過型は総じて捕捉できる粒径が小さく除去率も高いことから精密ろ過に適していますが、流路に対して表面積を増やすと圧損が大きくなってしまいます。この弱点を補うため、プリーツ加工を施して体積当たりの表面積を増やしています。

プリーツフィルタの使用用途

プリーツフィルタは精密ろ過としての利用に向いていますし、簡易ろ過としても用いることができます。様々なろ過に使えるため幅広い業種、業界で使用されています。以下に例を紹介します。

  • 石油化学、塗料、インク等各種化合物、薬品のろ過
  • 純水製造における一次ろ過や冷却水・洗浄水等のろ過など水中の不純物除去
  • 機械の切削や研磨で用いられた水に含まれる金属片の除去
  • 各種給排水設備やプールや温浴施設などの水のろ過
  • 井戸水や地下水などの自然水のろ過

なお、精密ろ過では粒子径の大きなものを捕捉すると目詰まりしてしまうため規模は小さめのろ過設備に使われます。

プリーツフィルタの原理

プリーツフィルタとはフィルタをプリーツ状に成形することで体積あたりの表面積を増やし、ろ過性能を高めたものです。フィルタは構造によって特徴が異なり、目的や用途に応じた構造のものを選ぶ必要があります。

カートリッジフィルタは、厚みを出すことでろ過性能を高めるデブスフィルタータイプ(深層ろ過型)、サーフェスフィルタータイプ(表面ろ過型)、吸着・交換フィルタータイプの大きく3つの種類に分けられます。このうちプリーツフィルタは表面ろ過型に分類され、カートリッジフィルタの中では一番工業用として普及しています。

総じて捕捉できる粒径が小さく除去率も高いことから精密ろ過に適していますが、流路に対して表面積を増やすと圧損が大きくなるため、プリーツ加工を施して表面積を増やしています。
そのため、低圧損に抑えたい場合や特定のサイズの粒子径以上の粒子を確実に捕捉したい場合に向いています。

材質はポリプロピレン製のものが多く普及していますが、他にも用途に応じてさまざまな材質のものがあります。

  • 耐薬品性に優れたPEフィルタエーテルサルフォン)・PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)・PVDF(ポリフッ化ビニリデン)・ナイロングラスファイバ
  • 飲料用の珪藻土
  • 腐食性流体用のステンレス製金属フィルタ

繊維径の異なる素材を一緒にプリーツ加工することでろ過精度勾配を持たせた製品もあります。

参考文献
https://www.rokitechno.co.jp/product/product_filter/product_filter_p8.php
http://www.sepia.dti.ne.jp/bjycorporation/cartridgefilte.htm
http://www.daidomachines.com/filter/pleatedfilter.html

シャーレンチ

シャーレンチとはシャーレンチ

シャーレンチ

画像出典元: Amazon

シャーレンチとは、シャーボルトと呼ばれるねじを締結するための専用の電動工具です。

シャーボルトの「シャー」はせん断を意味する英語の「Shear」で、締結する際にシャーボルトのチップと呼ばれる部分がねじ切れることに由来します。シャーボルトをより専門的に言うと、「トルシア形高力ボルト」です。

ビルや橋梁など、鉄骨構造の建築物では通常シャーボルトが使用され、締結作業にはシャーレンチが用いられています。シャーレンチはシャーボルトを締結するために、独自の構造になっています。そのために、他のボルトの締結作業に使うことはできません。

シャーレンチ同様、電動のねじ締結工具にはインパクトレンチがあります。インパクトレンチがねじを締める・緩めるのをスピーディーに行えることに対して、シャーレンチは音も静かでゆっくりした回転で締付けます。締付け反力も少ないので、作業者への負担も小さくて済むのが特徴です。

シャーレンチの使用用途

シャーレンチは、シャーボルトの締結作業に使われます。具体的には、鉄骨構造の建築です。ビル建設や橋梁などの鉄骨構造の建築物において、丸いヘッドのボルトが使われているのを見かけますが、それらがシャーボルトです。

シャーレンチの原理

シャーレンチは電動のねじ締結器具ですが、特徴的なのはソケット部分の構造です。シャーレンチの原理を理解するために、まず先にシャーボルトの原理を理解する必要があります。シャーボルトは、シャーレンチによる締結作業によって締結トルクがあるレベルに達すると、ボルトの先端にあるチップと呼ばれる部分がねじ切れます。

チップがねじ切れることによって、以下のメリットがあります。

  • 締結作業が行われたことを確認できる
  • 締付トルクのばらつきを抑えられる
  • 締め付けたら故意に緩められない

チップがねじ切れるトルクは、ボルトの材質 (破断する強度) とノッチ部分の太さによって決まります。結果的にシャーボルトによる締結では、締付けトルクのばらつきを抑えられます。

また、シャーボルトのヘッドは六角形状ではなく丸形です。締め付け工具と嵌合するのはチップ部分であり、一度締結トルクに達すれば、チップは破断してなくなってしまいます。よって一度締め付けたシャーボルトを故意に緩めることはできません。

このようなシャーボルトを締結するために、シャーレンチは通常のソケットの内側に、チップと嵌合する軸があります。内側の軸でチップを掴んでシャーボルトを固定し、外側の回転軸でシャーボルトと嵌合するナットを回転させる構造になっています。

シャーレンチの種類

シャーレンチには大きく6つのタイプがあります。それぞれに適した作業が行えるようになっています。

1. スタンダード型

最も一般的な形状です。作業時にスペースの制約がなければ、スタンダード型が使われます。

2. コーナー型

締結時にスペースが狭く、スタンダード型が使えない場合には、コーナー型のシャーレンチが必要です。

3. 極短型

コーナー型も使えない、より狭い場所で使われます。

4. グリップ回転型

回転軸になる部分に対してグリップ部分を回転させることができます。「カチアゲ作業」と呼ばれる通常の締結作業とは反対方向からねじを締結する作業では、グリップ回転型を使うと作業がしやすくなります。

5. 外付け型

一般的な電動ドライバーに取り付けられる工具です。取り付ける電動ドライバーは、シャーボルトのチップがねじ切れるトルクが発生できるものが必要です。

6. コードレス型

バッテリーの充電によって使うシャーレンチです。電源が確保できない現場で使われます。充電式であれば、電源の電圧降下を気にしなくて済むのもメリットです。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/shearwrench-guide/
https://electrictoolboy.com/media/14339/
https://www.uedakanamono.co.jp/
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/422/

サーボアクチュエータ

サーボアクチュエータとは

アクチュエータとは、動力源から得たエネルギーを、直進移動や回転・曲げなど、何らかの機械的な動作に変換する装置のことをいいます。例えば、一般的な動力源であるモーターも、アクチュエータの一種です。

このうち物体の位置、方位、姿勢、速度、力などを制御して目標値の変化に従うように自動制御するサーボシステムにおいて使用されるアクチュエータの総称をサーボアクチュエータといいます。サーボアクチュエータは、機械システムの動きを誘導、制御するために使用されます。

サーボアクチュエータの使用用途

モーターは電気を動力源とするアクチュエータの代表例です。小型化が容易なことから様々な製品で使用されます。サーボアクチュエータの駆動源であるサーボモーターは産業用ロボット、精密機械をコントロールするために用いられます。

サ―ボアクチュエータはヒューマノイド型ロボットの関節などにも用いられています。また、食品、包装機械を制御する装置、搬送装置の駆動機構から、電車などの自動ドア、ラジコンなどのホビー用品、塗布・蒸着装置、液晶・半導体の洗浄装置など、その用途は多岐にわたっています。

サーボアクチュエータの原理

動力源と機構部品を組み合わせて、エネルギーを、直進する移動や回転、曲げなどの、何らかの動作に変換する装置をアクチュエータといいます。様々な機械装置の動力源として用いられているモーターも、アクチュエータの一つです。

アクチュエータには、電気、空気や油による圧力、電磁石による磁力、蒸気、熱など、さまざまなエネルギーが入力され、動作を行います。

電気によって作動するアクチュエータのうち、物体の位置や方位、姿勢、力、速度などを制御し、目標値の変化に伴って作動するような自動制御を行うサーボシステムで使用されるアクチュエータの総称を、サーボアクチュエータといいます。

サーボアクチュエータを用いると、動作の際に加える力や速度、角度など任意の制御を行い、作動することが可能となります。

メカトロニクスの分野において、サーボアクチュエータは重要な役割を果たしており、産業用ロボットや精密機械の制御などに、幅広い分野で使われています。

参考文献
https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/16:1004441

オゾン分解装置

オゾン分解装置とは

オゾン分解装置のイメージ

図1. オゾン分解装置のイメージ

オゾン分解装置 (英: Ozonolysis device) とは、オゾンを分解するための装置です。

オゾンは脱臭・殺菌等に非常に有効な物質ですが、強力な酸化物質であるため人体には有害です。オゾンが体内に入ると、鼻腔・喉・気管・肺など通過する全ての粘膜が酸化され、結果として、臭気・刺激・咳・頭痛・眠気・胸部圧迫感などの症状が現れます。

一定以上の濃度 (5~10ppm) での曝露 (吸引) が続くと、肺水腫となり生命の危険を招きます。日本産業衛生学会では作業環境基準としての許容濃度を0.1ppm (0.2 mg/m3) と定めており、オゾン分解装置はこのようなオゾンによる健康被害を防ぐために用いられる装置です。

オゾン分解装置の使用用途

オゾン分解装置は、主にオゾンが発生したり高濃度になりやすい場所で使用されます。使用目的は、高濃度のオゾンばく露による人体や環境への悪影響を防ぐことです。オゾン分解装置はオゾン発生装置と組み合わせて使用することで、オゾンが過剰に生じるのを防ぐことが可能です。

一方、オゾン発生装置を使用しなくても空気中の紫外線や放電があるところでもオゾンは発生します。そのため、オゾン分解装置は、紫外線照射装置やプラズマ表面改質装置、工業用の高出力電子加速器などオゾンが生じうる様々な製造現場や研究分野でも使用されています。

オゾン分解装置の原理

オゾン分解方法には、活性炭分解法や触媒法、湿式法、熱分解法などがあります。特に、活性炭分解法と触媒法の2種類が主流です。一般的に低濃度の場合は活性炭を使用し、高濃度の場合は触媒を使用することが多いです。

1. 活性炭分解法

活性炭分解法とはオゾンを活性炭と反応させて分解する方法です。この方法では2つの化学反応が使用されています。

  1. オゾンが活性炭を酸化して、二酸化炭素と少量の一酸化炭素を発生する発熱反応 (遅い反応であるため全てのオゾンがこの反応で分解されるわけではない)
  2. 活性炭の表面に蓄積したオゾンが活性化エネルギー以上のエネルギーを上記1の発熱反応より得て、発熱と共にオゾンが酸素分子に還元される反応が起こる

この方法は発熱を伴う反応であるため、表面に有機物などがある状態でオゾンが活性炭表面に蓄積すると燃焼や爆発を起こす可能性があります。この手法は気相、液相いずれでも使用可能ですが、気相では高濃度のオゾンガスは不向きです。

2. 触媒法 ( 接触分解法)

オゾン分解装置に用いられる触媒のイメージ

図2. オゾン分解装置に用いられる触媒のイメージ

触媒法とは、触媒を用いることで接触分解により比較的低温条件においてオゾンを分解する方法です。触媒には二酸化マンガン、酸化第一鉄、酸化ニッケルなどが広く用いられており、蜂の巣構造のセラミックスハニカムに担持させる構造などがあります。

これは、オゾンが触媒に接触する回数が多いほど効率が良く、ハニカム構造は表面積が大きいためです。具体的な分解反応は、以下のようにに段階反応となります。

   M (触媒) + O3 → M – O + O2
   M – O + O3 → M + 2O2

無機系物質である酸化物触媒を利用することで爆発のリスクがなく、触媒自体は化学反応に直接寄与する訳でないので燃焼灰化などがないことがメリットです。なお、この方法では触媒活性の低下を起こさないように管理が必要です。また、液相では触媒が活性化されないため本手法を使うことはできません。

オゾン分解装置の種類

オゾン水分解装置のイメージ

図3. オゾン水分解装置のイメージ

オゾン分解装置の種類は、扱いやすい触媒法の製品が主流です。触媒法の装置は、基本的には触媒を担持したセラミックスハニカムなどの構造物にオゾンを通過させるだけのシンプルな構造であるため、比較的安価で小型のものから大型のものまで様々な製品があります。

温度に対する依存性が低く性能が変化しにくいため、室温20℃から50℃と幅広い温度で使用が可能です。製品によっては2種類のオゾン分解剤を組み合わせるなどの工夫がされているものもあります。

また、半導体または液晶製造プロセスなどで使用される純オゾン水の分解のため、水中に溶解しているオゾンを分解する装置もあります (オゾン水分解装置) 。オゾン水分解装置では、用いられる分解機構は紫外線ランプが主流です。

オゾン分解装置のその他情報

オゾン分解触媒の寿命

オゾン分解触媒は、有毒なオゾンを分解する重要な役割を担っています。また、人に近い場所でも使用されることから長寿命であることが必要です。オゾン分解触媒は様々な外的要因によって性能と寿命が低下します。

この外的要因は、取り去ることで性能が元に戻る「一次被毒」と、触媒と直接化学反応してしまい性能が元に戻らない「永久被毒」の2つに分かれます。

  • 一次被毒
    水蒸気やハロゲンガス、NOXなど、オゾン分解触媒に物理的に吸着し、オゾンの吸着や分解反応を阻害させるもの
  • 永久被毒
    金属蒸気や硝酸系、硫黄系の化学物質など、オゾン分解触媒と化学的に結合し変化させるものや、また付着し除去できない要因

このうち、基本的除去により性能が元に戻らないものは永久被毒に分類される物質です。ホコリなどの比較的サイズの大きな要因は完全除去できれば寿命の低下を防ぐことができますが、微細で複雑なハニカム構造では不可能なので寿命を低下させてしまうため、永久被毒に分類されます。

参考文献
https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/info/6-1.php
https://www.asumigiken.co.jp/ozone/
http://www.wako-system.co.jp/006.html
http://www.cnpnet.co.jp/cnpe/ozon/basis.html#aa
https://shinagawa-general.co.jp/product/ozonolysis/
https://www.nies.go.jp/kanko/news/20/20-3/20-3-05.html
http://yyy1496.web.fc2.com/2015112751.pdf
https://www.n-u.co.jp/jp/products/environment/ozone/
http://www.wako-system.com/manufacture/manufacture03.html
http://www.wako-system.co.jp/206.html

インデックスプランジャ

インデックスプランジャとは

インデックスプランジャ (英: Index plunger) とは、ワークの固定や位置決めを行うための機械部品のことです。

穴や溝にピンを挿入して、素早く固定・位置決めを行います。ノブを操作すると、容易に解除や着脱も可能です。

角度の割り出しやスライド機構の位置決めなどに使用します。多用途に利用できるため、装置・機器には欠かせない部品の一つです。

インデックスプランジャの使用用途

インデックスプランジャは部品着脱の位置決め・割り出し・スライド調整などに使用可能です。インデックスプランジャがよく利用されている分野は、工作機械・包装機械・食品機械など多岐に渡ります。

具体例として、ワークの位置決めを行うステージで利用可能です。プランジャのピンを回転ステージや直線ステージにある割り出し板の溝にはめて位置決めを行います。

インデックスプランジャの原理

インデックスプランジャーは手動で先端のピンを出し入れ可能です。ピンのある先端の逆側にピンの沈み込み長さを操作するノブがあり、ノブを引くとピンが沈んで、ノブを押すとピンが出ます。

ほとんどのインデックスプランジャーは、スプリングが内蔵されています。位置決め用の穴にピンを当て、バネの作用によって穴にピンをはめてノブを引くと、簡単に位置決めを解除可能です。手動で位置決めや割り出し解除を行う装置や器具に使用されます。

ピンを沈み込んだ状態で固定される、ロック付きのインデックスプランジャーもあります。90度ノブを回すとピンの沈み込みがロックされて、逆へ90度ノブを回すとピンのロックが解除可能です。穴にピンをはめた後に固定する場合やワークの突き出しの長さを微調整する際に適しています。

インデックスプランジャの種類

インデックスプランジャには、ノブを引っ張る型式以外にも様々な型式があります。

1. リング型

リングを倒すことで操作し、上部のスペースを確保できます。

2. T字ノブ型

操作性に優れ、握りやすいです。

3. Tノブなし型

操作部をレバーやノブなど任意で付け替えられ、エアシリンダと併用して自動化できます。

4. 特殊ノブ型

ノブを回して操作できます。

5. コンパクト型

狭いスペースで使用可能です。

6. 薄板型

薄いプレートに用いられます。

7. フランジ型

装置・機器の壁面に使用できます。

8. ボタン型

ボタンによって、ピンの出し入れを操作可能です。

9. レバー型

レバーを回すことで、ピンの出し入れを操作できます。

10. ピン着脱型

ピンの着脱が可能で、ピンの付け替え・追加工が容易に行えます。

11. プッシュ型

ノブを押すとピンが出た状態になり、解除状態ではピンを内部に収納可能です。

インデックスプランジャの選び方

主にインデックスプランジャのピン先端の形状には、球面とテーパ面があります。位置決めの部品に合わせて、形状を選定する必要があります。球面の場合には位置決め用部品にV溝加工を施し、テーパ面の場合には穴を部品に開けて対応可能です。

インデックスプランジャにはリターンタイプやレストポジションタイプがあります。リターンタイプはノブを引くとピンが引っ込んで、ノブを離すとピンが飛び出る構造です。レストポジションタイプはノブを引いた状態で、ピンの場所を保持可能な構造です。ノブを回転させると、ピンが引っ込んだ状態を保持できます。

また穴にピンをはめて位置決めする際に、操作を容易にするためにピンの先端の形状が複数あります。さらにピンの移動方向と直角方向の荷重を支えて使う際には、ピンのせん断荷重が直角方向の支持する荷重以下か確認が必要です。

インデックスプランジャの構造

インデックスプランジャはノブの押し引きで、ピンがその方向に移動動作を行います。すなわちノブを引くとピンが引っ込んで、ノブを押すとピンが飛び出す動作ができる構造です。ピンの押し出し機能を持つばねが付いているインデックスプランジャも多いです。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0078.html
https://www.imao.co.jp/introduce/index-plunger.html
https://www.nbk1560.com/resources/machine_element/article/indexplunger-about/?SelectedLanguage=ja-JP

インサイドノギス

インサイドノギスとは

インサイドノギスとは、穴の内径の大きさを測定するための専用ノギスのことです。

ノギスはジョウと呼ばれる2つの測定子で対象物を挟むことによって、2点間の距離を測ります。ノギスは広く用いられている測定具ですが、測定したい2点間を挟むだけ測定できるのが特徴です。また、バーニア目盛りによってアナログタイプは0.05mm、デジタルタイプなら0.01mm単位で読み取ることが可能です。

インサイドノギスは穴の内径を測るためのノギスですが、穴の内径は一般的なノギスにも、内側用ジョウを用いることによって測定できます。内径を測定するためにジョウが長いため、穴や管の奥までジョウを挿し入れられる点が特徴です。さらに、メーカーによっては段付きの内径や細溝が測定できるグルーブ形や、ポイント型の製品ラインナップもあります。

インサイドノギスの使用用途

インサイドノギスは穴、パイプなどの内径測定に使用します。インサイドノギスに限らず、ノギスは比較的簡単に測定できるので、工業製品の生産現場、品質保証のための測定室、研究開発の分野でも、広く用いられている測定具です。

インサイドノギスは深さのある穴でも測定できる長いジョウが特徴です。なおインサイドノギスは内径測定専用のノギスのため、外形寸法を測ることはできません。

インサイドノギスの原理

インサイドノギスの原理は、ノギスの内径測定と同様です。目盛の読み取り方も通常のノギスと変わらず、アナログ式はバーニア目盛りを用いています。バーニア目盛りとは、測定値を2段階で読み取る測定方法です。

バーニア目盛りによる測定ではまず、本尺とバーニアメモリの0より左側 (小さい側) に最も近い目盛りから、1mm単位の「粗読み」をします。次に、本尺とバーニア目盛りが最も重なる位置のバーニア目盛りを読み取ります。

例えば、本尺のある目盛りと、バーニア目盛りの3が最も合致していれば、小数点第1位は0.3です。6と7の間にある線が最も合致していれば、0.65です。このように粗読みした1mm単位の数字と、バーニア目盛りで読み取った値とを組み合わせることによって、0.05mm単位で測定することができます。

デジタル式のインサイドノギスなら、本尺に取り付けたスケールの数値をエンコーダにより直接表示します。通常0.01nn単位で表示されます。

インサイドノギスのその他情報

ノギスに生じる誤差

インサイドノギスは一般的なノギスと同様に、比較的簡単に測定できるのが特徴ですが、一方で、測定誤差も生まれやすい測定具です。ノギスによってどのような測定誤差が生じるのか、正しく理解しておくことが大切です。

1.ゼロ点誤差
インサイドノギスの測定開始の基点は、ゼロではありません。それぞれの製品によって、測定できる最小寸法が決まっています。測定開始の基点がゼロではないため、ブロックゲージを組み合わせた内側幅やリングゲージなどを使用して基点を作ることが必要です。

基点の数値を最小測定位置からオフセットを加えることで、数値を算出します。デジタル式のインサイドノギスにはオフセット機能を持っているものもあり、それらはエンコーダの基点を自由に調整できるため開始位置を任意に設定することができます。

2.ピッチング誤差とヨーイング誤差
インサイドノギスによる測定の際は、ジョウを円弧部分に当てて測定しますが、ノギスやジョウの傾きに気をつけなければなりません。傾きはピッチング誤差、ヨーイング誤差の原因になります。

ピッチングとは、前後方向に対して左右垂直に交わる軸の軸回り運動です。内径測定では異なる深さ位置で測定してしまうことをいいます。ヨーイングは進行方向に対して上下垂直方向に交わる軸の軸回り運動です。

内径測定では同一平面内において、直径ではない2点間を測定してしまうことを指します。ピッチング誤差は真の値よりも大きく、ヨーイング誤差は真の値よりも小さい値になる誤差です。

3. その他
ノギスはアッベの原理に従った測定器ではないため、測定圧が強すぎるとジョウがハの字型に開いてしまい、正しい値を読み取ることができなくなる点も注意が必要です。アッベの原理とは、正しい測定を行うためには測定対象と測定器の目盛りが、一直線上に配置されていることが必要だという原理です。ノギスは測定対象物と触れるジョウと目盛りの位置が一直線上にはなくオフセットしているので、アッべの原理を満たした測定具ではありません。

また、測定対象の壁面の曲率半径が小さいものを測る場合、ジョウの角が内壁に当たってしまいます。内径と2つのジョウとは4点で接触し、真の値よりも小さくなります。こういった現象が起きた場合、インサイドノギスでは問題の解消がでません。画像計測など、別の測定機器を用いることが大切です。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/quality_control/qc01/a0374.html

運搬ロボット

運搬ロボットとは

運搬ロボット

運搬ロボットとは、物体や貨物を自律的に移動させるために設計されたロボットです。

産業用ロボットの1つで、組立機械や加工機械の間に設けることで工程間切り替えを自動で行うことが可能です。運搬ロボットを使用することで、省人化に寄与します。重量物を搬送させることで、人の作業負荷を低下させることができます。また、単純作業を自動化して人が行う作業の付加価値を高めることが可能です。

そのほか、運搬ロボットの運用は品質向上にも寄与します。プログラムされた経路やタスクに基づいて作業を実行するため、高い作業効率を実現可能です。ロボットは常に一定の速度で作業を行い、ヒューマンエラーのリスクや作業の停止時間を最小限に抑えられる利点があります。

安全性向上という観点からも重宝されます。センサーやカメラを使用して周囲の環境を監視し、障害物を検知して回避することが可能です。これにより、作業現場での事故や衝突のリスクを減らし、安全性を向上させることができます。

運搬ロボットの使用用途

運搬ロボットはさまざまな場面で使用されている機器です。以下は運搬ロボットの使用用途一例です。

1. 物流業

各社の大型倉庫で使用されます。これは自律型ロボットである場合が多く、AGV (Automatic Guided Vehicle) と呼ばれます。毎日、大量の注文が入る物流会社などで使用されることが多いです。

工場内に注文が入ると、在庫状況が自動的に確認され、運搬ロボットへ集荷の指令が送られます。運搬ロボットはその指示を間違えることなく実施し、仕事を終えるとシステムへ在庫の更新を依頼します。このように、運搬ロボットを利用することで、正確な情報が常に管理できる状態を維持可能です。

倉庫内を走り回る運搬ロボットには、床一面に張り巡らされたラインの上を走行するライントレース型などがあります。また、マップをインプットされた型も存在します。導入コストや規模などに合わせて、適切なシステムを選択することが重要です。

2. 製造業

各社の製品製造工程で使用されます。重い素材を搬送するための自動搬送車両や、製品を検査や梱包のエリアに運ぶためのロボットアームなどが一例です。作業員の負担を軽減し、作業のスピードや正確性を向上させることができます。

廃棄物やリサイクル材の運搬や処理にも運搬ロボットが利用されます。これにより、省人化しつつも廃棄物の効率的な処理やリサイクルを行うことが可能です。

運搬ロボットの原理

多くの運搬ロボットは、自律的に動作する能力を有します。自律性を実現するために、センサー・レーダーやGPSなどの機器を使用して周囲の環境を感知することが多いです。これにより、障害物を回避するなど、作業を実行するための最適な方法を選択することが可能です。

また、あらかじめプログラムされた指示や制御命令に基づいて動作することが多いです。ロボットには、特定のタスクを実行するための動作パターンやアルゴリズムを与えられています。このプログラムによって、ロボットの動作や移動経路を制御する場合が一般的です。

また、ネットワークに接続され、情報の共有や制御を行う場合もあります。これにより、複数のロボットが協調して作業を行ったり、中央の制御システムと連携してタスクを実行したりすることが可能です。

運搬ロボットの種類

運搬ロボットにはいくつかの種類があります。以下は運搬ロボットの代表例です。

1. AGV

AGVは自動的に操作される小型の無人車両です。センサーや制御システムを使用して周囲の環境を検知し、目的地に自律的に移動します。さまざまな形態があり、荷物やパレットの運搬に使用されます。

AGVはオペレーターがいません。荷物など物品搬送を目的とし、道路運送法で定められた道路で使用しないとされています。

一方で、近年ではAIやデータ分析の技術も進歩しています。床面へ磁気テープを張り付けたりせずに走行ルートを自ら判断し、自律走行できる種類が増加しつつあります。

2. AMR

AMRは自律的に移動し、周囲の環境を認識するロボットです。AMRはセンサーやカメラを搭載しており、SLAM技術や人工知能を使用して自己位置推定と地図作成を行います。倉庫や工場内での物品のピッキングや運搬、棚卸し作業などに使用されます。

AMRは自律性と柔軟性が高く、複雑な環境や作業に最適です。定められたルート以外の最短ルートを移動する場合もあります。一方、AGVは予め定義された経路に従って移動するため、より単純な運搬作業に適しています。

3. ドローン