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ロックインアンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ロックインアンプのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しております。ロックインアンプ関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:丸文株式会社、2位:株式会社東陽テクニカ、3位:エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社となっています。
ロックインアンプとは、入力された信号から特定の周波数を持った成分の信号を取り出すことが可能な回路を有する装置です。
ロックインアンプは、基準となる参照信号と入力信号を装置内でミキサーにより掛け合わせることでノイズを除去し、ローパスフィルターにより、所望の特定周波数の信号を取り出します。時定数と呼ばれる装置固有の値が設定されており、時定数が大きいほど出力信号の揺らぎを小さくすることが可能です。
ロックインアンプは、特に分光測定などの光学分野でよく使用されています。顕微鏡と組み合わせて使用することもあります。ロックンアンプの具体的な使用用途は、天体観測のような宇宙物理学の測定、ナノメーターオーダーの薄膜の分光測定など、微弱な信号を検出する実験です。
厚みが数百ナノメーター以下の薄膜など、試料由来の信号が弱い測定ではロックインアンプのような信号の増幅、ノイズ除去を行う装置が必須となります。その他、蛍光顕微鏡やラマン分光顕微鏡や、原子間力顕微鏡などのプローブ顕微鏡で用いられることも多いです。
ロックインアンプの動作原理は、入力信号をプリアンプで増幅した後に、基準となる参照信号とミキサーで掛け合わせ、ローパスフィルターで余分なノイズ成分を取り除くことで、入力信号から所望の特定周波数の信号を検出する回路的な信号処理です。
ロックインアンプ内では、入力信号と参照信号を掛け合わされ、入力信号と参照信号の周波数の和、差で表された出力が生成されます。入力信号をVi=Acos(ωit+Φ)、参照信号をVr=Bcosωrtとすると、出力の周波数は{cos[(ωi-ωr)t+Φ]+cos[(ωi+ωr)t+Φ]}に比例します。
ただし、ロックインアンプではローパスフィルターを作用させるため、残る成分はωi-ωrが0に近い信号のみです。つまり、ロックインアンプを通すことによって、参照信号と周波数が近い入力信号のみを抽出し、ノイズのようなランダムな成分を除去することができます。
ロックインアンプの基準となる参照信号は、正弦波を用いることが多いです。回路の単純化、低コスト化のために参照信号として矩形波を用いることもありますが、その場合は、ノイズの除去性能は正弦波よりも劣ります。
ロックインアンプには、固有の時定数と呼ばれるものがあります。ここでの時定数とは、回路に取り付けられた抵抗の抵抗値とコンデンサの容量の積で表される値のことです。ロックインアンプの出力に含まれるノイズの大きさは時定数の逆数に比例するため、時定数が大きいほど出力信号のノイズは小さくなります。一般的な時定数の大きさは10ミリ秒から10秒程度ですが、デジタル処理を行う装置の時定数は1000秒程度です。
ロックインアンプは、入力信号のノイズレベルの指標であるSN比 (信号と雑音の比率:単位dB) の影響を受けます。前段にノイズレベルが悪いアンプを用いるとロックインアンプの測定精度が劣化するため、入力信号のノイズレベルに注意が必要です。
チョッパーとは、ブレードを一定周期で回転させる装置のことです。ロックインアンプとチョッパーを組み合わせた高感度測定は、分光測定において一般的な手法の一つと言えます。
連続光の光路上に置くことで、ブレードが光路上にあるときは光が遮られ、ブレードが光路上にないときに光が抜けるようになり、測定光を一定の周期を持つ信号に変換することが可能です。吸収係数が大きい結晶や、伝搬損失の大きい光導波路の測定では、測定光が試料に強く吸収されるため、検出できる光の強度が小さくなり相対的にノイズの影響が大きくなります。
このような測定では、ロックインアンプとチョッパーを併用する方が有効です。チョッパーや変調器でノイズが少なく周波数が高い信号に変調し、ロックインアンプを使用して効率よく復調することで、ノイズの少ない信号を元の周波数で得られます。
昨今のロックインアンプは、その周波数拡張に伴い急速にデジタル化が進んでいます。ロックインアンプの性能向上には、SN比に優れる参照信号と急峻なローパスフィルターが不可欠ですが、この要件を満足する構成がデジタルロックインアンプです。
PLL (Phase Locked Loop) を活用し、外部からの参照信号と周波数および位相が一致するデジタル正弦波を内部で新たに生成することで、歪や外来ノイズの抑制を行い、SN比に優れる参照信号が利用できます。また、多段構成のデジタルローパスフィルターを用いることで、急峻なフィルタ特性も実現可能です。このデジタルロックインアンプの登場により、現在600MHzまでの高周波数測定が実現できています。
参考文献
https://www.optoscience.com/maker/zi/principle-lock_in_amplifier/
http://www.g-munu.t.u-tokyo.ac.jp/mio/note/sig_mes/sig_mes.pdf
https://www.topic.ad.jp/sice/htdocs/papers/260/260-10.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/9/7/9_7_511/_pdf
http://www.nfcorp.co.jp/techinfo/keisoku/noise/pdf/se_c2_LIT.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 丸文株式会社 |
20.0%
|
2 | 株式会社東陽テクニカ |
10.0%
|
3 | エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社 |
10.0%
|
4 | AMETEK AMT Business Unit |
10.0%
|
5 | 株式会社アイ・アール・システム |
10.0%
|
6 | 株式会社東京インスツルメンツ |
10.0%
|
7 | 株式会社ルミネックス |
10.0%
|
8 | 株式会社オプトサイエンス |
10.0%
|
9 | 株式会社サイエンスラボラトリーズ |
10.0%
|
項目別
周波数レンジ Hz
0 - 100 100 - 100,000 100,000 - 200,000,000 200,000,000 - 1,600,000,000ダイナミックリザーブ dB
20 - 40 40 - 60 60 - 80 100 - 120 120 - 140入力インピーダンス kΩ
0 - 1 1 - 10 10 - 1,000 1,000 - 10,000 10,000 - 100,000 100,000 - 1,000,000時定数 μs
1 - 10 10 - 100 100 - 1,000 1,000 - 10,000 10,000 - 30,000,000 30,000,000 - 600,000,000タイプ
1位相 2位相 ネジ端子 ファストン端子 モジュラタイプゲイン確度 %
0.01 - 0.1 0.1 - 0.5 0.5 - 1 1 - 2電源 V
0 - 20 20 - 110 110 - 250株式会社セイワ
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Metoreeに登録されているロックインアンプ52製品の2025年3月19日時点での価格データを元に算出しています。